笠雲に覆われる富士山
最近は「差別」に関しての報道が何だか多いです。
ごくサイン起きた出来事の中で、かなり印象に残っているのが、MUFON (ムーフォン / 相互 UFO ネットワーク)が「内部崩壊しつつある」ことについてのものでした。
それは下のようなタイトルで報道されたもので、すなわち「 MUFON 上層部の人間の人種差別発言により炎上」というような出来事です。
5月19日のメディア報道より
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MUFON というのは、UFO の民間調査組織団体としては世界最大のもので、たとえば、ヒストリーチャンネルで報じられた内容の説明では下のような団体です。
UFO研究組織「MUFON」が暴くアメリカの宇宙兵器計画
ヒストリーチャンネル 2014/09/21
「the Mutual UFO Network(相互UFOネットワーク)」の頭文字からなるMUFONは、1969年に設立されたUFOの民間調査組織です。
世界42ヵ国に所在地を持ち、現地調査員は800人。過去50年にわたってUFOに関する資料を集め続け、7万にも及ぶファイルは「HANGAR1」と呼ばれる施設に保管されています。
こういうような組織で、UFO 関係の組織で MUFON 以上のものは地球に存在しないと思われます。
その MUFON 上層部のひとりのジョン・ベンター(John Ventre)という人がフェイスブックに書き込んだひとつの投稿が問題の始まりとなりました。
ジョン・ベンター氏の書き込み(現在は削除)
・Facebook
この書き込みは、その後削除されていますが、MUFON 関係者たちの多くがこの記事を見た後、スクリーンショットなどで共有しています。
このジョン・ベンターという人が書き込んだ内容は、ストリーミング配信(インターネットテレビみたいなものです)での番組の内容を批判したものですが、その内容は翻訳すると下のようなものでした。
ジョン・ベンター氏のFacebookへの書き込み
ネットフリックスが、白人の大虐殺を促進する新しいアンチ白人ショー(ディア・ホワイトピープル)を発表した。 私はネットフリックスを解約した。あなたがたも解約したほうがいい。
これは娯楽にならないことだ。黒人たちが最後に望んでいるのは、白人男性が組織化することだ。そしてそれは、アメリカ合衆国憲法修正第 14条を侵害する違法肯定的行動をとっている政府の絶対的な目標だ。
メディアでもまた多くのテレビ番組やコマーシャルは、絶えず異人種カップルを登場させ、白人男性を無能と描写する光景で私たちを襲い続ける。
真実として、この世界はすべてヨーロッパ人とアメリカ人によって作られたのだ。
英国人が現れるまで、黒人たちの世界にはカレンダーも車両もナンバリングシステムもなかった。人種による知能の差、人種による暴力犯罪の差の現実をメディアが描く下らないメッセージと比較してみるといい。
私たちはメディアから離れる時が来ている。
こういう内容です。
ま・・・これは炎上しても仕方ないものだとは思いますが、同時に、このことは、かなりの数の人々を MUFON から離脱させることになっているようです。長年の幹部たちが MUFON を退会している他、MUFON は、アメリカの KGRA ラジオという放送局で番組を持っていたそうですが、その番組も局から終了が告げられたそうです。
50年近く続いた世界最大の UFO 調査組織が部分的に崩壊した理由がこういうことだったということが、とても印象的でした。
しかし、このジョン・ベンターという人のフェイスブックへの書き込みは、くしくも、最近の記事、
・悪魔の最終勝利を阻止する存在は… : 満身創痍でボロボロなれど、数百年間の「ヨーロッパ・ハザード」から生き残った日本…
2017/05/19
などに書いたことを、さらに理解させてくれて、あるいは実感させてくれるものでもあることに気づきます。
上の記事の中では、白人とその文化が世界に広がっていった過去と現状のことについて書いたりしていましたけれど、MUFON のジョン・ベンターという人は、
> 真実として、この世界はすべてヨーロッパ人とアメリカ人によって作られたのだ。
と書いているのですね。
そうなんですよ。
たとえば、世界中に広がる新しい病気、戦争、テロ、憎悪、人種差別、偏見、貧困、拝金主義、西洋医学なども「すべてヨーロッパ人」によって作られたものかもしれないですが、もっと大きな括りとして、「この世界はすべてヨーロッパ人とアメリカ人によって作られた」という中の「この世界」、つまり、今の世界はどういうものかといいますと、先ほどリンクしました記事から抜粋しますと、
コロンブスのおこなった行為は、まさに、この「人間という存在が醜悪で野蛮で無価値なものと、人間に思わさせるため」には十分であり
の部分です。
これが今の世界を支配しつつある。
ヨーロッパ人たちが世界に伝えた文化と価値観は、
・人間より物質がエライ
・精神は物質に牛耳られている(物質がなくなれば精神は消える)
・人間は本来的に野蛮で無価値
を基本として、これらのコロンブスの末裔たちの価値観が、今の社会の多くを支配しているということは否めないです。
この「人間より物質がエライ」を端的に証明するのが、どこの国でも地域でも「いちばんエライのはお金(あるいは換金できる資産)」だということです。ちょっと前までは、そうではない国や地域もそれなりにありましたが、今はそういう国(お金がいちばんではない国)はほとんどなくなったのではないでしょうか。
そして、お金は物質です。それがデジタル数値に置き換わろうと物質です。
その物質、つまり「モノ」より人間のほうが大事だということに世界はなってないし、今後もしばらくはなりそうもないです。
そういう意味で「モノが世界で一番エライ」というヨーロッパ人たちが目指した社会は、おおむね実現していることになります。
それを考えますと、先ほどのジョン・ベンターという人の、「この世界はすべてヨーロッパ人とアメリカ人によって作られたのだ」というのは正しいのかもしれません。
お金にひれ伏して、みんなお金の下敷きになってヒーヒー言っている愚劣な人間像の完成を全世界を広めたという歴史をヨーロッパ人は作り出したと。
そういう意味で、このジョン・ベンターという人の書き込みからも、やはり、最近思っている「世界を浸食する悪魔」という概念が再び蘇るのです。
それにしても、冒頭にも書きましたけれど、最近は人種的なことに関しての報道が妙に多いです。
日本人絡みとして、下のようなものもありました。
「日本人が勝ったのは不快」佐藤琢磨のインディ500優勝を罵倒した記者、解雇される
HuffPost Japan 2017/05/30
世界三大レースの一つ「インディ500」で佐藤琢磨が日本人として初優勝したことに、アメリカのデンバー・ポスト紙の記者が「とても不快だ」とTwitterに投稿し、「人種差別だ」と批判が集まったことで、5月29日までに解雇された。
解雇されたのはスポーツ担当記者、テリー・フレイ氏。佐藤が優勝したのが、5月28日の戦没者追悼記念日だったことを受けて、フレイ氏は「特に個人的な関係はないが、メモリアルデーの週末に日本人選手がインディ500で勝ったことは、とても不快だ」と投稿した。
こういう報道を見て、いつも思うのですが、たとえば、この場合、この記者は、
> 批判が集まったことで、解雇された。
とありますが、こういうことが、誰の利益になって、誰が嬉しいものなのですかね。
何かを言う → それの存在消す……というのは、失言の時にはよく見られる循環ですが、こういう「くさいものを消す」ということをしている限り、進化というものはないのでは。
というのも、おそらく、これらの人だけではなく、多くのいわゆる失言は「本心」であるはずです。
この記者にしても、あるいは、先ほどの MUFON の人にしても、
「そう心の中で思っていたから言った、あるいは書いた」
という以外のなにものでもないわけで、それで、それを書いて抹殺されるのなら、「そう思っているのに言わない(書かない)ように、ウソをついて生きる」のが正しいというのですかね。
私はこのあたりがどうしてもわかりません。
さまざまな心情や意見などがこの世にあるからこそ、「それらはどうして存在するのか」ということを、感情的にではなく、話し合ったり、あるいは理解し合うことは難しくても、「その背景を理解する」らいのことは、できるかもしれないのに。
そして、いろいろな記事を読むと、先ほどの人のようなおかしな投稿以上に、きちんとしたメディアの、「正義を表明するきちんとした記事」のほうにむしろ寂しさを感じるのです。
「こんなことを考えないと、人間社会は保てないの? そんなに人類って愚劣なの?」と。
たとえば、殺人事件に関しての人種差別的な部分を糾弾した 5月29日のアメリカ CNN の記事(Some of us are complicit in racism / 私たちの一部は人種差別主義の共犯だ)という記事の中に、下のような部分がありました。
人種差別主義は神に対する犯罪だ。白人は黒人よりも優れていたり価値があるというような主張は、聖書の最初の章を否定するものでもある。
そこでは神が、黒人、白人、男性、女性のすべての人間を創った。したがって、神が創った生物を軽蔑したり攻撃することは、神聖への冒瀆であり、侮辱的なことなのだ。
これは宗教サイトではなく CNN の報道の一節です。
「神の云々」は、美しい響きですが、この美しい「神の創造物」の響きを冒瀆するものは、また同じように、
・謝罪の強制
・大きな非難
・存在の抹殺
というようなものを受け続けると思われます。
そうした場合、その人はどうなるかと考えますと、その次からは、
「もう言わないように(書かないように)しよう」
というようになるだけだと思います。
周囲にウソをついて生き続けるほうが得策だと知るわけです。
神は人間にそんな生き方を望んでいると?
心にウソをつきながら生きることを望んでいると?
そんなことはないと私は思うのです。
では、この世から差別が消えるためには何がどうなればいいのか。
それを真剣に考えるべきだと思いますし、その答えは(西欧人種以外には)それほど難しくはないはずです。
今の時代は、過去記事、
・「まっぷたつにわかれていく人類」 : 2017年は「社会的な地獄」と「精神的な変容」が同居する年になるかもしれないという希望的観測を
2017/02/21
という記事のタイトルにありますように、今、人類はふたつにわかれていっているのかもしれないですが、できれば「差別」も「非難」も「抹殺」ともあまり関係のない世界で生きたいとは思います。無理な可能性も高いですが。
そして、その方法は難しいことではないということも、実は多くの人は気づいているとは思うのです。
うまく書くのは難しい……というより、もしかすると言葉にならないものなのかもしれないですけれど……考える……。