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2017年からの世界 宇宙の中の地球 未来の地球

「2017年からの100年間に地球に《400回の天体の衝突》がある」とNASAが予測していたことを、最近の激しい地球近傍天体の活動から思い出す

投稿日:2017年3月31日 更新日:

2017年からの100年間は「天体衝突の時代になる」と英国の科学者たちは予測した

 

「悪い時代には、空からやってくる天災に対して、どんなに強力な指導者であっても対抗することはできなかった。」 — フレッド・ホイル『生命はどこからきたか』

 

2017年4月1日に地球に最接近するタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星


APRIL 1ST COMET FLYBY(青島 靖氏撮影)




 

月と地球の間を通過していく小惑星が多く、また、巨大な火球の爆発が多い2017年に

今年は「地球から見て月より内側」を通っていく小惑星が多い年のようで、1月1日から 3月31日までの間に 13個の小惑星が月と地球の間を通過しました。 4月2日にも、月と地球の間をひとつの小惑星が通過します。

これらについては、月と地球の間を通過する小惑星が発見されるたびに、地球の記録でご紹介していまして、地球近傍小惑星に関しての最も新しい記事は、

3月19日からの3日間で「複数の小惑星が連続して月より内側を通過」。すべて通過直前か通過した後に発見された模様
 地球の記録 2017/03/23

というものです。

その度に、それぞれの小惑星を図説したりしていたのですけれど、最近は該当する小惑星が増えすぎたせいで「ばかばかしいほど長細い図」となってきていまして、そろそろ図で説明するのも無理が来ていますが、今回を「とどめ」として、載せておきます。これは 4月2日までに、月と地球の間を通過した(する)小惑星です。

・NASA / JPL

距離なども含めたものを文字で示しておきますと、下のようになります。

2017年3月31日までに月と地球の間を通過していった小惑星

01月09日 小惑星 2017 AG13 地球から20万kmの地点を通過
01月20日 小惑星 2017 BX 地球から26万kmの地点を通過
01月30日 小惑星 2017 BH30 地球から3万kmの地点を通過
01月31日 小惑星 2017 BJ30 地球から34万kmの地点を通過
02月02日 小惑星 2017 DG16 地球から11万kmの地点を通過
02月23日 小惑星 2017 BS32 地球から15万kmの地点を通過
02月25日 小惑星 2017 DR34 地球から19万kmの地点を通過
03月02日 小惑星 2017 EA 地球から2万kmの地点を通過
03月17日 小惑星 2017 FD3  地球から1万7000kmの地点を通過
03月19日 小惑星 2017 FS  地球から11万kmの地点を通過
03月19日 小惑星 2017 FM1 地球から11万kmの地点を通過
03月21日 小惑星 2017 FN1  地球から7万kmの地点を通過
03月30日 小惑星 2017 FJ101 地球から30万kmの地点を通過
04月02日 小惑星 2017 FU102 地球から23万kmの地点を通過

それぞれ距離は地球の近くを通りましたが、小惑星そのものの大きさはどれも大変に小さく、数メートルから十数メートル程度のものですので、これらの場合は、仮に地球の大気圏に衝突しても、その大気圏で燃え尽きてしまい、地上にまで到達することはないと思われます。

しかし、こう書いていて、

> 地球の大気圏で燃え尽きて

というフレーズから、ふと思うのが、「今年の火球の報道の多さ」です。

これも、

世界中で多発する火球 : 3月中旬だけで5回の大きな爆発が報道される
 地球の記録 2017/03/24

という記事でご紹介したことがあります。なお、「火球が平年より多いのかどうか」はわかりません。あくまでも「火球の報道が多い」ということです。

そして、実際には、この「巨大な天体の爆発」は、昨年の春くらいから多くなっていまして、 中でも、5月と 10月の北欧のものは印象的な光景を見せてくれていました。

5月のフィンランドのものは「月の 10倍の明るさ」と報道で表現され、12月のノルウェーの爆発は「月の明るさの 50倍」と報じられました。

満月の10倍明るいと報じられたフィンランドの火球の爆発 2016年5月12日

満月より10倍明るい「巨大な火球」がフィンランド上空で爆発avaruus.fi

満月の50倍明るいと報じられたノルウェーの火球の爆発 2016年12月6日

ノルウェー上空で「満月の50倍明るい」火球の大爆発が目撃されるRonny Tertnes
この流れだと、次は、

「満月の 100倍の明るさの爆発」

というのが起こっても不思議ではないかもしれません(本気で)。

こういう「空の饗宴」が続いている中で、4月1日には、彗星が地球に最接近します。

それが、冒頭に載せました「タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星」という彗星で、この写真は、日本人天文家の青島靖さんによって撮影され、ウェザースペースなどで公開されたものです。

2017年3月22日に撮影されたタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星

spaceweathergallery.com

それにしても、このタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星というのも極めておぼえにくい名前ですが、「なぜ、彗星の名前はこんなにおぼえにくいことになっちゃうのか」ということに関しては、以前、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の時に記したことがありましたが、

「彗星には最初に発見した人の名前(名字)がつく」

というところからこのような大混乱となっているようです。

それでも、発見者が1人なら、たとえば、かつて何度か記事に出てきたラヴジョイ彗星という彗星はテリー・ラヴジョイさんという方によって発見されたので、この素敵な名称となり、とてもめでたい話だったわけです。

しかし、「彗星の発見者がふたりの場合」は、たとえば、欧州宇宙機関の衛星ロゼッタが探査したチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は、クリム・チュリュモフさんと、スヴェトラナ・ゲラシメンコさんというお二人によって発見されたので、こういう名称となってしまいました。

そして、今回ご紹介しているタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星は・・・何と「3人によって、発見された」のでした。それは、ホレース・タットルさんという方と…(もうええわ)。

さて、今回は地球に近づく天体のことについて書いていますけれど、それで、ふと、

「そういえば、2017年からの 100年くらいの間は天体(彗星と小惑星)の衝突の時代になるかもしれないと NASA の科学者などが何年か前に言っていたなあ」

と思い出したのです。

これに関しては、そういう記事がかつてあったということについて、今年1月の

天体衝突の時代 2017 : 地球に接近する小惑星を核兵器で迎撃するという狂気の発想の源は「人類の奢り」なのかもしれないと諦めて眺める今の時代
 2017/01/25

という記事にタイトルでふれたこともありました。

今見てみますと、2014年9月の英国エクスプレスの記事でした。

2014年7月の英国エクスプレスの報道より

express.co.uk

今回は、この記事を全文ご紹介したいと思います。

2014年には「 2017年なんてまだ先のことだし」と思っていたものですが、今はその年になっていまして、そして「現実として、天体の接近が以前より身近になっていることを感じる」ためでもあります。

ちなみに、この「天体の衝突の時代」については、ずいぶん以前からの In Deep のテーマのひとつでもあります。

最初に書きましたのは、2012年10月の、

良い時代と悪い時代(1): 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかも
 2012/10/06

という記事です。

なお、科学的なことはともかくとして、私自身は、この地球の歴史では、

「神や自然に対しての《人類の奢り》が頂点に達した頃から天体衝突の時代が始まる」

と考えるようになっていまして、その考えは今でも変わりません。

なお、ここでの「神」というのは宗教でいう神様ではなく「自然の摂理そのもの」のことです。この地球と宇宙がどのように緻密で完ぺきな摂理と原理で動いているかということへの驚異そのもののことです。

今の時代の人類が「自然とその摂理に対して奢っているかどうか」はコメントできませんが、それを判断するのは、私たちではなく、やはり「自然」だと思います。

最近の時代の自然災害の異常な増加を「偶然」と考えられる人はそれでいいのでしょうけれど、やはり今となっては、自然の摂理の《応答のメカニズム》は存在すると確信しています。つまり、今の自然のカオスな状況は「必然」だということです。

というわけで、英国エクスプレスの記事をご紹介いたします。

ここに書かれてあることが多少なりとも正しいのなら、これから 100年間くらいは、天体の接近に関して、緊迫した事象もいくつか起きるのかもしれません。


SHOCK ASTEROID WARNING: Planet earth faces 100 YEARS of killer strikes starting in 2017
Express 2014/09/05

小惑星に関しての衝撃的な警告 : 私たちの地球は2017年から「100年間」の天体の衝突の時代に直面する

以前は知られていなかった小惑星帯が深い宇宙空間に位置していることがわかり、これが私たちの太陽系の一部分に向かって進んでいる。 2020年になると、私たちの生活を一変させ、地球の気候を何千年もの間変えてしまう可能性のある影響をもたらす天体の衝突が地球規模で発生する懸念があるという。

この恐ろしい予測は、NASA が過去 60日間( 2014年9月の時点)に宇宙空間で観測された新しいデータに基づいており、そして、このデータは 2017年から 2113年の 100年ほどのあいだに、地球に約 400回の天体の衝突が予想されることが示されているのだ。

それらの天体の中には、最大直径が 100メートルほどあるものもあり、その規模のものが地球に衝突すれば大きな被害を引き起こす可能性がある。

しかし、科学者たちは、それ以前の話として、今からたった 6年後( 2020年)に地球を脅かす「モンスター小惑星」が、地球に向かっていることについて懸念し、警告する。

物理学者ブライアン・コックス(Brian Cox)博士は、2014 EC と名付けられたバスと同じサイズの小惑星が 2014年3月に、地球のから 1,637キロメートルに到達したことを報告した。

コックス博士は、地球の人類の文明に大きな脅威を与える可能性のあるこの小惑星が地球に衝突するのは時間の問題だと語る。

英国バッキンガム大学の天文学者ビル・ネイピア教授(Professor Bill Napier)は、彗星または小惑星のいずれかの破片の地球への衝突は、壊滅的な結果をもたらす可能性があると語った。

ネイピア教授は以下のように述べている。

「もし、このような衝突事象が起きた場合、衝突した場所によっては、その地域の人々の生活が完全に変わってしまうでしょう。大気の組成は、太陽光が遮断されることによって乱され、核の冬のような状態が何万年も続く可能性があります」

「それらの彗星の中には直径が 200キロから 300キロメートルあるものが多くあり、それらは純粋に怪物級の大きさであり、それらのひとつでも地球に衝突すれば、地球のすべてを消し去ってしまう可能性があるのです」

「また、そのような大きなリスクを持つものとは別に、より小さなリスクを持つ直径が1キロメートル以下の小惑星の多くが常に地球近くを通過しており、このような小惑星は、太陽系の空間中に数万個もあるのです。これらもまた、地球規模での災害を引き起こす可能性が高いものです」

「天体の衝突によるものと見られる 1908年にシベリアで起きたツングースカの大爆発は、幸いなことに人口の少ない地域で起きましたが、同じことが、ロンドンで起きていたとしたら、人も町並みも含めて、ロンドンのすべてが消し去られていたはずです。これは人口の多い都市ならどこでも同じです」

そして、専門家たちは、 2020年に、天体の衝突が、それらよりはるかに大きな打撃を与える可能性について警告している。

スペインのラサグラ天文観測所(LaSagra Observatory)の天文学者たちによって発見された小惑星 2012 DA14 は、現在、地球へ衝突する可能性は 1%未満だが、科学者たちは、それが地球に衝突する可能性を排除してはいない。

NASAのジェット推進研究所(JPL)の惑星天文学者ポール・チョーダス(Paul Chodas)氏は、「小惑星 2012 DA14 の軌道は、現在、非常に地球と似た軌跡を描いており、これは地球にとても近づくことを意味しています」と述べる。

天文学者のネイピア教授は、地球は2つのタイプの天体衝突の危険性があり、それは小惑星と彗星だ。小惑星は岩石の塊であり、また、大型の彗星は氷から形成されており、地球に衝突すると何十億個ものダイヤモンド状の物質に粉砕されるのだ。

ハレー彗星のようないくつかの有名な彗星でに衝突の危険性のあるものはない。しかし、たとえば、1862年 7月に発見されたスイフト・タットル彗星は、次は西暦 4479年に地球を通過する。この彗星は直径 27キロメートルあり、地球に非常に近いところを通っていく。コックス博士は、2014 ECは今年(2014年)、地球に衝突する可能性があるほどの距離にまで近づいたと言う。

ジェット推進研究所によれば、地球上には、過去の天体の衝突によって形成されたと考えられるリング状の構造が 100以上ある。

NASA エイムズ研究センターのデヴィッド・モリソン(David Morrison)博士が議長を務めるワーキンググループは、宇宙空間に 1キロメートル以上の大きさの小惑星は 2,000個以上存在すると推定している。

これらの天体が地球に衝突した場合、大惨事とはなっても、地球の文明が消し去られるようなことはないと NASA は述べる。しかし、モリソン博士は、直径5キロメートル以上の天体の衝突は、地球上に大量絶滅を引き起こすほどの壊滅的なダメージを与えると指摘している。

 

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  • この記事を書いた人

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