期間が長引くほど取り返しのつかないことになる可能性
長時間・長期間のマスクの身体・精神に及ぼす悪影響については、これまでずいぶんと書かせていただきました。特に「子どもの長期のマスクの着用」は、成長期の「脳と身体構造のメカニズム」から見れば、相当な悪影響を及ぼすものだとしか言えないものです。
それらの過去記事は後でリンクさせていただきますが、しかし、これまで、子どものマスクの着用の影響について、体系的な学術調査はおこなわれていませんでした。
先日、ドイツのヴィッテン・ヘァデッケ大学の科学者たちが、世界で初めてとなる
「子どもたちのマスクの着用生活が始まってからの心身の変化」
について、親からの報告による統計を発表しました。 0歳から 18歳までの 25,930人の子どもと若者たちのデータです。
他のヨーロッパの多くの国と同様、ドイツでもマスク着用が義務づけられていて、子どもであっても、それは同じです。
論文は以下のもので、査読前のものですが、数値自体に誤りはないはずです。
Corona children studies "Co-Ki": First results of a Germany-wide registry on mouth and nose covering (mask) in children
子どもたちの口と鼻を覆うマスクに関するドイツ全土で初となる記録の結果
概要の部分には以下のようにあります。
2020年12月18日に発表された論文より
2020年10月26日までに、合計 25,930人の子どもに関する親たちから入力されたデータの結果を報告する。子どもたちのマスクの平均着用時間は 1日あたり 270分だった。
マスクの着用による障害は 68%の親から報告された。これらには、過敏性(60%)、頭痛(53%)、集中力の低下(50%)、幸福感の低下(49%)、学校/幼稚園へ行きたがらない(44%)、倦怠感(42%)、学習障害(38%)、眠気または倦怠感(37%)が含まれる。 (researchsquare.com)
以下は論文にあった表の一部を日本語にしたものです。
痛々しいのは、「頭痛」です。
頭痛というのは本来、大人の症状であり、一般的には、小学生などの子どもが頭痛を感じることはほとんどないはずです。その頭痛を半数以上が感じている。
頭痛を感じた子どもたちのパーセントは年齢別に以下のようになっています。
・0 - 6歳 24%
・7 - 12歳 54.6%
・13 - 18歳 66.4%
このこと自体が、子どもたちが、「マスクによる恒常的な酸素欠乏状態に陥っている」ことを示しているように思いますが、
「成長期の子どもには特に酸素が必要」
なんです。
ほんの少しの量でもそれを奪うべきではないはずです。
以前、「もうコロナは終わることがない事態へと…」という 2020年10月の記事で、ドイツの神経科医であるマーガレッタ・グリーズ・ブリッソン医師の訴えを記したことがあります。ブリッソン医師は以下のように述べています。
ドイツの神経科医マーガレッタ・グリーズ・ブリッソン医師の言葉より抜粋
感染症対策として最も大切なことは、おいしい食べ物と良い水の摂取で、たくさんの運動、人との関わり、喜び、友人との愛、そして何よりもたくさんの新鮮な空気が必要です。それらを通じて、私たちは免疫システムを強化することができるのです。それなのに、ドイツ政府は、私たちにマスクを強要しています。
マスクによる私たちの呼気の再吸入は、間違いなく酸素欠乏と二酸化炭素の氾濫を引き起こします。人間の脳は酸素欠乏に非常に敏感であるため、たとえば海馬の神経細胞は、酸素がないと 3分を超えて生き残ることはできないのです。
急性の警告症状は、酸欠の頭痛、眠気、めまい、集中力の低下などがありますが、慢性的な酸素の剥奪の日常で、人々はそれに慣れていくために、それらのすべての症状が消えます。
しかし、脳神経の効率は損なわれたままになるのです。脳の酸素不足は進行し続けます。
そして、子どもにとって特にマスクは絶対に良くありません。子どもと青年は非常に活発な適応免疫システムを持っています。彼ら若い人は脳も非常に活発で、学ぶことがたくさんあります。若者たちの脳は、常に酸素を渇望しているのです。
子どもは、すべての器官が代謝的に活発であり、マスクは、子どもの脳から酸素を奪います。
現在のように、子どもたちの酸素を制限することだけでも絶対に犯罪的なのです。それによる脳の損傷は元に戻すことができません。
子どもの場合、恒常的な酸欠により、
「脳の機能が少しずつ損なわれていく」
ことが問題で、これが最も深刻です。
それでも、ドイツやイギリスをはじめとして、子どもに対してのマスク着用義務をやめることはほとんどの国で行われていません。
それどころか、報道を見ていると、たとえば感染者数が増加し続けているイギリスでは、「制限措置をさらに厳格化」するというように報じられてもいて、なかなか厳しい現実となっています。感染が拡大している現在、欧州の政府は今後何ヶ月も、場合によっては何年も、子どものマスク着用義務を停止することはないでしょう。革命でも起きない限り。
先ほどの論文を見てみますと、ドイツのブリッソン医師が、急性の警告症状として述べていたことそのままが、ドイツの子どもたちに起きていることがわかります。
子どもたちから報告された症状の具体的な割合は以下のように報告されています。全年齢層です。
ドイツのヴィッテン・ヘァデッケ大学の論文より
頭痛 53.3%
集中力の低下 49.5%
不快感 42.1%
学習障害 38.0%
眠気/倦怠感 36.5%
マスクの内側の締めつけ感 35.6%
息切れ感 29.7%
めまい 26.4%
ドライネック 22.7%
失神 20.7%
動きたくない、遊びたくない 17.9%
鼻のかゆみ 17.1%
吐き気 16.6%
脱力感 14.7%
腹痛 13.5%
過呼吸 12.2%
病気のような気持ちとなる 9.7%
胸の圧迫感 8.0%
目がちらつく 7.8%
頻脈 5.6%
意識の短期的な障害 2.2%
嘔吐 1.9%
日本の小学生に相当する 7歳から 12歳の子どもたちの半数以上が頭痛を訴え、3割近くがめまいを感じ、2割が失神を経験しています。
普通なら、小学生時代には、ほとんどの子どもたちはこのような経験をすることはないはずです。
「いったい何のためにここまで子どもをいじめる?」
とずっと思ってもいますが、先日の記事「グレートバリントン宣言が当局から完全に無視されても…」で取りあげました、グレートバリントン宣言の署名者のひとりである米スタンフォード大学医学部教授によるデータでは、新型コロナウイルスは、
「 70歳以下の生存率は 99.95%」
です。
もっといえば、夏以降の弱毒化したコロナウイルスでは、少なくとも 18歳以下の子どもたちの致死率は、ほぼ 0だと思われます。一応「ほぼ」とつけていますが、実質的に 0といっていいはずです。
その理由は、基本的には若い人たちは免疫力が高いためで、若い時には、人の胸部にある「胸腺」というリンパ器官から分化する「 T細胞」という免疫細胞の産生が活発であるためです。
ただし、この胸腺は「ストレスで萎縮」することが医学的にわかっていますので、つまり若い人でも、ストレスにさらされればさらされるほど、感染症にかかりやすくなってしまうことになります(過去記事をご参照下さい)。
さらにいえば、以下の記事の 1000万人を対象としておこなわれた無症候者の研究では、
「症状のない陽性者による感染事例はひとつもなかった」
ことが示されています。
「1000万人を対象」とした大規模な新型コロナウイルスの無症候性の感染研究で「症状のない陽性者による感染事例は《0%》」だったことが判明。症状のない人たちを隔離する無意味さがさらに明らかに
投稿日:2020年12月30日
大人はともかく(多くの人たちが自主的にしているわけですから)、子どもへのマスク着用強制は、文字通り「百害あって一利なし」の典型であるわけで、いい加減やめていかないと、恒常的な酸素欠乏による脳の成長阻害は不可逆性のものである可能性もあるわけで、文字通り「取り返しがつかなくなってしまう」かもしれないのです。
そもそも「気道感染症対策」としてのマスクには欠陥があります。マスクを着用した場合、特に小さな子どもたちの場合「口呼吸」となることが圧倒的だと思われますが、「鼻で呼吸すること自体」が気道感染症回避の人体の構造上の最初のポイントとなっています。
以下のような4段階の「病原体ブロック機能」が鼻にはあります。
鼻呼吸の重要性
・鼻毛による病原体のブロック
・鼻の奥の粘液による病原体のブロック
・喉の奥の毛細血管の高い温度と湿度による病原体のブロック
・副鼻腔で作られる一酸化窒素(NO)の殺菌作用による病原体のブロック
これらの作用が口呼吸では働きません。
ともかく、子どものマスク着用は「やめたほうがいい」のではなく、「明らかに害悪」です。低い年齢であるほど影響は強いはずです。こんなことは、やめる方向になってほしいと本当に思います。
締めとしまして、マスク着用の子どもへの弊害として書きました記事をリンクさせていただきます。
マスクの子どもたちへの影響
赤ちゃんが人の顔の表情を学ぶ機会を失ってしまう
[記事]マスク社会がもたらす「本当のディストピア化が何か」に気づいた。それは表情を学ぶ機会を失った赤ちゃんたちによる「人の感情を理解しない人々の社会」の誕生
口呼吸の恒常化による一酸化窒素の産生の阻害
[記事]マスク社会の悪影響のメカニズムが出揃った感。鼻呼吸の不足による「一酸化窒素の消えた人体」の将来。特に子どもたちの
骨が脆くなる(破骨細胞は低酸素状態により出現が刺激される)
[記事]なぜ子どもたちの骨折が急激に増えているのかを調べてわかった「マスク、太陽光不足、過剰な消毒がすべて骨の脆弱化と関係している」こと
恐怖心が強くなる(二酸化炭素の増加が恐怖行動やパニックを誘発する)
[記事]パニック障害の人はできるだけ「マスクを避けたほうが望ましい」医学的理由…
将来的な男性の不妊につながる(低酸素が生殖腺の発達を遅延し、精子形成を阻害する)
[記事]低酸素と二酸化炭素中毒社会が招くのは…男性の不妊の増加…アルツハイマーの増加…。どうにも悲観的な数年後の社会を想う
今後時間が長引けば長引くほど、これらの影響が顕著になってしまう可能性は否定できません。
最初のドイツの論文では、現在のドイツの子どもたちの平均マスク着用時間は、「 270分」とありましたので、場合によって、1日 5時間近くも着用しているようです。
毎日そのような時間の低酸素状態がこれだけ長く続けば、影響が出ないと考える方がおかしいと思われるのですが、一体どうして、子どもたちまでもが、こんな奇妙で不健全な状態に巻き込まれるのか理由を知りたいです。理由というか、このような悪意がどうして許され続けるのかを知りたいです。
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