米国CNBCの報道
・Global debt balloons to all-time high of $152 trillion, IMF warns
この「世界の債務残高」の CNBC の記事は、昨年 10月のものですが、この記事の冒頭には、
IMF によると、現在世界には 152兆ドルの負債があり、これは 21世紀初頭から二倍以上の上昇を見せている。
とありまして、よく知らなかったのですが、この 21世紀というのは、つくづくものすごい時代といえそうで、上の記事によれば、2002年から 2015年までの世界の債務は 200%上昇したそうです。
ところで、タイトルにも入れたこの世界の借金の日本円換算の「1京 7500兆円」という単位については、「京」などという単位が出てくることもあり、本当に合っているのかどうか不安になりますが、報道では、152 trillion ドルということになっていて、これは 152兆ドルということになり、現在のドル円は大体 115円くらいですので、やっぱり 1京7500兆円で……いいのですよね。
「京」という漢字などは、ふだんは京野菜とか京子ちゃんとか、雅やかなものにしか使わないですので、「借金が 1京円超え」という響きには違和感があります。
さて、どうして、この「世界の債務に関しての記事」などを思い出しましたかというと、最近、「アメリカの債務上限問題」というものに関しての話題をたまに目にするからでもあります。
2017年3月15日から何かが起きるのか
この「アメリカの債務上限問題」というのは変な話ではなく、2015年にオバマ前アメリカ大統領の政権下でおこなわれたもので、どういうものかといいますと、最近の記事ですと、朝日新聞にありました下のようなものです。
米国、債務上限復活しても「AAA」維持できる=ムーディーズ
朝日新聞デジタル 2017/03/13
格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは13日、米国で債務上限が16日に復活しても債務返済が継続される限り、最上級の「AAA」は維持できるとの見通しを示した。
米議会は過去数十年にわたり、政府債務の法定上限を定期的に引き上げてきたが、「2015年超党派予算法」により2017年3月15日の期限まで法定上限の適用は停止されている。期限を迎えるにあたり、議会は新たな債務上限の設定か、期限の延長を承認する必要がある。
ということで、本来はアメリカの法律では、債務の「借り入れ上限」というものが決められていて、それは 20兆ドル(約 2300兆円)となっているのですが、過去に何度も何度も「期間の延長」をしていて、今のところ、次のそれは 2017年3月15日で終わります。つまり明日です。
そして、その「 3月15日から何が起きるのか、あるいは何も起きないのか」ということが、いろいろと囁かれているのです。
まあ、今までも大変だ大変だと言われ続けてきていて、そして、たとえば 2015年も全然大丈夫でしたので、「また大丈夫だろう」という考えもある一方で、しかし、「大変なことになるはずだ」という意見もあり、それは明日以降になってみないとわかりません。
私自身としては、太陽黒点もずっとゼロの状態の中で、激しい政治の動揺や市場の暴落が起きるとも思いにいのですが、しかし、やはりわかりません。
最近では、元レーガン政権下でアメリカ行政管理予算局の局長を務めたこともあるというデイヴィッド・ストックマン(David Stockman)という人が、
「 3月15日以降、すべては徐々に停止する」
というようなことを言っていたのが、アメリカの金融系ブログ「ゼロヘッジ」などで紹介されていたりしました。
その記事の中から、そのストックマンさんの言葉を掲載した部分をのせておきますと、彼は以下のように言っていたそうです。
それにしても、ストックマン( stock + man = 株男)という冗談みたいな名字の人が市場の危機を語るというのも冗談みたいな話ですね。
Stockman: "After March 15 Everything Will Grind To A Halt"
Zero Hedge 2017/02/27ストックマン:「3月15日からすべては徐々に停止する」
「多くの人々が 2017年3月15日という日付を忘れている。これは、2015年10月に、オバマ元大統領とベイナー下院議員による債務上限延長の取り決めだ。それは連邦債務上限を引き上げ、アメリカの借り入れ上限を 2017年3月まで延長するというものだった」
「そして、それは 2017年3月15日に終わるのだ。そのとき、債務上限は 20兆ドル(約 2300兆円)で凍結されるだろう。これは法律で定められていることだ」
「今現在、アメリカ財務省は約 2,000億ドル( 23兆円)の資金を保有している。政府は、毎月 750億ドル( 8兆6000億円)の資金を取り崩しながら運営しているが、それは夏までに枯渇してしまう。それ以後は、借金の青天井となる。すべてが止まってしまう。アメリカ政府もシャットダウンする可能性がある」
「(現トランプ政権が主張する)減税などあり得ない。もちろん、インフラ投資の刺激策もありえない。それは、ますます債務限度額を上回る巨額の財政赤字を増やすだけだ」
ということで、このストックマンという人は、3月15日から、アメリカは「大変になる」と言っているようです。
それにしても、今回のタイトルにもあります「 1京7500兆円」というような数字の後にこのような話を聞いても、23兆円とか、そういうものが「はした金やん」と思えてくるから恐ろしいですね。
21世紀という時代に起きるかもしれないこと
しかし、このようなアメリカでも GDP にの対しての債務残高比率は 111%だとかそのくらいだそうで、日本などは、財務省の資料では「 232%」ですから、借金に関しては、いつでも日本が横綱状態です。
(参考)2016年の務残高の国際比較(対GDP比)
・日本 232 %
・ギリシャ 200 %
・イタリア 159 %
・フランス 121 %
・イギリス 115 %
・アメリカ 111 %
・カナダ 94 %
・ドイツ 75 %
ただ、このランキングだと、日本のチャンピオンぶりばかり目立つのですけれど、この財務省の資料を見ますと、「 21世紀になってからの借金の増え方がすごい」のです。特に、アメリカ、イギリス、日本などはかなりのものです。
アメリカ 2001年 50% → 2016年 111% と倍以上増加
イギリス 2001年 58% → 2016年 115% と倍以上増加
というように、たった十数年で「2倍」となっている国があります。
ちなみに、日本は、
日本 2001年 144% → 2016年 232%
と2倍にはなっていませんが、もともとの数値が大きいだけに、実際の額として考えると相当なものではありそうです。
おもしろかったのは、ギリシャです。「ギリシャ危機」というのは 2010年くらいでしたかね。その後あまり話が出てこないですので、「危機は去ったのかな」と思っていたのですが、下のようになっています。
ギリシャ 2010年 128% → 2016年 200%
「結局、その後、過去最大の債務に膨れあがってるじゃないの」と初めて知ります。
ギリシャ危機とその解決とは一体何だったのかと今さらながらに思いますが、いずれにしましても、21世紀に入ってからの主要国の借金の増え方はものすごいものがありまして、ついには「 1京」というような単位を使うような金額規模になっているわけです。
そして、どこの国にしても、リーマンショックの後から、飛躍的に増えていることがわかり、今あらためて見てみますと、
「リーマンショックは世界の借金を飛躍的に増加させただけ」
というふうにも見えなくもないということは言えそうです。
ちなみに、アメリカの金融系ブログで、現在の全世界の借金からの「全世界のひとりあたりの借金額」を載せていたものがありました。
現在の借金は、地球のすべての人々のひとりあたり 21,714ドル、日本円で約 250万円分となっているようなのです。
しかし・・・日本の場合は下のように「ひとりあたり 830万円」ということになっていますので、日本の場合は、むしろ、全世界単位にしてもらったほうが負担が軽減するのかもしれません。
国の借金1053兆円、国民1人当たり830万円
日本経済新聞 2016/08/10
財務省は(2016年8月)10日、国債や借入金、政府短期証券をあわせた「国の借金」の残高が6月末時点で1053兆4676億円になったと発表した。3月末から4兆1015億円増加した。長期国債の残高が増えたことが響いた。
今年7月1日時点の総務省の人口推計(1億2699万人、概算値)で単純計算すると、国民1人当たり約830万円の借金を抱えていることになる。
何だか大変なことにはなっていますが、しかし、「ずっと大変だ大変だといわれてきていた」のも事実で、それでも、今はまだ、どの国もパンクもクラッシュもしていません。
だから、もしかすると、このままずっと大丈夫なのかもしれません(おとぎ話)。日本を含めたどこの国も、このままずっとパンクもクラッシュもせずに、借金だけがさらに増え続ける状態で未来永劫「大丈夫」というようなことなら、誰も何の心配せずに済むのですが、そういうメルヘンはあるのかないのか。
とりあえずは、先ほど書きました「 3月15日以降のアメリカ」、つまり、明日以降のアメリカがどのようになるのかを見ていて、それで「何でもないのなら」案外、何でもないのかもしれません。
それでも、具体的な時期は別としても、やはり、
「私たちは《クラッシュ》と寄り添いながら生きている」
というのは、どういう方向から見ても、それが真実かもしれません。
昨年末に書きました、
・数秘術で終わり《9》を意味する2016年から、始まり《1》を意味する2017年への移行の中での激変を避けることはまず不可能
2016/12/12
という記事での、「 2017年は《始まり》の年」であること。
そして、比較的最近の記事、
・「まっぷたつにわかれていく人類」 : 2017年は「社会的な地獄」と「精神的な変容」が同居する年になるかもしれないという希望的観測を
2017/02/21
に書きました、「 2017年と《崩壊というキーワード》のリンク」などから、ある程度何かはあるような気はしますが、太陽のことについては今度また書こうと思いますが、現在、太陽活動がさらに低下してきていて、こういう状態で「暴力的な混沌は起こりにくい」だろうなとも思います。
しかし、いずれにしても、仮に何かあるのだとすれば、ただただ悪くなるというのではなく、上にリンクしました記事でも書きましたクリフ・ハイのエッセイにありますように「生まれ変わるための崩壊」であってほしいです。
希望的すぎるかもしれないですが、その記事に書きました部分から抜粋して今回の記事の締めとさせていだきます。
クリフ・ハイの2009年1月3日のエッセイより
「変容」の影響を逃れることのできる地域は世界には存在しない。「変容」は人々の人生のあらゆる側面を覆うようになる。
これにともない、あらゆる人々が、すぐに行動しなければならないという「圧力」を感じるようになる。この感覚は、個人にいたるまでのレベルで感じられるようになる。
そして、この感覚はこの年で終わるわけではなく、出発点にしかすぎない。あらゆるデータからみて、この年は「古いもの」の「破壊」と「解体」が進む年だ。これは新しい創造のエネルギーが国家レベルで現れる年の春まで続く。