2017年10月18日のアメリカのウェザーチャンネルより
台風 21号(英語名でラン / LAN)が日本に向かって北上しています。この台風は、現在の予測通りとなるなら「カテゴリー4以上のスーバー台風として日本列島を直撃する可能性がわりと高い」のです。近年最強クラスということになります。
日本に接近するのは、まだ数日先の話ですが、台風 21号に関しての海外の報道などをご紹介したいと思います。
冒頭のウェザーチャンネルの記事は2日ほど前のものですが、現在の世界中の機関による予測もあまり変わってはいません。
まずは、この記事を書いている時点で、最も新しいアメリカの報道をご紹介したいと思います。
Typhoon Lan will be Earth's next megastorm, with effects rippling across the Pacific
mashable.com 2017/10/18
台風ラン(台風21号)は地球での次のメガストームとなり、太平洋のいくつかの国々に影響を与えるだろう
今年 2017年は、巨大な嵐がこの地球のどこかを常に破壊し続けなければ収まりがつかないかのようだ。
珍しいコースで英国を襲ったハリケーン・オフィーリアが消滅した途端に、今度は西大西洋に台風ラン(台風 21号のこと)が発生し、北上を開始している。
現在、台風はフィリピンの東方に向かっており、地球上で最も暖かい海域をゆっくりと移動している。
この条件から得られるコンピュータモデルによれば、暖かい海水温度と低気圧の風の状態やその他の条件により、今後 48時間以内(記事が書かれたのは 10月19日)に急速にこの台風は激化し、週末までにこの台風はカテゴリー4、あるいは最強いクラスのカテゴリー5のスーバー台風となる可能性が示されている。
台風ランは当初は北北西、そして最終的に北西に移動してから北東に向かい、その後、日本の沿岸に移動した後、そのまま日本列島を直撃する可能性が高い。
アメリカ軍合同台風警報センター(JTWC)の予測では、10月23日には、東京近辺においても、カテゴリー2あるいは3の暴風を伴う嵐として、日本の中心地を直撃する可能性が指摘されている。
しかし、まだ日本の位置に到達すると予測されているまで5日以上あり、台風のコースと勢力の予測はまだ時期的に確定はできない。
もし、東京首都圏をカテゴリー2あるいは3の嵐が直撃するような状況が発生した場合は、人口が多い都市に豪雨による急激な洪水が発生する可能性があり、東京の高度な洪水対策システムの実力が試される時でもある。
コンピュータモデルの予測によると、太平洋で生まれる台風は、一般的に北西太平洋で特に激しい嵐になり、日本に向かって激化して発達していく。最終的には北太平洋に到達し、そのエネルギーの一部はジェット気流と相互作用する。
ジェット気流の状態によって、アジアだけではなく、アメリカなどへの天候の変化をも引き起こす。
台風ランが少なくともカテゴリー3の勢力に達したと仮定すると、9月15日以来、ハリケーンを含めてこのような嵐は起きていないが、その静かな期間がこの台風によって破られることになる。
ここまでです。
少し前に、
・史上初めての場所に誕生し、史上初めてのコースを取る記録づくめのハリケーン「オフィーリア」。それは地球の海と大気の大規模な変化の象徴そのものであり、自分が死にゆくことを知らない者の象徴でもあり
2017/10/15
という記事で、英国へと向かった珍しいコースのハリケーン「オフィーリア」について書きましたが、上の記事は「オフィーリアの次のメガストーム」として、台風 21号を取りあげているようです。
今の時点ではスーパー台風に近い勢力で日本に突入が可能性が大
記事に「カテゴリー」という言葉が出てきますが、これは風の強さのことで、秒速だと下のようになります。
カテゴリー1 秒速 33 - 42 メートル
カテゴリー2 秒速 43 - 49 メートル
カテゴリー3 秒速 50 - 58 メートル
カテゴリー4 秒速 59 - 69 メートル
カテゴリー5 秒速 70 メートル以上
カテゴリー5の風速は、時速で現しますと 250km 以上ということになります。
現在まで出ている進路と勢力の予測が当たるかどうかはわからないですが(ハリケーン・イルマの時もわりと外れていました)、勢力はともかくとして、進路に関しましては、「日本列島直撃」の可能性は相当高いようです。
台風を監視する世界各国の 13の機関すべての予測が昨日 10月18日に出そろいましたが、その 13の機関の予想進路はそれぞれの下の矢印のようになっています。
世界の13機関の台風21号の進路予想
約半数は、日本列島に接近して以降の予想を出していませんが、出しているところでは、ひとつの機関だけが太平洋側に逸れていく予想進路を出している以外は、すべて日本列島に上陸するコースを予測しており、特に近畿から関東、東北を直撃するコースを描いています。
それぞれに大都市圏がある場所ですので、先ほどの記事にありますように「カテゴリー3で関西と関東の大都市圏を直撃」というようなことになりますと、なかなか大変だと思いますが、どうなりますかね。
ひとつの目安となるのは、「日本周辺の海水表面温度」です。
台風やハリケーンの発生条件のひとつには、
・海底表面温度が 26℃ 以上であること
というものがあります。高い海水温度が荒れた天候を作り出すもとになるのです。
この 26℃ 以上の海水温度の海域を台風やハリケーンが通過している間は勢力は落ちないか、あるいは勢力が増大する、ということになるかと思います。
今現在の日本周辺の海水温度を気象庁のデータで見てみます。
2017年10月18日の日本周辺の海水表面温度
・気象庁
ああ、高い。海水温度が高いです。
「ピンクの色の海域」は、海水温度が 30℃以上ある海域で、このあたりは台風が勢力を増していく場所となることが予想されます。
そして「赤の海域」が海水温度が 26℃以上となり、九州から近畿地方あたりまでの沖合ではこの海水温度となっています。この辺りも勢力が維持される可能性がある海域となりそうです。
ということは、もし台風 21号が先ほどの予想進路をとった場合、日本列島近くまで「ずっと勢力を拡大し続けて近づいていてくる」可能性がありそうで、その後も、多少勢力が落ちたとしても、関西あたりまでは勢力がある程度強いまま接近することになりそうです。
さすがに東京などに近づく時には急速に勢力が衰えそうで、カテゴリー3などで関東を直撃する可能性はなさそうですが、ただ「異様に速いジェット気流」なんかが吹き荒れると、勢力が強いままやってくるかもしれないですね。
あ……そういえば、先日、下の記事で「異様に速いジェット気流」のことを書いたばかりでした。
・地球の気流の崩壊がまたしても… : ヨーロッパ上空のジェット気流の速度がカテゴリー5のハリケーン以上の時速300キロにまで加速していたことが判明
2017/10/15
この時のジェット気流は「時速 300キロ超え」でしたが、こういうのがビュンと吹けば、また状況も違ってくるかもしれないです。そう滅多にそのようなことは起こらないとは思いますけれども、その記事でも書きましたように「もはや地球の気流は壊れている」という可能性は大きいですから。
速いのとは逆に「突然ジェット気流が止まる」というのもこわいです。台風が動かないで、ずっとその場に居続けてしまう。
ところで……。
これは蛇足なのですけれど、「台風の発生条件である海水温度の気温が 26℃」というのは、先ほどの気象庁のデータを見ると、「その分岐点」は下のように北緯 33度線なのでした。
台風21号と「北緯33度線」
「いろいろなことが北緯 33度と関係するなあ」と改めて思いましたが、まあ関係ない話ではあります。まあ、この北緯 33度の話については、もし、このブログをはじめて読まれた方がいらっしゃいましたら訳がわからないと思いますが、オカルトの話であり、「北緯 33度は、人の血と犠牲を象徴している」というような話と関係します。
下のリンク一覧に多数の過去記事がありますので、ご参照いただければ幸いです。
[過去記事]北緯33度線に関係する記事一覧
この台風 21号に関しましては、もう少し日が経てば報道でも多取りあげられることになると思います。仮に先ほどの記事のように強い勢力で大都市圏を直撃することになれば、何らかの影響はあるかもしれないですので、ご留意されて下さい。何といっても、「嵐の時代」ではありますから、台風に慣れている日本とはいえ、アメリカやカリブ海諸国などを見ていますと、いろいろなことが起きても不思議ではなそさそうです。
あと、蛇足的な記事なのですが、前回の記事は、
・示唆、あるいは元型はどこにある? あるいはそんなものはない? …と思いながら、この数日の風景を見てみる
2017/10/18
という「光景は何かを示唆しているのだろうか」と、ふと思ったということから、最近の風景の写真を羅列したものでした。今回もちょっと感じまして、ほんの少し書かせていただきます。
誕生して 成長して 消えていく
ハリケーンなどに関して、最近は衛生画像で、おそろしい形相を見せることはよくありますが、それと同時に、9月上旬にアメリカのフロリダ州を直撃したハリケーン・イルマの姿が、「胎児のように見えた」ということがありました。
ハリケーン・イルマの衛星画像 2017年9月9日
これは、過去記事、
・赤ちゃんに戻ったイルマ。そして、そのハリケーンがアメリカを通過している「9.11」の過去に何が起きていたか思い出してみました
2017/09/11
でふれたものですが、今回の台風 21号にも「胎児の示唆」を見出したのでした。
下は「発生した少し後」の台風 21号の衛星画像です。
2017年10月18日の台風21号の衛星画像
下は、4週間目のお腹の赤ちゃんのイラストです。つまり「この世に誕生して間もないお腹の中の赤ちゃん」です
妊娠4週目の胎児
台風もハリケーンもこの後に大きく発達していくわけですけれど、成長していく、という点では人も暴風雨も似ているのかもしれないなあ、とか。
最終的に「消えていく」というのも、肉体を持つ人間の肉体の部分と同じようにも思います。
でも、根幹の気象システムは消えるわけではないから「何度でも生まれる」というあたりも、何となく人間の存在と似ている気がいたします。
そう考えると「頑張って大きくなれ、台風 21号」というように応援したくもなりますが、あんまり頑張って大きくなりすぎるのもちょっと困るという部分もあるのかもしれません。
これから成長していく台風 21号はどのような姿になっていくのでしょうかね。