ワクチンの有効率は最低で19%、高くても29%程度の可能性
英国の医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル (以下、BMJ)は、世界で最も権威ある医学誌のひとつで、Wikipedia にも、
> 日本でも医師であれば必ず読んでおくべき雑誌と言われている。
とありますように、日本の医師の方々にもぜひ読んでおかれてほしい BMJ の記事をご紹介させていただきたいと思います。
BMJ の副編集長であるピーター・ドッシ(Peter Doshi)氏が 1月4日に発表した意見記事で、
「ファイザーワクチンの有効率 95%という数値への懸念」
を検証したものです。
感染確認数などもそうですが、いろいろなことが「数だけ先走りする」のは、ワクチンの有効率も同じであり、この「有効率 95%」ということは大きく報じられ続けていますが、詳細なデータが公開されるに従って、この数値の根拠がきわめて不正確である可能性が判明し始めています。
BMJ の記事のタイトルは、
ファイザーとモデルナの「95%効果的だという」ワクチン - それを知るためには我々にはさらなる詳細と生データが必要だ
Pfizer and Moderna’s “95% effective” vaccines - we need more details and the raw data
というもので、内容が医療専門家向けであることもあり、難しい部分が多いですが、その前半部分をご紹介します。
この BMJ の副編集長が懸念していることを要約しますと以下のようになります。
・ファイザーワクチンの治験では、ワクチン接種後に「新型コロナウイルス感染症と疑わしき症状を呈した人たち」であっても、PCR検査で陰性が出た人たちを症例から「すべて除外」していたことがデータからはわかる。
・その数を加えると、ファイザーワクチンの有効率は 19%にまで下がる。
・PCR検査で陰性だとしても、実際に症状を示している人たちをすべて除外するのは、ワクチンの治験として正当とは言えない。
というような感じです。
データでは、最低で有効率 19%で、最大でも 29%の有効率程度しか見出せないようです。だからこそ「さらなるデータの提供を求める」とドッシ氏は訴えています。
ここからです。なお、カッコ内はすべて私が注釈した部分ですので、間違いもあるかもしれません。
ファイザーとモデルナの「95%効果的だという」ワクチン - それを知るためには我々にはさらなる詳細と生データが必要だ
Peter Doshi / BMJ 2021/01/04
5週間前、私には、ファイザーとモデルナの Covid-19 ワクチン試験の結果についての大きな疑問が生じていたが、その時点で公開されていたのは、研究のプロトコル(治験実施計画書)といくつかのプレスリリースだけであった。
今日では 2つの医学専門誌と約 400ページの要約データが複数のレポート形式で利用可能となっている。これは、各企業が開発した mRNA ワクチンが緊急承認される前に FDA (アメリカ食品医薬品局)に提出されたものだ。
このような、追加された詳細のいくつかは心強いものではあるが、そうでないものもある。ここでは、報告された有効性の結果の信頼性と意味についての新たな懸念について概説する。
Covid-19が疑われる症例の扱いについて
現在の大きな注目は、ワクチンの「劇的な有効性」の結果に集中している。ファイザーは、170 例の PCR検査で確認された Covid-19 の症例を報告し、ワクチン群 8例、プラセボ群 162例となった(このワクチン群とプラセボ群の差が 95%という数値の根拠だと思われます)。
しかし、これらの数は「Covid-19が疑われる例」と呼ばれるカテゴリーの存在により(ワクチン接種後の感染例が)矮小化されている。つまり PCR検査では確認されなかった症候性(新型コロナウイルス感染症の症状を示しているが PCR 検査では陰性の事例)の患者の存在が除外されているのだ。
ファイザーのワクチンに関する FDA の報告によると、調査対象集団全体で、感染が疑わしいが、PCR検査で未確認(陰性)の Covid-19 の事例が合計 3410例あった。
1594例はワクチン群で発生したのに対し、1816例がプラセボ群で発生した。
この数値は、確認された症例(PCR検査で陽性だった事例)の 20倍である疑いがあるため、この「Covid-19が疑われる例」のカテゴリーの疾患例は、PCR 検査の結果が陰性だったという理由だけで無視することはできないはずだ。
これを理解することがますます緊急になっている。この「Covid-19が疑われる例」を考慮に入れると、PCR検査の結果が陽性であるかどうかにかかわらず、Covid-19の症状の発症に対するワクチンの有効性の概算は「 19%」の相対リスク低減となる。これは 規制当局が設定するワクチン承認の有効性しきい値の 50%をはるかに下回る。
ワクチン接種から 7日以内に発生した症例(ファイザーのワクチンで 409例、プラセボで 287例)を取り除いても、短期間のワクチン反応原性による症状の大部分は含まれるはずだが、それでもワクチンの有効性は低いままで、29%となる。
これらの疑わしい症例の多くまたはほとんどが、偽陰性の PCR 検査結果を示していた場合、これはワクチンの有効性を劇的に低下させる。
しかし、インフルエンザ様の病気の原因には、ライノウイルス、インフルエンザウイルス、その他のコロナウイルス、アデノウイルス、呼吸器合胞体ウイルスなど常に無数の原因があることを考えると、Covid-19 の疑いのある症例のいくつかまたは多くは、異なる原因物質が原因である可能性はある。
なぜ病因が重要なのか。「Covid-19が疑われる例」を経験している人たちが本質的に Covid-19 と同じ臨床経過を持っていた場合、「疑われる例、そして確認されたCovid-19」は、確認された Covid-19よりも臨床的に意味のあるエンドポイントである可能性があるためだ。
ただし、確認された Covid-19 が「Covid-19が疑われる例」よりも平均して重症である場合でも、結局のところ、重要なのは平均的な臨床的重症度ではなく、病院に影響を与える重症疾患の発生率であることに留意する必要がある。
確認された Covid-19 の例の 20倍の「Covid-19が疑われる例」、そしてワクチンがウイルス感染を妨害できるかどうかを評価するように設計されていない試験、あるいは、病因に関係なく重篤な疾患の分析、すなわち、入院率、ICU 症例、および試験参加者の死亡数が正当に評価されていない。これらを正当に評価することが、パンデミックで優位に立つためのワクチンの実際の能力を評価する唯一の方法だ。
これらの質問に答えるためには、さらなるデータが明らかに必要だが、ファイザーの 92ページのレポートでは、3410例の「Covid-19が疑われる症例」については言及されていない。
医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンにも掲載されていない。また、モデルナのワクチンに関する報告もない。それを報告したと思われる唯一の情報源は、ファイザーのワクチンに関する FDA のレビューだけだ。
ここまでです。
なお、実際の記事にはすべてデータへのリンクが貼られています。
問題の「除外された新型コロナと疑われる症例」についての FDA のデータのページは、以下のリンク先にあります。
FDA(アメリカ食品医薬品局)のデータの該当ページ
Suspected COVID-19 Cases
メリットとデメリットが完全に逆転している
なお、記事中にもありますが、ワクチンの規制当局の基準では、
「有効性 50%以上が承認の条件となる」
と示されており、 BMJ 副編集長が指摘しているように 19%などのような数値の場合は、そもそも承認されることはないワクチンとなります。しかしそれが各国で緊急承認されている。
そして、メリットのほうの報告は今のところほとんどないですが、デメリット、つまりワクチンに関しての「有害事象」の報道は次々と報告されていまして、この数日でも以下のようなことが報じられています。
・米カリフォルニア州でモデルナワクチン接種後に異常に高い有害事象が続いたために、接種を緊急停止(The Hill)
・イスラエルでファイザーワクチン接種後、顔面麻痺の事例が続出(RT)
・米マイアミでファイザーワクチンを接種した医師が死亡(Infowars)
その他にも以下の記事で取りあげたようなことも起きています。
ワクチン接種開始後に次から次へと人々が死亡していく世界の光景。アメリカでは55人、ノルウェーで29人。イスラエルでは接種開始後から感染と死者の増加に歯止めがかからず
投稿日:2021年1月17日
抗体依存性免疫増強(ADE)…? : それまで一人の死者もなかったアメリカの老人養護施設で、ワクチン接種後から凄まじい率(24/193)で死者が発生し続けている
投稿日:2021年1月12日
アメリカでは、その後の報告で、ワクチン接種後の死者は 66人となっていますが、ただ、この公式の「有害事象報告数」というものが、あまり信頼できるものでもないかもしれないのです。
アメリカには、ワクチンの有害事象報告についてのシステムとして、CDC と FDA によって共同管理されている「ワクチン有害事象報告システム(VAERS)」というものがあり、これがワクチンの有害事象の公式なレポートになります。先ほどの接種後の死者 66人という数も、このワクチン有害事象報告システムからの数字ですが、ところが、ワクチン有害事象報告システムには、
「ワクチン有害事象の 1%未満しか報告されていない」
ことが、2010年にハーバード大学の調査員が実施した連邦調査により明らかになったことが以前報じられていました。
このような「報告が 1%未満」という状態が今でも続いているとしたならば、現在のアメリカの有害事象例は大変な数となっている可能性もないではないのかもしれません。
それにしても心配なのは「世界最速で大規模なワクチン接種」を進めているイスラエルです。すでに 20%以上の国民がワクチン接種を受けています。
ワクチン接種は、昨年 12月16日から始まっていますが、それから1ヶ月、「新型コロナウイルスの死者数が急激に増加に転じている」のです。
三日ごとの数字を書けば、以下のようになります。
イスラエルの1日あたりのコロナウイルスによる死者数の推移
12月15日 10人
12月16日 大規模ワクチン接種開始
12月19日 17人
12月22日 25人
12月28日 30人
12月31日 18人
01月03日 24人
01月06日 32人
01月09日 49人
01月11日 33人
01月14日 53人
01月17日 46人
1月12日には、夏以降最大となる 1日 66人の死者が出ています。
イスラエルの総死者数のグラフを見ますと、過去最大レベルの急な上昇曲線を描きつつあります。
イスラエルのコロナによる総死者数の推移
Total Coronavirus Deaths in Israel
今回のものということではなく、コロナウイルス全般のワクチンでこわい事象としては、過去記事でもふれていますが、
「過去のコロナウイルスのワクチン試験では、抗体依存性免疫増強(ADE)という致死現象が多く起きていた」
ということです。このこともあり、過去にはコロナウイルスのワクチンは実用化されなかったようなのですが、この ADEというのは、要するに「ワクチン接種後にコロナウイルスに感染すると免疫の暴走により致死的な症状に至る」ことが知られているものです。
なぜイスラエルの例をとりあげて「こわい」としたかというと、イスラエルでは「コロナワクチンを接種した人が、次々とコロナウイルスに感染している」現実があるからです。
以下は、1月1日のタイム・オブ・イスラエルの報道です。
240人のイスラエル人がワクチン接種後に新型コロナウイルスに感染
これまでに新型コロナウイルスのワクチンを接種された約 100万人のイスラエル人のうち、約 240人のイスラエル人が接種の数日後にコロナウイルス感染症と診断された。
これは、新型コロナウイルスの原因となる SARS-CoV-2 ウイルスに対する効果的な抗体を開発するのに時間がかかるためと見られる。 (Times of Israel)
ちなみに、イスラエルの研究では、「ワクチン接種後、2週間後まではコロナウイルスの感染率に差は見られなかった」と、少し前に報じられていました。ワクチンを接種した後でも、「少なくとも 2週間は予防効果は何もない」ことが、研究で示されているのです。
つまり、「接種後に感染する」という事態がとても起きやすいようなのですね。
このような事実に、今回ご紹介した BMJ 副編集長の精査による、
「ワクチンの有効率は最低で 19%程度の可能性」
ということを加えて考えますと、現在のイスラエルでは、ワクチン接種後に新型コロナウイルスに感染した人たちがさらに増えている可能性があり、そして、「何もしていなければ重症化していなかった」人たちの中に致死的な ADE に至る人たちがどうしても出てくると思われます。
現在流通しているワクチン(あるいはこれまで研究が中止されてきたすべてのコロナワクチン)では ADE を防ぐことは難しいことがはっきりしているようで、イスラエルのように「無造作」にキャンペーンが展開されるのはどうなのかなとは思います。本来なら「存在しなかった死」を招いてしまう可能性につながってしまいかねない。
ですので、今後1、2ヶ月の推移を見ないと何ともいえないですが、イスラエルの今後の死亡率の増減は注意しておく指標のひとつだと思います。
イスラエルでは、上の報道では、1月1日の報道で「 100万人が接種」とあり、イスラエル政府は 1週間に 15万人の接種を目標としてますので、現在接種した人の数は 150万人を超えていると見られます。
まあ…想像すると、ちょっとこわい話ではあります。
日本でも、ワクチン大臣?というようなものが誕生したらしいですが、そういう係になった人は、まず「ワクチンの治験と関係する論文の読破と FDA などのデータの精査」から始めていたただければ幸いだと思います。
それにしても、世界でも日本でも「接種は、高齢者と医療関係者から」というように言われますけれど、欧米同様に、日本でも医療関係者のかなり多くの方々は接種を見合わせるかと思われます。
特に感染症やワクチンにお詳しい医師たちの多くは接種を見合わせるか、完全に接種しない方向になるのではないでしょうか。
もともと、世界中の医療関係者たちが「 mRNA ワクチンは(未知すぎて)こわい」という認識を共有しているような感じとなっていた中で、現実的な有害事象が日々報じられていることにより、医療関係者たちご自身の「回避」の流れは世界的なものとなっていくと推察されます。
ただ、医療関係者の方々のもうひとつの苦悩は、「自分の患者さんたちに勧めていいものかどうか」という点だと思われます。特に高齢の方や基礎疾患のある方々の欧米の有害事象例の多さから、躊躇される場合も多いと察せられます。
本当の思いやりは「どちらか」という部分かと思いますが、しかし現実として、コロナを恐れている高齢者が多い中、患者さんのほうから「ぜひ打って下さい」と言われれば、拒否できるものでもないですしね。
医療関係者の方々にも苦悩が生じやすい時期になっていくのかもしれません。
それにしても……。
有効率 19%で、有害事象は通常のワクチンの何十倍から何百倍って、いったいこれは何なのでしょうか? 何のためにこの世に現れた?
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