2019年7月17日のイスラエルの報道より
ソドムとゴモラ - Wikipedia
ソドムとゴモラは、旧約聖書の『創世記』19章に登場する都市。天からの硫黄と火によって滅ぼされたとされ、後代の預言者たちが言及している部分では、例外なくヤハウェの裁きによる滅びの象徴として用いられている。また、悪徳や頽廃の代名詞としても知られる。
災いの時代
2017年頃からでしょうか。自然災害が増えてきたという曖昧な言い方とは別に、
「火の災いと、水の災いが同時に、あるいは交互にやってくる」
というようなことが頻繁に見られるようになりました。
山火事も洪水も、どちらも増加し始めるのが同じような季節であることから、2017年も 2018年も、今と同じ頃に、以下のような「火と水の災い」についての記事を書いていたことを思い出します。
まるで聖書の世界のように災害だらけの世界…… : 日本の豪雨災害の後から世界で発生し続ける史上最悪級の「火」と「水」の厄災の様相
そして、今年もまた同じです。
アメリカや中国などをはじめとして、世界各地で激しい洪水が発生し続けていますことは、何度か記事で取りあげさせていただいています。今は、インドとネパールの洪水の規模が大きくなっていまして、すでに 1000万人以上が影響を受けているとされています。
インドとネパールが干ばつから一転してモンスーンの豪雨による大洪水に。1000万人が洪水の影響を受け、300万人が避難を開始
そして、今年も、そのような「歴史的な洪水」と「歴史的な山火事」が同時に発生している状況が続いています。
そのような山火事の報道の中で、最も目立っていたのが、「ソドム」という言葉が報道に使われていたイスラエルでの山火事でした。
これは、ほぼ 50℃というような熱波に見舞われているイスラエルで「複数」から山火事が発生しているというものです。
2019年7月19日 イスラエルの山火事で燃えた車
火災が発生した 7月17日のイスラエルの気温の状況は以下のようなものでした。
Israel bakes as temperature climbs to near-record 49.9°C at biblical Sodom
Times of Israel 2019/07/17
イスラエルが、気温が49.9℃という記録的な高温に達した熱の中で聖書に登場するソドムの市のように炎で焼かれた
7月17日にイスラエルを襲った熱波は、観測史上で最高の記録に近い気温が観測された。
この日のイスラエルで最も高い気温は、死海の沿岸の聖書に出てくるソドムの遺跡近くで記録された。
その気温は、49.9℃に達していた。
イスラエルでの観測史上最高の気温は、1942年6月にヨルダン渓谷北部のティラ・ツヴィ(Tirat Tzvi)で記録された 54℃とされている。
テルアビブでも、午前 11時に最高気温が 40°Cに達したが、湿度は 20%と非常に低かった。
午後の気温は 33℃にまで下がったが、湿度が 75%に上昇したせいで、40℃を記録した午前中より体感温度は高くなった。
エルサレムの気温は 38℃に達した。
救急隊によると、この日、少なくとも 140人が熱中症などの症状で搬送された。
この熱波は、イスラエル全土で大規模な火災の波を引き起こし、イスラエル中央部では家屋を焼き尽くし、何百人ものイスラエル人が避難を余儀なくさせられた。
気象学者たちは、イスラエルの気温は、今週末までには通常の気温に戻ると予測している。
ここまでです。
このような気温の中で、イスラエル国内のさまざまな場所から山林火災が発生したのですけれど、イスラエルの一部のメディアは、この山火事には、
「放火の可能性がある」
と報じています。
まだ、放火かどうかを当局が断定しているものではないですので、何ともいえないですけれど、もし放火だとした場合、
「ああ、またか」
と思ってしまいます。
というのも、イスラエルは、2016年にも「同時多発放火テロ」により複数の場所から火災が発生し、広範囲が炎に包まれたことがあったのです。このことは以下の記事で取りあげさせていただきました。
火の夢で目覚めた現実の世の中は「イスラエルが同時多発火災テロの炎に包まれて3日目の朝」だった… : 世界で激増する野火が示唆する近い未来
今回もまた「同時多発」で火災が発生していることから、放火が疑われているようなのです。
まあしかし、前回 2016年のイスラエルの山火事は「 11月の下旬」という山火事の発生にはふさわしくない時期に起きたために放火が疑われたのですが、今回のように 50℃などの気温下では、自然の山火事が各地で発生することは不思議ではないです。
NASA に「人口衛星から確認された世界中の山火事をリアルタイムで表示する」サイトがあります。そこでイスラエル周辺の山火事の状況を確認してみますと、イスラエル国内の複数の山火事が確認できます。
2019年7月19日のイスラエル周辺の山火事マップ
それにしても、イランとかウクライナの山火事もすごいですね。特にウクライナは、これは非常事態レベルの火災発生状況にも見えるのですが、何が起きているんですかね。
まあ、ウクライナのことはちょっとわからないですが、この山火事マップを見ていますと、ほとんどの国や地域で山火事が起きていることがわかります。
東アジアでも、日本では函館で 1件、山火事が起きているようで、韓国や中国でも複数の山火事が発生していることがわかります。中国は、広範囲で洪水が発生しているはずなんですけれど、山火事もすさまじいですね。
2019年7月19日の東アジアの山火事マップ
なお、世界の山火事の状況を見ていましたら、「なんだかすごい場所」を発見してしまいました。
アフリカです。
見れば、そのすごさはわかります。
2019年7月19日のアフリカの山火事マップ
場所としては、コンゴ民主共和国のほぼ全域、コンゴ、アンゴラ、モザンビークの一部などが真っ赤になっていて、島国のマダガスカルも全域が赤いです。
「何だこれは?」
と思いますが、これもちょっと理由と状況がわかりません。
そういえば、コンゴ民主共和国といえば、7月17日に、エボラ出血熱の流行に対して、WHOが「緊急事態宣言」を出しましたけれど、山火事とは関係ないですしね。
コンゴのエボラ流行で「緊急事態宣言」、史上5度目 WHO
BBC 2019/07/18
世界保健機関(WHO)は17日、コンゴ民主共和国で流行が続くエボラ出血熱について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言した。PHEICが宣言されるのは史上5度目。コンゴでは、これまでに1600人以上が死亡している。
しかし、エボラの流行としては、史上2番目に深刻だとされているコンゴ共和国の流行の現地が「真っ赤になっている」というのは、象徴的といえば、象徴的でもあります。
大規模な洪水は、農地や畜産を含めた食糧生産に大きな影響を与えますけれど、山火事は木々を焼いてしまうものでありまして、大規模に消失した森林は、そう簡単には再現されないものです。
昨年の夏には、異様な熱波に見舞われる中で、歴史上最悪級の山火事がヨーロッパ各地で発生しました。そして、ヨーロッパの多くの森林が「焼き尽くされた」ことを以下の記事で取りあげさせていただいたことがあります。
前例のない熱波と山火事により緑豊かなヨーロッパの大地から「緑が消えた」。その焼け焦げた砂漠のような光景は世界的な食糧危機サイクルの到来を示唆する?
下の写真は、国際宇宙ステーションから撮影された昨年夏のポルトガルの火災の後の様子で、広い範囲から「緑が消失」しました。
2018年8月6日 ドイツ人宇宙飛行士が投稿したポルトガルの光景
2018年のヨーロッパは、あらゆる地域で森林火災が発生し、このポルトガルと同じような「焼き尽くされた大地」が広がりました。
それからまだ1年ほどしか経っていませんし、ヨーロッパ各地に「それ以前の」緑の風景が回復しているということはないと思われます。
こういうようなことが地球の広範囲で続いていくと、やはり少しずつ「緑が消えていく」という現実に結びつくでしょうし、最近のように、大規模な山火事が毎年のように継続して発生する状況が続きますと、いろいろ影響は出てくるようにも思います。あるいは、「もうその影響が出ている」のかもしれません。
21世紀に入って以来、このようなことが毎年繰り返されるようになっています。以前は山火事などあまり起きなかった場所で、大規模な山火事が発生し続けているのです。
以下は、アメリカでの山火事による被害の推移ですが、21世紀からの山火事による被害の増え方にはものすごいものがあります。
しかし、これは、2010年までのデータであり、その後のアメリカでは、さらに毎年のように「史上最悪の山火事」と報じられる事例が相次いでいますので、さらに急激に増えていると思われます。
洪水も 21世紀に入ってから増えたもので、「水の災厄」と「火の災厄」は、どちらも 21世紀に急増した自然災害だと言えます。
どちらの災害も、規模もどんどん大きくなっていますしね。
火といえば、日本でも、放火に関しての出来事が起きたばかりですけれど、何かと世界中の報道では、「炎」と「水」に関してのものが圧倒している現況です。
何となく、まとめようがなくなってきましたので、「日月神示」から引用して締めさせていただこうと思います。
日月神示 水の巻 第十三帖より
火と水と申してあろうがな。火続くぞ、雨続くぞ、火の災いあるぞ。火のお蔭あるぞ、水の災い気つけよ。
火と水入り乱れての災いあるぞ、近くなったぞ。
火と水の御恵みあるぞ。一度は神の事も大き声して言えん事あるぞ、それでも心配するでないぞ。富士晴れるぞ。