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「飢餓の時代の到来」を調べているうちに突き当たった「農業の未来像と共に浮かび上がる食糧アルマゲドン」という概念

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2019年7月15日の英国ガーディアンの報道より


World hunger on the rise as 820m at risk, UN report finds




 

飢餓の時代が近い

今日(7月17日)、私の暮らす関東の某県にあるネコちゃん民族人民自治区(メルヘンの世界に住んでるのかよ)、いや、実際には、所沢特別警戒市という場所なのですが、日中、短い時間ですけれど、「太陽」が出ました。

「青空をまともに見たのは、何日ぶりくらいだろう」と思いましたけれど、もしかすると、7月に入って初めてくらいの感じだったのかもしれません。

しかし、その青空はすぐに消えました。

天気予報を見ましても、明日からもずっと曇か雨のようで、しかも、西日本にいたっては、この週末にかけて、ものすごい雨が降る予想となってきました。

以下の気象報道に出ています。

台風と梅雨前線で災害級の大雨 西日本で総雨量400mmも
 ウェザーニュース 2019/07/17

予測では、その後に梅雨明けとなって、来週からは暑い夏になるということですが、これだけ低温傾向が続いた後に、急に暑くなるというのも、体調にしても、農作物管理などにしても大変な感じですね。

関東の日照不足は「記録的」となっているようで、20日間連続で日照時間が 3時間未満となっていて、これは観測が始まった 1961年以降で最も長い記録となるそうです。

農作物への影響も大なり小なり出ているようで、山梨県では、上野原市のトマト畑で、「日照不足によりトマトが全滅」という報道がなされていました。

山梨県東部はより深刻 日照不足 加工用トマト8トン全滅も
 UTY 2019/07/16

今年 5月の以下の記事以来、世界各国で、気温や気象の異常により作物が荒らされ続けていることを、たびたび記させていただいています。

世界的な食糧危機がやってくる : フランス、アメリカ、オーストラリアなど農業輸出大国で記録にないような甚大な被害が進行していることが明らかに

最近では、巨大な人口を持つ中国やインドでも、洪水と干ばつの両方により、食糧生産に問題が起き続けていることを取り上げました。

世界最大の食糧消費国である中国も「かつてない洪水の時代」に突入し、農作地が荒廃し続けている

日本の今年の農作の状況は今のところ、全体象はわからないですが、ただ、いわゆる台風シーズンなどを含めて本当に気候が荒れるのは、これからではあります。

そして何より、これらの問題は「今年はどうだ」というような短い期間の話ではない部分にあると思われます。

つまり、仮に今年荒れたままの天候で過ぎていったとして、「では、来年は穏やかで順当な気候になる」のか「その次の年はどうなのか」と考えていくと、最も可能性が高い予測は、

「今年のような気象や気温が、今後も長く続くか、あるいは激しくなっていく」

というものだと思われるのです。

ですので、仮にですが、今年、世界各地が異常な気温や気象で、作物に被害などが出て、食糧流通に多少ではあっても支障などが発生したとして、

「では、来年はそういうリスクはないのか」

とか、あるいは、「その次の年はどうなのか」というと、何となく、ずっと、この問題が継続していくのではないかという感じさえするのです。

来年は、太陽が今よりさらに弱い活動となっていき、それにより宇宙線量が増大することが予測されていますので、国や地域によっては、晴天の日がさらに減っていくかもしれません。そして、今よりさらに雨が多くなる場所もあるかもしれません。

 

仮に世界の食糧の循環に影響が出てきたとき、実は、真っ先に影響を受けるのは、主要国の人たちではなく、流通システムなどが脆弱な国や地域、そして、「もともと飢えている人たち」になっていくことは歴史が明らかにしています。

そして、現在のような「食糧の流通に問題が起き始めても不思議ではない状況」の中で、

「世界の飢餓人口が増え続けている」

ことが、国連から発表されていました。

国連の統計によれば、現在飢餓に陥っている人たち、あるいは、そのリスクに直面している人たちが、地球に 8億2000万人いるのだそうです。

まずは、そのことを報じていた英ガーディアンの記事をご紹介します。


World hunger on the rise as 820m at risk, UN report finds
Guardian 2019/07/15

世界の飢餓人口が上昇し続けており、8億2000万人が飢餓に直面していることが国連の報告で判明

国連の発表によれば、現在、全世界で 8億2000万人が飢えている。

国連は、 2030年までに飢餓を解消することを目標としているが、「それは非常に難しい挑戦となっています」と国連事務総長は述べる。

地球の人口の増加につれて、この 3年間、世界中での飢餓人口は、緩やかながらも上昇し続けている。国連はこの時期、世界の飢餓人口が下降することを期待していたが、現状では、飢餓は減っていない。

何百万人もの子どもたちが必要な栄養を摂取することができていない。

国連は、子どもの成長を妨げるような栄養欠乏状態と、低体重での出生の数が一向に減少していないと言う。国連は、子どもたちの栄養欠如を減らすと共に、低体重出生を減らしていくことを目標としているが、その実現の可能性は容易いものではない。

発表された報告は、国連食糧農業機関、国際農業開発基金、国連児童基金(ユニセフ)、世界食糧計画、および世界保健機関(WHO)によるものだ。

報告によれば、飢餓は依然として世界で広まっているが、それと共に、「肥満」も、すべての地域で増えている。そして、この肥満も栄養失調と関連している。

世界で、肥満の子ども、および肥満の青少年の肥満人口は 3億3800万人で、成人の肥満人数は、6億7200万人だった。

アジアとアフリカは、世界中の太り過ぎの子どもたちの約 4分の 3が住む地域で、不健康な食事に悩まされている。この地域では、10人に 1人の子どもの成長が阻害されており、10人に 1人の子どもが肥満だ。

2015年には、全世界で 7人に 1人の赤ちゃんが低体重で生まれた。それらの多くは栄養不足の思春期の若い母親たちから生まれている。

世界の人口は着実に増え続けており、その多くが都市部に住んでいる。国連の報告書の序文で、国連事務総長は「技術は目覚しいペースで進化し、一方で経済は、ますます相互接続されグローバル化されてきています」と述べている。

そして、このように続けた。

「しかし、多くの国では、この新しい経済の一部としての持続的な成長を果たしていません。世界経済は全体としては予想以上に成長してはいないのです」

さらに、気候の崩壊が世界各地で農業に影響を及ぼしており、世界の農業従事者の数は減少している。

「これら農業の変化は、世界中で、食糧生産、流通、消費のあり方に大きな変化をもたらし、そして新たな食糧安全保障、栄養の問題、健康の問題の是正へのハードルを高くし続けています」

経済成長が遅れている国や、所得格差が強い国では、特に飢餓が増加している。

事務総長は述べる。

「これらの厄介な傾向に取り組むための私たちの行動はもっと大胆でなければならないでしょう。経済的脆弱性を減らし、飢餓と食糧不安を終わらせ、あらゆる形態の栄養失調を終息させるために、人々を中心としたコミュニティに基づく貧困層の包括的な構造転換を促進しなければならないのです」


 

ここまでです。

この状態は、「まだ世界的な食糧危機が起きていない状態」でのものであるわけですから、それが起きるかとうかはわからないにしても、もし、世界的な食糧危機のようなものが発生し始めた場合、飢餓人口が増加するのはもちろんでしょうが、現時点で飢餓となっている人たちはどうなってしまうのかなとも思います。

基本的に、大国は、自国の食糧システムに問題が起きそうなときには、たとえば「輸出停止」という手段に出たりしますが、この問題があからさまになったのが、2010年に起きた「ロシアの小麦輸出停止」でした。

この何が問題だったのかといいますと、当時、

「国連が食糧援助に使っていた小麦の 95パーセントはロシアから輸入していた」

ものだったのです。

以下は、2010年8月のダウ・ジョーンズ・ニュースを翻訳したものの一部です。

ロシアの小麦輸出禁止は食糧援助にむち打つものだ - 国連世界食糧計画

Dow Jones Newswires 2010/08/10

ロシアの小麦輸出禁止措置により、発展途上国に届けられる食糧援助の量が削減されることになり、世界のもっとも貧しい何百万人が飢えていくことになるかもしれないと世界食糧計画(WFP)は警告した。

ロシアの小麦輸出禁止によって、小麦の入手が滞る恐れがあり、現在、ロシア側に人道支援用に関しての小麦輸出禁止の免除の方策を探しているという。世界食糧計画は、人道的な食糧援助機関としては世界でもっとも大きい。

世界食糧計画は 2009年、人道危機や紛争地帯を含む 73の国に食糧を供給した。 購入した食糧 260万トンのうちの3分の1以上は小麦で、小麦の不足は、非常に多くの人道援助に影響する。

世界食糧計画の小麦の約 95パーセントは、ロシアの黒海周辺で生産されたもので、この地域は、世界の小麦の約4分の1を生産している。しかし、この地域一帯は今年、猛烈な干ばつによって、多くの収穫を失った。そして、ロシア政府は、8月15日からロシアからのすべての穀物の輸出を禁止すると発表した。

2010年の最初の7ヶ月間に世界食糧計画が購入した 55万トンの小麦のうちの 68パーセントがロシア産で、残りはウクライナとカザフスタンからのものだ。

ここまでです。

食糧の流通に問題が起きたときには、「人道」という響きは基本的に無視される傾向にあります。

まして今年は、アメリカやオーストラリア、中国などの農業大国が、軒並み、豪雨や干ばつで生産が落ち込んでいるはずで、各国は備蓄等を持っていますので、今年はまだ耐えられるとしても、こんな気温や気象が毎年繰り返されるようになれば、どこかの時点で、人道援助をするための限界点を超えてしまう可能性はあるように思います。

そして、今回の国連の報告では、

「そのような影響を受ける可能性のある人たちの数が 8億人以上いる」

ということになります。

自然災害が頻発している現状では、こういう人たちの数はさらに増え続ける可能性があるはずです。

 

・・・しかしですね。

最近、農業の統計などを見ていますと、日本も含めて、

「気温も気象もずっと正常だったとしても、この地球で、農業は維持できるのだろうか」

というように感じざるを得ない面もあるのです。

下のグラフは、日本の農業就業者数などの推移をあらわすグラフです。

緑色のラインが農業就業者の人の数の推移ですけれど、1960年の 1200万人くらいから、現在はその 6分の 1くらいになっています。


独立行政法人経済産業研究所

農家の人たちが減少してきたのは、主要国ではどこでも同じですが、上のグラフが載せられていた独立行政法人経済産業研究所のページにあった次の記載に、やや驚きました。

農業就業者数1400万人、農家戸数550万戸、農地面積600万ヘクタール。明治初期の1875年から1960年までじつに85年間、この3つの数値に大きな変化はなかった。

ここに、

> 明治初期の1875年から1960年までじつに85年間、この3つの数値に大きな変化はなかった。

というように、この日本という国は、1960年代頃までは、100年近く、「農家の人の数が 1400万人ほどを維持していた」国だったのでした。それが、1960年代から、急速に、「日本は農業の国ではなくなった」のですね。

まあ、先ほども書きましたけれど、これは主要国ではどの国でも同じで、たとえばアメリカなどはもっと激しいです。

以下は、西暦 1840年から 2000年までのアメリカの「全労働者に対しての農業従事者の割合」です。


We have fewer people working in agriculture now

かつてのアメリカは、全労働者のうちの 70%が農業従事者だった国家であり、アメリカ経済は農業で動いていたようなのですが、今は、農業従事者は 2%以下です(最新のデータでは 1.6%)。

これは主要国はどこでもそうだと思います。

それでも、大量生産などに関する農業技術が進み、少数でも大量の生産が可能となって現在に至っています。遺伝子組み換えなんてのも、そういう効率化の過程の中で生み出されたものだと思われます。

しかし、日本にしても、他の国にしても、農家の数の減少そのものよりも「農家の高齢化」の重い現実があります。

以下は、農林水産省のページにある、日本の現在の農業従事者の年齢分布です。

2012年の日本の農業従事者の年齢階層


農林水産省「農業構造動態調査」

大部分が 50歳以上で、しかも「 70歳以上が最も多い」ことがわかります。

もちろん、今の高齢の方々はお元気ですので、70歳以上でも、元気に農業をなさっているとは思いますけれど、

「では、20年後はどうなるのだろう」
「30年後は、どうなるのだろう」
「50年後はどうなるのだろう」

とは考えてしまいます。

50年後はともかく、20年などはあっという間ですからね。

上のグラフにあります、

・65歳以上の農業従事者 106万人

・40代以下の農業従事者  18万人

という比率を見ると、20年後は本当にどうなるのだろうなと。

なお、これもまたアメリカも同じでして、先ほどグラフを載せましたアメリカの 報道によりますと、以下のようなことになっているようです。

高齢化が進むアメリカの農家

今日のアメリカでは、農場経営者の平均年齢は 58歳だ。これは、一般の定年の年齢と近い。そして、アメリカの農家の平均年齢は、毎年高くなり続けている。アメリカ農務省によると、2012年にはアメリカの農業従事者の約 3分の 1が 65歳以上だった。

どこの国でも、若い人たちは農家という道を選ぶことがとても少ないようです。

これは、主要国や近隣アジアでも同じ傾向だとは思います。

ちなみに、すべての労働者に対しての農業従事者の率である「農業従事者率ランキング」を見ますと、近隣アジアでは、中国が 36%以上の高い農業従事者比率を持ちますが、他は低いです。日本と馴染みの深い国のものをいくつか並べておきます。

農業従事者率ランキング

・インド 51.1%

・タイ  38.2%

・中国  36.7%

・韓国   6.6%

・日本   3.7%

・アメリカ 1.6%

・イギリス 1.2%

世界・農業従事者率ランキング

何だかこれを見ていますと、日本は、アメリカやイギリスよりはまだマシなのかなとも思えてしまいますが、「マシ」とか「マシではない」とか、そういう話でもなさそうです。

また、上に並べた国のうち、インドとタイを除けば、どの国も少子化と高齢化が著しくなっていまして、中でも、食糧自給率が低い日本や韓国は、いろいろ弱い部分はあるのかもしれません。

いずれにしましても、気温や気象の異常と共に、多くの国で、食糧生産の根幹にある農業というシステムとメカニズムが危うくなっていることを知りました。

この問題は、時間が経つほどに深刻なことになっていくようにも感じます。

食糧アルマゲドンという事態も、それほど遠い未来の話とも言えない面もあるのかもしれません。





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