地球最期のニュースと資料

In Deep

★ メルマガに関して、「まぐまぐ大賞2019」の投票が始まりした。昨年は、新人賞というのをいただきましたが、今年も投票していただければ幸いです。投票期間は12月3日までです。投票はこちらのページの「このメルマガをまぐまぐ大賞2019に推薦する」から行うことができます。メルマガ読者様でない方も投票できますので、よろしくお願いいたします。 In Deep オカ

2019年からの世界 人類の未来 地球という場所の真実 拡大する自然災害 未来の地球

南極大陸の氷河の下に超巨大な空洞が発見される。それと共に、南極の下で科学者たちに理解できないメカニズムによる「謎の大融解」が進行していることが判明

投稿日:

2019年1月31日の科学メディアの記事より


sciencealert.com




 

状況次第では、世界中で急激で大幅な海面上昇が発生する可能性も

南極という場所は、今やいろいろな異常が存在する場所ですが、その南極大陸で、

「氷河の下に《巨大な空洞》が発見された」

ということが報じられていました。

これは、NASA の人工衛星に搭載されている氷を透過して探索できる装置により発見されたものですが、その氷河の下の空洞の大きさは、「面積が約 40平方キロメートルで、高さは 300メートル」という巨大なものです。

ご紹介する記事では「ニューヨークのマンハッタンの 3分の2の面積」と書かれていますが、それで高さが 300メートルもある空洞が氷河の下にあるのです。

この空洞は、氷河の「氷が溶けた」ことによるものですが、今回ご紹介する記事の中には「温暖化」という言葉は出てきません。

というのも、たとえば仮に、「南極の気温が上昇して氷が溶けたのなら、表面から溶けていく」わけですが、この場所では、

氷床の内部から氷が溶けている

のです。

科学者の人たちも記事で「非常に複雑なメカニズムが働いている」というようなことをおっしゃっていますが、それがどのようなメカニズムなのかはまったくわかっていません。

しかし、いずれにしましても、このまま進行していくと、南極大陸の氷河内部の空洞がさらに拡大して、つまり、内部からの氷の融解が進み、科学者たちの言葉を借りれば、

「想像もつかないことになるかもしれない」

というような海面上昇を招く可能性が考えられています。

 

まずは、そのサイエンス・アラートの記事をご紹介します。

南極で最近起きていたことなどは、記事の後に捕捉させていただこうと思います。

なお、記事に出てきます「スウェイツ氷河」というのは、南極大陸の以下の場所となります。

南極のスウェイツ氷河の場所

BBC

それでは、ここからです。


Scientists Have Detected an Enormous Cavity Growing Beneath Antarctica
sciencealert.com 2019/01/31

科学者たちは南極大陸の下に巨大な空洞が成長していることを発見した

南極は良い状態の場所とは言えなくなってきている。

ほんのこの数十年で、南極大陸は、かつては安定した場所だと思われていた場所でさえ想像できないほどの早い速度で何兆トンもの氷を失い続けている。

そんな中、科学者たちは、南極大陸の下に「巨大な空洞」を発見した。

この巨大な空洞は、南極大陸西部の下で成長しており、その面積はマンハッタンの面積の 3分の 2程度に上り、空洞の高さは約 300メートルある。

スウェイツ氷河(Thwaites Glacier)の底にあるこの巨大な空洞は、南極大陸が毎年推定 252億トンの氷を失っていることの明白な証拠を示している。この安定さを欠いているスウェイツ氷河は、「世界で最も危険な氷河」とも呼ばれてもいる。

後退が続くスウェイツ氷河

NASA/OIB/Jeremy Harbeck

 

研究者たちは、この空洞は、約 140億トンの氷が収められるのに十分な大きさだと述べている。それが消滅したと考えられる。

さらに厄介なことに、この場所では、過去 3年間で氷の体積の大部分を失っている。

カリフォルニア大学アーバイン校の教授で、 NASA ジェット推進研究所の氷河学者であるエリック・リグノット(Eric Rignot)氏は、次のように述べる。

「このスウェイツ氷河は、その地下の岩盤にしっかりと固定されていなかったのではないかと、私たちはこの数年疑っていましたが、新しい人工衛星による調査のおかげで、ようやくこの場所の詳細を見ることができるようになりました」

リグノット氏と同僚の研究者たちは、NASA が 2009年からおこなっている北極と南極の氷を観測するプロジェクト「オペレーション・アイスブリッジ(Operation IceBridge)」の一部として、氷を透過するレーダーを用いて、この巨大な空洞を発見した。

測定値からは、発見されたこの空洞は、スウェイツ氷河で起こっている「複雑な後退と氷の融解パターン」の中の 1つの氷の消滅場所に過ぎず、スウェイツ氷河では、毎年 800メートルも氷河が後退している。

現在の氷床モデルや海洋モデルには当てはまらない、これらの新しい測定値が示す複雑な氷の融解パターンは、基本的には寒い場所ではあるが、気温上昇も進む南極の環境で、水と氷がどのように相互作用しているかについて、科学者たちがもっと学ぶ必要があることを示唆している。

論文の著者である NASA ジェット推進研究所のレーダー科学者ピエトロ・ミリッロ(Pietro Milillo)氏は、「私たちは氷床の後退のさまざまなメカニズムを発見しています」と述べる。

スウェイツ氷河の氷が溶けるこの複雑なメカニズムについては、研究者たちはまだ学習の途上にあるが、その最も基本的なところでは、巨大な空洞の存在そのものが単純な科学的現実を表している。

その現実は、ミリッロ氏によれば、以下のようなことだ。

「氷河の下の巨大な空洞そのものが、この場所のさらなる氷の融解に重要な役割を果たしているのです。より多くの熱と水が氷河の下に入るにつれて、氷は、より速く溶けていきます」

スウェイツ氷河は世界の海面上昇の約 4パーセントを占めるので、現在起きている出来事は重大ともいえる。

仮に、スウェイツ氷河の氷が完全に消滅するとすれば、融解した氷河の氷は、海面を推定 65センチメートル上昇させる可能性がある。

しかし実際には、それは最悪のシナリオでさえないのだ。

その理由は、スウェイツ氷河の位置と関係する。

スウェイツ氷河は、内陸に隣接する他の氷河と氷塊の中にあるため、その支持力が消えた場合、その結果は想像もできないようなことになるのかもしれない。そのような理由があるために、現在のスウェイツ氷河の自然構造は極めて重大だと考えられている。

これがどれだけの期間続くかは誰にもわからない。

だからこそ、科学者たちは今、スウェイツ氷河についてもっと学ぶために大規模な探索に乗り出している。

科学者たちが今後何を見出すのかはわからない。

しかし、議論の余地なく、これは現在世界で行われている中で最も重要な科学的研究のひとつであることに間違いない。


 

ここまでです。

問題は、これがスウェイツ氷河だけの問題ではなく、この空洞が、さらに周囲の氷の融解を進行させるという懸念です。

懸念というか、すでに進行しているわけですが、記事でおわかりの通り、氷が内部から先行して溶けていっている理由は、今のところわからないというようになっています。

・・・しかし、この地球で「理由なく大量の氷が溶ける」というようなことはないわけで、しかも、写真を見てもおわかりの通り、スウェイツ氷河の表面の氷は健在なわけですので、素人的な考えでは、

氷を溶かすような熱源が、南極表層にではなく、南極の地下にある

ということになるのでしょうかね。

これについては、ここ1、2年のことでいろいろと思い出すことがあります。

まず最初に思い出すのは、昨年、南極の氷河の下に「活発な火山の熱源がある」ことが発見されたことです。

米ロードアイランド大学の科学者たちが、南極の水中から大量のヘリウム同位体を検出したことをキッカケとして、「南極の下で活発な火山活動が存在した」ことがわかったのです。

これは、以下の記事でご紹介しました。

海面上昇は「地球の気温と関係なく」本格化していく : 南極で最も氷の融解が進むパインアイランド氷河の下で火山が「現在活動している」ことが判明。そして、その熱源が氷を溶かしている

 

そもそも、

南極大陸というのは、世界で最も火山が密集した場所

なのです。

これは 2017年に英エジンバラ大学の研究者たちが明らかにしたもので、衛星からの調査により、南極大陸西部に「 138 個の火山がある」ことがわかったのです。

そして、その時の火山の分布図を見直してみますと、今回の記事に出てくるスウェイツ氷河のある位置にも火山が存在していることがわかります。

2017年に判明した南極大陸の火山 全部で138


theguardian.com

上の地図では 91とありますが、これは、その際に新たに見つかった火山で、以前からわかっているものも含めると 138の火山が南極にあります。

これは、以下の記事で取りあげています。

南極という場所の真実 : 地球で最大の重力異常の場を持ち、地球で最も火山が密集する地帯であることがわかった南極。そして最近そこに地球で最も大きな氷の穴が誕生

 

さらに、2017年には、NASA が驚くべき発見をウェブサイトで報告しました。それは、

南極大陸の下からイエローストーンと同等の地熱が発生し、それが南極の氷床を溶かしている

というものでした。

しかも、南極大陸の氷床の下は「凍っているのではなく、川や湖が存在して、水が流れている」ということも同時に発表しています。

南極大陸の氷河の下は、凍りついているのではなく、下の図のように、おびただしい川や湖が走っているのです。

2017年11月にNASAが発表したニュースリリースより


NASA

このことは、以下の記事に記させていだたいています。
ご参考下されば幸いです。

ノア級の洪水の原因…? : 「南極の氷床がイエローストーン級巨大火山の熱によって内側から溶かされている」とNASAが発表。なお、南極の氷が全部溶けた場合、世界の海水面は今より60メートル上昇

この記事でご紹介しましたロシア・トゥディの報道から前半を抜粋しますけれど、この部分で、なぜ南極の氷が激しく溶けているのかという理由がややわかります。

もちろん、南極の氷が溶けている理由はひとつだけではないでしょうけれど。

'This is crazy': Antarctic supervolcano melting ice sheet from within

「これは狂っている」:南極のスーパーボルケーノが大陸の内側から氷床を溶かしている

RT 2017/11/10

NASA ジェット推進研究所の科学者たちは、南極の氷床に関しての新しい理論を支持する新たな証拠を発見した。

それは、南極大陸で起きている氷の崩壊は、巨大な地熱源、つまり内部からの熱によって引き起こされているというものだ。

その熱の出力は、アメリカのイエローストーン国立公園の規模に近い出力を伴っていることが考えられるという。

地球の地殻を上昇する高い熱を持つ溶融した岩の上昇流を「マントルプルーム」と呼ぶが、この地熱の熱源によって、南極大陸の西部などでの、氷床に沿っての氷の崩壊を説明できる可能性がある。

マントルプルームは新しい発見ではないが、最近の研究により、11,000年前の急速な気候変動で氷河期から温暖な気候になるより「以前」の時代に、なぜ大規模な氷床の崩壊が発生したのか、そして、なぜ今、大規模な氷床の崩壊が起きているのかということについても説明できることになりそうだ。

NASA ジェット推進研究所の科学者ヘレーネ・セロウッシ博士は、以下のように述べる。

「これは狂っていると私は思いました。その熱量がどのくらいで、そして、どのくらいの量の氷がいまだに残っているのかはわかりません」

ここまでです。

この時の研究者も、NASA のジェット推進研究所の科学者でしたが、NASA は、最新鋭の地球探査用の機器を人工衛星に搭載していますので、氷の中や、海底などの「表面から見えない場所」の探査には優れた能力を持ちます。

いずれにしましても、どうやら南極の「下」で、途方もなく大きな活動が始まっているのかもしれないという思いをさらに強くします。

南極には、先ほどご紹介したような 138というような数の火山があるわけですが、もしその多くが一斉に活動を始めたりした場合は、急激な海面上昇が世界的に起きる可能性もないとはいえないのかもしれません。

ちなみに、まあ、これは大げさな話として書くのですけれど、「もし、南極の氷が全部溶けたら、どうなるか」ということに関しては、、2013年の米ナショナルジオグラフィックの記事によれば、

海面上昇は、約 66メートルに達する

のだそうです。

このような極端なことが起きる可能性は基本的にないでしょうけれど、現在の南極の状況から想像してみますと、ある程度の急速な海面上昇が今後起きていく可能性は高いのかもしれません。





  • この記事を書いた人
Oka In Deep

Oka In Deep

世界で起き続ける様々なことをお伝えさせていただいています。

人気の記事

1

ハイヤンから2年…瞬間的に生まれて消えていった史上最大のハリケーン、パトリシア ▲ 2015年10月24日のデイリー・ギャラクシーより。   次々と記録を塗り替える暴風雨の勢力 つい2日ほど ...

2

戦争も経済競争もすべてを超越した「確定した衰退」が日本にも韓国にもある ・gefira.org   今日、「韓国政府が、仮想通貨の取引を全面的に禁止する草案を提出」という速報が流れていました ...

3

現行の進化論が現実的な崩壊に直面している大ニュースなのに、日本ではまったく報道されないという事実も 科学メディア Phys.org の5月28日の記事より ・Sweeping gene survey ...

4

カルデラ破局噴火のイメージ ・Newton   サイクル的にはいつ起きても不思議ではない日本のカルデラ噴火 このブログでは、過去に何度か「カルデラ噴火」というものについて書いたことがありまし ...

5

2019年8月26日の米フォーブスより ・Forbes   扇動と誤りの結果が アマゾンでの森林火災については、最近大きな話題となっていましたが、私も以下の記事で少しふれました。 地球の生物 ...

6

2019年4月23日の徳島新聞より ・100年に1度の珍現象 小松島で竹の開花   平成が終わるその年に開花し続ける神秘の植物「竹」 最近、やけに「竹の花」のニュースを目にするようになりまし ...

7

放射能をめぐる生物の多様性が示す真実はいったいどのようなものなのか ・2011年12月に米国サウスカロライナ州で「微生物が見つかった」原子力発電所の核貯蔵プール。io9.gizmodo.com 「放射 ...

-2019年からの世界, 人類の未来, 地球という場所の真実, 拡大する自然災害, 未来の地球
-, , , , , ,

Copyright© In Deep , 2019 All Rights Reserved.