新型コロナウイルスは、WHO により、あまり意味がありそうもないパンデミック宣言がなされましたが、混乱は拡大しています。
今回は、直接、新型コロナウイルスと関係する話ではないのですが、
「なんかやっぱり終末的なのかね」
というように思わせてくれた英国の研究をご紹介したいと思います。
英国の複数の大学による大規模な共同研究により、この地球の「大規模な生態系の崩壊」が、考えられているより、はるかに近い時期に起きる可能性があるということについてのものです。
ところで、それとは関係ないのですが、先日、習国家主席が「はじめて武漢を訪問した」という報道がありました。どうでもいい話ですが、先にそれについて少しふれさせていだきます。
GO! GO! 共産党
中国の「新規の感染確認数」は、本日は以下のようになっています。
3月12日までの24時間の新たな症例数
・coronavirus
人口 6000万人のイタリアで、1日で 2300人以上の新たな感染者が出ている中で、人口 14億人の中国の新たな感染確認数は「 12人」(笑)。
ちなみに、中国の新たな死者は「ゼロ」です。
中国は、もはや完璧にこのウイルスを押さえ込んだということで、中国を信じ続け奮闘してきた WHO の事務局長も喜んでいると思います。
テドロス事務局長と習国家主席
・jiji.com / EPA
最近、習国家主席が、新型コロナウイルスの発生源とされている武漢を「初めて視察した」という報道がなされていました。以下は 3月11日の報道からの抜粋です。
習主席が武漢初視察 新型コロナ「拡散抑えた」―中国
中国の習近平国家主席は10日、新型コロナウイルスの感染が拡大した湖北省武漢市に空路で入り、医療機関や集合住宅を視察・慰問した。習氏の訪問は、昨年12月にウイルスによる肺炎が同地で発生して以来初めて。
国営中央テレビによると、習氏はまず、感染者隔離のため突貫工事で建設し、人民解放軍が運営する1000床規模の「火神山医院」を視察。肺炎患者をモニター越しに見舞い、医療スタッフに「ウイルスのまん延、拡散の勢いは基本的に抑え込んだ。防疫の情勢は次第に良くなっている」という認識を明らかにした。
(時事通信)
報道では、習国家主席が武漢の「火神山医院」を訪れた様子が、中国国営の中央テレビのニュースで映像で流されました。
そして、その映像で「さまざまなミラクル」が起きていることを、中国人ネットユーザーたちはすぐに気づき、SNS 等には膨大な量の検証画像が投稿されました。
報道の映像で、習国家主席は、武漢の火神山医院の正門前で、医療スタッフや地元で働く軍人などの前で演説をする様子が流されていましたが、ここにおいて、
「超常現象が起きていた」
のでした。
以下は、国営中央テレビで放映されたその様子の画像です。
ここで起きている「前衛的な状態」がおわかりになりますか?
この方々の足下をご覧下さい。
みんなの「影の方向がバラバラ」なのです。
しかも、この画像だけではわからないですが、前に立っている人たちの足下の影の向きも違う方向に伸びているのです(笑)。これを見て中国人ネットユーザーは、「さすがだ。超常現象が起きている」と苦笑気味に検証画像を投稿していました。
それとですね、
「そもそもここは火神山医院ではない」
のです。
中国の国営中央テレビは、習国家主席は、武漢の「火神山医院」を訪問したと報道しました。
武漢の火神山医院は、中国で新型コロナウイルスが発生した後に急遽建設された病院で、10日間で 1000床の病院を作り上げました。
つまり、バラック的な「仮設病院」です。
以下の写真は、上空から撮影された武漢の「火神山医院」です。
ところが、習主席が立っている正門から見ると、この病院は、レンガと石が組まれている 4階建ての立派な建物であり、10日間で建設できるような建物ではない上に、先ほどの写真と整合性とは合わないため、「ここは火神山医院ではない」と中国人ネットユーザーたちはすぐに喝破しました。
そして、よく見ると、正門の看板には「武漢火神山医院」と書かれてあるのです。
病院の正式名は「火神山医院」であり、地名の武漢はつきません。当局のスタッフが「間違って病院名を書いてしまった」ようなのです(苦笑)。
報道は 1分27秒の映像からなりますが、飛行機が写されているのに、習国家主席の降りる様子がないとか他にも多くの矛盾点があり、多くの中国人の視聴者たちは、病院には行っていないと結論付けたようです。
3月に入ってからの中国共産党の言動はものすごくなってきていて、この数日中にでも「新たな感染者はゼロだった」と発表されるのではないですかね。
ここまで極端に捏造を行い続けますと、もう笑うしかないという感じでもあります。
昨年 4月に 68歳で亡くなられました日本のミュージシャンである遠藤ミチロウさんのバンド「ザ・スターリン」の曲に「Go Go スターリン 」というものがあります。私は、その歌詞を思い出して、笑っていました。
ザ・スターリン - Go Go スターリン (1983年) 歌詞
YouTubeママ ママ 共産党
パパ パパ 共産党
ママ ママ パパ パパ 共産党
おとうさん おかあさん うそつき
しかし、国外の私たちは笑っていられますけれど、中国に住む人たちは笑っていられないでしょうね。
米エポックタイムズの記者であるジェニファー・ゼン(Jennifer Zeng 曾錚)さんは、新型コロナウイルスが感染拡大して以来、ずっと中国国内からの画像や動画や情報を自らのツイッターに投稿し続けています。
そこには、数々のとても悲惨な動画や情報が載せられ続けています。
たとえば本日は「新たな感染者数は 12人」というように中国は公式に発表していますが、それならば、少なくとも湖北省以外では封鎖や外出禁止はもう解除されているのだと思うのが普通です。
しかし、たとえば、下は中国黒竜江省の北安市という場所で 3月10日に保健当局から公式に出された通知で、ここには、
「 3月11日から、1家族につき 1人だけが 1日1回、3時間だけ外出できる」
と書かれてあります。「新たな封鎖命令」ということになります。
竜江省の北安市で3月10日に出された告知
・Jennifer Zeng
さまざまな地域で、このような「新たな封鎖」が続いているということが予測されるのです。
いくら中国共産党が「感染者はどんどん減っています」と述べても、現地から発信される情報とあまりにも食い違っていて、どうにもならない面はあります。
中国の現在の公式の感染者数は 8万人となっていますが、ヨーロッパなどでの感染拡大のスピードを見ていますと、感染拡大から3ヵ月目の現在の中国には、実際にはその数十倍から数百倍の感染者がいるというのが現実的な予測のような気もします。
というわけで、ちょっと中国共産党の奮闘ぶりをご紹介させていただきました。
ここから、今回の本題です。
私たちは確実な絶滅ルートを進んでいる
ご紹介させていただきますのは、英国のサウサンプトン大学、東洋アフリカ学院、ロンドン大学、バンガー大学の 4つの大学による環境と生態系についての新しい研究で、ネイチャー・コミュニケーションズに発表されたものです。
その内容は、
・カリブ海のサンゴ礁は今後 15年で崩壊する可能性がある
・アマゾンの熱帯雨林は約 50年で消滅する可能性がある
という衝撃的なものでした。
そのことについて報じていた記事をご紹介します。
いろいろなメディアが報じていたのですが、その中で、この研究論文の内容に反対する意見を持つ科学者の言葉も載せられている記事を取り上げたいと思います。
崩壊の危険にさらされている地球の大規模生態系
Large ecosystems at risk of collapse
Canberra Times 2020/03/11
アマゾンの熱帯雨林やサンゴ礁などの大規模な生態系が、科学者たちがこれまで想定していたよりも早く崩壊する可能性があることが示された。
研究者たちは、数十の生態系の変化に関するデータを分析した結果、カリブ海のサンゴ礁は 15年で崩壊し、アマゾンの熱帯雨林は 50年以内に崩壊する可能性があると結論付けた。研究は、ネイチャー・コミュニケーションズに発表された。
英サウサンプトン大学の教授であり、筆頭著者のジョン・ディアリング博士は、3月10日に、この結果について以下のように述べた。
「これは厳しい結果ですが、しかし、避けられない可能性があります。私たちは、これまで考えていたよりも速い地球の生態系の変化に備える必要があります」
大規模な自然のエコシステムは規模が大きいため、崩壊するのに時間がかかるが、しかし、それが劣化して消滅する可能性のある速度は、小規模なシステムよりも大規模なシステムのほうがはるかに速く発生する可能性があるという。
それは、より大きなシステムを構成する、それより小さなシステムと生態系の生息地は、最初は、より回復力があるように見えるが、それが「転換点」に達すると、非常に急速に崩壊に進むからだと研究者たちは述べる。
調査は、42の生態系( 4種類の陸生、25種類の海水系、13種類の淡水系)について調べた。
しかし、この発見は、一部の専門家たちによって疑問視もされている。
英オックスフォード大学の上級研究員であるエリカ・ベレンゲール博士は、論文は、データセットに 4つの地上生態系しか含めておらず、しかも、いずれも熱帯雨林のものではないという事実により、この研究の内容には問題があると語る。
「ヨーロッパの半分の面積がわずか 50年で生態系の完全な変化を経験するというようなことを想定することはほとんどあり得ません」とベレンゲール博士は述べる。
ベレンゲール博士は以下のように続ける。
「アマゾンの熱帯雨林が大きなリスクにさらされていることは間違いありません。しかし、確かに転換点はあるかもしれないですが、そのような主張の拡大は科学や政策決定の助けにはなりません」
キュー王立植物園の科学ディレクターであるアレクサンドル・アントネッリ博士は、この研究結果を受けて、以下のように述べている。
「この研究にあるアマゾンに与える影響は恐ろしいものです。今すぐ緊急措置を講じなければ、少なくとも 5800万年にわたって進化し、数千万人の命を支えている世界最大かつ最も生物多様性のある熱帯雨林を失う危機に瀕しているということなのかもしれません」
ここまでです。
まあ確かに激しい主張であり、オックスフォード大学のエリカ・ベレンゲール博士の言うように、
「いくら何でも 50年でアマゾンの熱帯雨林の生態系が消滅する」
というのは極端な主張にも聞こえますが、ただ、「最近は何もかもが急速」だということも事実です。
以下の記事では、地球上の「昆虫の減少の速度と種類」が異常となっていて、オーストラリアのシドニー大学とクイーンズランド大学の研究者たちは、
「今のままだと、あと数十年で昆虫全体が絶滅の危機に瀕する可能性がある」
と述べています。
地球上の昆虫の減少が「カタストロフ的なレベル」であることが包括的な科学的調査により判明。科学者たちは「100年以内にすべての昆虫が絶滅しても不思議ではない」と発表
海や淡水に生きる生物たちも異常な速度で消えていっていることを以下の記事でご紹介したことがあります。
地球の生物が何もかも消滅し続けている… : 淡水の大型魚類が40年間で「90%」という絶滅レベルでの減少を起こしていることが国際的な調査により判明
さらには、私たち人間の最大の共存者のひとつである「植物」が今、かつての地球では見られたことのないほどの速度で絶滅し続けていることをご紹介しています。
ここまでの「生態系の危機」は、ほんの数十年前まではなかったものです。
この数十年で顕在化して、21世紀になり、ものすごい勢いで加速しています。
確かに極端に聞こえる英国の研究ですけれど、それでも、今後の数十年というのは、環境や生態系に関して「かつてない転換点」となる可能性も高いと思われます。
それは、私たち人類が先に進めるかどうかというレベルの問題になっていくのかもしれません。
現在の私たちは、突如として発生したパンデミック・カオスの渦中にありますが、こういう混乱の中で、仮に一部ではあっても社会・経済システムが崩壊していく可能性があるわけで、そして同時に地球の自然と生態系のシステムも崩壊していこうとしているということなのかもしれません。
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