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3月15日にメルマガニネベの年に起きること。そしてガンと寄生虫の関係を発行させていただきました。

2019年からの世界 人類の未来 地球という場所の真実

地球上の昆虫の減少が「カタストロフ的なレベル」であることが包括的な科学的調査により判明。科学者たちは「100年以内にすべての昆虫が絶滅しても不思議ではない」と発表

投稿日:2019年2月12日 更新日:

2019年2月12日の英国インディペンデントの報道より


independent.co.uk




 

地球の植物の90%は昆虫によって受粉されることにより生き継いでいる

少し前に、以下のようなタイトルの記事を書かせていだきました。

[衝撃] 2億5000万年前の地球史上最大の大量絶滅では「まず植物が先に絶滅」し、それから他のすべての絶滅が始まったことが判明。そこから思う「今まさに進行している地球の6度目の大量絶滅事象」
投稿日:2019年2月3日

これは、

「地球の最大の大量絶滅の際には、《先行して植物が説滅していた》」

ということが米ネブラスカ大学の研究で明らかになったということをご紹介させていだたいたものでした。

そして、2017年10月には、以下のような記事を書きました。

この世の昆虫の数は回復不能なレベルで減少していた : 羽を持つすべて昆虫類の生息量が過去27年間で75パーセント以上減っていたことが判明。自然界の植物の80%が「昆虫による受粉で存在している」この地球の近い未来は……
投稿日:2017年10月20日

これは、「昆虫が、過去27年間で 75パーセント減少していた」という衝撃的な調査でしたが、この記事のタイトルにもありますように、この地球の生態系には、以下のような事実があります。

自然界の植物の 90パーセントが昆虫によって受粉されている

つまり、

「昆虫が完全に消えれば、多くの植物は生き残ることができない」

ということになるわけです。

ここで、先ほどの「大量絶滅の時に、植物が先行して絶滅していた」ということに関して振り返りますと、「植物がなければ、他の生物は生きられない」ということは、感覚的にも現実的にもよくわかるのですが、

「その植物そのもそのが、昆虫がいなければ生きられない」

ということになります。

そんな中で、今回ご紹介させていただきますのは、オーストラリアの2つの大学の共同研究によって、これまで世界中で発表された「昆虫の減少に関しての論文」を総括的に調査した結果として、

地球の昆虫の減少ぶりは、おそろしい規模になっていた

ことがわかったというものです。

そして、論文を書いた生物学者たちは、

「このままだと、100年以内に、地球の昆虫がすべて絶滅してしまう」

とまで述べているのでした。

地球の昆虫がすべて絶滅というのは大げさな感じの表現ですが、しかし、すべてということではなくとも、大規模な昆虫の大量絶滅が進行中なのは確かなようで、数十年内に、相当な種類の昆虫が絶滅していくことは確実な情勢のようです。

そして、先ほど書かせていただきましたように、「昆虫がいなければ、ほとんどの植物は生きられない」のです。

その上で、

「植物がいなければ、ほとんどの生き物は(昆虫も)生きられない」

という、実に明確な「輪廻」があります。

その輪廻が「発動」するまでの時間は、そんなに長いものではないということが、次第に明らかとなってきています。

まずは、その研究についての記事を先にご紹介しておたきいと思います。

イギリスのガーディアンの記事をご紹介させていただきますが、このことは、世界中の多くのメディアが伝えています。

中には、下の報道にように、「 100年以内に 100パーセントの昆虫が絶滅する」というストレートなタイトルのものもありました。

2月11日の米メディアの記事より


slashgear.com

なお、記事中に「浸透性殺虫剤」という言葉が出てきますが、以下のようなものだそうです。

浸透性殺虫剤

薬剤を植物の茎葉に施用したり,土壌中に注入すると,その薬剤が植物体内に浸透し,全身に移行して,その植物全体が殺虫力をもつようになる殺虫剤。

現在の浸透性殺虫剤には哺乳動物に対する毒性の強いものが多い。(ブリタニカ国際大百科事典)

それでは、ここから記事です。

 


Mass insect extinction within a century threatens 'catastrophic' collapse of nature’s ecosystems, scientists warn
Independent 2019/02/12

100年以内に「昆虫の絶滅」が発生する恐れがあり、それは自然の生態系システムの「壊滅的」な崩壊の危機と直結すると科学者たちが警告した

地球規模の科学的検証によると、農薬、汚染、気候変動により「驚くほどの」割合で昆虫種が一掃されていることが判明した

農薬の使用が、世界中の昆虫の「驚くべき」減少を引き起こしており、これは自然の生態系に「壊滅的」な影響を与える可能性があると研究者たちは警告している。

科学誌「バイオロジカル・コンサーベイション(Biological Conservation / 生物学的保全)」に掲載された科学レビューによると、昆虫種の 40パーセント以上が、この数十年で絶滅の危機に瀕している。その原因には、気候変動や汚染も含まれている。

昆虫の生体数の急落率があまりにも激しいために、ほぼすべての昆虫が 1世紀以内に消滅する可能性があると、この研究は明らかにした。

論文で研究者たちは、「急減している昆虫の個体群の回復を可能にし、それらが提供する重要な生態系の役割を保護するために、農業業界の見直しが緊急に必要だ」と述べている。

研究は、オーストラリアのシドニー大学とクイーンズランド大学の研究者たちによっておこなわれた。

この研究では、生物学者たちが、世界中の 73例の歴史的な昆虫の減少の報告について系統的レビューをおこなった。

その中で研究者たちは、既知の昆虫種の 10パーセントがすでに絶滅していることを見出した。比較すると、脊椎動物では、絶滅は 1%だった。

そして、絶滅せずに残っている昆虫のうちの 41%が減少していた。

過去 30年間で、全昆虫の総質量は年間平均 2.5パーセント減少していた。

シドニー大学生命環境科学部のフランシスコ・サンチェス-バイヨ(Francisco Sanchez-Bayo)博士は、以下のように警告する。

「あまりにも劇的なこの減少は、今後 100年のうちに昆虫が地球からいなくなってしまうことを示しています」

もっとも大きな減少率だったのが蝶(チョウ)と蛾(ガ)類で、ミツバチやフンコロガシも最悪レベルの減少率だった。

また、研究者たちは、かなりの割合の水生ハエ種もすでに消えていると述べた。

このレビューでは、絶滅の主な 4つの要因が強調されている。

農業、都市化、森林伐採による生息地の喪失、汚染。そして、侵入種や病気などの生物学的要因と気候変動。

調査された研究の 40パーセントで「農業が主な原因」であり、研究者たちは特に脅威として「農薬の使用方法」を強調している。

サンチェス-バイヨ博士はこのように述べる。

「私たち人類は、何千年も農業を続けてきましたが、その何千年の間に、このような昆虫の減少が起きたことはありませんでした。浸透殺虫剤の登場は、農業の方法に大きな変化をもたらしました」

そして、博士は以下のように言った。

「農業での食物の生産方法を変えなければ、あと数十年で、昆虫全体が絶滅の危機に瀕する可能性があります」

「これが地球の生態系に与える影響は、控えめに言っても壊滅的です」

研究者たちは、減少しつつある昆虫個体群は、世界の動植物種において「地球での6回目の大量絶滅」が進行している証拠であると付け加えた。


 

ここまでです。

先ほどリンクしました過去記事で、私は、

「昆虫が消えるということは、《自然界が消える》」ということと同義」

というように書いていますけれど、昆虫 → 植物の受粉という流れを見ましても、それはあながち間違いではないかなと今も思います。

ちなみに、私自身が、「虫って、実は信じられないほど減っているのではないか」と思い始めたのは、以前の夏、北海道に帰省した時のことでした。

2017年7月の「ふと気づくと「虫がいない世界」に生きている」という記事の冒頭に私は以下のように書いています。

2017年7月30日の In Deep 記事より

先日、とても短い期間ですが、帰省しました。

私の実家は北海道にあります。

実家のある場所そのものは大自然云々というような場所ではないですが、少し移動すれば、文字通り、どこまでも緑が広がる光景に覆われます。

今年もそういう場所に行ったのですが、最近思っていたことが極限になって突きつけられている感じがしました。

それは「虫がまったくいない」のです。

限りなく広がる大自然の風景から、虫の姿と虫の声が完全に抜け落ちている。

そこが現実ではないような感覚に見舞われながら、そこだけではなく、どこへ行っても、「まったく」虫の気配がしないのでした。

 

ここまでです。

これはその何年も前から、帰省するたびに薄々とは感じていたことではあるのですが、この 2017年の「夏の北海道の緑の中の静寂」には驚きました。

ものすごく自然が残っている場所に行っても、

「虫が完全にいない」

のです。

私が子どもの頃の北海道の夏というのは、まさに「虫だらけ」で、巨大なトノサマバッタがたくさん飛びまわり、キリギリスやセミの鳴き声はうるさいほどで、森林に行けば、クワガタなどは誇張ではなく、バケツに入れられるほど獲れました。

なので、小学生の男の子たちは、夏はずっと虫取り(という名の虫の大虐殺行脚)をしていた感じがあります。

「緑の中に虫がいない」ということに気づいて以来、海外の昆虫の減少のニュースを注意して見ていると、その減少ぶりは、「まったく壊滅的なもの」となっていることを知るのでした。

もちろん、昆虫以外のあらゆる生物が非常に激しく減少し続けてはいまして、2015年には、「ヨーロッパの鳥類が大幅に減少している」ことがわかったり、WWFの調査で、野生生物の個体数が 1970年以来、60パーセント減少していることがわかったり、他にも爬虫類なども世界中で減っています。

2015年5月の英国ガーディアンの報道より


theguardian.com

2016年10月の米ロイターの報道より


reuters.com

2010年6月の英国BBCの報道より


bbc.co.uk

あるいは、水中にすむあらゆる生物も、以下の記事に書かせていただいた「人間の薬の水への排出」により壊滅的な影響を受けている可能性が浮上しています。

完全絶滅プロトコル : 魚たちが次々と「男性から女性へと変化」しているその原因が判明。そこから気づいた「人間から水循環システムの中へ排出されている薬たちによる皆殺し」
投稿日:2017年7月8日

その中でも昆虫の減少の急激さは非常にすさまじいものがありますが、今回のオーストラリアの研究論文のように、

「 100年以内に昆虫が絶滅する」

というような極端な説が、科学者により主張されたのは、これが初めてのことだと思われます。

おそらく、相当な危機感があってのこの表現だったのでしょうけれど、ただ「その理由」については単純ではなさそうです。

今回の論文では、科学者の人々は、たとえば、「農薬」などとの関係を強く示唆ししています。もちろん、植物自体に殺虫性を持たせる浸透性殺虫剤が、昆虫に良い作用を及ぼすわけがないとは思います。

しかし、先ほどリンクしました記事「この世の昆虫の数は回復不能なレベルで減少していた …」の内容は、オランダのラドバウド大学の生物学者たちによって、ドイツの 63におよぶ自然保護区で、昆虫の生態調査をおこなったものですが、その調査からは、「理由はもっと根本的なところにあるかもしれない」ということが伝わってくるのです。

その結果は、その論文から抜粋しますと、以下のようなことになっていました。

2017年10月18日に発表された昆虫の減少に関する研究論文より

研究チームは、これらの地域で、羽を持つ昆虫のバイオマスがわずか 27年間で 76パーセント(夏期は 82パーセント)にまで減少したことを発見した。

彼らの結果は、それまで報告されていた、蝶や野生のミツバチ、蛾などの種の最近報告された自然界での減少と一致している。

しかし、この調査では、特定の種類だけではなく、羽を持つ昆虫の全体的なバイオマスが大きな減少を起こしていることがわかり、事態の深刻さを示している。

研究者たちは、この劇的な減少は、生息地に関係なく明らかであるとしており、天候や、土地の利用状況、および生息地の特性の変化などの要因では、全体的な減少を説明することはできないことも判明した。

この減少は、大規模な要因が関与しなければ説明がつかないことを研究者たちは示唆している。

ここにありますように、

> この劇的な減少は、生息地に関係なく明らか

> 土地の利用状況、および生息地の特性の変化などの要因では説明できない

というように、原因の特定が容易ではないほど「大規模にどこでも」起きているのです。

そもそも、自然保護区では殺虫剤は使われないと思われますが、そのような場所でも、すべての自然保護区域で、昆虫は劇的に減少していたのです。

上の論文の、

この減少は、大規模な要因が関与しなければ説明がつかない

というあたりが示していますように、「本当の原因」は、想像もつかないものなのかもしれません。

とはいえ、もちろん、現在の行きすぎた農薬の大規模な使用に問題がないわけもなさそうですが、しかし、現実問題として農薬を制限していくというのも現実的な話ではなさそうです。特に、日本などの超少子高齢化の社会では、農家さんの多くが高齢化しており、農薬を完全に使わない農業は事実上不可能なはずです。

 

ちなみに、私自身は、昆虫を含めた生物の大規模な減少が進んでいる原因のひとつには、

「地球の磁場の極端な弱体化」

があると思っています。

もちろん、これは理由の中のひとつであり、どの程度関与しているかについても何ともいえないですけれど、この世の多くの生物は、基本的に「磁場で生きている」ものなのです。

それに関しては、以下の記事で取りあげさせていただいたことがあります。

おそらく人間を含めた「全生物」は磁場により生きている:ハトや蝶が持つ光受容体がヒトにも存在していること。そして、そのハトや蝶が「全滅」に向かっていること
投稿日:2015年11月23日

そこでご紹介した記事には以下のような記述があります。

サメ、ウミガメ、鳥類、昆虫、オオカミ、クジラ、さらには線虫など、多くの動物たちが、自身の移動を助けるために、地球の磁場を使用すると考えられている。

生物にとっての「移動」とは、一般的にはエサを獲得するためのもので、それはすなわち生きることそのものであり、それができなくなれば、昆虫も生きていけないはずです。

地球は、このような磁場で生きているたくさんの動物たちに支えられていますが、その地球の磁場は急速に消えていっています。

おそらくこれが生物の絶滅が続く大きな原因のひとつだとは思いますけれど、この「磁場の弱体化」は、「人間の努力では是正できない」です。

そして、現状では、地球の磁場が回復する兆しはまったくないですので、昆虫を含む生物種の危機的状況は今後も続いていくものと考えられます。

何といいますか、ほんの 20年後くらいの地球がどのようになっているかも想像できなくなってきましたね。

 

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