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11月29日にメルマガ第三次世界大戦が迫っているかもしれない中で「体に良い食生活とは何か」と考え込むを発行させていただきました。

2023年からの世界 ディストピアへようこそ 人類の覚醒と真実 健康の真実 悪魔の輪郭

米国の科学者がアルコール依存症に対しての遺伝子治療を開発。それはいいとして、脳の中心に直接打つタイプであり…。思い出すのはロボトミー

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medium.com




脳中心部への遺伝子治療介入

最近の医療は「大義名分さえあれば何をやってもいい」という風潮がとても強い世の中で、それは、特にワクチンの周辺で大きな潮流となっていますが、最近、ふと、

「アルコール依存症を治療するワクチンが開発された」

という報道を読みました。

報道自体は、以下のような短い記事です。

米国の科学者がアルコール依存症に対するワクチンを開発した

Scientists from the USA have created a vaccine against alcoholism
azernews.az 2023/08/23

米国オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターと医学部の科学者たちが、アルコール依存症に対するワクチンの開発を発表したとアゼルニュースが報じた。

この薬は遺伝子治療薬で、体内に一度注射すると脳内のドーパミンレベルを回復させる。

学術誌ネイチャー・メディシンに掲載された論文よると、ドーパミンはアルコール依存症に重要な役割を果たすホルモンだという。

霊長類を対象とした研究では、この薬を単回投与すると、アルコールへの欲求が長期的に減少することが示された。科学者たちは、アルコール依存症ワクチンが、世界の主な死因の一つである依存症との闘いにおける画期的な進歩となる可能性があると確信している。

現在、この薬は前臨床研究の段階にある。科学者たちは臨床試験をすぐに開始したいと考えている。

アルコール依存症ワクチンは、依存症との戦いにおいて真の画期的な進歩となる可能性がある。

この薬は安全で効果的であり、その使用は長期にわたる治療を必要とししない。このワクチンは、何百万人もの人々が依存症から回復し、通常の生活に戻るのに役立つ可能性がある。

ここまでです。

この薬は安全で効果的であり…」というような、まだ前臨床試験の薬剤を賞讃するあたり、最近の「有効率 95%」とこの 2年半喧伝されていた何かを思い出させますが、それはともかく、記事では、ワクチンと連呼していますが、「治療薬」のようです。ただ、「アルコールへの欲求が長期的に減少する」とあるあたりは、「予防」すなわち、ワクチンとしての機能もあるのかもしれません。

その論文が出ているネイチャー記事を探してみました。以下にありました。

(論文)非ヒト霊長類の雄におけるアルコール使用障害に対するGDNF遺伝子治療
GDNF gene therapy for alcohol use disorder in male non-human primates
nature.com 2023/08/14

 

内容は難しいですが、その「治療の方法」について、論文の概要には以下のようにあります。

(論文より)

> 我々は、ドーパミン作動性ニューロン機能を増強する成長因子であるヒトグリア由来神経栄養因子(AAV2-hGDNF)をコードするアデノ随伴ウイルス血清型2ベクターを、別の4匹の投与ビヒクルとともに4頭のアカゲザル雄の VTA に注入することにより、この仮説を検証した。 nature.com

 

GDNF とか、 VTA とか聞き慣れない単語が並びますが、ここを読む限り、以下のようなことだと思われます。

「 VTA という部位に、GDNF をコードする遺伝子を注入する」

さて、GDNF とは何かというと、これは「グリア細胞株由来神経栄養因子」というものの略称のようで、Wikipedia によると、以下のようなもののようです。

グリア細胞株由来神経栄養因子(略称: GDNF)は、ヒトでは GDNF 遺伝子にコードされるタンパク質である。GDNFは、多くのタイプの神経細胞の生存を促進する低分子量タンパク質である。

グリア細胞株由来神経栄養因子

さらに読みますと、以下のようにあります。

… GDNFの最も大きな特徴は、ドーパミン作動性神経と運動神経の生存をサポートする能力である。これらの神経集団はパーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)の疾患過程で死に至る。

また、GDNFは腎臓の発生と精子形成を制御しており、アルコール消費を強力に迅速に抑える効果がある

グリア細胞株由来神経栄養因子

なるほど、この「アルコール消費を強力に迅速に抑える効果がある」という、従来からわかっている部分について、そこに「介入しよう」という医療のようです(どうでもいいですが、「精子の形成」を制御する要因がこんなところにもあるのですね)

では、この GDNF をコードする遺伝子を注入すると記されている VTA とは何であり、どこなのか

これも、Wikipedia からです。

腹側被蓋野 - Wikipedia

腹側被蓋野(ふくそくひがいや / VTA)は哺乳類の脳における中脳の一領域であり、被蓋腹側に位置する。被蓋とは脳幹の背側の領域を広く指す言葉であり、系統発生的に古い部分である。この中の腹側被蓋野は黒質や赤核に囲まれた内側の領域である。

VTAのドーパミン神経は報酬や目標志向型の行動に中心的な役割を担っている。

腹側被蓋野

文字の説明だけでは位置などがよくわかりません。

「 VTA ってどこにあるんだ?」

と図を見ますと、「ど真ん中」なんです。脳の

「ここに注射かなんか打つのかよ」と思わざるを得ない微妙な場所に見えます。

VTA (腹側被蓋野)の場所

腹側被蓋野

上からだと以下のような位置です。脳の中心といえます。

VTAの場所(上から)

akira3132.info

このあたりがどんな位置かというと、「脳幹」と言われるあたりに含まれることになりそうで、松果体にも近い位置ですね。

脳幹と松果体の位置関係

suwa-ah.com

ともかく、何だか脳のど真ん中に見える上に、非常に繊細で微妙な場所のようにも見えます。

論文によれば、

> アデノ随伴ウイルス血清型2ベクターを VTA に注入する…

とあり、ここに注射、あるいは「注入」するような治療のようです。

 

…そりゃあ、「アルコール依存症の治療」という大義名分は素晴らしいものです。アルコール依存症で苦しんでいる人たちや、その家族には、まるで朗報のようにも聞こえます。

しかし、

「ここは人為的に介入するような場所か?」

と思うのですが、どうなんでしょう。

まあしかし、先ほどの GDNF の項目を読んでいますと、

> 2012年、ブリストル大学はパーキンソン病患者に対する5年間の臨床試験を開始した。41人の参加者は、薬剤が損傷細胞へ直接到達することができるよう、頭蓋内へのポートの外科的な導入が行われた Wikipedia

とありまして、ずいぶん以前から、「このあたりに直接介入する研究」は行われていたようです。しかし、上の 2012年から 11年経って、このような脳への物質的な直接介入は、少なくともパーキンソン病の治癒には効果は見出されていないわけですが、「それでもここへの介入は続ける」。

くどいですが、アルコール依存症の治療という大義名分は確かに大きいです。新たな「脳への介入」の大義名分としては申し分のないものだと思われます。

 

ちなみに、この VTA が位置すると思われる「脳幹」の働きは、まるで「人間としての維持性そのもの」にも思え、以下のようにあります。

脳幹(自律機能を制御する部位)

脳幹は、中枢神経系を構成する重要な部位が集まる器官。

生存の上で欠かせない自律機能を直接制御している重要な部位であり、睡眠・覚醒レベルの調整、姿勢運動制御も行っています。脳幹は多種多様な神経核から構成されており、その機能も当然ながら多様であり、この小さな部分に多数の生命維持機能を含んでいます

…また、体温温覚・感覚・冷覚・聴覚・眠気・食欲・筋力などの様々な情報を分類して大脳皮質に伝え、覚醒・運動・感覚の制御・呼吸のリズムを形成します。

脳幹では、脳神経の運動核が存在(動眼神経核、滑車神経核、三叉神経運動核、外転神経核、顔面神経運動核、副神経核、舌下神経核)し、その軸索は脳神経の一部として脳幹から神経末梢へと出ています。

脳幹部には脳幹網様体と呼ばれる領域があり、大脳半球に対して刺激を送っています。

この領域がダメージを受けると人は昏睡状態に陥ってしまうため、刺激が人の意識レベルの調節を行っていると思われています。

akira3132.info

ここに「この領域がダメージを受けると人は昏睡状態に陥ってしまうため」とありますけれど、なので、「脳の奥深くにある」ということなんですかね。人為的に介入するのでなければ、通常では達する物質が存在しない領域です。

あくまで、通常では、ですが。

以前、ドイツの研究で、「スパイクタンパク質が、脳のあらゆる部位から検出された」ということを記事にしたことがありますが、スパイクタンパク質がこの脳幹あたりに達している可能性もないでもなさそうですが、そういうことがなければ、ということです。しかし、この話はここでは横道ですので、話を戻します。

 

 

脳への医療介入の歴史

かつて、方法は異なりますが、同じように「脳に介入する素晴らしい治療法」がありました。ノーベル賞も受賞した医療です。

「ロボトミー」です。

ロボトミー手術とは、平たくいえば、以下の写真でお医者さんたちが「示している脳のあたりを破壊する」という、精神疾患の人を対象に行われていたものです。


ロボトミー

前頭葉白質切截術(ロボトミー)

前頭葉白質切截術、およびロボトミー、またはロイコトミーとは、精神外科の一術式で、脳の前頭前野の神経線維の切断を伴う脳神経外科的な精神障害の治療法である。

…大脳の前頭葉の前部にある前頭前野へ交連する神経線維のほとんどがこの処置で切断される。重篤で頻繁な有害事象を伴う事が一般に知られていたにもかかわらず、20年以上にわたり西側諸国において精神障害や場合によっては、精神疾患以外を対象とした治療の主流として行われていた。

この処置を最初に考案したポルトガルの神経学者エガス・モニスは「ある種の精神病症状に対するロイコトミーの治療的価値の発見」に対して1949年のノーベル生理学・医学賞を共同受賞したが、この受賞にも議論があった。

1940年代前期から1950年代にかけて、この処置の使用頻度は劇的に増加し、イギリスではアメリカよりも多く行われ、最盛期には年間 1000件を越えた。

wikipedia.org

具体的には、下の赤い丸のところに器具を差し込んで、脳の前頭葉を他の部分から切断してしまう手術です。

 

先ほどの説明には、精神障害の治療と書かれていますが、実際には、うつ病や、心的外傷後ストレス障害(PTSD)にも当時は適用されていましたので、今ならパニック障害も「適用例」に該当すると思われます

 

ここまでのすべてがメチャクチャな話だと思われるかもしれないですが、

「じゃあこの 2年半は?」

という話でもあるのかもしれません。

 

先ほどの「アルコール依存症の治療法」も、脳のあんな部位に「遺伝子治療」を行ってしまった場合、その長い影響は、想定できるものではないです

でも、「先のことなんて知らない」のが現代医療ともいえます。平たくいえば、「血圧を薬でむりやり下げて、そのずっと後にどうなるのかは知らない」というのと同じです。

そもそも、まして「脳」なんてもののことなんて、まだほとんどわかっていないのですし。

今回知ったアルコール依存症の治療という(素晴らしい)見識は、「脳を物理的にいじくれば精神病は治る」としたロボトミーと同じ思想だと思います。現代医学らしくはあります。

ロボトミーについては、10年前の記事に書いたことがあります。

(記事)ノーベル賞とロボトミー : 「科学の歴史」を振り返って、ちょっと考え込んでしまいました
 In Deep 2013年12月20日

 

比較的最近の記事では、スウェーデンのカロリンスカ医科大学の医学博士が、「医師が患者を傷つけるとき」という論文の中で、ロボトミーのことに長くふれている文章をご紹介しています。

(記事)医学が多くの人たちの健康を奪った歴史のほんの一例
  In Deep 2021年2月27日

 

カロリンスカ医科大学の医学博士は、この文章で他に「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」のことと「人工気管移植手術」について書かれていました。

 

そういえば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)ではないですが、最近、アメリカで、アセトアミノフェン(日本でのカロナール)に対して大規模な集団訴訟が起きています。以下の記事で取り上げています。

妊娠中のアセトアミノフェンの服用で、子どもが自閉症で生まれた、とする訴訟です。

(記事)「アセトアミノフェンによって子どもが自閉症で生まれた」とした数万人の母親たちによる大量訴訟が米国で発生中
 地球の記録 2023年8月24日

訴訟に加わっている女性の数は数万人と報じられていますので、「ごく稀な影響」とも言えないものであることが示されているのかもしれません。もちろんまったく関係ない別の自閉症の要因も多く含まれているとは思いますけれど。自閉症の原因は、おそらく現代社会の中に存在する多岐にわたり、ひとつに集約できるものではないはずです。

それでも、アセトアミノフェンは、ひとつの要因だとは思われます。

In Deepの以下の記事でも、妊婦さんや乳幼児のアセトアミノフェンの服用が、子どもの自閉症や神経発達障害を引き起こす要因となることを述べた論文や記事をご紹介しています。

(記事)アセトアミノフェン(日本名:カロナール)の妊婦さんと乳幼児の服用は「子どもの自閉症や神経発達の問題の原因になる」エビデンスが示された論文が発表される
 投稿日:2022年8月1日

 

ところで、先ほどの記事「医学が多くの人たちの健康を奪った歴史…」を書いた 2021年2月27日というのは、日本ではまだコロナワクチンの接種は基本的に始まっていなかった時ですが、世界ではすでに 2億人以上が接種していました

そのためか、この記事の締めは以下のような文章でした。

2月25日には、世界のコロナワクチンの接種者数が 2億2000万人を超えました。しかし、心身に悪影響ばかりのマスクも孤立化も社会の閉鎖も撤廃される兆しはまるでありません。

今回の医学的誤りによる犠牲者の数は過去とは桁違いになりそうです。

 

もはや「医学的誤り」とは言えないのですが、どちらにしても「犠牲者の数は過去とは桁違いになりそうです」という部分は、この記事を書いた 2年半後の今も思いは変わりません。

この 100年(あるいは数百年)の医療というのは、これらと類似するものが非常に多いことが今になってわかりますが、それでも、今現在の医療過誤の10年後などに向けての影響の大きさは史上最大になることは避けられないと思われます。

それでも、人びとの現代医療への過度な信仰が止まることはないのでしょう。





  • この記事を書いた人

Oka In Deep

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