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4月19日にメルマガ私たち現生人類は「鉄の種族」であることから思う生き方を発行させていただきました。

2018年からの世界 地球という場所の真実 拡大する自然災害

2018年の始めに「26日間の奇妙な空白」があった地震の状況

投稿日:

今年元旦の米国ニューズウィークの記事

newsweek.com

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2017年暮れから2018年に起きていたこと

先日の、

地球の海底で何が起きている? : 「聖書という名の町」で聖書のような出来事が起きた南米エクアドルで「海が突然消えた」後にコロンビアの海岸では原因不明の津波が
 In Deep 2018/01/07

という記事は、その内容そのものは、南米の海岸で原因不明の海岸の後退が起きているとか、あるいは、やはり原因不明の「ミニ津波」が起きているというようなことを取りあげたのですけれど、この記事の一番最後のほうに、

> 地震については最近いろいろなことが出てきていますので、また別の記事で取りあげたいと思います。

と書きました。

この「いろいろなこと」というのは何だったのかというと、まあ、いろいろと表現しているだけ、それこそいくつかのことがあるのですけれど、特に気にしていたことは、

「マグニチュードの大きな地震があまりにも長期間来ていない」

ということだったのです。

上の記事を書いた時点で、2017年12月15日を最後に、「マグニチュード 6以上の地震が 25日以上、世界で起きていない」のでした。正確には、2017年12月15日にインドネシアのジャワ島で発生したマグニチュード 6.5の地震が最後でした。

結局、今日(1月10日)、中南米のホンジュラス付近でM7.6の地震が発生し、26日ぶりにマグニチュード 6 以上の地震が起きたのですけれど、この「 25日間以上マグニチュード 6以上の地震が発生しない」というのが、いかに異常なことかといいますと、その前の月や前々月などを見てみますと、以下のようになっていたことでもおわかりいただけると思います。

2017年12月、11月のマグニチュード6以上の地震の頻度

・12月15日以前の1ヶ月は、マグニチュード 6以上の地震が「 3日に1度」の割合で発生( 1ヶ月で 9回発生)

・さらに、それ以前の1ヶ月は、マグニチュード 6以上の地震が「 2日に1度以上」の割合で発生( 1ヶ月で 18回発生)

実際も、昨年からの「最後の M6以上の地震」となった 12月15日以前の「12月中だけ」のマグニチュード 6以上の地震を羅列してみれば、以下のようになります(世界の地震より)。

2017年12月のM6.0以上の地震

2017年12月15日 M6.5 インドネシア
2017年12月13日 M6.5 大西洋南部
2017年12月12日 M6.0 イラン中部
2017年12月09日 M6.1 ミクロネシア
2017年12月08日 M6.2 ニュージーランド
2017年12月03日 M6.0 エクアドル
2017年12月01日 M6.0 パプア・ニューギニア
2017年12月01日 M6.0 イラン中部

結構な頻度で発生していたことがおわかりかと思います。

それが、「 2017年12月15日を最後にピタッと M6 以上の地震が止まった」のでした。

環太平洋火山帯に関しては、マグニチュード 6程度の地震は日常的なもので、ある程度頻繁に起きることこそ「正常」です。

基本的には(特に最近は)数日に一度は起きるものであるにもかかわらず、12月15日の M6.5の地震を最後に、2017年には M6以上の地震の発生がないまま終わりました。

そして、2018年になり、それでもずっと起こらない。前回の M6 から 25日経ってもまだ起きない。

私だけではなく、世界中で結構な人たちが、

「何か奇妙なのでは」

と思っていたところはあるようで、 SNS やブログなどで指摘している人たちもいました。

結果として今日、中南米でマグニチュード 7.6の地震が起きましたけれど……。

なお、今日、M7.6の地震が発生した場所は、先ほどリンクしました記事「地球の海底で何が起きている? ……」で取りあげた場所と近い位置ではあります。

そこに載せました地図に今日の地震の震源をマークしますと、以下のようになります。

2018年1月10日の中南米のM7.6の地震の震源

Google Map

原因不明のミニ津波が発生したコロンビアの海岸とも近いといえば近いかもしれないですが、さすがに地震との因果関係はわかりません。

「海が消えた」エクアドルにしても、今日の地震の震源のある海域とは基本的に異なる海洋エリアですので、これも関係があると考えるのは難しそうです。

そして、それより問題は、

「基本的に地震が増え続けていた中、26日間も M6 以上の地震が発生しなかった」

ということ自体が今もなおとても奇妙に思っています。

それと……これは、あくまで個人的に指標にしていることであり、科学的な因果は示されていないことですが、ちょっと記しておきたいことがあります。

 

混沌とし続ける上空の電子

地球の高層の「電子の状態」は日々観測されていて、NOAA (アメリカ海洋大気庁)のサイトで、リアルタイムで公開されているのですが、これまで

「それが大きく攪乱した状態が続くと地球のどこかで大きな地震が起きやすい」

という傾向は確かに続いています。

これは要するに、高層大気での電子の流れだということでいいのではないかと思います。これが今年の 1月8日頃から現在まで非常に攪乱し続けています。

2018年1月8日から10日までの電子の状況

NOAA / GOES ELECTRON FLUX

ふだんは、きれいな曲線が描かれているグラフですが、稀にこのような状態になります。そして、そういう時には……これは単なる個人的な感想ということを繰り返して書いておきますが、大きな地震が起きやすい傾向があります。

今回もグラフが混沌としはじめてから二日後の今日、M7.6 の地震が発生しました。

同じようなことは過去幾度となく起きていまして、たとえば、下は昨年 2017年7月16日から 18日までの同じものですが、グラフが攪乱してから二日目の 7月18日に、カムチャッカ半島近くで「マグニチュード 7.8」の地震が発生しました。

2017年7月17日から18日までの電子の状況

NOFIA

その後に起きた地震

USGS

こういうことがわりとよくある上に、現実として「 26日間、マグニチュード 6以上の地震が起きていない」ということがあり、個人的には、いろいろ思っていたところもありました。

今日 M7.6の地震が起きたとはいえ、今も何となく不穏な感じは変わらないままです。

ちなみに、今回の記事の冒頭に載せましたニューズウィークの今年 1月1日の記事「 2018年は世界全体で深刻な地震の増加が見られる可能性がある」は、その内容は、昨年の記事、

「地球の回転が《謎の速度低下》を起こしている」 :アメリカ地質学会の衝撃的な発表。そして来年、大規模地震の発生数は大幅に上昇するという予測も公開
 In Deep 2017/11/21

でご紹介しました米フォーブスの記事に書かれてあることと同じものです。

そこから、翻訳を編集して載せますと、以下のようなものです。

2017年11月20日の米国フォーブスの記事の翻訳より

forbes.com

科学者たちは、2018年に世界的に大規模な地震の発生数が大幅に増加する可能性についての強力な証拠を発見した。地球の自転は正確に周期的だが、現在その回転速度が 1日に数ミリ秒遅くなり続けているのだ。

地質学者による研究チームは、大地震の発生の傾向を探るために、 1900年以来発生したマグニチュード 7.0 を超えるすべての地震を分析した。

その中で研究者たちが見いだしたことは、約 32年ごとに世界の大規模な地震の数が増加していたということだった。そして、その中で、地震発生数の上昇と強い相関関係を示した要因が「ひとつ」だけ見つかった。

その相関関係とは「地球の自転の回転速度の減速」だった。このことと地震の増加が関係していたのだ。

具体的には、25〜 30年おきに地球の回転が減速し始め、地球の回転の減速は歴史的に 5年間続く。

昨年から地球での地震の発生数が増加しているが、2017年は 4年連続で地球の回転が遅くなった 4年目だった。そして、来年 2018年は地球の回転が減速してから 5年目にあたるということで、データから研究チームは、来年、大規模な地震がさらに数多く発生するという予測を結論として出した。

 

要するに、「現在、地球の回転が遅くなって5年目に入ろうとしていて、過去のデータではこの年に巨大地震が増加する傾向がある」というものです。

データ通りの展開となるのなら、今年は大きな地震が増える可能性は強いということになりますでしょうか。

 

・・・という中で起きた「 26日間の地震の空白」が気になっていた次第です。中南米の M7.6 でこの空白は決着したのかどうなのか。

いずれにしましても、科学的な意味からも、そうでない意味からも、今年から大きな地震が増えていく可能性についての説は広がっています。

どうなりますでしょうか。





  • この記事を書いた人

Oka In Deep

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