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1995-2015年の過去20年間で地球の自然災害で死亡した人の総数が「135万人」に上ることがベルギーの自然災害データベースにより判明

   

new-earth-02

dd-1996-20151.35 million people killed in natural disasters over the last two decades

 

以前、

自然災害は予想以上の驚異的な勢いで地球の文明を崩壊させ続けている : ドイツの大学が発表した西暦1900年以降の災害損失データベースが示すこと
 2016/04/20

という記事で、過去 115年間の「自然災害による経済的損失」についてを取り上げたことがありました。

そのデータベースからおこされたグラフを見ると、「 20世紀の初めと 21世紀の初めは、もはや違う地球になっている」といえるほど、自然災害による文明の毀損が激しくなってきていることがわかりました。

20世紀の初めと21世紀の初めの自然災害被害の差

cost-compare-03カールスルーエ工科大学

そして、最近、やはり自然災害に関しての EM-DAT(緊急事象データ)という世界的データベースをもつ、ベルギーのルーベンカトリック大学災害疫学研究所(CRED)が、「過去 20年間の自然災害での死者数」に関してのデータを発表しました。

過去 20年というのは、上のカールスルーエ工科大学のグラフから抜粋しました「劇的に自然災害が増加した 1995年から 2015年まで」の期間でもあります。この期間の「災害による死者の内訳」が詳細に示されているものでした。過去 20年といえば、日本においての東日本大震災も含まれる期間です。

データのオリジナルは「 EM-DAT 1996-2015 」にあります。

この EM-DAT の内容は、今の時代をとても端的に現していると思われ、内容を少しご紹介しようと思います。

21世紀は「大災害の時代」だということを実感します。

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約7000の大規模自然災害が起きている21世紀初頭

この 1996年から 2015年の間に発生した自然災害(自然災害とする規定は EM-Dat の基準によります)の数は 7056件にのぼります。

単純にこの数を 20年で割れば、1年に 350件ほどの数となり、平均では「毎日一回の大規模自然災害が地球のどこかで起きている」というのが、21世紀初頭の地球です。

とはいっても、現実には、そのように大きな死者を伴う自然災害が平均的に起きているということではなく、たとえば、過去 20年間の死者数の推移は下のようになります。

1996年から2015年までの自然災害死者数の推移

ad-1996-2015・EM Dat

2004年のスマトラ沖地震と、2010年のハイチ地震の災害規模があまりにも大きく、日本で震災のあった 2011年はあまり目立たない年となっています。

後ほど記しますが、スマトラ沖地震の津波による死者は EM-DAT では、インドネシア、スリランカ、インドの3カ国で 22万2745人、ハイチ地震の死者数は 22万2570人となっています。

ただ、この数値もいろいろなものがあるようで、ハイチ地震に関しては、Wikipedia では 31万6000人となっています。

 

ハイチの地震については、ハイチという国の人口が 1032万と、日本の 10分の 1以下なのですが、そのような国での一度の地震(余震を含む)の死者が 22万人というのは、これは例えとしては良くないものですが、日本のような 1億人を超えるような人口の国で同じ比率での死者数が発生した場合、200万人というような、とんでもない数となるもので、ハイチの地震がどれだけものすごいものだったか今にして思います。

このような大きな地震があったこともあり、この 20年間の自然災害での死者数をカテゴリー別にしますと、次のようになっていました。

1996年から2015年までの災害のカテゴリー別の死者数

percent-dd-01・EM Dat

文字で書き出しますと、主なものとしては以下のようになっています。

・地震 74万 8621人(全体の 55.6%)
・嵐(台風、ハリケーン、サイクロン) 23万 9125人(全体の17.8%)
・気温の異常(熱波・寒波) 16万 5869人(全体の 12.6%)
・洪水 15万 61人(全体の 11.1%)
・干ばつ 2万2295人(全体の 1.7%)

自然災害での死者の第3位が「気温の異常によるもの」だったことについては意外な感じはしました。

実際、今回の最後に記そうと思いますが、過去 20年間で「最も大きな死者数を出した自然災害上位 20事例」の中には、2010年のロシアの寒波や、2003年のヨーロッパの寒波など、5事例が含まれています。

過去 20年間で、国ごとの比較での自然災害による死者数の多い順位は下のようになっています。

国別の自然災害での死者数トップ10(1996年 – 2015年)

1. ハイチ    22万 9699人
2. インドネシア 18万 2136人
3. ミャンマー  13万 9515人
4. 中国     12万 3937人
5. インド     9万7691人
6. パキスタン   8万 5400人
7. ロシア     5万 8545人
8. スリランカ   3万 6433人
9. イラン     3万 2181人
10.ベネズエラ   3万 319人

これはすべての自然災害を合わせたものですが、人口の比率が反映されていないもので、それを是正した、「人口 10万人あたりの自然災害での死者数トップ10」は下のようになります。

ハイチは、ハイチ地震の死者数が大きすぎて、すべてにおいて1番目にありますが、それを除くと、先ほど出てこなかったミャンマー(主にサイクロン)、ソマリア(干ばつ)などの国名が現れます。

人口10万人あたりの自然災害の死者数トップ10(1996年 – 2015年)

1. ハイチ    2461人
2. ミャンマー   280人
3. ソマリア    268人
4. ホンジュラス  217人
5. スリランカ   185人
6. ベネズエラ   113人
7. インドネシア   80人
8. ニカラグア    70人
9. アフガニスタン  57人
10.パキスタン    55人

 

この EM-Dat には、地震、洪水、異常気温など、各項目別に死者数の順位が載せられていますが、ここでは地震についてあげておきます。

過去 20年間で、地震により死亡した人の総数は 74万 9000人です。

地震での人口10万人あたりの死者数トップ10(1996年 – 2015年)

1. ハイチ     2384人
2. パキスタン   48人
3. イラン     44人
4. ネパール    35人
4. アフガニスタン 35人
6. トルコ     28人
7. エルサルバドル 20人
8. 台湾      10人
9.アルジェリア   7人
9. 中国        7人

 

中国と台湾が入っていますが、2011年にあれほどの被害を受けた日本は、ここに入っていません。

マグニチュードや震度に関しては、規模の大きな地震が人の住んでいる場所で最も頻繁に起きている国家が日本であることは間違いないと思われますが、確かに、2011年の東北の地震は津波によって大変な被害となってしまいましたが、基本的には、日本は地震にある程度対抗できる文明をきちんと持っていることを示しているとも思います。

大きな地震は、それはいつかどこかに、あるいは複数来るのでしょうけれど、度を超したものでなければ、日本は比較的大丈夫だと思っても構わないとも思います。

もちろん、東日本大震災やスマトラ沖地震のような度を超えた地震が存在するのも確かですが、少なくとも、「地震によって日本という国家自体が沈む」というようなことは、あまり想像できないです。

日本が沈むとすれば、それは別の理由となりそうで、そしてそれは迫っているような気もしますが、今回は自然災害の話ですので、ふれないです。

ちなみに、EM-Dat には、「収入の違いによっての死者数の比較」というものも出ていました。これは、高所得者から低所得者までを4つにわけて、それぞれの自然災害での死者数を示したものです。

「所得額」別の死者数(1996年 – 2015年)

incom-dd-01・EM Dat

高所得者の死亡率が低いように見えますが、「所得の分布」(高所得者の割合はそもそも少ないこと)を考えると、特別何かを現しているというものではなさそうです。

つまり、「所得と自然災害での死亡率はあまり関係ない」といえるのかもしれず、巨大災害の前にはその差はあまり関係なさそうです。

ただ、EM-Dat は、個人のそれよりも「国家としての経済的な格差」が、結果的にその国の災害での死者数を多くすることにふれています。

 

この 21世紀に入ってからの自然災害の発生件数のグラフや、あるいは、今年 2016年の世界の異常気象や地震や噴火の頻発を考えてみるだけでも、数字的な予測としても、感覚的な予測としても、これからさらに自然災害が増加していくと考えざるを得ない部分はありそうです。

ところで、これは今回のような事実や数字とは関係のないことですけれど、「自然災害で亡くなった場合のその人のその後のあり方」ということについて、シュタイナーの講演をおさめた『天地の未来 : 地震・火山・戦争』の中で、シュタイナーが語っています。

実は以前からそのことを書きたい気もしているのですが、自然災害での死というのはデリケートな問題でもあり、気分を害される方もいらっしゃるかと思いますので、今は書かないというか、あるいは書けないですけれど、いつかそういうことを書けるような時代になればいいなとも思っています。

それでは、今回ご紹介したデータの最初にありました過去 20年間の自然災害での死者数の上位 20を掲載して締めたいと思います。死者数の多かった自然災害から並べています。

データには、それぞれの災害につけられた名称(スマトラ沖地震など)はついておらず「地震」、「津波」、「洪水」などだけの表記となっていますので、末尾にそれぞれ関係する日本語のリンクをつけておきます。


1996年から2015年までの20の死者数の大きかった自然災害(国別)

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・2010年01月 地震(ハイチ) 死者数 22万 2570人 リンク:ハイチ地震 (2010年)

・2004年12月 津波(インドネシア) 死者数 16万5708 人 リンク:スマトラ島沖地震 (2004年)

・2008年05月 サイクロン(ミャンマー) 死者数 13万 8366人 リンク:サイクロン・ナルギス

・2008年05月 地震(中国) 死者数 8万 7476人 リンク:四川大地震

・2005年10月 地震(パキスタン) 死者数 7万 3383人 リンク:パキスタン地震(2005年)

・2010年01月 寒波(ロシア) 死者数 5万 2736人

・2004年12月 津波(スリランカ) 死者数 3万 5399人 リンク:スマトラ島沖地震 (2004年)

・1999年12月 洪水(ベネズエラ) 死者数 3万人 リンク:1999年ベネズエラ国で発生した洪水

・2003年12月 地震(イラン) 死者数 2万 6796人 リンク:バム地震

・2003年7月 熱波(イタリア) 死者数 2万 89人 リンク:2003年欧州の熱波による死者数

・2001年1月 地震(インド) 死者数 2万 5人 リンク:インド西部地震

・2010年-2011年 干ばつ(ソマリア) 死者数 2万人 リンク:東アフリカ大旱魃(2011年)

・2011年03月 地震(日本) 死者数 1万 9846人 リンク:東北地方太平洋沖地震

・2003年7月 熱波(フランス) 死者数 1万 9490人 リンク:2003年欧州の熱波による死者数

・1999年08月 地震(トルコ) 死者数 1万 7127人 リンク:イズミット地震

・2004年12月 津波(インド) 死者数 1万 6389人 リンク:スマトラ島沖地震 (2004年)

・2003年7月 熱波(スペイン) 死者数 1万 5090人 リンク:2003年欧州の熱波による死者数

・1998年10月 ハリケーン(ホンジュラス) 死者数 1万 4600人 リンク:ハリケーン・ミッチ

・1999年10月 サイクロン(インド) 死者数 9843人 リンク:オリッサ州の1999年のサイクロン

・2003年07月 熱波(ドイツ) 死者数 9355人 リンク:2003年欧州の熱波による死者数



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