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クラカタウ…カトラ山、そしてイエローストーン…。地球を代表する「モンスター火山」が次々と噴火や、その予兆を見せる夏の終わり

投稿日:2018年9月24日 更新日:

クラカタウ火山の激しい噴火を伝える9月23日の報道より


theepochtimes.com




 

夏の終わりと共に急激に活溌化し始めた3つのモンスター級火山

9月23日 噴火するクラカタウ火山

Krakatau

「 21世紀は、20世紀とは違う地質活動の時代となっている」ことについて、今年 4月に以下の記事で取りあげたことがありました。

地震と火山の噴火においては「21世紀の地球は明らかに20世紀と違う」ことが明らかになってきた今、環太平洋火山帯の今後をどう考えるべきなのか

その中で、ご紹介した日経アジアン・レビューの記事「環太平洋火山帯の活動はさらに活溌になっているのか?」の中に、以下のような記載があります。

専門家たちが「比較的落ち着いた地震活動の時代」だったと呼ぶ 20世紀が終わり、現在の 21世紀は、劇的な地震と火山噴火の増加を見せている。

たとえば、この 21世紀の最初の 18年間(2001年1月〜 2018年3月)まで、世界では約 25の火山の噴火が観測された。比較すれば、20世紀は全体を通して観測された火山噴火は 65だったので、ペースとしては相当増えている。

この火山噴火について、「 21世紀は 20世紀とは違う」ということは、グラフで見るとわかりやすいと思われます。

下は、1850年から 2010年まで、つまり 19世紀の終わりから 20世紀、そして 21世紀にかけての「世界の火山噴火の平均数」の推移です。

19世紀から21世紀までの火山噴火数の推移


Volcano Eruption Chart

年によりバラツキはあるとはいえ、基本的には「火山の噴火は、20世紀から  21世紀に向けて、一貫して増え続けた」といえるグラフだと思います。

1850年あたりとの比較では、21世紀は「まったく違う時代」だということがよくわかります。

いずれにしましても、そういう 21世紀が進んでいる今、「歴史的に著名な複数の火山」の活動について、この数日の間に報道されていました。

そのことをご紹介したいと思います。

それぞれの火山は、

・クラカタウ火山(インドネシア)

・カトラ火山(アイスランド)

・イエローストーン(米国)

です。

どれもこれも過去の大規模な噴火がよく取りあげられるものですが、このうち、クラカタウ火山が激しい噴火を起こし、アイスランドのカトラ火山は科学者たちの調査により「噴火の段階に入った」とされました。そして、イエローストーンは「毎度毎度の」感もありますが、またも新しい活動を見せています。

それぞれご紹介させていただこうと思います。

 

1日に50回以上の噴火を起こしたクラカタウ火山

今噴火しているのは、クラカタウ火山の領域の「アナク・クラカタウ」という火山島で、これはインドネシア語で「クラカタウの子ども」という意味です。

しかし、実際には、これはクラカタウ火山そのものでもありますので、そのことを少しご説明させていただきます。

現在噴火しているアナク・クラカタウは、1927年までは「存在しない」火山でした。

なぜかというと、その数十前の噴火(1883年)により、クラカタウは「島ごと吹き飛んでしまった」ために、もともとのクラカタウ火山のあった島は、噴火で大半がその姿を消したのです。

その後、 1927年にクラカタウ火山のあった海域で海中噴火が始まり、そして、現在、海抜 400メートルを超える火山島となっています。


Wikipedia

上の地図でわかりますように、今噴火しているアナク・クラカタウというのは、「クラカタウの子ども」という名称ではありますが、「元のクラカタウ火山のあった場所で、噴火が起きている」という話であり、

「クラカタウ火山そのもの」

の噴火と考えて間違いないと思います。

このクラカタウ火山は、歴史的にわかっている中では、1883年の大噴火が知られていまして、これは、Wikipedia から抜粋しますと、以下のようなものでした。

噴火で発生した火砕流は海上 40kmを越え、スマトラ島ランプン湾東部で人間を殺傷した。また、噴火により発生した津波が周辺の島を洗い流し、航海中の船を激しく揺さ振った。

死者は 36,417人に及び、2004年にスマトラ島沖地震が起こるまではインド洋における最大の津波災害であった。

この際の噴火の規模は、地質学史上、第 5番目の爆発規模と考えられている。

そして、これは確定している歴史的事実ではないのですが、

「西暦 535年」

に、これを上回る大噴火が起きていた可能性とても大きくなっています。

私がこのことに興味を持ったのは、5年ほど前のことで、その際に、

21世紀も「太陽が暗くなる時」を経験するのか? : 全世界が地獄の様相を呈した6世紀と酷似してきている現在に思う
 In Deep 2013年7月15日

という記事の後半でそのことにふれている他、いくつかの記事で、この「西暦 535年のクラカタウ火山の噴火の後の世界」について記しています。

たとえば、東ローマ帝国では、噴火の後から1年中「昼間も薄暗い」状態が続いていたことが下のように記されています。

東ローマ帝国の歴史家プロコピオスが西暦 536年に書いた日記より

昼の太陽は暗くなり、そして夜の月も暗くなった。
太陽はいつもの光を失い、青っぽくなっている。
われわれは、正午になっても自分の影ができないので驚愕している。

太陽の熱は次第に弱まり、ふだんなら一時的な日食の時にしか起こらないような現象が、ほぼ丸一年続いてしまった。

月も同様で、たとえ満月でもいつもの輝きはない。

そして、この噴火の翌年から、アジアを含めた非常に多くの国と地域で記録的な農業の不作と飢餓が広がり、それに伴って「伝染病の流行」が続きました。

下の記述は、日本書紀から当時の日本の様子を記した英国のデヴィッド・キースという ジャーナリストの著書『西暦535年の大噴火』からの抜粋です。

クラカタウ火山の噴火の後からの日本の様子(546年頃)

日本で異常事態が起こった。ひどい伝染病(おそらく天然痘)が発生したのだ。多くの人びとが亡くなった。日本では何世代も前から天然痘が流行したことはなかったので、免疫もほとんどなかったに違いない。

「国に疫病がはやり、人民に若死にする者が多かった。それが長く続いて、手だてがなかった」と『日本書記』には書いてある。

伝染病が流行した地域は、おそらく人口密度の高い地域だったのだろう。そうした地域では、人口の六割が死亡したと推定される。とくに被害に大きかった地域では、住民の九割が罹患し、生き残ることができたのは三割だけだったと思われる。

同じ頃、東ローマ帝国では、ペストが大流行しました。

これらのような出来事が、本当にクラカタウ火山の噴火だけによるものなのかどうかは今もわかっていませんが、仮に他の要因もあるとしても、クラカタウ火山の 535年の大噴火が、「多少ではあっても、長く続いた異常気象と関係している」ということは言えるかと思います。

そんなクラカタウ火山が、近年の活動の中では最も激しいものかもしれない「 1日 50回を超える噴火を起こした」ということになっているのでした。

現在のクラカタウ火山の噴火が今後どうなるのかは誰にも予測できないですが、インドネシアの領域自体が現在、火山や地震の地質活動について「危険な状態となっている」こともまた事実です。

たとえば、先ほどもご紹介しました過去記事に載せた日経アジアン・レビューには、以下のような下りがあります。

オーストラリア国立大学のアンソニー・レイド氏は「実際、インドネシアのスマトラ島からジャワ島、バリ島、そして、ティモールまでのインドネシアの火山の連鎖構造が、世界の構造的境界面の中で最も危険なものとなっているのです」と述べている。

インドネシアは 20世紀に穏やかな地震活動の時代を過ごしたが、事態は変化していく可能性があるとレイド氏は警告する。そして、「そもそも、インドネシアの地震と火山噴火による死者数は、すでに 20世紀を上回っているのです」と述べた。

 

アイスランドでは、同国の火山噴火の記録で、過去に大きな被害を出したことが考えられるカトラ火山が「噴火の準備の段階に入った」ことが報じられています。

 

かつてアイスランドを大洪水に陥れたカトラ火山が噴火の段階に

9月20日のメディア記事より

Iceland’s monster volcano charging up for eruption

アイスランドは火山島ともいえるほど、数多くの火山がありますが、その中でも、過去に大きな被害を出した火山として、カトラ火山があります。

この火山は、その噴火の周期が比較的短くて、40〜80年の周期で噴火を起こし続けているのですが、最後の噴火は「 1918年」。つまり 100年以上の間隔が開いています。

サイクル的にも、いつ噴火してもおかしくないわけですが、最近のアイスランドと英国の地質学者たちによる新しい調査によると、このカトラ火山が、「毎日、大量のCO2 を大気中に放出している」ことが判明しました。

調査の結果、その量は1日に 20キロトンで、これだけの量の CO2 の噴出は「火山の下のマグマの蓄積量が多くなっている」ことを示しているのだそう。

一般的に、火山は大量の CO2 を放出し始めてから「数週間から数年の間に噴火が起きる」とされていて、現在のカトラ火山の状態は、明らかに噴火の予兆と言えると科学者たちは結論づけています。

この噴火の問題は、カトラ火山は「ミールダルスヨークトル」という氷河の下にある火山であるため、

「噴火と共に大量の氷河の氷が溶け、大洪水が発生する可能性が極めて高い」

ということです。

実際、1918年の噴火では、すさまじい大洪水がアイスランドを覆い尽くしたことが記録されているのだそう。

当時の噴火の写真を見ますと、「氷の中から噴煙が上がっている」様子がわかります。

1918年のカトラ火山の噴火の様子

Wikipedia

また、氷河で火山噴火が発生した場合、「氷河バースト」という突発的な大災害が発生する可能性があります。

これは、岩盤から引き剥がされた氷が雪崩のように押し寄せるもので、アイスランドで起こり得る「脅威」のひとつとなっています。

そんなような、比較的近い過去に大災害を現実として起こしているクラカタウとカトラ火山のふたつが噴火、あるいは噴火の予兆を見せています。

 

まあ、今回の話題はこれだけもいいのですが、この数日間の同じような時期に、

「イエローストーンの新たな活動」

に関しての報道記事が出ていましたので、そちらも簡単にご紹介しておきたいと思います。

 

 

イエローストーンが最近の記録にはない活動を始めた

9月21日のアメリカの報道より

iflscience.com

今年の 6月に、以下の記事で、アメリカのイエローストーンの間欠泉が「今までに見られたことのない噴出」を起こし続けていることについてご紹介しました。

通常ほぼ噴出しない米国イエローストーンの世界最大の間欠泉スチームボート・ガイザーが「今年はすでに半年で8回の噴出」を起こしている…。過去に一度も観測されたことのない、この事態に対しての適切な説明はない

これが、さらにパワーアップしてきているのです。

この 10日くらいの間に起きていることを簡単に書き並べますと、以下のような感じです。

・9月17日、イエローストーンの間欠泉ガイザーヒルで、記録されている中では 1957年以来最大の噴出が起きた。

・この噴出では、水だけではなく「岩石などの破片も噴出させていた」ことがわかり、その周辺が立ち入り禁止となった。

・同じ日に、やはりイエローストーンの間欠泉スチームボート・ガイザーで、「 1時間15分も続く」噴出が発生した。

・この噴出により、今年のスチームボート・ガイザーでの間欠泉の噴出は「 19回目」となり、かつてない回数の記録となった。

・9月18日、イエローストーンで新しい地下の活動領域が確認され、その場所は「 10分ごとに十数センチずつの上昇と陥没を繰り返している」ことが判明した。

というような感じでしょうか。

リンクした 6月の記事で書きましたけれど、間欠泉スチームボート・ガイザーは、1911年から 1961年の間の 50年一度も噴出がなかった、というようなこともある間欠泉です。

そして、最近も、少なくとも 2005年からは大きな噴出はなかったのですが、今年は、すでに「 19回目」となっている、やや異様な活動を見せています。

さらには、新たに地下にできた活動領域上の大地が、

> 10分ごとに十数センチずつの上昇と陥没を繰り返している

ということが確認されているなど、噴火と結びつくかどうかは別としても、非常にアクティブな感じを与える現在のイエローストーンの動きではあります。

これは今後も何かあれば、アメリカではすぐに報じられるはずですので、新しい動きがあればお伝えしたいと思います。

最近書かせていただくことがありますが、地震にしても火山の噴火にしても、その活動が激しくなると予測されている時期はまだ続くと考えられます。

ですので、クラカタウ火山などを含め、過去に巨大な噴火を起こしたとされるものも含めて、世界中で火山活動がさらに活発になっていく可能性は高いです。

今回ご紹介したような、それぞれが「モンスター級の火山」であるようなものも、あるいは、そうではない火山も含めて、これから火山の話題がさらに多くなっていくのではないかとも思われます。

インドネシアなどと同じように、大変に火山の多い私たちの日本もその影響の中に多少なりとも含まれていくことになりそうです。

今後は、「 21世紀はこれまでとは違う時代だ」ということを、さらに強く観念することが増えていくような段階に入っていく気配が濃厚となっています。





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