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「地球の磁場が反転しつつあることへの懸念」で世界は結構な騒動の渦中に

投稿日:2018年2月7日 更新日:

2018年1月31日の米ナショナルジオグラフィックより


No, We're Not All Doomed by Earth's Magnetic Field Flip

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地球の磁場の反転の話題が欧米で活溌に。焦点は「それでこの世に終末が訪れるか否か」

1月の終わりくらいから、欧米で「地球の磁場の反転」に関する議論が盛んになっています。

そのことについては何年も前から言われていることで、しかも、「現時点ですでに極端に地球の磁場が弱くなっている」ことから、

「その時が近いことは近い」

という科学者たちからの指摘も、わりとずっと示されていることです。

それがどうして今、非常に熱い論争となっているのかというと、どうやら、それに関して科学者が書いた著作がネット上で話題となったことに端を発しているようなのです。

そして、たとえば、冒頭のナショナルジオグラフィックの記事の英語タイトルは「 No, We're …」というように「 No 」という単語から始まっています。つまり、「いきなり何かを否定して始まっている」という形になっています。

一体何を全力で否定しているのかといいますと、今、欧米などでやたらとメディアが取りあげている

「もうすぐ地球の磁場の反転が始まることで、地球は外から内部からも攻撃を受けて、とんでもない大量死が始まる」

というような論調の話が飛び交っているのですね。それを否定しているのです。

たとえば下のようなタイトルの記事などがたくさん出ているのです。

2月1日の英国メディア「エクスプレス」より


express.co.uk

今回は、まずはこの、「大変なことになる」という主張を簡単に紹介している英国エクスプレスの記事をご紹介します。

ここに出てくるアラナ・ミッチェルさんという女性科学者の書かれたと思われる下の著作が話題になっているということなのだと思います。


The Spinning Magnet: The Electromagnetic Force That Created the Modern World

 

このエクスプレスの記事をご紹介した後に、冒頭のナショナルジオグラフィックの記事もご紹介しようと思います。

なお、過去の In Deep でも、ずいぶんと、この磁場の反転(磁極のポールシフト)については書いていたのですけれど、たとえば、過去記事の、

地球は磁極のポールシフトで磁場を失うことにより、太陽風に晒され水と大気を失った火星と同じ状態を200年間経験するだろう」 -- NASA火星探査メイヴン計画主任
 In Deep 2016/01/30

で取りあげたような、「地球の磁場が弱くなることで起きるかもしれない危機」についての懸念を持つ科学者がそれなりにいることは事実です。

そしてこの数年、地球の磁場の衰退は著しく、確かに地球の磁場の大きな異変が間近である可能性は捨てきれないです。

では、科学者アラナ・ミッチェルさんの主張を取りあげた英国エクスプレスの記事です。


Earth 'under ATTACK from within' and could face ‘BLACKOUTS for DECADES’ as the poles FLIP
express.co.uk 2018/02/01

磁場の反転により、地球は「内部からの攻撃」を受け、「数十年もの停電」が続く

科学者のアラナ・ミッチェル(Alanna Mitchell)氏は、地球の極が移動することにより「地球は内部から攻撃される」とし、極の移動(極の位置の南北の逆転)が悲惨な結果をもたらす可能性があると述べている。

地球の大気を囲む重要なシールド(宇宙からの放射能などを遮っている防御壁)は、地球の磁場によって担われているが、ミッチェル氏によると、地球の極の移動は、「これが何世紀にもわたって損なう」可能性があるというのだ。

ミッチェル氏は次のように著作に書いている。

「現在の電気網のグリッドは互いに密接に結びついているので、磁場の反転の影響によるその損傷は世界中で発生することになり、そして、それは何十年にもわたって停電のドミノ的な連鎖を引き起こすことになる」

「地球の極が移動している間は、磁場が弱体化することにより、このシールドは何世紀にも渡って損なわれる可能性がある。その期間は、長い間、地球の表面に害のある放射線が到達し続けることになる。すでに、現在でも地球の内部での変化は南大西洋上の磁場フィールドを弱体化させており、放射線にさらされた人工衛星はメモリーエラーを経験している」

「地球の磁場は、巨大な盾のように危険な太陽や宇宙からの放射から私たちの地球を守っている。極が移動する時、あるいは移動しようとする時に、そのシールドは弱くなる。科学者たちは、その際に地球の磁場が通常の 10分の1にまで減衰する可能性があると推定している」

さらに、ミッチェル氏は、その状況下では、コンピュータは使用できず、携帯電話やスマートフォンも使えないと述べる。トイレを流すこともできないし、車のガソリンタンクを満タンにすることもできないと。

地球は磁場のおかげで有害な太陽放射や宇宙線や放射線から保護されている。しかし、20万年あるいは 30万年ごとに地球の極が移動すると、その際に、このシールドが弱体化する。最後の磁場の反転が起きたのは 78万年前だ。

欧州宇宙局(ESA)が運用している地球の磁場を調査している人工衛星スウォームの担当者は、地球の磁場の反転が差し迫っている可能性があるとしている。

 


 

ここまでです。

地球の磁場の弱体化と「異変」については、過去2000年で一貫して進んでいまして、たとえば 2014年の時点で、下のように地球の磁場は「カオス」じみているのです。

2014年の地球の磁場の状態(青は弱く、赤は強くなっている)


ESA

これについては、過去記事、

地球の磁場が弱くなっていることを欧州宇宙機関の地磁気観測衛星(SWARM)が確認
 In Deep 2014/06/03

に記してあります。この記事では、どのくらい地球の磁場が弱くなっているかを記していますが、その進行ぶりは、なかなか興味深いものかもしれません。

この記事のタイトルにあります「地磁気観測衛星SWARM」は、エクスプレスの記事にも出てくるスウォームと同じものです。

 

そして、冒頭のナショナルジオグラフィックの記事、つまり「地球の磁場の反転はあることにはあるだろうが、そんなに心配はしなくていい」という意見が載せられた記事もご紹介しておきます。

ここからです。


No, We're Not All Doomed by Earth's Magnetic Field Flip
nationalgeographic.com 2018/01/31

NO ! 地球の磁場が反転したとしても、それで地球に終末が訪れるというのは完全な間違いだ

私たちの地球の歴史では何度も地球の磁極が逆転している。北極を指すコンパスが、北極ではなく南極を目指すことがあるということだ。

まるで奇妙なことのように聞こえるかもしれないが、これは比較的予測可能な期間でもある。地球の地磁気逆転のこのプロセスは、これまで静かに繰り返されてきた。

最近、この現象を誇大に説明する著作の内容がインターネット上に広がり、それと共に多くのウェブサイトで、地磁気の逆転により、まるで終末の様相が地球に広がるかのような主張がなされるようになっている。

たとえば、それにより地上でガンが流行し、人工衛星が空から落ち、そして、地球上の生物が絶滅してしまうかのようなたぐいの話だ。

確かに地球は変化していくものだが、しかし、それが極の反転と関係があるとでもいうのだろうか。

 

 私たちはすべて死に絶えてしまうのか?

私たちはみな人間なので、そういう意味で誰でもいつかは必ず死ぬという意味では正しいだろうが、しかし、それは地球の次の地磁気の反転が起きた時に、それが原因となり、絶滅するということはない。

そもそも地磁気の逆転とは何か?

地球の歴史を地質的に研究すると、地球の磁極は最終的に場所を移動(逆転)させてきた。これは否定できない事実だ。

古代の岩石に閉じ込められた磁気の痕跡に基づいて私たち科学者は、過去 2000万年の間に、地球の磁極がおよそ 20万〜 30万年ごとに反転していたことを知ったのだ。これらの主要な逆転の最後は約 78万年前に発生した。

そして、将来的にまた磁場の逆転が実際に起こることは確かだろう。しかし、それは今すぐに起きることなのだろうか?

それは不明とか言えない。

科学者たちは過去の極の反転がかなりゆっくりとしたペースで進行したと推測しており、北極と南極は何千年もの時間の中で、反対の位置に移動したと考えられている。地磁気の逆転が地球上の生命にどのように影響するかを心配しているなら、これには良い面も悪い面もある。

良い面としては、私たちがそれに対して準備する時間があることを意味する。しかし、私たちの地球は、その磁場によって、太陽や宇宙からの放射や宇宙線から守られているということがある。それが徐々に失われていくということは悪いことと言えるかもしれない。

しかし、それは劇的に起きることはないだろう。

 

では、実際に何からそれに気付かれるのか?

極端な磁極の反転が完了したときに発生することが保証されている唯一の主要な目に見える効果は、コンパスの針の北極と南極が反対になることだ。

しかし、他にも興味深い結果が出る可能性がある。

鳥やサーモン、ウミガメを含む地球の磁場を使って移動している動物たちは、日常的な移動の中で手段を失う可能性があるということだ。

しかし、最終的に彼らはこれを調整し、生命を存続していくのではないだろうか。

多くの終末的な主張をする人たちは、地球の磁気の反転と生命の大量絶滅を同一視しようとするが、そのようなデータは存在しない。

 

では、心配することは何もない?

磁場が反転に向かう際に明らかに変化するのは、地球の磁場が弱くなることだ。しかし、地球の磁場はかなり変化するので、それをとって異常ということにはならない。

そして、NASAによると、磁場が完全に消滅するという兆候はない。

ただ、地球の磁場が極端に弱くなり、長い期間にわたってそのような状態のままの場合、地球は宇宙空間の高エネルギー粒子から保護されにくくなる。

これは、地球上の生命を含めたすべてのものがより高いレベルの放射線にさらされることを意味する。これは時間が経てば、ガンのような病気の増加を招くばかりでなく、地球上にある精密な宇宙船や電力網などにも害を及ぼす可能性があるかもしれない。

しかし、これらは私たちがそれに対して準備できるものであると考えている。磁場のかわりにシールドになる大気の状態を持てるようになるはずだ。


 

ここまでです。

ちなみに、私自身はどう考えているのかといいますと、「地球の磁場の反転に向かう影響は大きく出るはずで、さらに拡大する」と考えています。

そういえる理由は、今現在すでに出ていると感じているからです。たとえば、「磁場で生きている生物のあまりのひどい減少」などがそうです。

鳥から昆虫から、きわめて多くの地球の生物たちは「磁場で生きている」ということがわかっています。

それは、過去記事、

おそらく人間を含めた「全生物」は磁場により生きている:ハトや蝶が持つ光受容体がヒトにも存在していること。そして、そのハトや蝶が「全滅」に向かっていること
 In Deep 2015/11/23

で書いたことがありますが、ヒトを含めた多くの生物に共通する「磁場を見る体内の器官(クリプトクロムという光受容体)」が特定されたことによって、非常に多くの生物が「磁場がないと生きられない」と考えられます。

先ほど「ヒトを含めた」と書きましたが、このクリプトクロムという光受容体は人間にもあるのです。

おそらく何らかの作用か「状態」で、人類はこの光受容体が使えないことになっているのだと思われます(松果体や脾臓や盲腸などと同じように)

 

いずれにしても、鳥や昆虫などの原因がわからないほどの減少が実際に進行していることは事実で、そして、それらは磁場の減少と大量死は関係していると私自身は考えていると共に、そのうちヒトにも顕著に影響してくると考えています。

具体的にいえば、鳥や昆虫などに見られる「個体数の劇的な減少」が人間にも起きる可能性があるというように考えていますが、それはまた別の機会に書かせていただこうと思います。

いずれにしても、磁場の衰退は今後も拡大することがほぼ確実です。

そして、それに加えて、今は、過去記事、

「地球の回転が《謎の速度低下》を起こしている」 :アメリカ地質学会の衝撃的な発表。そして来年、大規模地震の発生数は大幅に上昇するという予測も公開
 In Deep 2017/11/21

のように、「地球の回転が遅くなっている」ということも加わっていまして、磁場との関連があるわけではないですが、地球の「内部からの変化」は、さらに大きく見える形で現れてくるような気はします。

もちろん、ナショナルジオグラフィックの記事のように楽観的にとらえることも悪いことではないのかもしれません。

個人的にそれができないだけの話です。


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