2018年9月6日の北海道 M6.7 地震の震度分布
・地震情報
ふだんは、このような時間(今は 9月6日の午前です)に記事を投稿することはないのですが、朝起きましたら、北海道で大きな地震が発生しており、それが場所としてとても珍しい震源だったこともあり、少し書かせていただこうと思いました。
なお、私は北海道の岩見沢という場所の出身でありまして、今も両親や親戚などが住んでいますが、実家は上のように震源のわりと近くで、被害も受けているようです。
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マグニチュード6地震の「1週間の空白」の直後に
今日 9月6日、北海道の胆振(いぶり)地方を震源とするマグニチュード 6.7の地震が起きたことを朝になって知りました。
北海道岩見沢市にある実家に電話をしましたら結構大変なことになっていました。
というか、北海道全体として大変なことになっているようで、もっとも大変なのは午前 8時くらいの段階で、
・北海道全域で停電
となっているということで、北海道全体で信号も 90%以上が機能していないようです。
当然ですが、北海道のほぼすべての人たちは「テレビの報道や地震情報」を見られないわけで、実家の両親は、防災用のラジオを持っていて、それで情報を聞いているようです。
また、停電のために、北海道内の大きな病院では各地で外科などの急患の受け付けができなくなっています。現代外科医療は電気がなければ機能しないのです。
復旧は未定だそうですが、現代の地震では、実はこの「電気を中心としたインフラの崩壊」がかなりの脅威です。
この北海道の地震の被害などについては、これを書いている時点ではいろいろとわからなく、その詳細はともかく、最近の流れとして気になったことを書いておきたいと思います。
というのも、先週のメルマガは実は地震の話題だったのですけれど、ブログの方では断定的に書くのはちょっと憚られるので、あまりそうしないのですが、メルマガでは、
「今、地球は地震の時代に入った」
と断言していまして、もちろん「どこで起きる」などということはわかるわけはなく、環太平洋火山帯で強い地震が続くはずであることを書きました。
この夏以降、地震に関心が向くキッカケとなったのは、8月の中旬から「唐突に」世界中で大きな地震が増えたことにあります。そのことについては、以下の記事で書かせていただいたことがあります。
いよいよ地球が「地震の時期」に入る前兆? 環太平洋火山帯で「24時間で53回の大地震」が連続。そして、日本の硫黄島では過去5年で最大の地震が発生すると共に群発地震化している
これは、主に 8月19日から 8月20日にかけて、
「 24時間のうちに 53回の大地震(M4.5以上)が環太平洋火山帯で発生した」
ということが起きてからのことでしたが、このときに記したのは、マグニチュード 4.5 以上という区分でのものでした。
しかし、文字通り「大地震」といえるマグニチュード 6以上の地震も非常に増えていました。8月中旬から唐突に環太平洋火山帯で始まったマグニチュード 6以上の地震は、現在までに下のような状態で発生し続けています。
先に書いておきますと、実は「 8月29日にマグニチュード 6以上の地震の発生が唐突に止まり」そして「 1週間の空白の後に起きた」のが今日の北海道地震です。
2018年8月15日から9月6日までに発生したM6以上の地震
データはアメリカ地質調査所(USGS)より
8月15日 M 6.6 アラスカ・タナガ島
8月16日 M 6.3 日本・硫黄島
8月17日 M 6.5 インドネシア・フローレス海
8月17日 M 6.1 コスタリカ
8月19日 M 8.2 フィジー島近海
8月19日 M 6.3 フィジー島近海
8月19日 M 6.3 インドネシア・ロンボク島
8月19日 M 6.8 フィジー島近海
8月19日 M 6.9 インドネシア・ロンボク島
8月21日 M 7.3 ベネズエラ
8月21日 M 6.5 バヌアツ
8月22日 M 6.2 米オレゴン州沿岸
8月23日 M 6.3 アラスカ・タナガ島
8月24日 M 7.1 ペルー南東
8月25日 M 6.0 イラン西部
8月28日 M 6.4 マリアナ諸島
8月28日 M 6.4 マリアナ海溝
8月29日 M 7.1 ニューカレドニア近海(ここで M6以上の地震が 1週間以上、途絶える)
9月06日 M6.7 北海道 胆振地方
この 3週間ほどの間に、マグニチュード 6以上の地震の発生の間隔が 3日以上開いたことはなかったのですが、8月29日のニューカレドニアでの M7.1を最後に、1週間以上発生していませんでした。
しかし、この 8月からの傾向にならえば、マグニチュード 6以上などの大きな地震が 1度発生すると「連鎖的といってもいいほど」環太平洋火山帯の各地で大きな地震が連日、あるいは同じ日に発生していました。
この「環太平洋火山帯の地震の連鎖」は以前か見られていたもので、地質学的にそのようなメカニズムは解明されていなくとも、その連鎖はデータ上からは否定できないものとなっています。ですので、同じような「連鎖」が起きる可能性は十分にあります。
なお、今回の北海道の地震の「震源の場所」は、最近の環太平洋火山帯での大きな地震とは「違う」ところがありました。
それは、他のほとんどの地震は、プレート上で発生していたのですが、今回の北海道の地震は「プレート上ではない」ということです。
下は、過去1ヶ月に環太平洋火山帯で発生したマグニチュード 6以上の地震の震源ですが、そのほぼすべてが「プレート上で発生している」ことがおわかりだと思います。赤いラインがプレートを示すものです。
ところが、今回の北海道地震は「プレート上ではない」場所で発生したのでした。
それがもうひとつあったのが、「北海道の対極上の地理的位置にある」ようなペルー内陸部で発生した 8月24日のマグニチュード 7.1の地震です。
このあたり、「また地震の様相に変化が起きたのかもしれない」というような感じもあるのですが、それは科学的な話ではないですので、ともかくとして、この場所での地震の「特異性」についてもう少し書かせていただきたいと思います。
そもそも、北海道の内陸部というのは、地震が少ないのですよ。
もう八十代になる私の親も「初めてのこと」と言っていたほどですが、北海道の地震の歴史という資料を見てみますと、今回の震源を含めて、このあたりで大きな地震が発生したのは、1834年(天保 5年)に発生したマグニチュード 6.4の石狩地震まで遡る必要があるようなのです。
記録に残っているのはこれだけです。
これは 184年ぶりということも言えるのかもしれないですし、その規模を上回っているので「記録に残る上で最大」とも言えるのかもしれません。
北海道という場所で地震が多いのは下の地図にありますように、太平洋のプレート沿いと、日本海のプレート沿い・・・というより「北海道で地震が起きるのはそこだけ」でした。
北海道で歴史的に地震が発生してきた場所
この点だけを見ても、「非常に異質な地震が発生した」と思わざるを得ません。
日本では、いろいろな大地震が想定されています。
南海トラフとか関東圏の直下型とか、いろいろとありますが、しかし「現実に最近起きた大地震」を思い出してみるだけで、私たちやメディアの注意は「的外れ」なのかもしれないというような感じが出てきます。
つまり、熊本の地震も、大阪の地震も、そして今回の北海道の地震も、「まったく専門的に予測されていないものばかり」だということを、私たちはしっかりと認識する必要があると思います。
すでに現時点までに起きている地震を含めて「これからの時代の地震とはこういうものなのだ」というようにも思います。あるいは「地震というものはそういうものだ」ということも言えるのかもしれません。
なお、今後さらに地震が増える可能性については、ブログでもいろいろな記事で、さまざまな理由から取りあげましたが、簡単には以下の3つの理由となります。リンク先がブログの過去記事となります。
2018年後半から2019年まで地震が増える理由
・2018年は、地球の回転が遅くなって5年目になる(過去記事のリンク)
・これまで地震と噴火の時期を的中させてきたアメリカの金融アナリストのサイクル理論では2018年からは「複数のサイクル」の該当年(過去記事のリンク)
・太陽活動が極端に弱くなっている今、宇宙線の状態や、電離層の電子の状態に変化が出ている可能性がある(過去記事のリンク)
そのようなわけで、本日の北海道の地震は「いろいろな意味で異質な地震」だということを書きたくて、このような時間に投稿させていただきました。
なお、そのためトップ記事としての滞在時間が短くなりましたが、昨晩投稿させていただいた以下の記事も、アメリカ同時多発テロの 17回目の追悼式典を間近にした今、物悲しくも興味深い内容のようにも思いますので、よろしくお願いいたします。
9.11同時多発テロで対応にあたった警官や消防士たちが「ガンなどの疾患で今に至るまでずっと3日に1人の割合で死亡している」という事実から思い出すアメリカと核計画
それにしても、一昨日(9月4日)は、関西空港が台風で機能停止に追い込まれ、今は新千歳空港が地震の影響で機能停止に追い込まれています。空港がやられていますね。
今年は特に「災害の時代」を象徴するような光景が世界中で続いています。これが突然穏やかになると考えるのはむずかしいです。