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ヨーロッパを過去最悪の感染状況に陥れている「アルファ変異株」と「デルタ変異株」のどちらが覇者になるかはわからなくとも、どちらにもワクチン中和抗体は効かない。つまり「これからが本番」

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hourglass sunrise




 

カオスの入口

現在、ヨーロッパで過去最悪あるいはそれに近い感染状況となっている国が多くなっています。日本の報道でも以下のようなものが伝えられていますが、その状況は圧倒的になってきています。

ドイツ 新規感染者が過去最多の3万7000人余りに (テレ朝news 2021/11/06)

ロシア 感染者4万1000超えも首都“ロックダウン”延長せず (TBS NEWS 2021/11/07)

接種率60%の英国で新規感染者1万人超… (中央日報 2021/06/19)

あるいは、感染拡大に歯止めがかからないギリシャで事実上の厳しいワクチンパスポート制度が始まったことや、「すべてのコロナ対策を終了する」と 8月に宣言したデンマーク(対象年齢のワクチン接種率 85%)もまた感染拡大が無制御となっており、コロナ制限を開始することなどを以下の記事で取りあげています。

感染数が過去最大を更新し続けるギリシャが、ワクチン未接種者に対して新たな厳しい行動制限を規定…
地球の記録 2021年11月5日

すべてのコロナ対策が終了したはずのデンマーク当局が、感染拡大の中「より多くの人がワクチンを接種しないと再び社会を閉鎖する」と発言。12歳以上のワクチン接種率はすでに85%なのに…
地球の記録 2021年11月2日

 

いくつかの国では、以下のようにお手上げの感染拡大状況となっています。もはや国ごとのワクチン接種率の差との相関は見られません。

人口100万人あたりの感染状況(クロアチア、アイルランド、ハンガリー、デンマーク、アイスランド)

ourworldindata.org

これらのヨーロッパの過去最悪レベルの感染拡大について、最近発表されたドイツの研究論文とデータを付き合わせていますと、かなり単純な図式が見えてきます。

それは、ひとつには、

「ヨーロッパのどの地域の変異株もすでにワクチン中和抗体は、ほぼ効いていない」

こと。

そして、それに準じて、

「そうなると、あとは感染が拡大する以外の道筋はない」

ということです。

さらに、この状況の中で、少なくともヨーロッパ内では、ワクチン接種証明を条件としての国境の開放が進んでいますので、「じきにヨーロッパ全域が、過去最悪の感染状況となる可能性」は否定できないという感じです。

外務省の「新型コロナウイルスに係る日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置」というページを見ますと、次第に、ワクチン接種証明を条件に、日本などを含めた海外からの入国も徐々に認めるヨーロッパの国も多くなっており、今のヨーロッパの状況が広範囲に「世界に拡大」していく時期はそう遠くないと見られます。

実際にどうなるかはわからないにしても、合理的にはそう考えるしかありません。

 

多くの国で、入国の条件が「ワクチン接種証明」となっていますが、今回ご紹介しますドイツの論文などでもふれられていますように、現在のヨーロッパ各地で主流となりつつある変異株には、

「ワクチン抗体の予防効果はほとんどない」

上に感染力(実効再生産数 / R)が高いですので、そうなった場合、どんな地域でも野放図に広がっていく可能性が高いように思われます。

今ヨーロッパで感染拡大が広がっているのは、主に、

デルタ変異株の亜系統 (AY.4.2など)

と、

アルファ変異株の亜系統(B.1.1.7など)

ですが、ここでは、アルファ変異株 B.1.1.7 のドイツの研究をご紹介します。

「ワクチン免疫を回避する」ことが明確に述べられています。

デルタ変異株 AY.4.2 等については、ナショナルジオグラフィック日本語版の「英国でデルタ株の亜系統が急拡大、なぜ?」という記事などにありますので、ご参照下さい。




 

アルファ変異株が主流となった国のグラフが示す今後

ご紹介する論文は、以下のものです。

ヨーロッパにおける SARS-CoV-2 アルファ変異体 B.1.1.7 亜系統の出現と広がり、およびベータ変異体とガンマ変異体と共有されるスパイク突然変異の蓄積のさらなる進化
Emergence and spread of a sub-lineage of SARS-CoV-2 Alpha variant B.1.1.7 in Europe, and with further evolution of spike mutation accumulations shared with the Beta and Gamma variants

ドイツの研究者たちが、英国、オランダ、フランス、ドイツ、デンマークをはじめとする、ヨーロッパ12カ国で流行している「変異株」の調査を実施したものですが、そこから非常に興味深いデータが示されます。

まず、ヨーロッパで感染拡大しているコロナ変異株のひとつにはデルタ変異株があり、多くの国で新たな感染拡大を引き起こしていますが、この論文からわかるのは「異なる変異株が他の変異株に関与する組換え事象」が起きていることでした。

この論文を紹介していた医学メディアは以下のように記しています。

> 厄介なのは、ヨーロッパでアルファ株とデルタ変異株が関与する組換え事象が起きている可能性だ。

このドイツの研究では、この「アルファ株」というものに焦点を当てているのですが、このアルファ株そのものは、「 2020年9月にイギリスで最初に検出された」とされていて、つまり、まだワクチン接種キャンペーン以前であり、ずいぶん以前に検出されたものですが、しかしその後はそれほど広がっていなかったことになります。

ところが、以下のように書かれてあります。

 

> オリジナルのアルファ株は、2021年2月から 5月まで、スパイクタンパク質、ORF8 (タンパク質)、ヌクレオタンパク質に 17カ所の変異を引き起こした。

 

とありまして、どうやら、ワクチン大規模接種キャンペーンの開始と共に、アルファ株は急速に変異を進め、「元とは比較にならない感染力とワクチン免疫回避能力を獲得した」ようなのです。

それを物語るデータを自分で確認してみました。

ドイツの論文には、調査した12カ国のうちで、「アルファ変異株 B1.1.7 の占める割合」を示したグラフがあります。以下のようになっています。


medrxiv.org

チェコ、ハンガリー、スロバキア、オーストリアでは流行しているコロナの 50%以上がアルファ変異株 B1.1.7 となっています。一方で、イギリス、フランス、オランダ、ベルギーは、B1.1.7 の占める割合は 10%以下となっています。

この集計がまとめられたのは、6月30日ですので、それまでの増加の速さを考えますと、その後の数ヶ月で、つまり現在はさらに比率は増加しているとも考えられます。

では、7月までの時点で、そのアルファ変異株 B1.1.7 が「全体の 50%以上」を占めるようになったチェコ、ハンガリー、スロバキア、オーストリアのそれ以来の感染数の推移はどのようになっているか。

以下です。

B.1.1.7 が50%以上の国の感染数の推移 (2021年5月4日から11月4日まで)

ourworldindata.org

見事に、ほぼ同じ曲線を描いて上昇していることがわかり、そして、どの国でも「現時点が最大」となっていることもわかります。

上がったり下がったりということが見られないですので、まだ上昇は続くと考えられる曲線となっています。

では、アルファ変異株 B1.1.7 の占める割合が 10%以下のイギリス、フランス、オランダ、ベルギーの同期間の感染数の推移はどうでしょうか。

B.1.1.7 が10%以下の国の感染数の推移

ourworldindata.org

国によって増えたり減ったりですけれど、先ほどのチェコ、ハンガリー、スロバキア、オーストリアのような「整合性」はないことがわかります。

アルファ変異株 B.1.1.7 が全体の 50%以上を占めていた国では、10月頃からのきれいな上昇曲線のみを描いていますが、それに対して、こちらのアルファ変異株 B1.1.7 が 10%以下の国は、特に国同士での感染数推移に整合性は見当たりません。

 

これに対しての考え方はいろいろとあると思います。

しかし、ウイルス側の生存競争の観点だけで考えますと、

「デルタ変異株とアルファ変異株の制覇合戦が続いている」

とも見えます。

今年、デルタ変異株があっという間に他の株を駆逐し、国によっては 100%近くがデルタ株となるような完全な独占状態となった時と同じことが起きているように見えます。

つまり「覇者交代」の前兆というのか、今後、少なくともヨーロッパにおいては、このアルファ変異株(あるいはその亜種)が独占する可能性はあります。

これまでのコロナの流行を見ている限り、同一地域に異なる変異株が同じ比率の勢力で蔓延したことはほとんどないと思われます。

最後は「誰かが勝つ」と。

そしてまた次の覇者となる変異株が登場する。

永遠にその繰り返しというだけのような気はします。

 

先ほどの集計データは 6月30日までのものですが、その後、アルファ変異株が優勢となった国があるようにも見受けられます。当時で B.1.1.7の率が 10%以下だった国でいえば、ベルギーとオランダは、アルファ変異株が全体の 50%以上を占めていた国の感染数の推移と同じ動きを示していまして、これらの国も「変異株が入れ替わっている」可能性があるのかもしれません。

先ほどの調査対象に入ってはいないヨーロッパのいくつかの国でも、同じような曲線の国は多く見られます。10月前後から「過去にない最大級の感染増加を示している」国です。

以下は一例ですが、過去半年などで最大の感染増加を示しており、覇者交代が起きていそうな感じです。


ourworldindata.org

最も感染数が少なかった 7月頃からは、10倍、20倍どころではない増加を示している国もたくさんあります。

そしてやはり、「ワクチン接種率との相関はいっさい見当たらない」状態となっています。

つまり、ワクチン接種率と感染の拡大は、ここでは関係していません。

 

さらには、ドイツの論文では、「ここからさらに新しい亜系統が生まれている」ことにふれています。

論文で重要なのは、変異の難しい部分は別として、以下の部分です。太字はこちらでしています。

ドイツの研究による論文より

ウイルス変異体分離の抗体中和の分析では、余分なスパイク変異を持つ変異体が、テストされた他の B.1.1.7 変異体と比較して、ワクチン誘発抗体に対して 3.2倍感度が低いことを明らかにした。これは、免疫回避の可能性を示しており、また免疫の減少も示した。 medrxiv.org

 

現行のワクチンの中和抗体が「じきに効かなくなる」ことは、日本の複数の大学の研究者たちの研究で夏に発表されていました。

以下の記事にあります。

東京大学等や大阪大学の異なる論文に見る「ワクチンによる逃げ道はナシ」という実感。強行した後に残るのは「無」
投稿日:2021年9月11日

東京大学等の研究では、

> 南米で主流となっているミュー株について、東京大学医科学研究所は、体内で感染や重症化を防ぐ中和抗体の効果がほぼないとする分析結果を発表

しており、同時期の大阪大学等の研究では、

> デルタ変異株は、次の変異で中和抗体は一切効かなくなる

ことを突き止めています。

現在、世界各地でブレイクスルー感染が報じられていることも、この「ものすごいスピードでの変異」と関係あるかもしれません。

韓国の首都ソウルでも、新規感染者の「半数がブレイクスルー感染」であることが判明したことが報じられています。

ソウルの新規感染者の半数近くがブレイクスルー感染…「追加接種必要」

最近のソウルの新型コロナウイルス新規感染者のうち半数近くが「ブレイクスルー感染」であることがわかった。

ソウル市のパク・ユミ防疫統制官は2日の定例会見で、「10月31日のソウルの新規感染者 646人のうち 49.4%の 319人がブレイクスルー感染事例。全国の割合より高く出ている」と明らかにした。

市によると、1日午前0時基準でブレイクスルー感染者数は 1万2663人だった。 中央日報

この現状の韓国でも、これに対処する方法が「ブースターショット」となっていまして、報道では以下のように書かれています。

> 統制官は「医療機関の残余ワクチンを活用すればきょうでも接種は可能なので、もれなく追加接種を受けてほしい」と呼び掛けた。 中央日報

ドイツにいたっては、

「成人全員分のブースターショットを用意した」

と述べている始末です。

ドイツの感染拡大、「非常に憂慮すべき」状況に 成人全員に追加接種を提供

ドイツで5日、新型コロナウイルスの感染者が2日連続で最多を更新した。保健当局は「非常に憂慮すべき」状況だと警鐘を鳴らすとともに、ワクチン追加接種の対象者を全成人に広げる考えを示している。

ドイツではこの日、3万7000人以上の新規感染者が報告され、流行開始以来最多を記録した前日の感染者数を3000人あまり上回った。

ドイツのワクチン接種は欧州の他の大国に比べ遅い。シュパーン保健相は感染拡大を抑えるため、2回目接種から6カ月経過した人を全員、追加接種の対象者とする考えを明らかにした。 CNN 2021/11/06)

他の多くの国も同じような感じで、これらの報道に接する度に、

「だからもう効かねえんだよ」

と呟きますが、しかし重要なことは、「効かないなら打っても意味がないということではない」ということです。

意味がないのではなく、「リスクだけ負う」ことになるのです。

 

以前からそうだとはいえ、この現時点では、さらに、

「ブースターショットのリスクは大きすぎる」

のです。

先ほどの大阪大学の論文(こちらにオリジナル)には、以下のようにあります。太字はこちらでしています。

> SARS-CoV-2 変異体に由来するスパイクタンパク質の追加免疫(ブースターショットのこと)は、以前に野生型 SARS-CoV-2 に感染した、または野生型スパイクタンパク質で構成されるワクチンで免疫された個体において、中和抗体よりも増強抗体を増強する可能性がある

簡単に書き直しますと、

 

「現行のワクチンで追加接種をすると、感染予防になるのではなく、抗体依存性感染増強(ADE)という致命的な結果をもたらす可能性がある」

 

ということです。

これは致死と関係するものです。

東京理科大学名誉教授の村上康文氏は、フォーブス誌上で、さりげなく追加接種のリスクを以下のように訴えていました。

「同一の抗原で繰り返し免疫化を行った場合」というのは、「同じワクチンを接種し続けた場合」という意味です。

太字はこちらで施しています。

「同一の抗原で繰り返し免疫化を行った場合、5回目から死亡する例が激増。7〜8回繰り返すと半分近くが死亡するという動物での研究結果もある」とも東京理科大学名誉教授、村上康文氏は話す。 forbesjapan.com

回数を重ねるほど感染時の重症率・致死率が高くなる上に、大阪大学等の研究にある「増強抗体を増強する」とあります「増強抗体」というのは、

「重症化以前に、そもそも感染しやすくなる」

のです。

抗体依存性増強については、最近「ブレーキの無いワクチン」という note 記事をご紹介させていただきました(過去記事)ミラノの分子腫瘍研究所の荒川央さんも以前記事にしてらっしゃったのを最近知りました。

以下の note 記事です。

立体構造から予測されるデルタ変異株への抗体依存性感染増強 (ADE) :  Journal of Infectionに掲載された論文より

わかりやすく抗体依存性増強について書かれていますが、記事の終わりは以下のように締められていました。

結論としては、コロナワクチンを接種した人がデルタ変異株にさらされた場合にはADEが発生する可能性があるという事です。この潜在的なリスクはコロナワクチンの大量接種が始まる前からウィルス学者達によって予測され、警告され続けていました。

現在発生しているデルタ変異株の流行下においてワクチン接種を推し進める事は、人類にとって深刻なリスクとなり得る可能性があります。ワクチン接種者のADEの可能性については更に慎重に観察し、調査し続ける必要があるでしょう。 note

 

他にも多くの専門家の方が抗体依存性増強のリスクについて述べられていますが、医学的に確立されたこの知見に完全に逆行することを世界上でおこなっている、あるいはさらにおこなおうとしているのですから、この冬あるいは2年後、3年後までにどのようなことが起きるかが想像しやすくなってしまっているのです(感染増強抗体は長く残ります)。

 

さらに言えば、すでに変異体が拡大しているヨーロッパで追加の接種を拡大させていけば、さらなる変異につながる可能性は否定できません。

実際、このことは、各国当局は想定していることと思われ、少なくともイギリスでは、英国コロナ諮問委員の公式文書で以下のように書かれています。

 

> SARS-CoV-2に対するワクチンが集団全体に展開されているため、ワクチンによる免疫応答を回避できる変異体の選択圧を生み出す可能性がある。

 

その結果として想定されるシナリオのいくつかは、

・致死率 35%などに至る重症型のコロナ変異種が出現する (シナリオ1)

・現在のワクチンを回避する変異株の出現 (シナリオ2)

となっていて、この「シナリオ2」はすでに現実化していますが、次は「シナリオ1」となってしまう可能性があります。

致死率 35%というのは、MERS の致死率を基準にしていると見られます。

この文書については以下の過去記事にあります。

「永遠の接種」の現実化 : 英国政府が想定する「選択圧から生まれる致死率35%の変異種、ワクチン免疫回避型の変異種」。しかしその対策の基本は追加接種…
投稿日:2021年8月2日

現行のワクチンによるブースターショットを続けていくと、ただでさえ問題が残っている現状が、さらにどうにもならなくなる可能性があります。

とはいえ、日本でも追加の接種が始まる可能性が高くなっています。

どこにもこの蛮行への抑止力が存在していないようなのです。

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