オーストラリア政府は2021年中に全人口への接種を目指していました。consultancy.com.au
通常の十数倍の超過死亡率
アクチュアリーという言葉があり、Wikipedia によりますと、
> ビジネスにおける将来のリスクや不確実性の分析、評価等を専門とする専門職 (Wikipedia)
というものらしいですが、12月の初旬、オーストラリアのアクチュアリー協会が、オーストラリア政府に対して、
「オーストラリアの 2022年の超過死亡率の増加が異常すぎる」
として、政府に調査をおこなうように要請したことが報じられています。
アクチュアリー協会のスポークスウーマンであるカレン・カッター (Karen Cutter)さんという方が、数々のグラフを提示していまして、今回はそれをご紹介したいと思います。というのも、これはオーストラリアに限った話ではないかもしれないからです。
今回は特に原因にふれるつもりはないですが(カレン・カッターさんは「超過死亡の理由は明らかではない」と述べています)、同じような超過死亡は世界中で見られていて、それは日本も同じになるかもしれず、それだけに「傾向」や「時間軸」といったもののデータを知るのも悪いことではないかもしれないと思ったからです。
カッターさんのデータには、特に、2022年になってからの「疾患の拡大」の異常さがよくあらわれています。
オーストラリアの 2022年の超過死亡率は、現在 13%に達していますが、カレン・カッターさんは、以下のように述べています。
「 13%の超過死亡率というのは信じられないほど高い数字であり、何がこのような増加を引き起こしているのかは明らかではないとしても、死亡率は通常 1%から 2%以上は変動しないため、この 13%は通常のレベルよりも異様に高いのです」
オーストラリアでは、2022年の初め頃には、いっとき、36%の超過死亡率が見られたこともありました。それについては、以下の記事でグラフ等取りあげています。
[記事] オーストラリアで「原因不明」の異常な超過死亡率の増加が公式に発表される
地球の記録 2022年9月20日
ここから、オーストラリア・アクチュアリー協会のカレン・カッターさんの提示したグラフからいくつかをご紹介します。
2020年から 2022年のオーストラリアの超過死亡と疾患の状況
まず、超過死亡率の推移です。
横に長いグラフですので、「2020年-2021年」と「2021年-2022年」を二段にわけました。
最初は、2020年から 2021年の超過死亡数の推移です。
青い太線が「死亡数の予測」で、薄い青の領域は、予想の幅を示します。
この薄い青の領域の下なら、予想より死者数は少なかったということになり、領域の「上」にいった場合、予想の範囲を超える「超過」ということになります。
2020年 - 2021年の超過死亡数の推移
KarenCutter4
2020年の死者数(黄色い■)は、コロナの真っ只中であったにも関わらず、2020年3月を除けば、むしろ死亡率は予測より低かったときが多いことがわかります。
2021年(赤い●)は、3月以降は、ほぼ予測より上です。それでも、2021年までは顕著な増加は見られません。ほぼ予想の範囲内にあります。
次は、2021年から 2022年です。
2021年 - 2022年の超過死亡数の推移
KarenCutter4
2022年 (黄色の◆)は、全期間を通して、過度な超過死亡の状態が続いていることがわかります。
以下のグラフのほうがむしろわかりやすいかもしれません。
オーストラリア各州の超過死亡率の 2020年から 2022年までの推移です。
オーストラリア各州の2020-2022年の超過死亡率の推移 (%)
KarenCutter4
あと、興味深かったのは、
「2020年から 2022年までのさまざまな疾患数の推移」
でした。
それぞれ、左が 2020年、中が 2021年、右が 2022年です。すべての疾患症例が、医師による認証を得ています。
赤い円はわかりやすい部分を強調するためにこちらで入れています。
ガン、心臓疾患、脳卒中の推移
KarenCutter4
ガンも 2022年に増えていますが、特に心臓疾患に関しては、2022年は「下振れナシ」であり、ずっと超過状態であることが示されています。
認知症、他の疾患、検死に回された人たちの推移
KarenCutter4
これを見てわかるのは、「認知症」は、2021年にはほとんど増えておらず (むしろ過小状態となっている)、2022年から急激に増加したことが示されています。
しかし「他の疾患」に関しては、2021年から、ほぼ超過の状態が続いていることがわかります。
原因は何かはともかく、原因があるとした場合、認知症は「その原因から、しばらく経ってから起きてくる」というようなことが見てとれなくもないです。1年後とか、1年半後とか。
こういう超過死亡は、主要国全体で起きていまして、おそらく最も超過死亡率が高くなっているのは韓国と南米チリだと見られますが(グラフ)、イスラエル、フィンランド、アメリカなども高いです。
ヨーロッパの超過死亡については以下の記事など何度か取りあげています。
[記事] ヨーロッパ全体での「謎の過剰死の急増」に困惑する専門家と科学者たち。欧州最大の超過死亡率を記録したスペイン政府は正式な調査を命じるが…
In Deep 2022年9月16日
超過死亡の原因について今さら書くようなことは何もないですが、問題は、原因より、
「このような状況がこれからも続くのか」
ということです。
それとも時間と共に収まっていくのか。
それはわかりません。
日本については、日本の超過死亡数の現時点での正確な数値はわからないですけれど、 現在確認できる超過死亡率の統計は 9月分までで、その時点では、日本の超過死亡率は、今回のオーストラリアと同じ「13%」が示されています。統計学的には、本来なら「調査が必要」な数値です。
しかし、現状の話をいたしますと、
「日本では、世界と比較して群を抜いた数のコロナ死が拡大している」
という局面でもあり、日本の超過死亡はこの冬さらに大きくなる可能性もないではないかもしれません。
以下のように、12月17日時点の日本の人口 100万人あたりのコロナ死者数は、アジア全体の23倍、世界全体の 8倍などとなっていまして、ヨーロッパと比較しても 2倍程度になっています。
日本と世界、アジア、欧州の新たなコロナ死者数の推移
ourworldindata.org
もう3年目ですよ?
国と当局が対策に「全力を尽くし」て約3年です。
それでこれであるなら、来年も再来年もその後も同じになるはずです。
感染数がどうこうではなく、このように実際に、どの国よりも多い率で人が亡くなっています。
まだマスクとワクチンを推奨しますか?
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