乳幼児に劇的に広がる認知障害と言語の遅れ
パンデミックというより総マスク社会が始まった一昨年以来、小さな子どもの長時間・長期間のマスク着用は、
「脳の発達に修復不能なダメージを与える」
ことについては何度も書かせていただいたことがあります。
人類として「絶対にしてはいけないことのひとつ」でさえあります(人類から知性と言語を奪う)。
最近では、以下のような記事があります。
[過去記事]小さな子どもへのマスクがどのようにその子たちを殺していくか
In Deep 2021年9月27日
以下の記事の後半には、2020年から2021年5月頃まで書かせていただいたマスクに関しての「悪影響」を取り上げた記事をすべてリンクしています。
[過去記事]これまでで最も大規模なマスクの副作用に対してのドイツでのメタ研究は「新型コロナ感染症より長期のマスク着用のほうがはるかに健康に有害」と結論付ける。特に児童には壊滅的
In Deep 2021年5月1日
そして、2021年にはアメリカの大学の研究により、パンデミック期間中に生まれたか、その期間に乳幼児の子どもたちの知能指数が、
「認知障害レベルで下がっていた」
ことが示されました。以下の記事で取り上げています。
[過去記事]パンデミック中に生まれた子どもたちの IQ が認知障害のレベルにまで低下していることがアメリカの研究により見出される。人とのふれあいと遊びを剥奪され、マスクを強要されたことによる可能性が大
In Deep 2021年8月15日
これは、
・パンデミック以前の子どもたちの IQ を 100
とした場合、
・パンデミック中に生まれるか成長した小さな子どもたちの IQ 平均値は 78
という「普通の社会の状態では絶対にあり得ない低下」を示していることが研究者の調査で判明したことをご紹介しています。
この数値は、全体的な病的ともいえる認知機能低下をあらわしています。
この場合は、妊娠中のお母さんがマスクをしていたことなども関係しているとは思いますが(妊婦さんの酸素不足はどれだけ微量であっても赤ちゃんの脳発達に致命的です)、最近、アメリカ・フロリダ州の言語聴覚士が、
「言語の遅れを持つ乳幼児の率が 364%増加した」
と述べたことがアメリカの ABC ニュースで報じられていました。
この言語聴覚士の方は、明確に、原因は、
「乳幼児と周囲の大人のマスク着用」
と述べています。その理由も述べています。
そのアメリカの報道をご紹介します。
ただ、くどいようですが、これは「そういう現実がある」ということをお伝えするだけであり、その子たちには「今からの根本的な対処方法は何も存在しない」のです。
3歳くらいまでの乳幼児期に「酸欠等による脳の発達の遅れ」があった場合、何をどうやったとしても「後から遅れを取り戻せることはない」という現実があります。脳の成長の発達そのものが阻害されているので、取り戻しようがありません。
前提としては、妊娠している女性がマスクを長時間すること自体に大きな問題があり、妊婦さんはどんな微量な酸欠でも起こすべきではないはずです。長期間のマスクは、胎児のすべての器官、臓器の成長を確実に阻害します。
そんなような状態で生まれてきて、そして 2歳とかになって今度は「乳幼児本人がマスクをする」という狂気的な日常の中で、小さな子どもが正常に育つわけがありません。
全員マスクという社会は、昨年夏に書いた以下の記事のタイトルにあります通り、「ひとつの世代すべてを認知障害にする」という状態に他なりません。
[過去記事]ひとつのジェネレーションを丸ごと認知障害に導いている「悪癖」は各自が自主的に避けていかないと。どうせ今の状態はずっと終わらないのだから
In Deep 2021年8月26日
また、脳の発達の機能的な阻害だけではなく、上の記事でご紹介させていただいたドイツ人研究者によるマスク着用に関するメタ研究には、以下の記述があります。
> 専門家たちによると、マスクは人間のコミュニケーションと感情の交換の基盤をブロックし、学習を妨げるだけでなく、笑顔、笑い、感情的な模倣のプラスの効果を子どもたちから奪うことがわかっている。 (MDPI)
「学習を妨げるだけでなく、笑顔、笑い、感情的な模倣のプラスの効果を子どもたちから奪う」という状態がこんなに長く続いて、子どもたちの認知能力が上がる理由がないです。
もともと頭が良く生まれるはずだった多くの子どもが、認知障害と言語認識障害を抱えることになってしまい、それを後から正常化することはできないのです。
小さな子どものマスク着用がどれだけの社会的悲劇なのかが、全体的に理解されていない気がします。せめてそれぞれの子どものお母さんだけでも理解してほしい気はするのですが。
重要なのは、機能構造的な認知障害は「元に戻せない」という点です。ずっとそのままだという点が問題です。
ここから、アメリカの報道です。
フロリダ州パームビーチのセラピストは、COVID-19 パンデミックの間に子どもたちに言葉の遅れの増加を見ている
Palm Beach therapist sees increase in children's speech delays during COVID-19
ABC 25WPBF 2021/11/09
アメリカ疾病管理予防センターは、子どもたちにマスクを付けることは、コロナの蔓延を遅らせるための重要なツールであると述べているが、現在、保健コミュニティの一部の専門家たちがそれに警鐘を鳴らしている。
セラピストたちが、言葉の遅れのある子どもの劇的な増加を見ているというのだ。
フロリダ州パームビーチ郡のグレッグ・サントスさんは息子のディエゴ君を週に 2回、言語療法に連れて行っている。
サントス氏は以下のように言う。
「ディエゴは、ただ歩き回るだけなのです。しかも赤ちゃんのように歩き回る。彼から特定の言葉が出ることはありませんでした。これは危険だと思い、言語療法に通うことにしたのです」
サントス氏は、ディエゴ君はパンデミックが始まった時(2020年春)に生まれた子どもだといい、完全に健康に生まれたという。
「パンデミックが始まった時、私が息子と出て近所を歩き回っても街には誰もいませんでした」
乳幼児期の社会的孤立と(大人の)マスク着用がディエゴ君の言葉の遅れにつながったとサントス氏は確信していると共に、同じような乳幼児にすべてそのような可能性があると思っているという。
パームビーチの言語聴覚士研究所のクリニックディレクター兼言語聴覚士であるジャクリン・シーク (Jaclyn Theek)氏は以下のように述べる。
「今年は非常に困難な年でした」
シーク氏は、このパンデミックの間に、彼女の言語療法クリニックで、その患者の年齢に大きな変化を見たと述べる。パンデミックが発生する前は、患者の 5%だけが乳幼児だったが、今では 20%に急増している。多くの親たちはそれを「 COVID 遅延」と呼んでいる。
シーク氏は以下のように述べた。
「小児科医や親からの乳幼児の患者紹介が 364%増加しました」
シーク氏は彼ら乳幼児に見られるのは「言葉の遅れ」であると言う。
赤ちゃんは生後 8ヶ月で「人の唇」を読むことで話す方法を学び始める。
したがって、唇や顔がマスクで覆われている場合、セラピストなら、マスクを回避して上手に話すことを学ばせることができるかもしれないが、しかし、一般の多くの人たちにとっては、マスクをしていることは、乳幼児の言葉の遅れを引き起こす可能性があるという。
「これ(マスク)が発話や言語の遅れを引き起こしている可能性があると述べている研究はまだありません。しかし、間違いなく(言葉の遅れを持つ乳幼児が劇的に増えていることは)それが要因であると確信しています」とシーク氏は言う。そして以下のように語った。
「小さな子どもは、言葉を学ぶために大人たちの顔を見ることが非常に重要なのです。赤ちゃんや小さな子どもたちは周囲の大人たちの口を見ています。それによって話すことを学ぶのです」
パームビーチのブリアナ・ゲイさんは、5人の子どもを育てているが、彼女の一番下の子どもに言葉の遅れがあり、言語療法をおこなっている。ゲイさんは以下のように言う。
「今の社会では、それ(全員のマスク着用)が間違いなく以前との違いを生みだしています。赤ちゃんたちが人々や彼らの顔と対話することができません。それは赤ちゃんにとって非常に問題です」
言語聴覚士のシーク氏は、以下のようにも述べた。
「自閉症のように見える子どもたちがたくさん見られます。彼らは言葉を出そうと試みません。そして、彼らは家族とまったくコミュニケーションをとらないのです」
研究者たちが、COVID-19 マスクが言語の遅れの公式の原因であるかどうかを判断するためには時間が必要だろう。それでも、セラピストたちは両親への早期の介入が重要であると言う。
医師たちは、赤ちゃんを持つ両親に幼児の以下の言葉の成長に関しての基準を当てはめてみるように述べている。
・生後 12か月の幼児は、通常、「ママ」や「パパ」など、約 5〜10語を話す。
・生後 18か月で、ほとんどの子どもは 25〜 50語を話すことができる。
・2歳までに、子どもたちは何百もの言葉を言っているはずだ。
セラピストたちは、両親に以下のようにアドバイスする。両親が家にいてマスクをしていないときは、テレビなどのメディアを消し、代わりに子どもに本を読み、遊んで一緒に歌ってほしい。その中で、両親は、子どもの言葉の成長を観察できる。
ここまでです。
後半に、子どもの言葉の発達の基準が出ていますが、日本とアメリカでは、やや異なりますが、日本の基準は以下のようになっています。
ふたつの基準があり、ひとつは「乳幼児の言語機能通過率」というもので、「何歳までに言葉を発するか」というものです。
乳幼児の言語機能通過率
0歳9~10ヶ月未満 14.7%
0歳10~11ヶ月未満 26.3%
0歳11~12ヶ月未満 50.8%
1歳0~1ヶ月未満 65.7%
1歳1~2ヶ月未満 75.1%
1歳2~3ヶ月未満 83.6%
1歳3~4ヶ月未満 89.9%
1歳4~5ヶ月未満 92.7%
1歳5~6ヶ月未満 95.0%
1歳6~7ヶ月未満 97.6%
このようになっており、日本の発達基準では、
> 通過率が90%を越える時期になっても全く言葉が出ない場合には、 言語発達遅滞が疑われます。
ということになります。
また、言葉と理解の発達に関しては、「日本版デンバー式発達スクリーニング検査」と「津守・稲毛式乳幼児精神発達診断法」というものが基準となっているようです。こちらのページにあります。
・0歳1ヶ月 「あ~」「く~」など、話をするように声を出す
・0歳6ヶ月 音や声のする方に振り向く
・0歳7ヶ月 「ブー」や「バブバブ」など、喃語を盛んに言う
から始まり、
・0歳11ヶ月 食べ物の事を「マンマ」などと言う(言葉と物の関係を理解している)
・1歳6ヶ月 意味のある単語15~20語を使う
ここで「発語として、ほぼ完成」し、この後は、習得する言葉の数が増える中で、
・3歳0ヶ月 単語800語。三語文以上の複語文が出始める
という段階で人間としての言語機能は完成に至るのです。
なぜこんなことを知っているのかといいますと、日付けを見ますと、10年前の記事ですが、以下のタイトルの経験を私自身がしているからです。
[過去記事] 3歳までことばを持たなかった私の子どものこと
In Deep 2012年05月08日
これはあくまで個人的なことですので、ここではふれないですが、上に書かせていただいています。
もう10年前の記事になるのですね。
子どものマスクも、周囲の大人のマスクもすべて言語の遅れにつながる
今回ご紹介した記事では、アメリカの言語聴覚士の方が苦労(マスクをして言葉の治療をすることは難しいということについて)が話されていましたが、上にリンクした記事にありますが、私は十数年前に、当時住んでいた東京都杉並区の子ども発達センターに子どもをつれて通っていました。
大体1年ほど通い、それは本当に素晴らしい体験でしたが、しかし、最近ふと、
「あの先生がたも今はマスクをしてやってらっしゃるのだろうか」
と思い、切なくなりました。
センターの先生というか、子どもたちに対応されている方々は女性が多いのですが、もう本当に「表情をいつも最大にして子どもたちと対応している」姿がとても印象的でした。
「大人の表情を最大限見せる」
ということが、療育のひとつの基本(そう規定にあるのではなく、自然とそうなっていくという意味で)だと感じていました。
あれをマスクをして行ってもうまくいかないだろうなとも思います。日本中の療育関係や言語療法関係の方々は、この 2年はご苦労なさっているのではないでしょうか。
以下の……これは、パンデミックが始まった年ですが、その夏の記事で、 2017年の海外の赤ちゃんサイトの学術記事をご紹介しています。
[過去記事] マスク社会がもたらす「本当のディストピア化が何か」に気づいた。それは表情を学ぶ機会を失った赤ちゃんたちによる「人の感情を理解しない人々の社会」の誕生
In Deep 2020年8月26日
ここで取り上げました記事の見出しのひとつに、
「新生児は「周囲の顔」で感じている」
というものがあります。
そこには、以下のようにあります。
> 2007年に発表された「新生児の表情の知覚」という論文では、生まれて 24時間以内の 17人の健康な新生児たちに、表情の知覚についてのテストを行ったが、新生児たちは、怖い顔と中立の顔を区別することもできず、好みを示すこともまったくできないことがわかった。
>
> つまり、生まれたばかりの時には、赤ちゃんたちは表情を理解していないことがわかったのだ。しかし彼らは、生まれてから、わずか数日のうちに、表情に対しての認識をつけていく。その後、赤ちゃんたちの感情的知性は急激に上昇する。 (Fatherly 2017/07/14)
ここに、
> 生まれてから、わずか数日のうちに、表情に対しての認識をつけていく。
とありますが、赤ちゃんたちの最初の 1年ほどはこの連続です。
しかし今、それを学ぶ対象の大人たちは「みんなマスクをしていて、表情を学べない」。
このような致命的な認識能力獲得経験の「欠如」が、後になって取り戻せるかというと、
「基本的に取り戻せない」
というのが、現在までの医学上の見解です。
以下の記事に、カナダトロント大学で「子どもの顔認識の発達」を研究している科学者のインタビューを載せている米ニューヨークタイムズの記事をご紹介しています。
[過去記事] 乳幼児の「人の顔認識の成長過程」がマスクにより崩壊することにより「人間なんてみんな同じ」というオール失顔症社会がもたらされる日はわりとすぐ
In Deep 2020年10月20日
ここで科学者は、小さな時に視覚の障害等で多くの人たちの顔を見て育たなかった場合は、その視覚の障害が治ったとしても、
「後の人生で顔の認識能力を回復できない可能性がある」
と述べています。
それにしましても、先ほどの記事の後半で私は、
> マスク社会もそろそろ半年を超えました。
と書いています。
それが現時点では「丸2年」が近づこうとしています。
この 2020年の頃は、「さすがに小さな子どもへのマスク要件は、じきに撤廃されるだろう」と考えていました。小さな子どもの長期間のマスク着用は害が多すぎるし、それは社会を破壊するレベルの悪影響となると思っていました。
しかし甘かったですね。
子どものマスクが撤廃されないどころか、その頃より今のほうが小さな子どもにマスクをさせている親が多いです。2歳より下くらいに見える子にさせている地獄のような光景も見ます。
強制されているのではなく、自ら進んで子どもにさせているのですから、「もう仕方ないな」と考えるほかはありません。それがその子どもの未来を破壊することは確実なのに、あえて行っている。
現在 3歳くらいまでの子どもたちの未来は「世代ごと消えた」と考えられます。
そもそも妊娠中の酸素不足や乳幼児の酸素不足で発育不全となるのは、脳だけではなく「全部の器官」だと考えられますので、それに応じた覚悟も必要かと思います(余命そのものの問題)。
あまりにも大きな代償ですが、総マスク社会を受け入れてしまった償いの時代がこれから始まると考えてもいいのかもしれません。
ディストピアというより、まったくの黙示録の時代です。
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