誰でもある程度はそうだと思うのですが、私も双極性障害というような状態は多少繰り返す人生ではあります。
双極性障害という言葉を使わなくても、多くの人は、意味なく落ち込んだり、意味なく元気になったりということを繰り返しているわけですが、最近はそういう周期の入れ替わりが頻繁です。
寒波が来るということで、植物やメダカの処遇を日中あれこれ考えて、その作業をやり、長く太陽に当たった後、「記事を書こう」と報道を見ると何だかぐったりしてしまうという時は今はよくあります。
今日も午後はそんな感じで、ぐったりしてしまいまして、記事の更新は無理そうだなあ、と思っていました。
そうしましたら、Yahoo! のニュースのトピックスで、時事通信の以下の報道を見ました。
10月自殺、2000人超 昨年比39%増―警察庁
10月の自殺者数が2153人となり、昨年同月比で39.9%増(614人増)だったことが10日、警察庁の集計で分かった。前年より増えるのは4カ月連続で、厚生労働省は新型コロナウイルス感染拡大の影響など要因を分析する。
1~10月の累計は1万7219人で、昨年同期より160人増えた。1~6月は昨年同月比で減少していたが、7月に増加に転じた。
10月の自殺者は、男性が1302人、女性が851人。遺体が発見された都道府県別では、東京が255人で最多。100人以上は埼玉151人、神奈川148人、愛知126人、大阪116人、福岡105人だった。 (時事 2020/11/10)
「命を優先する」
という大義名分で始まった新型コロナウイルス対策の結果のひとつがこれです。
世界中の医師や科学者たちが「それはいけない」と言い続けているのに、日本も含めた各国は、自粛や制限を続け、マスメディアを使って「存在しない脅威」を喧伝し続ける。
国内すべてに「同調圧力」が広がり、意味のないマスク、意味のないあらゆる会合やエンタメやスポーツに対しての自粛が終わる気配さえない。
若い人たちは友だちと遊ぶこともままならない。
以前、以下の記事で、英ケンブリッジ大学出版局から発行された『災害精神医学の教科書』を引用した記事からご紹介したことがあります。
「今起きていることは通常のメンタルヘルス・カタストロフではない」
投稿日:2020年7月18日
そこには、以下のようにあります。
心理的障害の発症は、時期的にずっと後になってから起きる可能性がある。
『災害精神医学の教科書』は、今後パンデミックが沈静化したとしても、現在すでに見受けられている深刻なメンタルヘルスケアの需要は、さらに急増する可能性があることを警告している。 (The Atlantic)
先ほどの日本の自死の急増は、この 10月のことです。
まだ何も解決していない時期の話です。
もちろん今も何も解決していません。
それでこれだけ自死が急増しているという現実は「この先」さらにこの数値が上がっていってしまう可能性が高いことを示します。
ヨーロッパでは、この 11月から軒並み「再ロックダウン」が始まり(過去記事)、日本でも、(無意味な数値としての)感染者数が増加しています。
感染者を確定するという目的には適さない PCR という検査方法によって。あるいは、PCR 以外でもそれは同じで、何の意味もない。
アメリカの例では、ロックダウンが始まって、わりと直後の 3月15日までの時点で、以下のようなことになっていました。
アメリカの現在のメンタルヘルスの状態の報告書
新型コロナウイルスは世界の人々の健康と経済に大きな影響を与えているが、エクスプレス・スクリプツの新しい研究は、身体の健康だけではなく、多くの人々の精神的健康にも大きな影響を与えていることを明らかにしている。
エクスプレスの調査によると、アメリカにおいて、抗うつ薬、抗不安薬、抗不眠症(睡眠薬)の 1週間あたりの処方数は 2月16日から 3月15日までの間に 21%増加し、パンデミックが宣言された 3月15日までの週がピークに達している。
多くのアメリカ人が、この世界的なパンデミックが非常に短い期間で自分たちの生活を混乱させるのを見て、ますます不安になっている。
この分析では、多くのアメリカ人たちが、精神状態の救済のために、薬物療法に目を向けていることを示しており、新型コロナウイルスが私たちアメリカ国家の精神的健康に及ぼすかもしれない深刻な影響を示している。
最大の増加は抗不安薬の処方箋であり、2月中旬から 3月中旬に 34.1%増加した。
2月16日から 3月15日まで、抗うつ薬の処方は 18.6%増加し、睡眠薬の処方は 14.8%増加した。 (America's State of Mind Report)
アメリカでは 9月の報道の時点で「若者の 4人に 1人が真剣に自死を考えた」という報告もあります。
新型コロナで追い込まれるアメリカの若者、4人に1人が真剣に「自殺を考えた」
新型コロナウイルス感染症のパンデミックが、米国の若者の心に大きな影を落としている。米疾病対策センターがこのほど発表した調査では、若者の4人に1人は過去30日間で真剣に自殺を考えたというショッキングな結果となった。(Newsweek 2020/09/17)
こういうメンタル系での自死は、先ほどの英ケンブリッジ大学の『災害精神医学の教科書』にもありますように、
「ずっと後になってから増える」
というのが、精神医学上の定説でもあり、また、それは私の個人的な体験とも結びついています。
ですので、「これからさらに」ということになってしまうことは避けられない。
子どもや若者に必要なものは単純に「自由」であり、本来は、それを目指して文明が発達するべきだったと思っています。
他の国のことはいいです。
少なくとも日本はそうであってほしかった。
『葉隠』という書物があります。
江戸時代中期に書かれたとされているもので、
「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」
の文言ばかりがクローズアップされていて、右派的なイメージが強いものですが、この『葉隠』で、「子どもをどのように育てるか」ということに関して、どのように書かれているかご存じでしょうか。
「徹底的に自由にさせるべき」
とあるのです。
親は子どもに何か言っちゃいけない。
実際には以下のようにあります。
『葉隠』より
武士の子どもは育て様あるべき事なり。
まず幼稚の時より勇気をすすめ、仮初めにもおどし、だます事などはあるまじく候。幼少の時にても臆病気これあるは一生の疵なり。
親々深くにして、雷鳴の時も怖じ気をつけ、暗がりなどには参らぬ様に仕なし、泣き止ますべきとて、おそろしがる事などを申し聞かせ候は深くの事なり。また、幼少にて強く叱り候へば、入気になるなり。
候、候と続きますが、この後含めて、下りを読んでみれば、
・子どもは子どもの世界においてのびのびと育つべきである
・自然への恐怖を与えてはいけない
・子どもを制御するために無理やりな叱責をしてはいけない
・恐怖の植えつけや叱責は子どもがのびのびと育つことを阻害する
・恐怖の植えつけや叱責がなければ、子どもは子どもの世界でのびのびと育ち、臆病になることもない
このようなことを述べているのですね。
今の世界は然るに何ぞや。
以下の記事で書きましたような「恐怖と規制によるコントロールがすべて」となっている。
「ニューノーマル」という名の異常な世界に放り込まれた世界の子どもたち
投稿日:2020年9月7日
他の国の人たちはともかく、「こんなのは本来の日本人には合わない」です。
日本人は、世界の主要国の中で最もギリギリまで人間らしい生き方を保っていた国ですけれど、それが今は段階的にもうムチャクチャになってしまった。
エリートとメディアが揃って何もかも壊そうとしている。
しかし、仮に絶望している方々がいらっしゃるとしたなら、それぞれの方々がそれまで持っていた「希望の方向を変えてみる」ことを真剣に考えるのもいいのかもしれません。
過去数十年、日本で伝えられてきた価値観はクソです。
そういう意味では、このパンデミックは「新しい価値観を本気で見出す機会」なのかもしれません。
ご自身が生きていて「つらい」と感じる世の中ならば、それは、世の中が正しいのではなく、実際にはご自身は正しくて、世の中が違うのかもしれない、とか。
まあ方向性はなんでもいいのでしょうけれど、こんな馬鹿げた社会情勢を間に受けるこたないッす。
こういう時こそ、科学とデータをご自身で観察することが必要です。
科学的知識なんて要りません。冷静に見れば、馬鹿馬鹿しいことが世界的に展開されていることが小学生でもわかります。
科学もデータも関係ないどうしようもない概念で人を支配しようとしている。
表面的に抗う必要などないですが、ご自身の内部でそれに抗うことにより、少しは精神的な均衡を保てることもあるのではないかとも思います。
私は「人命が一番」とは決して言いません。
ただ、特に若い人たちには、意味のない下らないことで精神と生命を毀損してほしくはないです。
その生命は何かに役立つ可能性がある生命なのですから。
>> In Deep メルマガのご案内
In Deepではメルマガも発行しています。ブログではあまりふれにくいことなどを含めて、毎週金曜日に配信させていたただいています。お試し月は無料で、その期間中におやめになることもできますので、お試し下されば幸いです。こちらをクリックされるか以下からご登録できます。
▶ 登録へ進む