人口の3分の1が「準備を加速」中
米国のボーナスファインダー社の全国調査で、
「現在のアメリカでは、1億800万人が終末に向けて準備をしている」
ことがわかったことが報じられています。
「プレッパー」というように言われる人々が増加していると。
これは、バイデン政権 (最近の演説では、尊師は今は2008年だと思われているようです)になってから「黙示録の到来」を考えるアメリカ人の数が加速していることを示しているとの説明でした。
まず、そのボーナスファインダーの全国調査の結果を紹介していた記事をご紹介します。
バイデン氏への信頼の欠如が終末の準備を促進させている
Lack of faith in Biden drives doomsday prepping
Washington Examiner 2023/06/21
ジョー・バイデン大統領のアメリカ政府に対する不安定な支配を見続けている国民たちは、終末の事象の際に、政府が自分たちを守ってくれるという信頼を失っており、それが全国的な準備運動を推進している。
終末時計がこれまでで最も真夜中に近づく中、6,200人を対象とした新たな調査では、 70%以上が、核戦争やさらには気候変動による災害などの大惨事において「政府を信頼していない」と回答した。
その結果、終末期の最悪の日を乗り切るために、多くの人が水、食料、防寒着、武器、現金などを備蓄していることがわかった。
ボーナスファインダーが提供したこの全国調査によると、アメリカ人の 4,000万人が 1年以内に終末の日が来るのではないかという恐怖を感じており、さらに多くの人がソーシャルメディアの投稿により、終末期への備えに触発され、1億 800万人が備えに最大 5,000ドル (約70万円)を費やしているという。
この調査は、ロシア、中国、イラン、北朝鮮からの電磁パルス (EMP)攻撃など、電力が遮断され、食糧や水が不足する攻撃を恐れるアメリカ人が増えているという長年にわたって示してきた懸念を裏付けるものだ。議会報告書によると、たった 1回の EMP攻撃で東海岸の全電力が失われると、そこに住む 90%が人々が死亡するという。
調査では、多くの人たちが、このような問題に対して、自分の手で解決しようとしていることが示唆されている。
ウェストバージニア州とアリゾナ州を中心とする、いくつかの州の住民たちでは、約半数が、最悪の事態に備えて 1万ドル以上 (約140万円)を費やしている。主な購入品は水、防寒着、食料品だ。約 20%の住民はペットフードも購入している。
この調査では、ドルの現金を保管していると述べた人は 10%だけで、食品や物品と比較すると、ドルに価値を感じていない人が多いのではないかと思わせる結果となっている。
災害に備えている可能性が最も高い年齢層は、40~ 65歳の人たちで、男性は女性の 2倍が災害に備えている。
その災害がどのようなものになると想定しているかというと、約 55%の人たちが気候変動、36%がウイルスと病気、25%が核攻撃を挙げた。しかし、別の懸念を示す人もいる。15%以上が小惑星の衝突について、15%がロボットまたは人工知能の「乗っ取り」について、7.5%が「ゾンビの黙示録」について懸念している。
新型コロナウイルス感染症危機以来、世界終末への備えと懸念が高まっている。この調査では、ソーシャルメディアが不安を高めるのに役立っていると述べた。
SNS は、サバイバルスキルの開発を促進するのにも役立っている。たとえば、45%が採餌方法 (※ 自然の中から食料を得る方法)を習得しようとしたことがあり、32%が水を浄化する方法を学んでおり、15% が火を起こす方法を学んだことがあると回答した。
それでも、この率は、州ごとにずいぶんと異なる。
州ごとに準備を比較した調査では、生き残れるかどうか確信が持てなかった人も多かった。たとえば、ロードアイランド州の住民は最も自信がなく、「自分の能力を信じている」と答えたのはわずか 35%だった。
しかし、それは彼ら自身のせいかもしれない。ロードアイランド州の住民は、終末の日への備えが最も少なく、食料や物品を備蓄しているのはわずか 30%だという分析だった。
ここまでです。
ここに、「州ごとにずいぶんと異なる」とありますが、グラフで示されています。色が濃いほど、準備している住民の割合が多い州となっています。
米国のどの州の人々が終末に最も備えているか
bonusfinder.com
最も高かったのは、ネブラスカ州の 51.35%で、「最も低かった」のは、オクラホマ州の 28.38%でした。同じアメリカ人とはいえ、結構な差があります。
「なぜネブラスカ州は突出して高いのか」
ということには、思い当たることがあります。
上の記事に「電磁パルス (EMP)攻撃」 (高高度で小さな核を爆発させて、電気インフラを停止させる攻撃)という文字が出てきますが、過去にアメリカでおこわなわれた議会やシンクタンクの報告のシミュレーションでは、
「 EMP の爆発地点をネブラスカ州のオマハと想定していた」
ということがありました。
1997年のアメリカ連邦下院国家安全委員会の公聴会に提出された資料があるのですが、小さなものしかなく見づらいと思いますが、以下がその際の資料です。中心の白い点がオマハです。
オマハ上空で爆発した場合の全米の影響の度合いの EMP のシミュレーション
たった一発で、全米の大部分の電力とインフラが奪われるのですから、ものすごいものです。
この図については、もう 11年前の記事ですが、以下にあります。
[記事] 聞こえてくる「人類文明終焉戦争」の足音: 米国ボーイング社が「 EMP ミサイル」の開発に成功
In Deep 2012年10月26日
EMPは、現代文明の中では兵器の王者です。
安価で作ることができて、高い技術も必要ない。
さらには、攻撃目標設定も大ざっぱで OK で、大型化しない兵器なので、海上でもどこでも「どこからでも発射することができる」ものです。
今なら、高高度を飛行できる能力があるものなら、無人機や「気球」でも大丈夫かもしれません。
今年はじめにあった「中国の気球騒動」の時、真っ先に思ったのが、「 EMP のシミュレーション」だと思いましたもの。
[記事] ところで、中国の気球の目的はEMP攻撃なのか生物兵器攻撃なのか? 「ふ号計画」80年後に思ういろいろ
In Deep 2023年2月6日
先ほどの準備をするアメリカ人に関しての記事は、ワシントン・エグザミナーというメディアのものでしたが、上の記事でも同紙からの記事を抜粋していました。 風船と EMP についてのことです。
予行演習:風船は核EMP攻撃の最高の「運搬プラットフォーム」と呼ばれる
EMP の専門家であり、国家安全保障の専門家の空軍少佐デイビッド・スタッケンバーグ氏は、日本の第二次世界大戦で米国を標的にした気球爆弾「フゴー計画」を、脅威の一例として次のように指摘した。
「第二次世界大戦以来、北米がこのような脅威に直面したことはありません。日本でのプロジェクト「フゴー計画」は気球を使って、太平洋を越えてアメリカとカナダへの貿易風に乗って爆弾を飛ばしました」
彼は警告する。
「中国、北朝鮮、ロシア、イランが電磁パルス兵器で米国の送電網を攻撃する計画を持っています。電磁パルスに見舞われた場合、1年以上、その国の電気インフラは切断されたままです」
彼は報告書に次のように書いた。
「元 CIA アナリストであり、EMP 攻撃による米国への脅威を評価する議会委員会のメンバーであるピーター・プライ氏は、事実上、アメリカ東部の電気網グリッドのどこであろうと、高高度核爆発が発生すると、EMP フィールド内領域だけでなく、アメリカ東部全体の電気網が崩壊すると言う。これは、外側に波及するカスケード障害のためだ」
ロシアは以下の記事にありますように、世界最高峰の EMP テクノロジーを持っています (プーチン大統領がその破壊力をどのくらい理解しているのかは不明です)。
[記事] ロシアのEMP開発の歴史が60年に及ぶことを知り、そしてディーガルの壊滅的な人口動態予測を米国議会報告「EMPは90%のアメリカ人を殺す」で思い出す
In Deep 2022年3月15日
中国も、あと北朝鮮もそうですが、「やろうとするかしないか」だけの話だとは思います。
通常の核兵器と比べて、あまりにも被害が大きいですので、「それはやらない」とするのが人道というものですが、先行きどうなるかよくわからない世界にはなってきています。
……話が EMP のほうに偏ってしまいましたが、ともかく、ネブラスカ州の人々が、他の州より圧倒的に「準備者」が多いのは、(実際に標的になるかどうかはわからなくとも)シミュレーションで、オマハが爆発ポイントだとされていたためだと思います。
しかし、実際には、本当に「アメリカを根本的に攻撃」したいのであれば、西か東の、つまり大都市圏にターゲットを合わせそうな気はします。あるいは、中国の場合、「米国債を一気に放擲する」という方法でも、時間軸として同じような効果がありそうですが。
そういえば、こういう個々の人たちの準備とは異なる話ですが、日本の「ノアの方舟計画」が、海外で話題になっています。
日本で「ノアの方舟」の建造に着手
日本の事業ですので、もちろん、日本語で報じられています。
(報道) 海上建築スタートアップ「N-ARK|ナーク」が、気候変動に適応する海上未病都市「Dogen City|同源都市」事業構想を発表 (PR TIMES 2023/06/07)
このニュースリリースには「ノアの方舟」というような表現は一切出てこないのですが、欧米のメディアはいっせいに、
「日本でノアの方舟計画が進行中」
と報じています。
ま……この事業の名称自体が、N-ARK で、行うのが N-ARK社ですからね(ノアの方舟は英語で Noah's Ark)。
以下のようなもので、「 4万人に自給自足の居住地を提供する」というものだそうで、この海上都市を 2030年までに建造するというようなことのようです。
海上都市「Dogen City」の完成予想図 (浜名湖)
prtimes.jp
なんか選ばれた人しか入れない感じのようにも思いますが、こういうのも「準備」なんですかね。
ただ、この程度の広さで自給自足ができるのかどうかと思いましたら、図を見ると、「地階に自給自足の空間がある」ようです。
この日本の事業を紹介していたサン米国版の記事をご紹介して締めさせていただきます。
黙示録の際に4万人が住むことになる現実の水上都市「ノアの方舟」の信じられない計画
WATERWORLD Incredible plan for real life ‘Noah’s Ark’ floating city that would be home to 40,000 people in the apocalypse
THE Sun 2023/06/16
日本のテック関係者たちが、現実のノアの箱舟に見立てた奇妙な水上都市の計画を発表した。
この海に面した大都市は 4万人に「自給自足の居住地」を提供するだろうと日本の設計者たちは言う。
開発者の N-Ark 社は、ドーゲン・シティと名付けられたこのゾーンは終末的な事象に対しても耐性があるとさえ主張している。
周囲は 4kmで、計画では住民はゾーン内のどの地点でも 1時間以内に到着できるようになる予定だ。
スポーツスタジアムを含むさまざまな建物が提案されており、物件は船で別の場所に移動できるようになる。
このインフラストラクチャは悪天候から守るために円形に設計されており、3つのインフラストラクチャタイプで構成されている。これらは、主要な居住空間、海底データセンター、医療研究施設、および内湾内を自由に移動できる柔軟な内側リング構造を含むリング状となっている。
N-Ark 社の開発ロードマップは現在 2030年に完成予定となっており、設計者たちはこの都市をイーロン・マスク氏の SpaceX の海上バージョンとみている。
「ニューオーシャンを実現する 6つの要素(医療、食、住、情報、電力)を提案し、多様な企業の参入を促進し、海洋開発活動を推進していきます」と彼らは言う。
>> In Deep メルマガのご案内
In Deepではメルマガも発行しています。ブログではあまりふれにくいことなどを含めて、毎週金曜日に配信させていたただいています。お試し月は無料で、その期間中におやめになることもできますので、お試し下されば幸いです。こちらをクリックされるか以下からご登録できます。
▶ ご登録へ進む