21世紀最大級の大噴火
今年に入ってからというもの、やや規模の大きな地震と、そして火山の噴火が世界中で突如として増加していた傾向があるのですが、その中でも「極めつけといえる噴火」が、1月12日に発生しました。
冒頭の写真でも、そのすごさがおわかりになるかと思うのですが、これはフィリピンの「タール山」という火山で、その火山が噴火を起こしたのです。そしてもこの噴煙の高さが、何と「 1万6700メートル」に達したのでした。
つまり、約 17キロメートルの高さまで噴煙を上げたのです。
この 17キロメートルという噴煙の高さのすさまじさは、比較しますと、日本で最も活発な火山のひとつである桜島が、昨年 2019年11月に「観測史上最大の噴煙」を上げたのですが、これが「 5500メートル」でした。
今回のフィリピンのタール火山の噴火は、桜島の観測史上最大の噴煙の高さより3倍以上の高さにまで達していたのです。
そして、このタール火山の噴火の「様相」がまた・・・。
何といいますか、「この世の終わり的な様相」を見せているのです。
これまでにも数々の激しい噴火が世界中で起きてきたとはいえ、この数年では、少なくとも私が見た噴火の光景としては、最も印象的です。
2020年という年は、最初の数日間だけでも近年稀に見る激動の状態が続いていまして、社会的なこともそうですし、地震は相次ぐ、洪水も相次ぐ、テロも相次ぐという中で進んでいますが、タール火山の噴火は、そういう「今」を象徴するようなものに見えるのです。
なお、私はこのタール山という存在を知りませんでした。
これだけの噴火を起こす可能性のあるアジアの火山を知らなかったのは意外で、「またも例の記憶違い?」(過去記事)とも一瞬思いましたが、調べてみますと、最後の噴火が 1977年だったそうで、40年間以上噴火していなかったために知らなかったということのようです。
そのタール山の噴火の様相を少しご覧いただこうと思います。
2020年1月12日 フィリピン・タール山の噴火の様相
・Taal Volcano erupts in Philippines
・DW
・9gag
こんなに終末感の漂う火山の噴火は久しぶりに見ました。
なお、このタール山という火山は、首都マニラから 60kmと近いのですが、以下のように「湖の中」にある火山です。
これは、この湖が「過去の噴火によるカルデラ湖」であることを示していまして、この湖の面積ほどのカルデラを作り出した強力な噴火が過去にあったことを示します。おそらくそれは「カルデラ破局噴火」のようなものだったと思われます。
また、記録を調べますと、1965年にはタール山の噴火で「火砕サージ(ガスによる火砕流様現象)」が発生し、 200人以上が亡くなったそうです。
ちなみに、2020年は、この年に入った途端に、やや規模の大きな地震が続発し始めまして、それは以下の記事に記しています。
上の記事では、2020年 1月3日から 9日までの 1週間のマグニチュード 4.5以上の地震の回数が 99回だったと書かれてありますが、その後、地震の数はさらに加速していまして、
「 1月7日から 13日までの 1週間の M4.5以上の地震の数は 114回」
となっていました。
マグニチュード 4.5 というのは、アメリカ地質調査所(USGS)が、これ以上を大地震としている数値です。
また、地震の発生の仕方や場所も印象的なものが多く、1月6日から、プエルトリコで 2日間連続して マグニチュード 6クラスの地震が発生しましたけれど、この日は、「公現祭」というカトリックの祝日でした。イエス・キリストの最初の奇跡を通して神が世に現れたことを記念する重要な祝日だそうです。
この地震は下の記事でふれています。
・プエルトリコ : キリスト教の祝日「公現祭」の日から二日連続でマグニチュード6級の大地震が発生し、非常事態が宣言される
また、1月7日、イランはイラクのアメリカ軍基地にミサイル攻撃を行いましたが、その数時間後に「イランで唯一の原子力発電所のある場所で地震が発生する」という出来事がありました。
偶然ではあるのでしょうけれど、示唆深い地震です。これは以下の記事で記しています。
・イランの原子力発電所近くで2度の大きな地震が発生。起きたのは、イランが米軍基地へミサイル攻撃をした数時間後
そして、今回のタール火山の噴火です。
この噴火に関して、いろいろとソーシャルネットを見ていましたら、このタール山の噴煙を背景に結婚式を挙げているカップルの方がいらっしゃいました。
噴火するタール山を背景に
・fobos
いやまあ、思い出深い結婚式にはなるでしょうけれど、何だかもうさらに終末感が…。
それにしても、今回のタール山の強力な噴火を見まして、ふと、5日ほど前に、以下の記事で取り上げた現象を思い出しました。
これは、地球周辺の磁場が突然乱され、大地に地電流が流れたということが 1月6日に起きたことについて書かせていただいています。
2020年1月6日に地球周辺の宇宙磁場が「突然180度撹乱され」そして大地に電流が流れた。地球周辺の宇宙で一体何が起きている? そして地震との関係は?
この記事では、「地震発生の 5日前に大気中に異常が起きる」という国際研究チームの最近の研究にもふれていますが、今回の噴火と磁場の乱れに関係があるわけではないでしょうけれど、何となく「無関係とも言い切れない」感じはします。
それにしても、2020年は最初からすごいですね。
・イランの司令官がアメリカ軍に暗殺され
・イランが米軍基地を攻撃し
・インドネシアでは未曾有の大洪水(AFP)
・イスラエルでは観測史上最大の雨量の中で洪水が続いている(earthreview.net)
・オーストラリアの森林火災の煙が全世界に拡散し始め(AFP)
・ケニアとナイジェリアとソマリアでは大規模な米軍へのテロが発生し(Newsweek)
・プエルトリコとメキシコでは大地震
・フィリピンではかつて見たことのないような火山の大噴火…
2020年は、まだ半月も経っていないのにこういう状態となっております。
これから何が起きていくのでしょうかね。
しかしまあ、現実的な話として、環太平洋火山帯でここまで地震と火山活動が活発になっているとすると、日本を含めて環太平洋火山帯上のもともと地震や火山噴火の多い場所では、それなりに「いろいろと起きる可能性を」考えて生きるべきなのかもしれません。
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