ブログ記事の引用・転載はすべて自由です。その際、ページのリンクを示していただけると嬉しいです。以下でキーワード記事検索ができます。

4月12日にメルマガ夢見と古代ギリシャと「痛みとの個人的歴史」が混沌とを発行させていただきました。

2020年からの世界 人類の未来 健康の真実 日本の未来

新型コロナウイルスは感染して回復した後もHIVのように「永遠に」体内に残る可能性が医学的研究でさらに強く示される。それだけに、今の私たちにはストレスフリー環境と太陽光が必要なのに

投稿日:2020年5月14日 更新日:




 

新型コロナウイルスは「地球上から消えない」とWHOが声明

昨日、世界保健機構(WHO)が、新型コロナウイルスが、「地上に永遠に残るタイプのウイルスになる可能性がある」として、そのたとえとして、エイズウイルス(HIV)を取り上げて以下のように述べていたことが世界中で報じられていました。

HIVのように、コロナウイルスは決して消えないかもしないと WHO は述べた

ndiatoday.in 2020/05/14

世界保健機関(WHO)は13日、新型コロナウイルスが消滅することはないかもしれないとの見解を示し、世界の人々は新型ウイルスとの共生方法を学ばなければならないと述べた。

WHOの緊急事態対応の責任者であるマイケル・ライアン氏は、コロナウイルスは地域社会で別の風土病ウイルスになる可能性があり、決して消えることはない可能性があると語った。ライアン氏は、HIVが消え去ったことがないのと同じように、新型コロナウイルスがいつ消えるのかについての手がかりはないと述べた。

「 HIV が地球上から去ったことは一度もありません。しかし、HIVに感染している人がより長く健康的な生活を送るための方法を私たちは見つけ、われわれはエイズウイルスと折り合いをつけることができています」とライアン氏は述べた。

これは、新型コロナウイルスが、一度登場してからは、完全に地球に定着したエイズウイルスのようになる可能性が高いとしたものであり、新型コロナウイルス自体の性質を述べたものではないです。

しかし、現実として、新型コロナウイルスというウイルス自体が、エイズウイルスの性質を持っていることについては、以下のような記事などでこれまで何度も記してきました。

インドの科学者たちが発表した「新型コロナウイルスの中に存在するHIV要素」を中国やフランスの科学者たちも発見。それにより、このウイルスは「SARSの最大1000倍の感染力を持つ可能性がある」と発表
In Deep 2020年2月27日

このことと共に、当時ショッキングだったのは、以下の記事で取りあげましたように、新型コロナウイルスには「人間の免疫細胞に感染する」性質があることです。

[衝撃] 新型コロナウイルスは「人間の免疫機能の中心であるT細胞を攻撃」し、免疫系を完全に破壊する「HIV / エイズウイルスと同じ特徴を持っている」ことが米中の研究者により確認される
In Deep 2020年4月13日

人間をウイルスなどの感染症の病原体から守ってくれる免疫細胞のひとつとして「 T細胞」という細胞が知られています。

T細胞は、それが「初めて出会う病原体であっても」攻撃してくれ、人間の体をまもってくれるのですが、ところが、この新型コロナウイルスは、

「この T 細胞を攻撃する性質を持つ」

ことが、中国とアメリカの研究者たちによって突き止められたのが 4月始めの頃でした。

私は、新型コロナウイルスに対しては「基本的に対策をするべきではない」としていますが、このように考えるようになったのがこの頃でした。

さらに、以下の記事で、新型コロナウイルスが、「これまで見たことのない強烈な感染性を持つ」ことが示され、さらにそう思うようになりました。

国際的な研究により、新型コロナウイルスは「332種類のヒトタンパク質」を利用してヒト細胞と結合できる驚異的な感染能力を持つことが見出される。治療薬開発は厳しい局面に
In Deep 2020年4月5日

なぜかというと、このように多様な受容体を利用して感染できるウイルスというのは、他にはそうあるものではなく、受容体の種類が多いということは、一般的に考えれば、感染力が強いということになりますが、新型コロナウイルスは利用できる受容体が数百種類あるかもしれないというのです。

これは異常な感染力を持っている可能性を示しているわけで、

「ここまで感染力が強い病原体の感染拡大を防ぐことは不可能ではないか」

と思うに至ったからです。

合理的に考えて、人の力で感染抑制ができるわけがないと。

それよりも、感染が拡大していったとしても、普通の社会運営を続ける中で、

・多くの人々にストレスがかからない社会作りを行い

・多くの人々が十分な栄養と十分な睡眠を取ることができるような社会にし

・多くの人々が十分な日光を浴びて、ビタミンDと体内ホルモンの調整を促すことができる社会作りを行う

というようなことによって、「感染しても多くの人々が重症化しない社会作りのために多大な予算を計上する」ことが大事だと思ってきました。

もちろん、こんな理想が実現するとも思ってはいませんが、しかし、ロックダウンや緊急事態宣言は、上のような「感染症に対しての理想の社会の真逆の生活」を作り出してしまうので避けるべきだとも考えていました。

つまり、ロックダウンは、

・過剰なストレスを生み出し

・経済の破綻により栄養失調と睡眠不足が生じ

・太陽光の不足と運動の不足をもたらす

という「人々に不健康を強制する政策」であるわけで、こんなことが感染症の対策になるわけがないとは今も思います。

なお、この考えがある程度、間違いではない理由としては、先ほどのいくつかの論文が発表された 4月の初め以来、各国は強力なロックダウンなどの措置を続けていますが、

「ロックダウンは、感染拡大も死者数も抑止できていない」

ということが明らかになっているからです。

最初の頃は、「 2週間が大事」というようなことを各国当局は述べていたと思いますが、それから 1ヵ月、2ヵ月と経過した今も多くの国でロックダウンは続いています。

およそ地球上の人々の約半数、主要国ではそれ以上の人々が行動制限の中で暮らしています。

しかし、感染拡大は相変わらずの棒上げ状態です。

日々の新たな感染者数を見ましても、たとえば、4月に入って以来のこの 40日くらいは、ずっと毎日「 7万人から 8万人の新たな感染者が出ている」状態で、中長期的な改善の兆しは見えていません。

以下は、この 4ヶ月ほどの間の新たな感染者数の推移です。国や地域によって差はありますけれど、人口が多く、統計に反映されやすい多くの国がロックダウンをしている状態でこれですので、現状をよく示していると思います。


google.com

比較として、ロックダウンをしなかった国の同期間の推移は、おおむね以下のようになります。ロックダウンをしなかった国や地域はいくつかありますが、比較的人口が多い国として、スウェーデンチェコ共和国台湾の例を挙げさせていただきます。

単に推移の違いを見ていただきたいだけで、他の意味はありません。


google.com


google.com


google.com

これが「ロックダウンをしなかった国」のひとつの例で、他もおおむね似たような感じです。

このようなグラフを冷静に見ていけば、意味があるかどうかは多少わかるものではないでしょうか。

チェコに関しては、最近の以下の記事でご紹介しています。

 

実質的にロックダウンを行わなかったチェコ共和国は、あっという間に新型コロナウイルスの流行が終焉し、社会はすでに正常に

 

そんな中で、WHO は、冒頭でご紹介しました報道のように、ここに至って、

「世界の人々は新型ウイルスとの共生方法を学ばなければならない」

というように述べ始めているようですが、もう今さら…。

 

 

米ロサンゼルスではではロックダウンがさらに3ヶ月延長

このような現状の中、すごいと思ったのは、たとえばアメリカなどでは「さらにロックダウンを強化」しようとしていることです。

5月12日付けの米ロサンゼルスタイムズは、ロサンゼルスの公衆衛生局長が、

「ロックダウンを 8月末まで延長する」

と述べたと伝えています。


LA Times

感染状況に劇的な改善があった場合以外は、基本的に、夏の終わりまで自宅待機を延長すると。

あと 3ヵ月半、実質的なロックダウンが続くということです。

何とも言いようがないですが、ロサンゼルスがこれを発表したということは、アメリカの他の地域や、あるいは、他の国でも起きるかもしれません。

 

少し話が逸れましたけれど、要するに、新型コロナウイルスというものは感染力がきわめて強い上に、このウイルス自体が「 HIV の性質を持つ」ということは、以前も書いたことがあるのですが、

「感染しやすい上に、感染すると、一生、体内に残る」

という可能性が高いことです。

新型コロナウイルスが実際にはすでに非常に多くの人たちに感染していることは、世界中の数々の抗体検査で明らかになっていまして、多くの場合が無症状ですので、日本でも相当な数の人たち(人口の数パーセントの感染で数百万人、数十パーセントに達すれば数千万人)がすでに感染して「治っている」可能性が高いです。

しかし、感染した人は「一生、それと向きあわなければならない」可能性があるのです。

それだけに、先ほど書きました、

・ストレスのかからいな生活
・栄養と睡眠
・十分な太陽光

というものを、あるいは「一生気にかけたほうがいい」のかもしれないのです。

私たちは、生き方を変更する必要がある段階にあると思います。

私は今、以前よりもずっと長時間、太陽光を浴びるようにしていますが、外出できないのなら、ベランダでも屋上でもいいですから、皆様も太陽光をたくさん浴びて下さい。

なお、中国と香港の医師団グループによる新型コロナウイルスに感染して回復した人たちが、慢性の健康被害を受ける可能性」についての研究の医学記事を最近読みました。

それを紹介した記事の概要をご紹介させていただきます。

 


新型コロナウイルスから回復した患者たちは、残りの人生で慢性的な健康への影響に苦しむ可能性がある

COVID-19 Alerts: Recovered Patients Could Suffer Chronic Health Effects For The Rest Of Their Lives
thailandmedical.news 2020/05/13

これまでに、世界中で 160万人を超える人たちが、SARS-Cov-2 (新型コロナウイルス)感染から「回復した」と見なされている。しかし、最初の症状から回復しても、その人たちにとっては、それはこれから始まる多くの戦いの最初に過ぎないかもしれないことが見出されている。

香港と中国の武漢で行われた新しい調査研究では、回復した人たちの多くが、最初に感染してから数か月後に息切れ、疲労、体の痛み等を報告している。そして回復した人たちが、肺、心臓、肝臓の機能の低下に苛まれていることがわかった。

しかし、それは氷山の一角かもしれないのだ。

SARS-Cov-2コロナウイルスは、呼吸器系を超えて人体の多くの部分を攻撃し、目からつま先、肝臓を含む胃腸管、腎臓、神経系、さらには男性の精巣に損傷を与えることが知られている。

医学研究者たちは、症状から回復した患者たちの長期的な健康状態の追跡を始めているが、同様のコロナウイルス(2003年の SARS )によって引き起こされた過去の流行は、その余波が 10年以上続くことを示している。

過去の研究では、 SARS の生存者たちは、その後約 12年間にわたり、肺感染症、高コレステロール値に苦しみ、感染しなかった人たちよりも頻繁に病気になったことが、科学誌ネイチャーに掲載された論文で判明している。

香港のプリンセスマーガレット病院感染症センターは、新型コロナウイルス患者のグループが退院してからの最大 2か月間を監視しているが、退院した生存者の約半数の肺機能のレベルが正常範囲より低いことが見出された。

ウイルスが最初に検出された武漢の 25人の回復した患者からの血液サンプルを調べた別の研究では、新型コロナウイルスの症状の重症度と関係なく、退院した人たちは、正常な機能を完全には回復していなかったことがわかった。

さらに別の研究では、武漢の病院から退院した 70名のうち 66名が、その後の CTスキャンで、肺に異常がある事例が多数見つかった。また、持続的な炎症の結果として回復した後でも、慢性心臓合併症が患者に発生する可能性があることも判明している。

ウイルスの種類により、人々に及ぼす影響にはさまざまなものがあるが、その長期的な影響の幅と持続期間を確定するには非常に多くの研究による定量化が必要だが、現時点では、新型コロナウイルスによる感染症の影響が長期になる可能性を排除することはできない。


 

ここまでです。

いろいろと厄介な病気なのですけれど、このウイルスが厄介なことは、4月の時点から何度もふれさせていただいていますが、だからこそ、最も大事なことは、

「ひとりひとりが健康でいること」

という、ありふれている主張ではありますけれど、それでも、やはり最も根本的なところに行き着くのだと思います。

それと、以下の記事の緑茶も含めて、「本来の日本人の食生活」は、感染症対策として大変に有効なものが多いですので、食生活も見直す時期かもしれません。

 

HIVからも防御 : 緑茶のエピガロカテキンガレートは、エイズウイルスの感染と発症を防ぐ。そして、仮に新型コロナウイルスとの付き合いが「一生」になるのなら考えてみたい「ウイルス干渉の原則」のこと

新型コロナウイルスの今回のパンデミックは、厄介な感染症流行であると共に、私たちに「考え方と生き方の変化を求めている」ものであるように感じることも多くなりました。

 
>> In Deep メルマガのご案内
In Deepではメルマガも発行しています。ブログではあまりふれにくいことなどを含めて、毎週金曜日に配信させていたただいています。お試し月は無料で、その期間中におやめになることもできますので、お試し下されば幸いです。こちらをクリックされるか以下からご登録できます。
登録へ進む





  • この記事を書いた人

Oka In Deep

世界で起き続ける様々なことをお伝えさせていただいています。

-2020年からの世界, 人類の未来, 健康の真実, 日本の未来
-, , , , , ,

Copyright© In Deep , 2024 All Rights Reserved.