10月7日 ドクロのような噴煙が撮影されたメキシコのポポカテペトル火山
・dailymail.co.uk
ドクロやサタンの光景はもはや日常ですが
メキシコでは、毎年、11月1日と 2日は「死者の日」という祝日となっています。
一般的な説明では、
> 死者の日には家族や友人達が集い、故人への思いを馳せて語り合う。
となっていますが、現実的にはこの2日間、メキシコの町々は「ガイコツだらけ」というようになります。そのメキシコで冒頭のような噴煙が見られたということで、SNS で話題となっていたようです。
今年は、新型コロナウイルスのこともあり、死者の日の祭りが通常通り行われるのかどうかわからないですが、メキシコの死者の日の少し前の 10月31日は、ハロウィンとなっていて、これもまた特にアメリカやヨーロッパで平年のようにおこなわれるのかどうかはわからないです。
たとえばアメリカでは、今でも下のようなニュースがあるくらいですので、街によっては集会は厳しそうです。
ニューヨーク市は、新たなロックダウンの最初の週末に15万ドルを超える罰金を科した
ニューヨーク市の公式ツイッターアカウントによると、ニューヨーク市は、新たに課された新型コロナウイルスに対しての集会の制限、マスク着用の義務、社会的距離の要件について、新しい制限を課した最初の週末に、62人以上の人々と企業、また礼拝所から 15万ドル(1580万円)以上の罰金を徴収したと報告した。 (zerohedge.com)
ニューヨークは、最も感染者の多い地域(レッドゾーンと指定)では、礼拝所などでも定員の 25%しか入れないなどの制限を知事命令として発令しています。
ちょうど、この時期は、ユダヤ教の重要な祭事である「仮庵の祭」の期間だったのですが、ユダヤ教徒たちが集会に規定以上の人数で集まった場合、個人にも礼拝所に対しても罰金が課されたようです。
そのため、怒ったニューヨークのユダヤ教徒たちが、「路上でマスクを燃やす」というジェスチャーで怒りを表現したことが伝えられています。
自分がつけているマスクを人々が次々と炎の中に放り込むという行動でした。
10月7日 規制に対して抗議でマスクを燃やすニューヨークのユダヤ教徒の人たち
・ELIJAH SCHAFFER
まあしかし、ユダヤ教の総本山であるイスラエルでも、この時期に「集会は禁止」となっていることを以下の記事で取りあげました。イスラエルでも「イスラエルの最も重要な祭事のひとつで集まることができない」のです。
イスラエルが世界で初めて「二度目の全土のロックダウン」を実施。他国の同様の動きの中に見える「世界で進行する警察国家」への道
投稿日:2020年9月14日
もう「祭事」はできない世界なのですよね。
ハロウィンは祭事ではないですが、今年のハロウィンは通常のようにはできない地域が多そうです。
なお、ハロウィンといえば、2015年のハロウィンの日に、冒頭のポポカテペトル火山の噴煙のような「ドクロ顔の小惑星」が地球に最接近したことがありました。
2015年10月31日に地球に最接近した小惑星「2015 TB145」
・スクリーム顔の小惑星、謎の星 KIC 8462852…
この小惑星は地球には影響を与えず、通り過ぎましたが、その後も地球周辺を周回しているようで、2018年11月にも地球に接近したことが観測されています。これについては、過去記事「信じられない数の「地球に接近する小惑星」が観測されているこの9月…」でふれています。
ちなみに、「ハロウィン」というのは、もともと、
「純粋に悪意と破壊の祝日だった」
ことをご存じでしょうか。
それを知ったのは、2017年の米スミソニアンの記事でして、以下の記事でそれをご紹介しています。
かつて子どもと大人の戦争だったハロウィンはアメリカ当局と企業が発明したプロパガンダ語で丸く収まることに…
投稿日:2017年10月31日
ハロウィンは 2000年前にヨーロッパ北西部のケルト諸国で生まれたものですが、アメリカに伝わってからは、「子どもたちの大人と、そして権威に対しての無秩序な攻撃」となっていったことが歴史書に記されています。
上の記事にあるスミソニアンの記事の一部をご紹介しますと、以下のような壮絶なものだったらしいのです。
「ハロウィンはすべて悪意で、そこに善意はなかった時代」より
子どもたちのイタズラはエスカレートしていった。1887年には、礼拝堂の座席が糖蜜で覆われ、1888年にはパイプ爆弾が爆発、1891年には新しい家の壁が黒く塗りつぶされた。
1894年には、ワシントン DCで 200人の男の子たちが、路上電車に乗っている身なりのいい人たちを小麦粉の大袋で叩きのめした。
その頃になると、ハロウィンには、子どもたちは火災警報器を鳴らし、店の窓に向けてレンガを投げつけ、校長の家に猥褻な絵を描いた。
子どもたちは主に富裕層や大人、権威を徹底的に攻撃した。
子どもたちは、それらにお金やお菓子をねだり、くれなければ「荒らすぞ」と脅した。
大人たちの中に、子どもと戦い始める者たちも出てきた。20世紀初頭のアメリカの新聞には、わずか 11歳から 12歳の子どもに銃で発砲して応じた大人の話が書かれている。(smithsonianmag.com 2017/10/27)
すごいでしょう。
お菓子なんてのも、
> くれなければ「荒らすぞ」と脅した。
というものだったんですね(苦笑)。
ハロウィンという日が「純粋な大人と子どもの戦争だった時代」があったことをスミソニアンで知りました。
先日、デルタというハリケーンがアメリカを直撃したのですけれど、その衛星画像にも「顔」みたいなのが写っていたことが話題になりました。
「アメリカ南部を直撃する見込みのハリケーン・デルタの衛星画像に浮かび上がる悪魔的な顔」という記事でご紹介しましたけれど、以下のような画像でした。矢印は、最初に投稿したアメリカの気象予報士の方が入れたものです。
2020年10月10日 米ルイジアナ州に向かう「デルタ」の衛星画像
・Zachary Hall
しかし、こういう自然の中の印象的な光景よりも、今の世界は、現実のほうに奇妙な光景がたくさんあります。
ほんの1年前までは想像もできなかったような奇妙な光景が。
奇妙な奇妙な
最近見た中で最も奇妙な光景は、
「マスクをして、背中合わせで腕を組んで、若者たちが社交ダンスを踊っている」
というものでした。
高校卒業の記念行事として、卒業する生徒が全員で参加して行われる「プロムダンス」と呼ばれるもので、どこの高校かはわからないのですが、フロアでたくさんの若者たちが、「男女がお互いに後ろ向きになってダンスをしている」光景が、SNS に投稿されたのです。
以下が実際に投稿された動画です。
https://youtu.be/4hdUVm_xCOo
もう異常としか言いようがないのですが、投稿した方(おそらく動画の後半に出ている男性)は、投稿に以下のように書いていました。
「これは、世界的な新型コロナの時代の高校卒業記念ダンスだ。これが狂気なのか、信じられないような悲劇なのかは私にはわからない。社会は自己破壊モードに入った。」 (BeachMilk)
撮影しているということは、ご自分の娘さんか息子さんが参加しているということなんでしょうけれど、もうどういう気持ちで対応していいのかわからないですね。
ただ、おかしいのは、動画を見ていますと、確かに自分のパートナーとは背中合わせなので対面しないですが、人がたくさんいるので「踊っている他の人と対面することが多い」というのはあります。
そして、やや懸念したのは、この SNS を見た他の高校の指導者の人たちが、
「これは素晴らしい。うちの学校でも後ろ向きで組み合うダンスを採用しよう」
ということになり、「いつの間にか、これがニューノーマルになる」という世界。
異端の映像作者として著名なアレハンドロ・ホドロフスキー監督の 1973年の映画『ホーリー・マウンテン』の中に、
「ペアを組む片方は必ずガスマスクをつけて、大勢で社交ダンスを踊る」
というシーンがあります。
ほんの数秒のシーンですが、私がとても好きなシーンで、しかし、何だか奇妙さとしては、すでに現実のほうが上回っているようにも思えてきました。
アレハンドロ・ホドロフスキー「ホーリーマウンテン」より
・The Holy Mountain / 1973
そういえば、「もうコロナは終わることがない事態へと…」という記事で、以下の宇宙ヘルメット型のフェイスガードをご紹介したことがありました。粒子遮断率 99.97%の完全なガードですね。
・air
高校の卒業ダンスでこのフェイスガードが採用されないことを祈りますが、同じようなコンセプトの商品は他にもあるようですね。
探すと、いろいろ出てきます。
下の商品は、カナダの企業が発表した「粒子を 99%濾過する空気清浄装置」を備えた個人用ガードです。USB 充電で、最大 12時間、空気清浄システムが働くというものです。
カナダのVYZRテクノロジー社が発売したフェイスガード
・hypebeast.com
また「飛行機に乗った際の感染が不安」という人たちのために、座席で使用できる「ポータブル保護バリア」も発売されています。バッグに入れておいて、座席でサッと開くもののようです。
旅客機で使用できるポータブル保護バリア
・nypost.com
……まあ…いろいろとあれですが、そういえば、今年 5月の記事の冒頭で、1962年にイタリアの雑誌に掲載されたイラストを冒頭でご紹介したことがあります。
イラストのタイトルは『2020年の生活』というものでしたが、以下のようなイラストでした。
1962年にイタリアの雑誌に掲載されたイラスト『2020年の生活』
・La Domenica del Corriere / 1962
「未来の社会は、外出の時にすべての人が個人用保護バリアに入って移動する」というようなことが描かれているようですが、もう、単なる空想科学の世界とも言えなくなった描写ではあります。
「2020年」と指定されているのも感慨深いです。
日本はここまで奇妙にはなっていないかもしれないですけれど、「すべての光景が変わった」ということは他の国と同じで、このような時代が、後の時代になって、「思い出して笑える」ようになればいいなとは思います。
まあ、逆説的に考えれば、普通に生きている中では、そう簡単には経験できない奇妙な時代の中に生きていることは確かなわけで、この奇妙な世界からのインスパイアも確かにあるのかもしれません。
誰かや何かを攻撃する必要はないし、攻撃的でいる必要もない。
しかし、自分が「奇妙な世界に巻き込まれそうな時」に、どのように対応あるいは回避していくか。
かつて私の若い頃などには、「表現の世界」がそれを教えてくれましたが、世界中で表現の世界も叩きつぶされています。ニューヨークのブロードウェイは来年の 5月まで公演中止となっており、アメリカでは映画館も存亡の危機になっています。
・ブロードウェイ、来年5月末まで公演中止を延長 (シネマトゥディ 2020/10/12)
・米英の大手映画館が無期限再休業、4.5万人に影響 ─ 劇場側がニューヨーク州を批判 (RIVER 2020/10/06)
新たな時代の新たなサバイバルの方法が模索される時代となりました。
先ほど少しふれました映画「ホーリー・マウンテン」の内容は、7人の世界的な大富豪が、物質世界を捨て、精神世界へ旅立つことを描いたものですが、そんなことは現実には起こらないでしょう。
物質世界、唯物論世界はまだまだ強化されていくはずです。
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