【お知らせ】今日 9月21日にメルマガ第5号が配信されました。タイトルは『第三神殿再建のためにイスラエルが作り出した《人為的な神のシンクロシティ》は終末の予言を成就させるか』です。ご案内ページはこちらとなります。よろしくお願いいたします。
今朝、インスタグラムで下のような写真を見ました。
黒い水竜巻も印象的な光景を醸していますが、後ろを流れている雲の形がいろいろなものを想像させて、何となく見入っていました。
さて、今回は、それとは関係ない「地球に接近する小惑星」の話題です。何だか、ちょっとすごいことになっています。
Sponsored Link
すさまじい数の地球近傍小惑星が観測されている今月
今年 2018年は、これまで、小惑星など天体に関する記事はあまり多くありませんでした。
その理由は、今年は数としても、その危険性などからも、さほど際立つ天体や地球に接近する天体(地球近傍天体)がなかったということがあります。
昨年は、天体に関しての記事がとても多かったのですが、それだけ地球に接近する小惑星の数も、地球上で観測される火球などの数もとても多い年でした。
そんなわけで、今年はこのまま穏便に過ぎるのかと思っていたのですが、9月に入ってから「これは……」と、思い続ける日が続いています。
それは何かといいますと、
「地球の極めて近くまで接近する小惑星がものすごく多い」
という状態が続いているのです。
これは数であらわしてもいいのかもしれないですが、パッと見た感覚的なもので見ていただきたく思い、この 9月の昨日(9月20日)までの地球に接近した小惑星の一覧の表をご覧いただこうと思います。
これは、学術的には「地球近傍小惑星」と呼ばれており、Wikipedia では次のような説明となります。
地球近傍小惑星とは、地球に接近する軌道を持つ天体(地球近傍天体)のうち小惑星のみを指す。NASAによると地球に接近するために監視が必要とされるものは約8500個とされる。
なお、表の見方は次のようになります。
色分けは、簡単にいえば「色が赤くなればなるほど」地球の近くまで接近するということになります。
下が、地球近傍小惑星の今年 9月のこれまでの一覧です。
上下に長くて申し訳ありませんが、詳細な部分より、パッと見て、その多さと表の「赤い部分の多さ」を感覚的に見ていただければ幸いです。
2018年9月(20日まで)の地球近傍小惑星の一覧
このような感じですが、しかし考えてみれば、「ふだんとの違い」がよくわからないかもしれないですので、その前の月の今年 8月全体の地球近傍小惑星の一覧を下に示します。
8月の地球近傍小惑星の一覧
こう比べますと、今月の「すごさ」がちょっとおわかりになるのではないでしょうか。
全体の数も全然違うのですが、それよりも「赤い部分」に入るものの多さがものすごいと思うのです。
つまり、「より地球に近づく小惑星が急激に増えた」のです。
地球近傍小惑星の一覧表を見るのは、私にとって一種の日課のようになっていまして、天気予報を毎日見るのと同じように、毎日この地球近傍小惑星の一覧を見ていますが、こんなに「赤い部分が集中している」のは相当珍しいです。
中には、9月15日の小惑星 2018 SM のように、地球からの距離に「 0.1 L 」という、とても近くまで接近したようなものもあります。
この「 L 」という単位は、地球と月との距離(38万4401km)を「 1 L 」とする単位で、つまり「 0.1 L 」は、「地球と月の距離の 10分の 1」ということで 3万 8000km くらいとなり、結構離れているのですが、しかし宇宙での単位としては「極めて近い」ことになります。
これより近いと「地球の大気圏に衝突」ということもあり得る距離となります。
ここ2、3年は小惑星の地球の大気圏への衝突は記録されておらず、最後の地球への衝突の記録は 2014年の 1月でした。
しかも、元旦に発見されて翌日に地球に衝突したという印象的なものでした。
この時のことは、2014年の以下の記事で取りあげさせていただいています。
・「元旦に発見された小惑星はその翌日に地球を直撃した」 : そんな始まりを告げた 2014年
In Deep 2014年1月4日
下がその時の表です。距離は「 0.001 LD 」(これの意味するところは「衝突」)となっています。
2014年1月2日に地球の大気圏に衝突した小惑星 2014 AA
これは直径 3メートルと極めて小さな小惑星でしたので、大気圏で燃え尽きましたが、こういうように「 0.001 LD 」などと距離が表示される小惑星で、そのサイズが、「 3キロメートル」などというようになっていた場合は、過去の大量絶滅と同じ経験を私たちも味わうことができるという類い稀なる機会に恵まれたと判断して構いません。
まあ、この 9月は、確かに地球に極めて接近した小惑星が集中していたことは確かですが、どれもとても小さなもので、地球に衝突しても大気圏で燃え尽きるサイズのものばかりでした。仮に衝突していたとしても大丈夫なものばかりでしたので、特に何の懸念もないのですが、ただ、やはり、
「こんなに急激に地球近傍小惑星が増える光景を見るのは珍しい」
とは思いました。
そもそも、今という時代は NASA が「激しい天体衝突の時代」と位置づけている時代です。
それは、昨年の下の記事でふれたことがあります。
「2017年からの100年間に地球に《400回の天体の衝突》がある」とNASAが予測していたことを、最近の激しい地球近傍天体の活動から思い出す
下は、そこでご紹介した英国エクスプレスの記事を翻訳したものからの抜粋です。
英国エクスプレスの2014年9月の記事より
以前は知られていなかった小惑星帯が深宇宙空間に位置していることがわかり、これが私たちの太陽系の一部分に向かって進んでいる。
2020年になると、私たちの生活を一変させ、地球の気候を何千年もの間変えてしまう影響をもたらす天体の衝突が地球規模の範囲で発生する懸念がある。
この予測は、NASA が過去 60日間( 2014年9月の時点)に宇宙空間で観測された新しいデータに基づいており、このデータは 2017年から 2113年の 100年ほどのあいだに、地球に約 400回の天体の衝突が予想されることが示されている。
というように、2014年に NASA は、
> 2017年から 2113年の 100年ほどのあいだに、地球に約 400回の天体の衝突が予想される
としていたのです。
今はその渦中ですので、今後の時代は、「 1年に数回の天体の衝突は発生してもおかしくない」ということにもなります。
もっとも、ほとんどの小惑星は先ほどの 2014年に衝突した小惑星のように、とても小さなものですので、それほど心配するような話ではないとは思います。
ただ、6年前に書いた一連の記事「良い時代と悪い時代」以来、私自身は、地球はそろそろ天体の衝突に関しての「悪い時代」に入ると確信している部分があります。
・良い時代と悪い時代(1): 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかも
In Deep 2012年10月06日
この中で、フレッド・ホイル博士の著作にある以下の言葉をご紹介しています。
「人類は過去 500年以上にわたる記憶喪失の眠りから、そろそろ目覚めた方がよい頃である」
これからの 100年は、まさにそういう時代になっていくことを、少なくとも NASA のデータは語っているように感じます。
ところで、このように、突然、地球へ接近する小惑星が増える中で、数年前にご紹介した「悪魔顔の小惑星」のことを思い出しました。
あの天体がまた地球に接近するのです。
スクリーム顔の小惑星がまた地球に接近
これを最初に取りあげたのは、2015年11月の以下の記事でした。
スクリーム顔の小惑星、謎の星 KIC 8462852、南極の氷は実は増えていた、宇宙最大の構造体の発見…… 最近のNASAが成し得ていること(1)
2015年のハロウィンの日(10月31日)に、地球に下のような形の小惑星が接近しました。名称は、小惑星 2015 TB 145 です。
2015年のハロウィンの日に最接近した小惑星 2015 TB145
下が動く姿です。
ドクロ顔ともいえますし、先ほどの記事ではアメリカのホラー映画『スクリーム』をタイトルに入れていますが、そういうホラー系の姿を持つ天体が、2015年のハロウィンの日に地球に最接近したというのは、おもしろい偶然だなと思った次第です。
そして、この小惑星が今年、ふたたび地球に接近する軌道を取っていることがわかったのです。地球から離れて 3年目の今年 11月に最接近します。
何だかこう、 9月からの急激な地球近傍小惑星の増加は、このドクロ顔の小惑星の「地球へのリターン」を祝っているかのようでもあります。
・SiNC
このようなものも含めて、いろいろなものが宇宙から地球に接近してきそうな今年からの数十年であり、そして、それと関係あるかどうかはわからないにしても、この 9月は地球に接近する小惑星が急激に増加したということから、「今後の地球と飛来する天体」のことを考えたりしていました。
この先数年で、天体が地球に被害を与える可能性は、わかっている範囲では、ほぼないと言えますが、ただ実際には、小惑星のことはわからないことばかりです。
これからさらに地球に接近する小惑星が増えていくのかどうかを、これまでと同様に日々見ていきたいと思っています。