8月25-26日の強い磁気嵐の中で観測された「地中の電流の量」の変化
・ELECTRICITY FLOWS THROUGH THE SOIL OF NORWAY
あまりにも地震が連続している中で「磁気嵐と地質の関係」の関係がふと気になり
8月29日午後 ニューカレドニア M7.1 の地震の報道
・Shallow 7.1-magnitude earthquake strikes off New Caledonia
先週、環太平洋火山帯において、比較的大きな地震がちょっと異様なほどの頻度で発生していることを以下の記事で取りあげました。
いよいよ地球が「地震の時期」に入る前兆? 環太平洋火山帯で「24時間で53回の大地震」が連続。そして、日本の硫黄島では過去5年で最大の地震が発生すると共に群発地震化している
投稿日:2018年8月21日
それから1週間ほどが経つのですが、もう毎日毎日、環太平洋火山帯は地震だらけといっていいような感じとなっているのです。
たとえば、現在は 8月29日の午後 3時くらいですけれど、Google ニュースで、「今日だけのニュース」として「 eathquake (地震)」と検索しますと、下のように並びます。
これは表示された上から並べて書いていますので、マグニチュードなどの順番ではないです。
8月29日発生 米カリフォルニアのロサンゼルス近郊でマグニチュード 4.4の地震
・Earthquake STRIKES near Los Angeles, California8月29日発生 ニューカレドニア近海でマグニチュード 7.1の地震
・Shallow 7.1-magnitude earthquake strikes off New Caledonia8月29日発生 マリアナ諸島でマグニチュード 6.4の地震
・Earthquake rocks the Marianas8月29日発生 グアム島内でマグニチュード 6.6の地震
・6.6 magnitude earthquake 268 miles northeast of Guam felt on the island8月29日発生 英国ヨークシャーでマグニチュード 2.8の地震
・Yorkshire earthquake: Tiny hamlet of Fryup hit by shock 2.8 earthquake8月29日発生 インドの西ベンガル州でマグニチュード 5の地震
・Earthquake of 5 Magnitude Hits West Bengal's Hooghly8月29日発生 米カリフォルニア州コーアチェラ・バレーでマグニチュード 4.4の地震
・4.4 La Verne earthquake shakes Coachella Valley, 3.4 aftershock follows
ニューカレドニアのマグニチュード 7.1を除けば、大地震ではないですが、こんなに毎日、世界中で地震の報道があるというのは、なかなかのことだと思います。
なお、英国ヨークシャーの M2.8などは、報道されるほどの規模の地震ではないはずなのですけれど、「それほど英国では地震がない」ことを現しています。
このように、特に環太平洋火山帯は地震の連鎖が続いています。
そして、今回ご紹介しようとしていることは、本来は地震とは関係ないことのはずなのですけれど、スペースウェザーの facebook の記事で「あること」を知りまして、それをご紹介させていただきたいと思ったのです。
それは、2日前に「地球の磁場に亀裂が生じたことで発生した磁気嵐」について書かせていただきました以下の記事とも関係があります。
「地球の磁場に亀裂が生じて」世界中が異例の強い磁気嵐に見舞われる中、日本の関東では各地で、やはり異例といえる「異様な雲たち」が空の広範囲を覆っていた
投稿日:2018年8月27日
この磁気嵐は、8月25日から 26日にかけてピークを迎えたのですが、この時、
「地球の《地中》に強い電気の流れが生じていた」
のです。
私は今回のこのスペースウェザーの記事で初めて知ったのですが、「磁気嵐は、地中に電気の流れを発生させる」のだそうです。
そのスペースウェザーの記事を翻訳しましたので、まずはお読みいただきたいと思います。
ELECTRICITY FLOWS THROUGH THE SOIL OF NORWAY
Spaceweather 2018/08/28磁気嵐の中でノルウェーの地中を通過した電気の流れ
太陽からの地磁気の嵐が発生すると、ほとんどの観測者たちはオーロラを探すために空を注意する。ところが、8月25日から26日にかけては少し違ったのだ。
8月26日に、現在のような太陽活動の小さな時期としては異例の G3 クラスのとても強い磁気嵐が発生したが、この時は空だけではなく、その足の下、つまり地中の反応が注目されることとなった。
ノルウェーのロフォーテン諸島にあるオーロラ観測所「ポーラーライトセンター(Polarlightcenter)」の地中に埋設された電気信号観測機器が、磁気嵐の最中に、非常に強い電気の流れを検出したのだ。
ポーラーライトセンターの職員ロブ・ステイメス(Rob Stammes)氏により記録されたこのチャートは、磁気嵐のピークの時に、電気の流れもピークに達していることを示している。
ステイメス氏は、長年、北極観測所の外で地上の電気の流れを観測し続けているが、この磁気嵐の時の電気の流れは「非常に強かった」と述べる。
磁気嵐の間、電圧は 10mV / mまたは 10v / kmに急上昇した。
これは通常より約 10倍強力な電気の流れだ。
このようなことは、現在のような太陽活動の最小期で強い太陽フレアがない時期には、稀な数値といえる。
磁気嵐の間に電気が地中を流れる理由は、以下のように説明できる。
磁場を変化させると、電気の導体となるものに電気が流れる。そして、土壌というのは、ほとんどの場所において溶解した塩とミネラルが存在するために、これは導体となり、電気を通すことができるものなのだ。
したがって、局所的な磁場が振動し始めると、電気が自然に流れ始める。
磁気嵐によって誘発された電流は、電力システムの電圧変動を引き起こし、まれに完全な停電を引き起こす場合がある。
ここまでです。
先日の磁気嵐の時だけではなく、いつでも「強い磁気嵐が起きると、地球の広範囲の地質に《強い電気が流れる》」ということになるのですね。
そして、このことを知りまして、これはもう単なる素人的な考えでしかないのですが、
「だったら、磁気嵐は地球の地質を刺激しているのでは?」
ということをふと思ったのです。
もちろん、磁気嵐が地震の発生と関係があるというような単純な話としてご紹介したいわけではありません。
以前、「地球の重力の変化が大地震の発生と関係がある」ことを突き止めた論文について以下の記事でご紹介したことがあります。
巨大地震の前兆の正体がさらに明らかに : 2011年3月11日の東北の巨大地震の前に過去最大の日本列島周辺の《重力異常》が起きていたことをNASAの人工衛星が検知していた
投稿日:2018年5月26日
最近は、「大地震の発生にはいろいろな要素がある」ことがわかってきています。たとえば、
・重力の変化
・上空の電子数の変化(過去記事)
・上空の赤外線の変化
などが大地震(小さな地震はこういうものと関係しないようです)と関係している可能性が非常に高くなっています。
それなら、今回わかったような「磁気嵐による地中への強い電流の刺激」というものも、何らかの部分で地震の発生や、あるいは何らかの地質の現象(地滑りなど)への刺激として関与しても不思議ではないのかなと思った次第なのです。
地震、特に大地震は、さまざまな条件が複雑に重なりあった時に発生するものだとは思います。
そこには、太陽や月や宇宙線など「宇宙からの力も関係している」こともほぼ間違いなく、それに加えて、地質そのものの動きとも関連するということで、地震の発生要因の全体象はとても複雑なメカニズムだと思われます。
ですので、完全に解明されることはないのかもしれないですが、今回のように、「磁気嵐で地中に電気が流れる」というようなこともあると知り、太陽と地球の関係も含めて、「現象というものは複雑だ」とあらためて思った次第です。
この数年は「太陽の動向が《規則的ではなくなっている》」こともあり、いろいろな状況の検証ができる事象が続くかもしれません。
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