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12月06日にメルマガ免疫と戦争とパンデミックと5Gを発行させていただきました。

2020年からの世界 これからの太陽活動 人類の未来

太陽プラズマの温度が「観測史上最低」に急落。同時に太陽からの磁力エネルギーも過去最低水準に。これから地球はどうなる?

投稿日:2020年9月1日 更新日:


・NASAの太陽観測衛星が撮影した9月1日の太陽。黒い部分はコロナホール。NASA, Spaceweather




 

今回の記事は「太陽の温度がどんどん低くなっている」ことについてのデータをご紹介するものですが、現在、太陽の影響により地球に「磁気嵐」が発生しており、そのことに少しふれたいと思います。

 

太陽からの磁気の影響

冒頭は、9月1日に NASA の太陽の観測衛星が撮影した太陽表面の様子です。わりと「黒い部分」が多いですが、これは「コロナホール」という磁気を放出する領域で、この黒い領域が多いと、地球への磁気嵐が強まる傾向があります。

実は、この黒い部分であるコロナホールは、3年ほど前から急激に増加し続けており、また、発生する領域も以前とは明らかに異なるようになっています。

これについては、2018年12月に書きました以下の記事で詳しく述べています。

「半分、黒い。」 : 磁気を噴出するコロナホールが太陽の大部分を占める異常な状態が「定着」し、人類が太陽からどんな影響を受けるのかがもはや分からない
投稿日:2018年12月6日

この 2018年頃から、数値の問題ではなく、誰の目から見ても、太陽の「表面の状態がおかしくなってきていた」のでした。

ともかく、現在、コロナホールの領域が拡大していまして、地球に対しての磁気嵐が発生しやすくなっています。

そして、実際、太陽が黒くなり始めた 8月29日頃から 9月1日頃まで、地球は、強くはないですが、継続的に太陽からの「磁気嵐」に見舞われ続けていることが報じられていました。

レベルとしては「 G1 」という最も弱い磁気嵐で、特別な影響は何もないといえるものなのですけれど、ただ、「以前から少し気になっていたこと」があり、磁気嵐は直接的な影響(電波や通信障害など)ではないところを気にすることはありました。

それは何かというと、「太陽からの地磁嵐と地震の関係」です。

これについては、以前から、その影響があるかないかについてはっきりとはわかっていなかったのですけれど、「感覚的には関係がある」と多くの人が感じていました。

そして、先月の 7月に科学誌ネイチャーに掲載された論文で、そのことにある程度の決着がつき始めていまして、

「関係ある」

という結論に達しつつあります。

論文は、イタリアの国立地球物理学火山研究所の研究者などによって書かれたもので、結論としては、

「太陽からの放射フラックス(電磁波)が増加すると地球で強い地震が増加する」

ということがわかったのです。

論文のオリジナルは、ネイチャーの以下のサイエンティフィック・リポートにあります。

世界中の太陽活動と大地震の相関について (nature 2020/07/13)
On the correlation between solar activity and large earthquakes worldwide

この研究の場合は、巨大な太陽フレアなどの大規模な磁気嵐での研究ですが、地球に太陽からの磁気のエネルギーが増加すれば、地球の地震は増加するという傾向はあるようです。

研究者は、「研究結果が偶然の一致である可能性は 10万分の 1」だとメディアで述べていますので、かなり確実性の高い研究結果といえ、太陽と地震の関係性は強いという可能性があります。

実際、8月29日に磁気嵐が始まってから、立て続けに、3つのマグニチュード 6級の地震が連続して発生しています。

・8月29日 M 6.5 中央大西洋中央海嶺
・8月30日 M 6.2 インド洋チャゴス群島
・8月31日 M 6.8 南米チリ・アタカマUSGS

なお、チリやペルーなど、「南米の太平洋側で大地震が起きた後は、日本列島周辺でも地震が連動しやすい」ということがあります。

これはオカルト的な話ではなく、2018年9月に科学誌ネイチャーに発表された「大地震は、地球の反対側の地震を誘発する」ことがわかったという論文からのもので、これについては、以下の記事で説明しています。興味深い学術研究です。

南米と日本の「地震のラリー」を見続ける中、科学誌ネイチャーに掲載された論文《大地震は地球の反対側の地震を誘発する》という最近の学説を思い出す
投稿日:2018年9月7日

平たくいえば、以下の図のように、南米の太平洋側と日本列島は「お互いに大地震を連動させやすい」位置にあるのです。なお、これは、正確な地球の反対側ではなく、大まかに反対側ということで、該当地域は広くなります。

日本から見ての地球の反対側の大まかな概念

このネイチャーに掲載された論文はデータからの分析で、「なぜ大地震が地球の反対側に地震を誘発させるのか」という理由については明らかになっていませんが、南米で大きな地震が発生した後の数日から 10日くらいは気にしていてもいいのかもしれません。

ここから本題です。

その太陽からのエネルギーが、どんどん弱くなっているということに関しての内容です。

太陽はどこへ向かおうとしているのか

先日、アメリカのメディア記事に「太陽プラズマの温度が急降下している」というタイトルのものがありました。NASA のデータを引用した記事です。

太陽プラズマの温度が急降下している - これは懸念することなのか?
Solar Plasma Temperature is plunging – should we worry?

以下が、NASA のサイトにある観測データのグラフです。


NASA OMNI2

太陽プラズマとは、太陽表面の荷電粒子を含む気体のことで、つまり、「太陽表面の気体」というような捉え方でよろしいのかと思います。

これには外部に噴き出す「太陽風」と呼ばれるプラズマも含まれています。その温度の推移です。

この温度が今年 8月に観測史上最低の値となり、また、過去約 50年の数値でも、平均として下がり続けていることがわかります。

数値の変化の比率としては大したものではないと思われるかもしれないのですが、以前以下の記事で、「太陽の光度が低くなっている」ということを取り上げました。

つまり、太陽は明るさのほうも「どんどん暗くなっている」のです。

太陽が暗くなってきている
投稿日:2017年12月17日

この記事の中で、スペースウェザーの記事をご紹介していまいして、この際の太陽の電磁波の低下は、2014年までの 2年間で「 0.1%未満」とありました。

この程度なら、大した影響はないのではないかと思いましたら、スペースウェザーの記事には以下のようにありました。

陽からのすべての電磁スペクトル(波長)において、その出力は、2012年から 2014年までの太陽活動最大期と比較して、0.1%近く低下した。

0.1%の変化と書くと、それほどの変化に聞こえないかもしれないが、太陽は、地球表面に 1平方メートルあたり約 1,361ワットのエネルギーを蓄える。

ここから地球全体へのエネルギー供給を合計すると、太陽からの放射照度の 0.1%の変動は、地球の他の自然エネルギー源をすべて合わせたものを超えるのだ。この他のエネルギー源には、地球中心部からの自然放射線も含まれている。Spaceweather 2017/12/15)

なんと、ここにありますように、太陽からの放射照度の、

> 0.1%の変動は、地球の他の自然エネルギー源をすべて合わせたものを超える

というのです。

つまり、たった 0.1%の太陽からのエネルギーの変動の変化だけで、地球の自然エネルギーをはるかに超えたエネルギーの変動があるということらしいのです。

さらに、先ほどのメディア記事では、「太陽風の流れの圧力」の推移も掲載されていまして、これも大幅に低下しています。太陽風の圧力というのは、あまり聞き慣れない表現ですが、おそらくは文字通り、「太陽風の力」のことだと思われます。


NASA OMNI2

これは、2020年に入ってからの急落ぶりが顕著ですが(他の年では「上がってから下がる」のに、2020年は「下がるだけ」となっています)、いずれにしましても、現在の太陽は、

・太陽の表面温度が観測史上最低

・太陽風の力も観測史上最低

ということになっているようなんです。

要するに、「太陽のエネルギー自体が弱くなっている」ことを示していると思われます。

 

しかし、皆さまご存じのように、この夏は日本に関してはものすごい猛暑だったりしていましたが、私自身この夏の気温と、太陽のこれらのグラフを見ていて、

「太陽と気温の関係はどうなってるんだ?」

と、やや困惑していました。一般的には、太陽活動が萎縮すれば、気温も低下傾向に向かうことは歴史的に示されているからです。

ただ、日本はともかく、「地球全体の気温」を見て見ると、やや興味深いことが示されていることも知りました。

はっきりとは言えないレベルではありますけれど、「どうも、地球全体として気温が平年より下がっている」ようなのです。

「この夏の状況で?」と自分でも思いますけれど、各自でグラフをお確かめいただければと思いますが、以下は、英オックスフォード大学の気候システムの専門家であるカルステン・ハウシュタイン(Karsten Haustein)博士のウェブサイトで、リアルタイムでアップデートされている「地球の気温の平年との差異」のグラフです。

見やすいものではないですが、赤いラインが「北半球」青いラインが「南半球」そして、黒いラインが「全世界」の、平均との気温の差異を示します。

気温そのものではなく「平年と比べて」の気温の差異ですので、ある程度、地球全体の気温の推移の目安になります。


Karsten Haustein

これを見ますと、北半球、南半球、地球全域のすべてにおいて、上下にラインを引くと、低下傾向であることがわかります。ここでは見づらくなるのでラインは入れていませんが、パッと見ても、少なくとも「 2020年の平均気温は上昇していってはいない」とは言えそうです。

つまり、どうも全体として「地球の気温は低下している」ようなのですが、

「じゃあ、なんでこんなに暑いんだよ」

と繰り返し思うわけですが、なんなんでしょうね(なんなんだよ)。

まあ、そのあたりわかりようがないですが、ひとつの In Deep の過去記事を思い出します。

それは 2019年に、ハンガリーのブダペスト工科経済大学の科学者が、

「太陽系は銀河系の中心に最も近い位置に近づいており、地球も含め、太陽系は大きなエネルギー領域に入っている」

ということを述べていたことを以下の記事で取りあげましたのですが、その内容を思い出したのです。

太陽系は、現在「銀河系の最も中心部に近づいて」おり、地球を含む太陽系は非常に高いエネルギーが支配する宇宙の領域に突入するとハンガリーの科学者が警告
投稿日:2019年9月26日

今までにない銀河中心のエネルギーが太陽系にかかってきており、地球や太陽を含めた、太陽系の星すべてが、さまざまなエネルギーの影響を受けているというようなことを述べていました。

これが本当かどうかはわからないですが、ただ、過去十数年、太陽系の他の惑星では、それまで見られたことのないような変化が起きていました。

たとえば、以下のようなことが過去 10年ほどで起きています。

過去十数年の太陽系での変化

・太陽磁場が最近数年間で 230パーセント増加。

・磁場がなかった水星に突然強力な磁場が出現した。

・金星のオーロラの明るさが過去 40年間で 2500パーセント増加。

・海王星の大気の明るさが 40%増加。

・冥王星の気圧が 300%上昇。

・太陽系の端の発光プラズマが 1000パーセント増加。

他にもいろいろとあり、木星周辺なども以下にあるように、ムチャクチャな活動となっています。

太陽系がとてもカオス : 木星の衛星イオは無数の火山の爆発で灼熱地獄の状態、冥王星は実はとてもカラフルなことがわかり、そして先日の太陽からの惑星間衝撃波の原因は「いまだ不明」
投稿日:2018年4月25日

いずれにしましても、現在、

・太陽はどんどん冷たくなり

・太陽はどんどん暗くなっている

ということは、データ上ではある程度事実ですので、今後さらに進行していくのかどうかはともかく、太陽のエネルギーは、変化の比率としてほんの些細な程度でも、地球に大きな影響を与えますので、暑くなるとか寒くなるとか、そういう単純な話ではなく、かなり大きな環境の変化は起きそうです。

太陽は身体にも影響を与えます。

1909年のドイツでの講演で、ルドルフ・シュタイナーは、

「古代からペンダントが存在したのは、太古の人々は、太陽が人間の心臓に影響を与えることを知っており、その徴としてペンダントをつけた」こちらの過去記事に全文あります)

と述べていまして、こんな「太陽が人間の心臓に影響を与える」なんてことは現代文明の下ではお笑い話でしたが、ところが、2017年、心臓疾患に関しての世界的権威であるアメリカ心臓協会が、

「太陽活動と心臓停止は関係する」

という論文を発表したのでした。これについてはこちらの記事でふれています。

これらの太陽と身体のことについては今回はふれないですが、太陽の変化は、小さなものであっても、自然と人間社会のほぼすべてに影響を与えます。

今のような社会がさらに混乱していくのか、あるいは少しは落ち着くのか、太陽もその要因の大きなひとつとなっていきそうです。

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