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4月12日にメルマガ夢見と古代ギリシャと「痛みとの個人的歴史」が混沌とを発行させていただきました。

2019年からの世界 人類の未来 人類の覚醒と真実

2008年のギリシャで始まり、2019年の香港のデモで本格化した「革命」は、世界を文明の終末へと導くだろうか

投稿日:

2019年8月5日の米ニューヨークタイムズより。デモ参加者たちの装備に注意


NY Times




11年の時を経て私の前に広がるその光景は

香港で大規模なデモが発生した際には、個人的には、「それほど長く続かないだろうな」というように考えていました。

その理由は、今が太陽活動の極小期に向かう時だからであり、そのような時には、基本的には、人間の中には、「暴力への強い衝動がなくなっていく」からです。

「しかしなあ・・・」

と、やはり思うのです。

日本では、史上最悪規模の放火、アメリカでは、毎日のように銃乱射が発生して、夥しい数の人たちが亡くなったと報じられ続けています。ちなみに、報道によれば、アメリカの今年に入ってからの銃乱射は以下のようになっています。

2019年のアメリカでの銃乱射

・発生件数 254件

・死者数  268人

ちなみに、これまで、アメリカで  1年間で最も銃乱射が多かった年は 2016年だそうで、この年には 1年で 382件の銃乱射が起きていましたが、今年は、今のペースだと、この過去最悪の記録を上回る可能性が高そうです。

むしろ太陽活動の大きな時より、活動極小期の今のほうが「人間が暴力的」になっている。

昨年の 12月に、以下の記事で、

「次第に、過去の太陽と人類の関係性が崩壊してきているのかもしれない

ということを書かせていただいたことがあります。

太陽活動と人類活動の「リンクが切れた」地球…。暴動は、戦争は、市場は…?

実際にそうなのかどうなのかはわからないですけれど、2019年に入ってからの地球は、基本的に暴力的であり、敵対的であり、「憎しみがまず前面に出る状態」であり続けています。

 

その中で、冒頭のニューヨークタイムズの香港のデモに関しての記事の中の写真を見て、

「あ、これはあの時と同じだ」

と初めて知ったのです。

 

そして、それが意味することは、今の香港のデモ参加者たちは、ただ憎しみや反発の中で暴力をおこなっているのではなく、

「排除されることをできるだけ避けて、冷徹に戦い続ける方策の中で行動している」

と知ったのです。

どういう意味かといいますと、実は、私が In Deep ブログを書き始める前の年になりますけれど、2008年の暮れに、つまり、今から 11年も前ですが、その時はタイトルが違いましたけれど、「初めてブログに時事を書き始めたキッカケ」となった出来事があったのです。

その 2008年頃も、太陽活動はとても弱い時で、非常に長い間、太陽にはまったく黒点が出ない日々が続きました。

まあ、太陽活動のことはともかくとして、その「出来事」とは何かといいますと、

ギリシャでの暴動

だったのです。

当時、偶然そのニュースを知った時に、インターネット上でギリシャの若者たちは、その頃実用化され初めていた SNS を使って、ギリシャ全土で情報を共有しました。

暴動は、2008年暮れから 2009年に入っても続きましたが、若者たちはデモに参加する同士で以下のようなメッセージを共有したのです。

2008年12月から始まったギリシャの暴動で若者たちが共有したメッセージの内容の一部

デモに参加する時の服装はパーカーにすること(頭部を守ることができ、どこでも眠ることができる。また、暴動が始まったのが冬だったので防寒の意味も)

リュックを背負うこと(水、食料、薬、その他の道具は自分で持ち運ぶ。また、どこででも眠ることができるようにするためにも)

ゴーグルを着用する(目の保護と催涙弾対策)

口はタオルかバンダナで隠す(催涙弾対策と身元の露呈を避けるため)

最も望ましいのはガスマスクの着用(催涙弾とあらゆる化学兵器に対応する)

できるだけヘルメットなどを被る(頭部の保護のため)

 

2008年暮れに最初にギリシャで暴動が始まった頃には、誰もがそのような経験のない大学生や失業者たちの「素人集団」だったのが、これらの情報共有により、1ヶ月も経たないうちに、以下のような「戦闘集団」と化していったのです。

2009年初めのギリシャ暴動の若者たち

 

治安部隊の移動情報なども SNS で共有し、お互いの行動を支え合いました。

この当時、私は、ギリシャの報道から写真をたくさん集めてコレクションしていましたが、上はその中からのものです。

 

ギリシャでは、その後も、2011年、2012年、2015年と暴動が発生しますが、基本的に、この 2009年の「学習」が踏襲されていました。

2012年9月のギリシャの暴動より


American Front

上は、2012年の時の写真ですが、リュック、ガスマスクなど、デモ参加スタイルが確立されていることがわかります。

私はなぜか、この 2008年に始まったギリシャの暴動に精神的な共時性を感じ、私自身が暴力的な人間だからかもしれないですが、そのギリシャの暴力の光景に、強烈な美しさを感じていました。そして、この時から、私が「ブログに時事を書く」ということが始まりました。

 

さて、11年前にそのようなことがあったということを前提に、現在、香港で起きているデモの写真をご覧いただきたいと思います。

 

2019年8月5日 香港


BBC


NY Times


Al Jazeera

誰も丸腰で暴れてなどいません。

先ほどの 2008年からのギリシャで、若者たちが共有していた「戦闘スタイル」、すなわち、

・リュック
・ゴーグル
・ガスマスク
・ヘルメット

などが、ほとんどの参加者たちに浸透していることがわかります。

おそらく気温も非常に暑いと思われ、水は必携でしょうし、また参加者の中には、傘を持っている人もたくさん見られまして、最初は、日傘の役割かと思っていましたけれど、催涙弾などに対しての簡単な「楯」の用途もありそうで、有用だと思います。

そして、この出で立ちと表情を見てわかったのですが、

「この人たちは、ただ不満や反発から暴れているのではない」

ということになりそうなのです。

それが可能どうかはともかく、

「戦闘を持続させて、勝ち続けようと(排除されないと)している」

ようなのです。

ただ暴動を起こすことが目的なら、適当に暴れて逃げ帰ればいい。しかし、この装備はそういうものではないです。

現実として、たとえば、軍などが投入された場合は、対抗でき得るはずもないですが、警察隊が相手のうちなら、やり続けるつもりだと。

表情も冷静ですし、そのあたりも、2009年のギリシャの若者たちと共通のものを感じます。

つまり、暴動というよりは、「革命」ですね。

 

「 11年経って、ギリシャ暴動魂が香港の人たちに移行したのか…」

 

ということに気づきまして、またも、2009年のように、突然、香港の人たちに精神的な共時性を感じ初めてしまっています。

 

2009年当時、私は、「民主主義を含めて、現代に通じる多くの文明を築いたのがギリシャならば、その現代に至る文明を破壊するのも、ギリシャ人の役割」だと思っていました。

しかし、まさか、2009年のギリシャと同じ光景が、2019年の香港で展開されることになるとは・・・。

 

なお、「軍(人民解放軍)の投入」については、8月6日のブルームバーグの記事の冒頭が、その困難性を現していまして、本当に収集がつかなくなった場合以外は、そう簡単には実行されない気もします。

香港の混乱収拾、習国家主席に限られた有効な選択肢

ブルームバーグ 2019/08/06

香港が終わりの見えない混乱に揺れる中、中国の習近平国家主席に残された事態打開への選択肢はどれも良いものではない。

民主化を求めるデモ参加者に甘い対応を取れば、混乱の広がり次第で政変も可能であることを本土の反体制派に示すことになりかねず、共産党の権力掌握が脅かされる。

一方、治安回復のため人民解放軍を出動させれば国際的な反発を招く恐れがあり、成功する保証もないまま香港経済に取り返しのつかない打撃を与える可能性もある。

 

なお、人民解放軍が出動した時には、

「世界は、一種の終末的な黙示録に突入する可能性がある」

ほどのもののようにも思います。

それでも、今のカオスが拡大するようなことがあれば、その可能性もないではないのかもしれません。

なお、8月5日までの香港において、デモなどの混乱が発生した場所と、警察による催涙弾が使用された場所は以下のようになっており、香港全土に広がっています。


NY Times

あまり関係ないことですけれど、8月6日午後の時点で、アジア周辺には、台風8号、台風9号、台風10号と 3つの台風がありまして、このうち、台風 9号は、香港に直撃するか、影響を与えそうです。

2019年8月6日の3つの台風


台風情報

こう見ますと、台風10号は、日本列島直撃コースとなりそうですね。

そして、先ほども書きましたけれど、この香港のデモは、今では中国地域だけの問題ではなくなってきています。

仮に「人民解放軍の出動」という事態が起きた場合の、さまざまな国や地域の反応によっては、

「香港のカオスが世界全体のカオスにつながる」

という可能性もないではないのかもしれません。

そして、現在の香港の人たちが、2009年のギリシャの人たち同様に「冷徹に計算して行動し続ける」限り、その可能性に近づくこともあり得るかもしれません。

世界は今、緊迫した場所に立っているようです。





  • この記事を書いた人

Oka In Deep

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