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3月22日にメルマガ悪魔に乾杯を発行させていただきました。

2020年からの世界 アメリカの憂鬱 人類の覚醒と真実

「過去4週間で1年間分の自殺企図と遭遇しました」:アメリカで爆発する自死の波。そして、ロックダウン緩和後もさらに増加し続ける失業率

投稿日:2020年5月23日 更新日:


The Worst Unemployment Spike In U.S. History




 

地獄がアメリカに完成しつつある

10日ほど前の以下の記事で、ロックダウン下のアメリカで、多くの人々の精神状態がかつて見られないほどひどい状態となっており、今後、アメリカ(あるいはロックダウンをしている多くの国や地域)において「自死」の数が飛躍的に増加する可能性を専門家たちが指摘していたことを取り上げました。

ロックダウンが長期化する中、アメリカ人の精神衛生状態の危機が本格化し、薬物処方量も歴史的な増加。そして今後「かつて経験したことのない自殺の大波」が来ると専門家たちが警告

現実には上の記事を書きました 5月の前半には、すでに「かつて見られたことがない数の自死」がアメリカで発生していたことが 5月22日 ABC ニュースの報道や、米ゼロヘッジの記事で知るところとなりました。

まず、米ゼロヘッジの記事をご紹介します。

 


「私はこのような自殺の数字を見たことがありません」:精神科医はアメリカでのロックダウン後の自殺の波がすでに始まっているという

"We've Never Seen Numbers Like This" - Trauma Doc Sees Post-Lockdown Suicide Wave Starting
zerohedge.com 2020/05/22

4月の初め、新型コロナウイルス対策としてのロックダウンの開始によって引き起こされた経済的カタストロフの中で、アメリカに「自殺の波」が差し迫っていることを述べさせていただいたことがある。

現状として、過去 9週間で 3860万人のアメリカ人が職を失い、その多くが即座に貧困に陥った。

新型コロナウイルスのパンデミックが始まる以前から、すでに多くのアメリカ人が、債務などの増加の中で経済的に危うい状況にあったが、その後のロックダウンにより、その多くは、貯蓄が尽き、返す目処の立たない借金が残り、すでに最低限のライフラインも絶たれようとしている。

アメリカの自殺の波の最初の兆候は、カリフォルニアで発生した可能性がある。

ABC ニュースは、サンフランシスコ・ベイエリアのイーストベイ地域にあるジョンミュア医療センターの医師と看護師たちが、パンデミック中に、自殺で死亡した人の数が、新型コロナウイルスにより死亡した人の数をはるかに越えていることを報告していると報じた。

医療センターの心的外傷専門医トップであるマイク・デボイスブランク博士はABC ニュースに、行動制限の中でメンタルヘルスが大きな問題になっていると語った。


・マイク・デボイスブランク博士

博士は、ABC ニュースに以下のように語った。

「個人的には、そろそろ限界の時に来ていると思います。もともと、自宅待機令は、感染数の曲線を平坦化し、病院が新型コロナウイルス患者のケアをするための方策を確保できるようにするために導入されたと思っています。私たちには、それを確保していますが、しかし、地域の健康は悪化しているのです」

デボイスブランク博士は、今のような自殺企図の数は前例がないとして、以下のように述べる。

「このような(自殺企図の)数を、このような短期間に見たことはありません。私たちは、過去 4週間で、通常の 1年分の自殺企図と遭遇しているのです」

同医療センターで、30年以上、心的外傷専門の看護師を勤めているキャセイ・ハンセン氏は、ロックダウン中に自殺企図の数が劇的に増加したにも関わらず、新型コロナウイルス患者のためのリソースが優先されているため、通常どおりに多くの自殺企図の患者たちを救うための手段が少なくなっていると指摘している。

ハンセン氏は以下のように述べる。

「最近、私が見ている事態は、私の人生では1度も見たことがない光景なのです。これほど数多くの人たちが、意図的に自傷し続けることなどこれまで経験したことのないことなのです」

アメリカの病院のシステムでは、医師や看護師たちが病院内やコミュニティで何が起こっているかについて、当局の許可なしに発言することはできない。

そのため、この医療センターの医師や看護師たちも、一般的には具体的な例を述べることはできないが、サンフランシスコの病院スタッフのこのような地元報道機関へ働きかけは、ベイエリアでのロックダウンによって引き起こされている深刻なメンタルヘルスの公衆上の危機に対処するための動きであると考えられる。

ジョンミュア医療センターは以下のような声明を発表した。

ジョンミュア医療センターは、新型コロナウイルスの蔓延を防ぐために、当地域での自宅待機要請を支持してきました。

医療スタッフたちを含め、この問題については、多くの意見があることを認識しています。当医療センターは、医師やスタッフたちがこれらの議論に建設的に参加することを奨励しています。

そして現在、私たちは地域の人々に対しての健康に対する懸念を共有しています。

その健康危機が、新型コロナウイルスによるものであろうと、メンタルヘルスの問題であろうと、他者からの意図的な暴力によるものであろうと、あるいは、その他の問題であるかどうかにかかわらず、私たちは地域の健康懸念を高めています。

私たちは、地区のメンタルヘルスの問題への意識を高め、困っている人たちにリソースを提供するために、ヘルスセンター、郡のヘルス・コミュニティ組織と積極的に協力し続け、この問題に対処しようとしています。

住民の方々の中で、危機的状況にあり、すぐに支援が必要な場合は、郡のヘルス・コミュニティに連絡してください。

私たちは、いつも一緒にいます。

この困難な時期に、困っている可能性があると思われる人たちに連絡するようにコミュニティにお願いしてください。ありがとうございました。

現在、アメリカでの新型コロナウイルスの死亡者数は、9万人を超えているが、アメリカの財団「ウェルビーイング・トラスト」は、パンデミックの最中に、75,000人以上のアメリカ人が薬物やアルコールの誤用あるいは自殺で死亡することについて最近概説している。

トランプ大統領は 3月に、アメリカで自殺が増加する可能性に言及し、景気低迷による「途方もない死」を防ぐために、全国的なロックダウンを停止させる必要があると警告していた。

歴史的には、どんな不況や恐慌の時にも、失業率が高くなると、多くの人々が財政的な苦痛を経験し、最終的にメンタルヘルスの問題を引き起こす。

トランプ大統領は 3月24日に以下のように述べていた。

「 2008年の大不況(リーマンショック)は、アメリカに 1万人以上の自殺をもたらした。大恐慌の時には、何万人もの人々が自分の命を奪った。アメリカの経済が 4月から 5月まで閉鎖され続けたとすれば、不況はさらに深まり、アメリカの自殺の拡大が続いてしまうだろう」

新型コロナウイルスの第二波が長引き、ロックダウンが今後さらに数か月間追加されるような場合、経済が今年中にV字型の回復を果たす可能性はない。その中でアメリカの自殺の波はすでに始まってしまったようだ。


 

ここまでです。

アメリカでの新型コロナウイルスによる死者は、現在 9万7000人ほどですが、アメリカの上記の財団は、「自死などで 75000人以上が亡くなる」と推計しており、もちろん、この数は、ロックダウンが長引いた場合には、数値もさらに大きくなると思われます。

場合により、アメリカでは自死の数が新型コロナウイルスでの死者数を越える可能性も高そうです。

というのも、経済的に困窮して、ただちにそのような選択をする人のほうが少ないと思われ、多くの人たちが「未来にほんの少しの希望」を持って持ちこたえているはずですが、仮に、新型コロナウイルスの流行がなかなか収まらず、

「さらにロックダウンが延長」

されていけば、さすがに希望も打ち砕かれていくのではないでしょうか。

ものすごい状況になっていくと思われますが、これはどこの国でも、その状況は同じようなものだとも思います。

たとえば、世界で最も厳しいロックダウンをおこなっているイギリスも以下の記事にあるような有り様です。

「ロックダウンという名の虐殺」 :英国で新型コロナ「ではない原因」による死者が封鎖の日より急激に増加し、統計開始以来最大の死者数に。私たちは今、国家による大量殺人という現実を世界に見ている

そして、これらの自死やメンタルヘルスの問題は、時間の経過と共に、「むしろ悪化していく」可能性もありそうです。

というのも、「今はまだパンデミックの渦中」なので、精神的に耐えられる素地がありますが、いつの日かパンデミックが終わり、冷静に自分の生活を振り返ると、

「仕事も貯蓄も何も残っていない」

ことに気づく人たちがアメリカだけで数千万人、世界全体では、数億人出てくるわけです。

その時点で堰が切れてしまう場合もあるかと思われます。

今回は、アメリカに関してのもうひとつのデータを解説した記事をご紹介させていただきます。

アメリカでは、「失業者が増えると、歴史的に著しく自死が増えた」ことが示されていますが、そのアメリカの失業に関して、

「 2020年だけで、アメリカ人の 4人に1人が失業手当を申請した」

というものです。

そして、パンデミックが終わったときが来たとしても、その仕事が元通りに戻る可能性は低く、このあたりからも、今後、来年から再来年にかけて、さらに、

「自死の地球」

という構図がはっきりとしてくると思われます。

ちなみに、今後の記事でご紹介させていただくかもしれないですが、アメリカでは、「パンデミックの前に、すでに出生率が過去 100年で最低水準」にまで落ち込んでいます。

そして、そのような中で、このかつてない大恐慌に入ろうとしてしいるわけで、過去のグラフを見ますと、アメリカの出生数は、1920年代の大恐慌時が最も低く、つまり、「失業の増加は、出生率を著しく下げる」のです。


WSJ / CDC

失業で困窮するのは、主に「労働年齢の人たち」であり、そういう人たちの活力が社会から消えていくと共に、アメリカでは今後「子どもの数も著しく減っていく」ことが確定的だと思われます。

もともと主要国はほとんどすべてが少子高齢化に苛まれていますが、このことがどの国でも起きていくということになります。終わりですよ。

なかなか地獄でしょ。

これがロックダウンの結末としての未来の地球の姿です。

では、ここから、アメリカの失業に関しての記事です。

 


史上最悪の失業率 - アメリカ人労働者の4人に1人が2020年に失業手当を申請している

The Worst Unemployment Spike In U.S. History – 1 Out Of Every 4 Workers Has Filed For Unemployment Benefits In 2020
TMIN 2020/05/21

アメリカの多くの州では「経済の再開」のプロセスが開始されているが、私たちのアメリカが経験している雇用喪失の前例のない津波は今も続いている。

5月21日に発表された失業手当の申請数は、前週に 240万人のアメリカ人が失業手当の請求を新たに提出したことがわかり、パンデミックが始まって以来のアメリカの失業数が 3860万人という途方もない数になっていることがわかった。

以下のチャートを見れば、これはかつてなかったアメリカ史上最大の失業率の急上昇となっていることがわかるが、アナリストたちは来週さらに新たな膨大な数の失業手当の申請があると予測している。

この数字は、私たちアメリカ人が本当に恐ろしい何かに直面していることを示している。

パンデミック前の 2月には、アメリカ人の労働人数は 1億5246万3000人でピークに達していた。

そして、その後のロックダウン中の危機の間に失業給付を申請した数は現在までに 3860万人となっており、これはアメリカの労働人数である 1億5246万3000人から考えると「25%」を超える数値となることがわかるのだ。

つまり、アメリカでは、このたった 2ヶ月間で 4人に 1人が職を失っているのだ。

もちろん、失業したすべての人たちが実際に失業手当を請求するわけではない。したがって、失業したアメリカ人の実際の割合はさらに高くなるはずだ。

アメリカの各州が「経済の再開」を開始すれば、州の失業率は正常に戻っていくと考えられていたが、しかし、実際に経済の再開のプロセスが開始されつつある今も失業数の増加は収まっていない。

たとえば、ジョージア州は行動の制限を解除し始めた最初の州の 1つだが、ジョージア州の現状を報道はこのように伝えている。

ジョージア州は、約 1か月前にロックダウンを緩和するために動き始めたが、消費者たちは、いまだに外に出ることを恐れている。また、ロックダウンの緩和後も、ジョージア州の失業申請の「洪水」を食い止められてはおらず、これは、人々が失った仕事を取り戻すことがどれほど困難であるかを示している。

ジョージア州の失業手当の毎週の申請は、ロックダウンの緩和後も非常に高水準のままだ。アメリカ労働省のデータによると、新型コロナウイルスの大流行により 3月中旬に広範囲にわたるロックダウンが引き起こされて以来、ジョージア州の労働者のうちの実に 40.3パーセント( 5人に 2人)という驚異的な数の人が失業保険の支払いを申請している。

アメリカの多くの政治家たちが各州を次々とロックダウンし始めたときに、彼らは自分たちが行っていたことが「どんな影響を及ぼすのか」については実際には理解していなかったと思われる。

現在のアメリカ経済は非常に脆弱な状態であり、人々の新型コロナウイルスへの恐怖はアメリカすべての経済バブルを吹き飛ばした。

すでにアメリカ経済は死のスパイラルにあることが、アメリカの国勢調査局が実施したばかりの調査でわかる。以下は、国勢調査局の結果を伝えた報道からだ。

国勢調査局が 5月20日に発表した調査データで、アメリカ人のほぼ半数は、収入が減少したか、失業または時間短縮により給与を失った人と暮らしていると述べている。

調査によると、アメリカ人の 5分の 1以上が、翌月の家賃や住宅ローンを予定通りに支払う能力に自信がない、またはほとんど自信がないと回答した。

すでに、住宅ローンの延滞率が非常に警戒すべきレベルに上昇し始めている。

実際、4月には、これまでにアメリカで記録された中で最大の住宅ローンの延滞が記録されている。

アメリカの住宅ローンの延滞は 4月に 160万件増加し、これは過去 1か月で最大の増加となる。全国の延滞率は、3月の 3.06%から 6.45%とほぼ倍増し、1か月で最大の増加を記録した。

そして、問題は、各種の予測がこのような数値が今後さらに悪化するとしていることだ。

最近、アメリカの議会を通過した「失業手当の強化法案」は、失業したアメリカ人の住宅ローンの支払いを援助してきたが、トランプ大統領と上院のミッチ・マコーネル議員たちは、これらの住宅ローンの支払いを援助する手当は 7月までとし、それを超えて手当てを延長するつもりはないことが報じられている

また、支払いに延滞が生じているのは住宅所有者だけではない。巨大な商業用不動産でも同じことが起きている。

アメリカ全土で家賃の支払いと住宅ローンの支払いが広範囲にわたって全国的に延滞しているため、商業用不動産業界全体がメルトダウンの危機に瀕しているのだ。

5月21日には、アメリカ最大のショッピングセンターである「ザ・モール・オブ・アメリカ」の所有者でさえ 14億ドル( 1500億円)の住宅ローンの支払いを遅延させていることが報じられた

民間の住宅ローン担保証券(CMBS)市場を追跡するニューヨークを拠点とする調査会社によると、民間の開発者であるトリプルファイブ・グループが運営するザ・モール・オブ・アメリカは、4月と 5月の住宅ローンの支払いができなかった。

アメリカの議会が巨大な現金で商業不動産業界全体に介入しない以外、この前例のないメルトダウンをどのように回避できるのかはわからない。

もちろん、アメリカ経済の全体についても同様のことが言える。バンク・オブ・アメリカは、今年の第2四半期のアメリカの GDP が年率ベースで 40%減少すると予測している。

このような現在起きている事実を見ると、2008年のリーマンショックがいかに小さな出来事だったかがよくわかる。

バンク・オブ・アメリカのチーフエコノミストのミシェル・メイヤー氏は以下のように述べた。

「これは現代のアメリカの歴史で見たことのないものであり、この経済生産の損失は、言葉では説明できないほどだ」

アメリカ全体で行動制限が解除された後、確認された新型コロナウイルスの症例数は 再び増加し始めており、ウイルスへの人々の恐怖は、経済活動を麻痺させ続ける可能性がある。

そして、ほとんどのアメリカ人がまだ理解していないことは、ここに書いてきたような途方もないこともまたほんの始まりにすぎない可能性があるということだ。


 

ここまでです。

これはアメリカの事例ですが、どの国でも制限策をおこなった国は、おおむね似たような状況だろうと思われます。

そして、この記事にありますように、ウイルスに対しての人々の恐怖心が続く限り、時間の経過と共にさらに事態はひどくなっていくはずです。

 
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  • この記事を書いた人

Oka In Deep

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