免疫応答が発動される仕組みを知り
ここのところは「免疫」について、次々と新しい概念を知るようになっていまして、それまで、免疫を司るといえば、T細胞とか B細胞とか、あと、マクロファージとかリンパ球とかそういうものの名称くらいは知っていたのですが、例えば獲得免疫を担う主要な「 B細胞 と T細胞」が「どのようにして数々の異物や病原体に立ち向かっているか」という仕組みを知ったのはつい最近でした。
以下の記事です。
免疫を失うメカニズムがまたひとつ : スウェーデンの研究が、スパイクタンパク質は V(D)J組換えと呼ばれる「獲得免疫の根本システムを阻害」することを示す。自然感染、ワクチン共に
投稿日:2021年11月1日
> V(D)J組換え
などという聞いたことも見たこともない、読み方もわからない単語が出てきたのですが、この仕組みが、免疫を司る細胞たちが数多くの抗体を持つ理由だと知りました。
以下の荒川央さんの説明がわかりやすかったです。
> (B細胞の)抗体の遺伝子はV、D、Jの3つの断片に分かれており、それぞれの断片ごとに多くの種類があります。これらの3つの断片が遺伝子組換えをする事により抗体遺伝子が完成します (V(D)J組換え)。
>
> …V、D、Jの組み合わせのバリエーションは膨大で、それだけで1億種類を超えますし、各自が百万種類以上もの抗体を持っています。これが抗体が多様である理由です。 (自己免疫疾患とワクチン)
そして、最近になり、さらに、
「 Toll (トル)様受容体」
というものが唐突に出てきました。
ガンの発生や憎悪の抑制などとも関係すると見られるものなのですが、はじめて知ったのは、ほんの少し前のことで、以下の記事を書いている中で知りました。
ガン化していく世界 : ふたつの免疫抑制/免疫不全が発生するメカニズムを論文から知る
投稿日:2021年10月26日
そして、その後、アメリカの臨床医であり病理学者であるライアン・コール博士が、「最近の異常ともいえるガンの増加」について、インタビューで以下のように述べています。
> 微小環境内のガン治療には、Toll様受容体というものがとても重要な役割を果たしています。
>
> …今、私たちが経験しているのは、史上初めての状況なのです。ワクチンが突然、この受容体を抑制したのです。
>
> これらの受容体はガン細胞抑制に大きな役割を果たしています。
以下の記事にインタビューがあります。
ガンの信じられない増加の報告の中、特定の周波数が、細胞修復に本当に関与するかどうかを調べて見つけた「528Hzの音波が細胞死を減少させた」という医学論文
投稿日:2021年11月10日
通常の場合であっても、この「 Toll様受容体」というものの働きが阻害されたり、あるいは低下した場合、さまざまな疾患と関係するだろうとしても、特に、
「ガンの発生と進行につながる」
ということらしいのです。
この Toll様受容体の働きが正常に機能しない場合、ライアン・コール博士の言葉では、
> 変異細胞を攻撃するようにサイトカインとインターフェロンなどに伝達するシグナルが遮断される
ということで、ガンに対して「身体が防御システムのない状態」となってしまうようです。
そして、どうも、mRNA ワクチンは、その「 Toll様受容体の働きを抑えてしまう」という働き(働きという表現でいいのですかね)を持つようなのです。
この「 Toll様受容体」というものに興味を持って調べていたのですが、なかなか難しいものばかりで、その中で、大阪大学免疫学フロンティア研究センター拠点長であり同大学教授である審良静男さんという方へのインタビューの冊子がありました。
以下にあります。
「自然免疫」最前線 - 免疫システムの常識を覆した「Toll様受容体」
難しい部分も多いですが、かなり私たち一般人にもわかりやすく述べられているものです。
これを読んでいる中で、「これはまさか…」と思う部分がありまして、私の勘違いか思い過ごしの可能性が高いのですが、ご紹介させていただきます。
配列で C と G を大幅に強化した理由はスパイクタンパクの強化だけなのか
その冊子の冒頭には、以下のように書かれていました。
体内に侵入してきた病原体に対し、免疫システムが抗体を用意し、次に同じ病原体が体内に侵入してきた時にはその抗体によって侵入者を識別し退治するということはよく知られている。
獲得免疫系と言われるこの仕組みこそが、免疫システムの重要な役割と考えられてきた。しかし、ここ十数年の研究により、このような従来の免疫システムの概念を覆す画期的な発見が続いている。そのきっかけが、自然免疫系に常在する樹状細胞の「Toll様受容体=TLR」の発見である。
TLR研究の第一人者として活躍し、2011年のノーベル生理学・医学賞の候補ともなった審良静男大阪大学教授に話をうかがった。 (免疫システムの常識を覆した 「Toll様受容体」)
読んでいて、まずすごいと思ったのは、この Toll様受容体 (TRLと表記されています)は、
「病原体の DNA や RNA も認識する」
のだそうです。
以下のように書かれてありました。
> 驚きだったのは、TLR9 が病原体 DNA を認識することでした。
>
> 当時の科学では、生命の核となる DNA を細胞が認識するということ自体、非常識な考え方でした。この TLR9 は、細胞内部に存在してヘルパー T 細胞への刺激も最も強いセンサーであり、今後、感染予防、抗アレルギー療法、がん免疫療法などへの応用が期待されています。
>
> さらに TLR ファミリーの中には、DNA ウイルスだ けでなく RNA ウイルスまでも感知する TLR7、TLR8 が見つかりました。(免疫システムの常識を覆した 「Toll様受容体」)
そして、その先を読んでいる中で、
「あッ」
という部分があったのです。
ちょっと複雑なことになるかもしれないですが、それは以下の部分です。
文章に出てきます「 CG 配列」というのは、DNA の遺伝情報の 4つの塩基である、
・A (アデニン)
・T (チミン)
・G (グアニン)
・C (シトシン)
のうちの「 G (グアニン)と C (シトシン)」が「隣り合う」形となっているもので、書類の注釈では、「GACGTTなど真ん中に C と G が隣り合って出現するもの」と書かれています。
免疫システムの常識を覆した 「Toll様受容体」より
TLRが、認識したDNAを病原体のものだと判断するのは、多くの病原体が持っていて、哺乳類には少ないと言われる塩基のCGです。
しかし人間の遺伝子は2万2000あり、それらの遺伝子で30億文字ほどの遺伝情報が書かれているのですから、その中にCG配列が出現するのは避けられません。
そこで人間の遺伝子配列には、CG配列に炭素と水素を結びつけ、いわゆる「メチル化」をして病原体のCG配列と区別しようという仕組みも持っています。
しかしこれもやはり完璧ではなく、当然一部はメチル化されないものもあって、全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患との関連が疑われています。(免疫システムの常識を覆した 「Toll様受容体」)
この、Toll様受容体が、「認識したDNAを病原体のものだと判断する」のは、
> 哺乳類には少ないと言われる塩基のCGです。
とおっしゃられています。
つまり、優れた免疫応答を発動させる働きを持つ Toll様受容体は、
「 C と G が隣り合う配列を病原体だと判断して攻撃する」
ということになります。
この CG 配列というものが、仮に、体内に「急激に通常ではないほど増えた」場合、免疫状態に問題が生じることと関連すると解釈していいのではないかと思います。
どんなことが起きれば、 CG 配列というものが体内の遺伝子で増える可能性があり得るでしょうか。
非常に単純な考え方として、
「 C と G に富んだ遺伝子を体内に入れる」
ということが考えられることではないかと思います。
それが例えば分解されにくく長く体内に残る遺伝子などの場合、 Toll様受容体が「それが病原体だと認識する誤作動」を起こしたりはしないのだろうかと。
そこで、以下の米マサチューセッツ工科大学のステファニー・セネフ博士の論文についての言葉を思い出すのです。
ステファニー・セネフ博士のインタビューより
「彼らがワクチン mRNA に対して行ったもう一つの改変は、RNAに余分なG(グアニン)とC(シトシン)をたくさん追加したことです」
「G(グアニン)とC(シトシン)をたくさん入れ、スパイクタンパク質を作ることを有利にしています」
「その結果、自然の新型コロナウイルスのゲイン(スパイクタンパク質の産生能力)を 1,000倍にし、mRNAが、より多くのタンパク質を産生するようにしたのです。ですので、ワクチンの RNA は、天然の RNA を使った場合よりも、より多くのスパイクタンパク質を作ることができるのです 」(In Deep)
そうなのです。
mRNA ワクチンの RNA は、
「通常よりはるかにG(グアニン)とC(シトシン)が多い」
のです。
さきほどの大阪大学免疫学フロンティア研究センター拠点長の方の言葉によりますと、
「 Toll様受容体が認識したDNAを病原体のものだと判断する」
のは、つまり、それが病原体だと認識して攻撃を始めるものは、
「塩基のCGです」
とおっしゃっておられます。
CとGが並んでいる部分を Toll様受容体は「病原体」だと認識するようなのです。
先ほどのお話によれば、塩基のCG は、「哺乳類には少ない」とのことなのですが、では、実際の mRNA ワクチンの「配列」を見てみます。
そこに「 CとGが並ぶ配列」が多く見られるのなら、それだけ、 Toll様受容体による「間違った免疫応答が起きやすい」といえるかもしれません。
ファイザー社 mRNA ワクチンの配列表は、厚生労働省部局と独立行政法人医薬品医療機器総合機構の「特例承認報告書」の中にあります。
以下にあります。
その 2ページ目に、「トジナメランの核酸配列は、以下のとおりである」として、4284 までの全配列が掲載されていますが、それを見てみました。
そうししましたら、
「 CとG ばかりが目立つ」
というようになっているのでした。
以下は、配列の最初の部分です。
赤で囲んだ部分が、「 CG配列」となっているように見える部分です。
ファイザー社ワクチン mRNA の配列より
mhlw.go.jp
全体を見てみても「 C と G の数が圧倒する」ような配列が全体を支配していることがわかります。
これを見て、ふと「ガンが異様な勢いで増えているのは、ここにも原因があるのかな」とも思いますが、何しろ私自身は、専門的なことはわからず、これ以上は何ともいえないわけで、しかし、「 Toll様受容体は、CG 配列を病原体だと認識して攻撃する」と考えますと、このワクチン mRNA の改変は、かなりの「悪意」を感じる部分もあるのではないかと感じます。
「攻撃する」と書きましたけれど、 Toll様受容体自体がそれを行うのではなく、先ほどの大阪大学免疫学フロンティア研究センター拠点長の方の言葉をお借りしますと、以下のような働きをするようです。
「TLR」というのが Toll様受容体のことです。
> TLRが認識す るのは、各微生物特有のさまざまな分子構造です。病原体を認識すると、サイトカイン(炎症物質)を産生したり、情報伝達物質などの産生を促し、 Tリンパ球を活性化させ、免疫応答を誘導したりします。
>
> …TLR ファミリーは現在 11 種類ほど見つかっていますが、むしろその程度の数しかありません。当然、病原体の数のほうが多いわけですから、TLR は病原体そのものを認識するのではなく、病原体に共通して存在する成分をよりどころにしています。 (免疫システムの常識を覆した 「Toll様受容体」)
病原体に共通して存在する成分をよりどころにしており、「それが病原体だ」と認識した場合に、
「免疫応答を誘導する」
つまり、身体内の病原体との戦いを誘導することになるようです。
この「病原体に共通して存在する成分」ということと、CG 配列が関係するのかどうかは、これを読んだだけではわからないですが、おそらく、
「 CG 配列を認識すると、Toll様受容体はそれを病原菌と認識し、免疫応答を開始する」
ということになるのではないかと思います。
少数とはいえ、ワクチン接種後に、さまざまな、まるで自己免疫疾患のような不調を訴える場合があるのは、ここにも原因があるかもしれません。
以下の海外の記事では、ファイザー社ワクチンの全配列を分析しています。
Reverse Engineering the source code of the BioNTech/Pfizer SARS-CoV-2 Vaccine
ワクチン mRNA の改変の状況について、以下のように書かれていました。
(配列分析ページより抜粋翻訳)
>変更の大部分は、3番目のコドン位置で発生していることがわかる。そして、普遍的なコドン表をチェックすると、この3番目の位置は実際にどのアミノ酸が生成されるかは問題ではないことがわかる。
>
>よく見ると、1つを除くすべての変更で、CとGが増えていることがわかる。 (berthub.eu)
記事では、さらにその先の配列の部分についても以下のように書いています。
> ワクチンRNAの次の3777文字は、同様に「コドン最適化」され、多くのCとGを追加している。
>
> たとえば、最初のコドンでは、CUUがCUGに変更されている。これにより、ワクチンに別の「G」が追加されている。これは、タンパク質生産の強化に役立つことがわかっている。(berthub.eu)
コドンについては、以下の記事でも取り上げています。
臨床で使われたものと現在実際に使われているコロナワクチンは「異なるもの」だと知る中で始まってしまった「ワクチンmRNAのゲノム改変を探究する旅」
投稿日:2021年7月8日
ワクチン mRNA に C と G を大量に追加した理由は、ステファニー・セネフ博士も、先ほどの分析記事でも、
「スパイクタンパク質の生産量を増やすため」
としていて、そしてそれは事実です。
しかし同時に、
「 C と G が大量に追加されることにより、 Toll様受容体の働きで、間違った免疫応答が起きてしまう確率も高まっている」
というようにも考えられなくはないでしょうか。
Toll様受容体は、CG配列を「病原体」だと見なすのです。
ここにおいて、「コロナの自然感染と、ワクチンの大きな違い」が、さらにわかってきたような気もします。
自然のコロナはこのような配列を持たず、C と G は、ワクチンよりはるかに少ないはずです。
その分、ワクチン mRNA は、自然のコロナより大量で強いスパイクタンパク質を作り出し、そして、今回知ったことからは、もしかすると、人間の重要な免疫システムに干渉しているかもしれないと。
もちろん、私の解釈が間違っている可能性が高く、何しろ、Toll様受容体が CG 配列を病原体だと認識する、というようなことは今日はじめて知ったことです。
全然見当違いのことを書いている可能性は高いです。
専門家の方などの正しい判断が出ることを期待しています。
しかし、今日知った「 Toll様受容体が CG 配列を病原体だと認識する」ことと、ワクチン mRNA の異常な C と G の増量を見ると、そこを考えざるを得ない感じとなり、書きました。
まとめますと、以下のような懸念となります。
Toll様受容体が「病原体だと認識しやすい配列」を数多く持つ mRNA が体内に夥しい数で展開し、そして、それはポリエチレングリコールに包まれているために丈夫な上に、ポリエチレングリコールは、血液脳関門を突破して脳の中にも到達し、生体内分布の研究では、ほぼ全身のあらゆる場所に残存する。つまり、「全身で間違った免疫応答が起きる可能性がある」と。
生体内分布は以下の記事の後半などにあります。
コロナが、あるいはそのスパイクタンパク質が「もともと生殖不全を引き起こす可能性のあるメカニズムを持っている」ことを知る…
投稿日:2021年6月1日
生体内分布は、ほぼ全身に mRNA が行きわたることが示されています。
また、ワクチン mRNA は、改変によって「分解から保護」されていますので、通常のメッセンジャー RNA のように短時間では消滅しません。
荒川央さんの「ブレーキの無いRNAワクチン」には、以下のことがわかることにふれています。
(ブレーキの無いRNAワクチンより)
> キャップ構造とはmRNAをタンパクに翻訳を開始させるのに必須の化学構造です。スパイクンパク前後の非翻訳領域、ポリA配列はRNAの安定化に貢献します。
>
> 何よりもウリジンの1-メチル-3'-シュードウリジンへの置換はmRNAを分解から保護します。このためmRNAワクチンはすぐには分解されず、実際にどれ程の期間細胞内に留まるのか分かりません。
ここに「ポリA配列はRNAの安定化に貢献します」とありますが、ワクチン mRNAの配列の最後は、以下のような、私のようにコドンに詳しくない人にとっては、何だか奇妙な終わり方となっています。約 100の A が並べられています。
この意味は私にはわからなかったのですが、「ポリA配列はRNAの安定化に貢献します」ということで、これもまた RNA が消滅しにくくなっているという改変のようです。先ほどの海外の分析記事には、以下のように書かれています。
> mRNAは何度も再利用できるが、再利用が発生すると、最後にAの一部が失われる。Aがなくなると、mRNAは機能しなくなり破棄される。このような「重複したA」の並びは、 mRNA の劣化からの保護だ。
よくわからないとはいえ、この AAAAAAAA… というのも、mRNA を強化する工夫のようです。
ワクチン mRNA の配列の、自然のコロナからの大幅な変更は、ずっと「スパイクタンパク質の量と質の強化」のためだけと思っていました。
しかし、
「この変更にはもっと何かの仕組みがある」
という可能性をやや知ったのかもしれません。
仮に少しでも、今回書いたようなことがあるのだとすれば、ワクチン mRNA は、
・スパイクタンパク質(毒性を取り除いていない)自体の影響
・Toll様受容体の正常な働きを阻害するかもしれない CG豊富な配列
というふたつの影響によって、ガンや自己免疫疾患との関係がさらに強くなっているということになる可能性もあるのかもしれません。
ややわかりにくい記事だったとは思いますが、皆様はどう思われるでしょうか。
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