瞑想、音、そして、正当な幸福感
スイスのノバルティス本社の元上級医学科学専門家であり、ウイルス学、免疫学などの専門家であるユホン・ドン博士が、
「損傷した DNA を修復する驚くべき方法」
というタイトルの記事をエポックタイムズに寄稿していました。
このユホン・ドン博士の書かれた記事は、これまでずいぶんとご紹介してさせていただきました。
最近では、麻疹(はしか)ワクチンが、自然免役に与える「悪影響」ついての記事をご紹介したことがあります。
そして、何しろドン博士は、元ノバルティス社の専門家であるわけで、ワクチンの解説については非常に多くの記事をご紹介しました。
コロナワクチンだけではなく、メルク社のガーダシル(子宮頸がんワクチン)などに含まれているアルミニウムと、脂質ナノ粒子のポリソルベート80の作用を学んだのもドン博士の文章によるものでした。
アルミニウムとポリソルベート80の饗宴。作用と影響
In Deep 2023年3月6日
そのドン博士の今回の文書は、DNA の修復ということでしたので、どんな科学的な展開になるのだろうと思って読んでいましたら、一件すると、「ばかばかしいほど単純なこと」が並べられています。
記事の項目を大別しますと、ドン博士の言う DNA の修復方法は以下です。
・瞑想
・音あるいは音楽
・正しい幸福感を持つこと
この 3つでした。
しかし、これがまた、それぞれの項目に、過去の論文が的確にリンクで示されていまして、このどれもが「確かに DNA を修復する」可能性があることがわかります。
瞑想と DNA 修復に関しては、以下ような論文が引用されています。ここでは、タイトルを日本語だけで示します。
(論文)マインドフルネスに基づいた集中的な一日の実践後の経験豊富な瞑想者の異なるDNAメチル化:免疫関連経路への影響 リンク
(論文)瞑想とヨガ:不育症カップルの男性パートナーにおける酸化的 DNA 損傷と調節不全の精子転写物への影響 リンク
(論文)沈黙の分子: 遺伝子発現とエピジェネティクスに対する瞑想の影響 リンク
平たく言えば、「瞑想は DNA の修復にずいぶんと役に立つらしい」ということのようです
私は最近は瞑想とかは全然やっていないのですが、精神的な部分を超えて、単純に「遺伝子の健康面」というところからも決して悪いことではないようです。
上の項目では、私個人としては「音」が気になるところですが、たとえば引用されていたこちらの論文には以下のようにあり、音もまた、遺伝子の発現に直接作用するようです。
論文より
…音楽経験のある参加者においては、サブ表現型比較に基づいて、それぞれ 45個の遺伝子(27 個が上方制御され、18 個が下方制御)と 97個の遺伝子(75個が上方制御され、22個が下方制御)の発現差を観察した。
なお、記事には、「クラシック音楽が良くて、ポップミュージックはあまり良くない」ということも、また研究からの引用で述べられていますが、私自身は、音楽のジャンルよりも、
「周波数」
だと考えています。
しかし、これは、また話がそれますので、10年近く前などのものを含む過去の記事を少しリンクしておきます。
528Hz や 432Hz などに関する過去記事の一部
ガンの信じられない増加の報告の中、特定の周波数が、細胞修復に本当に関与するかどうかを調べて見つけた「528Hzの音波が細胞死を減少させた」という医学論文
In Deep 2021年11月10日宇宙の創造…ひも理論…432Hz…528Hz…ライアー…:数々のシンクロの中で、この世の存在は「音そのもの」であるかもしれないことに確信を持てそうな春の夜
In Deep 2015年03月22日シュタイナーが警告した「432Hzではない基本音調の世界は悪魔を勝利に導く」 を体感してみました
In Deep 2015年03月28日
いくら美しいクラシック音楽であっても、440Hz を基本音調としての演奏の場合、あまり遺伝子の修復には役に立たない気はします。
身体の細胞や DNA を含めた「すべての部分」が、外部から入ってくる「音」により水面で起きるのと同じような波紋を描きます。つまり、人間の各部位は音から影響を受ける。
(ある研究より)
音が細胞の組織に入ると、音響エネルギーのパターンが、「細胞体パターン」または「ファラデー波(水面に出現する波形)」として知られる波形を作り、それがあらゆる細胞の表面膜に現れる。 indeep.jp
ファラデー波は以下のようなもので、これは、432Hz と 440Hz の音に出てくる水面の波紋です。
440Hz のほうが「ベチャッ」とした形になるのがおわかりかと思いますが、この 440Hz が、現代のほぼすべての音楽の基本チューニングとして使われています。
あと、「正しい幸福感を持つ」というようなことが先ほどの項目にありましたけれど、記事では、「ヘドニックな幸福と、ユーダイモニックな幸福」という表現が使われていまして、これは、本来は一言で説明できるようなことではないのでしょうけれど、簡単に書きますと、
・ヘドニック → 短絡的・直接的な幸福感(快楽や娯楽での楽しみなど)
・ユーダイモニック → 徳のある人生を生き、価値ある行為をすることによって得られる幸福感
これに関して人々を調査した研究では、以下のような数値が示されていまして、つまり「ユーダイモニックな幸福感を持つ人は、感染症に強い」ということが示されていました。
この「幸福感のタイプ」というものに関しては、考え方として、いろいろと難しい部分もありますが、今の人類って、ちょっと短絡的な幸福感を求めすぎているかなと思わない面もないではないです。
そんなわけで、ここからユホン・ドン博士の文章です。引用されている研究のリンクはすべて示させていただいています。
実際には、特にワクチンによる遺伝子のダメージは、非常に複雑な様相になっている可能性も高く、そう簡単に元に戻るということもないのかもしれないですが、少しでも改善させられる可能性があるのならと思いまして、掲載します。
COVID による損傷後に DNA を修復する驚くべき方法
Surprising Ways to Heal Our DNA After COVID Injuries
Epoch Times 2024/04/03
静かに座ることが何かを起こすようなことはないように見えるかもしれないが、DNA の治癒を含む、私たちの体内で起こっている多くの重要なことに影響を与える可能性がある。これが本当の科学だ。
新型コロナウイルス感染症(COVID)とそのワクチンが私たちの DNA を傷つける可能性が高いという証拠がある。その影響を受けた多くの人たちが潜在的な副作用を軽減する方法を模索している。
DNA を修復するということは不可能に思えるかもしれないが、そうではない。
たとえば、仕事で忙しい一日を過ごした後、夜ぐっすり眠ると、朝すっきりした気分になる。これは、睡眠中に私たちの体が静かに修復を数多く行っているためだ。
私たちの体には、有害な刺激から身を守るための自然な自己治癒メカニズムがあり、このプロセスを強化する自然な方法がある。
私たちが COVID の影響を受けていなくても、紫外線や放射線、環境毒素、食品添加物、ストレスなどの他の外部要因や内部要因が私たちの DNA に悪影響を与えている可能性がある。
心静かに座ることにより DNA を修復できる
睡眠によってストレスを軽減することはよくあるが、起きているときには、瞑想は実践できるアクティブな休息の一形態だ。
瞑想やマインドフルネスのトレーニングを退屈だと感じたり、自分の生活に無関係だと感じる人たちもいるが、遺伝子発現に前向きな変化をもたらす可能性があることを、数え切れないほどの研究が示している。
瞑想は、考えたり単純な動きをしたりせずに、静かに座ることを含む実践だ。それは伝統的なアジア文化に由来し、その後マインドフルネス瞑想を含むさまざまなエクササイズに進化した。
この実践の主な目的には、心を調整し、気を散らすものを排除し、前向きで穏やかな思考を促進し、内なる平和と静けさを見つけることが含まれる。
定期的に瞑想することで、私たちの体の DNA 修復を実際に助けることができる。
2020年の研究では、長期瞑想と短期瞑想の両方が遺伝子発現にプラスの影響を与え、DNA 損傷を引き起こす要因を減らし、DNA を修復できることがわかった。
ある研究では、たとえ 1日だけの瞑想でも、健康を維持し病気と戦うことに関連する遺伝子のスイッチを入れることができることがわかった。しかし、その日を(瞑想をせずに)普通にリラックスして過ごした人には、同じような DNA の変化は見られなかった。
具体的には、この研究では、DNA の修復と安定性を担う極めて重要な経路が瞑想後に一貫して改善されることが判明した。
別の研究では、男性が瞑想とヨガを日常のライフスタイルに組み込むと、精子の DNA 損傷の修復に役立ち、精子の可動性と胚の生存率が向上する可能性があることが示唆されている。
これにより、パートナーである女性の不育症 (※ 妊娠はするものの流産や死産を繰り返すこと)が減少した。この種の DNA 損傷を修復することは、健康な子孫にとって不可欠なステップでもある。
DNA 損傷は炎症、酸化ストレス、ウイルス感染、その他の有毒な攻撃によって引き起こされることが多く、瞑想はこれらの有害な刺激を軽減するのに役立つ。
2021年にアメリカの科学者によって行われた大規模なゲノム研究では、高度な瞑想リトリート後に強力な免疫システムの活性化が示された。この研究では、1日10時間、8日間の瞑想リトリートに参加した 106人の遺伝子発現プロファイルの変化を分析した。
その研究データによると、瞑想は、抗ウイルス力、特にインターフェロンシグナル伝達に関連する 68個の遺伝子を含む、免疫応答に直接関連する 220個の遺伝子を活性化することが示されている。
影響を受ける上位 10個の遺伝子は、最前線の抗ウイルス免疫に最も関連する I 型インターフェロン経路において重要な役割を果たしていることが知られている。
遺伝子への影響はすぐに起こった。遺伝子の 44%近くが瞑想直後に変化し、続いて 3か月の追跡調査で 30%が変化した。
この研究では、瞑想が炎症マーカーを誘発することなく免疫機能を改善したことが判明したことに特に注目することが重要だ。
著者たちは、瞑想が、COVID 関連の傷害など、免疫力の低下に伴う症状を治療するための効果的な行動介入であると示唆した。
クラシック音楽によって活性化される「自己治癒」遺伝子
音楽を聴くことも、DNA 修復を促進することがわかっている、実行が難しくない行動だ。
私たちの DNA は周波数の影響を受けやすい(論文)。
私たちが音楽を聴くとき、私たちの耳だけでなく、筋肉、細胞、DNAも聴いている。音楽は私たちの存在全体に浸透する。カルロ・ベンチュラ博士のチームが述べたように、音楽を聴くことは人間の健康と幸福に大きな影響を与える可能性がある。
スーフィー(※ イスラムの神秘主義修行者)の音楽家、ハズラット・イナヤット・カーン氏の言葉は次のとおりだ。
人は耳だけで音を聞くわけではありません。それは体のあらゆる毛穴から音が聞こえていきます。それは存在全体に浸透し、その特定の影響に応じて、血液循環のリズムを遅くしたり速くしたりします。神経系を目覚めさせたり、落ち着かせたりします。それは人をより大きな情熱に目覚めさせたり、平安をもたらして落ち着かせたりします。
2022年6月14日、スペインのサンティアゴ・コンポステーラ市にあるオーディトリオ・デ・ガリシアで、実験的な 50分間のクラシック音楽コンサートが開催された。聴衆には、アルツハイマー病または加齢に伴う認知障害を持つ 60名と健康な対照群が含まれていた。
科学者たちは、音楽セッションの前後で彼らの遺伝子発現プロファイルを分析し、音楽を聴くと、ゲノム全体の遺伝子、特に加齢に伴う認知障害のある人の神経変性関連遺伝子の活性が、病気のないグループと比べて 2.3倍増加することに関連していることを発見した。
この遺伝子活性の増加は、細胞の自己治癒プロセスであるアルツハイマー病の罹患した脳細胞の破壊に関連する遺伝子で特に見られた。この研究は、2023年にネイチャー誌の Scientific Reports に掲載された。
フィンランドの科学者と芸術家たちのグループは、クラシック音楽を聴いた 48人と何も聴かなかった 15人の遺伝子発現プロファイルを分析する研究を実施した。
彼らは、クラシック音楽を聴くとドーパミンに関連する遺伝子の発現が増加し、幸福感をもたらすことを発見した。
クラシック音楽によって過剰に活性化される遺伝子の 1つが α-シヌクレインだ。これは脳内のドーパミンレベルのバランスを保つのに役立ち、パーキンソン病にも遺伝的に関連している。もう 1 つの遺伝子、NR3C1 はドーパミンレベルを上昇させ、私たちを幸せにし、それらの曲に夢中になることができる。
クラシック音楽は、遺伝子レベルで脳細胞を治癒する可能性があるだけでなく、長生きにも役立つ可能性がある。
メットライフ生命が 1956年から 1975年にかけて交響楽団の現役および元指揮者 437人を対象に実施した調査では、彼らの死亡率が一般人口の死亡率より 38%低いことが判明した。 50歳から 59歳の人々は、キャリアの中で最もストレスの多い 10年であったにもかかわらず、死亡率が 56%低かった。
聴く音楽の種類は重要であるようだ。
そして、ポップミュージックは他のジャンルほど人々に有益ではないかもしれない。1956年から 1999年にかけて北米とヨーロッパの有名なポップスター 1,064人を対象とした調査によると、有名になってから 3年から 25年後の死亡率は一般の人々よりも 70%以上高かった (論文)。
アメリカのポップスターは平均年齢 42歳で亡くなり、ヨーロッパのポップスターは平均 35歳で亡くなっていた。これには、薬物乱用やアルコール乱用など多くの要因が関係しているとはいえ、音楽や歌詞の種類が私たちの DNA 反応に影響を及ぼしている可能性もある。
人間の寿命は遺伝子の自己修復能力と密接に関係している (論文)。私たちのDNA 自己修復能力が強力であればあるほど、遺伝子はより安定し、より長く生きることができる (論文)。
DNAは私たちの思考に反応する
私たちの思考は目に見えないように見えるかもしれないが、科学者たちは、思考が私たちの DNA にリアルタイムで影響を与えるという広範な証拠を発見し、私たちが自分の人生をどのように認識するかを再考するよう促している。
PNAS の 2013 年の研究で示されているように、人生に対する私たちの認識は遺伝子発現に影響を与える可能性がある。
この研究では、ヘドニックとユーダイモニックという 2つのタイプの幸福が、遺伝子発現に異なる影響を与えることがわかった。
快楽的な幸福を経験する人は、通常、おいしい食事に耽ったり、アルコールを摂取したりするなど、すぐに喜びをもたらす活動に従事するときに幸福を感じる。対照的に、ユーダイモニックな幸福を経験する人は、社会への貢献や他人を助けるなど、人生のより大きな目的を達成することで喜びを得る傾向がある。
この研究では、正義と崇高な目標に向かう傾向のある人々は、インターフェロン遺伝子の発現が高く、抗体を産生する能力が高く、炎症関連遺伝子の発現が低いなど、ウイルスと戦う潜在力が高いことを示す明確な遺伝子プロファイルを持っていることが判明した。
学術誌『Molecular Psychiatry』に掲載された 2017年の研究では、 2,500人を超えるアフリカ系アメリカ人の参加者の間で、2つの遺伝子の位置が前向きな態度や幸福感の違いに関連していることが判明した。
定期的な中強度の運動と特定の食品や栄養素の摂取は、効果的に自己治癒を促進し、DNA 修復も改善する (論文)。
DNA を修復するために高度な技術は必要ない。数々の研究によると、一見取るに足らないような小さな習慣でも、それが強力な効果をもたらす可能性があるのだ。
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