問題の「本質」を無視する
すでにわりと長い期間、コロナワクチンがこの世に存在するという状況の中で私たちは生きているわけですが、最近の報道などを見ていて気づくことがあります。
それは、医学研究や実験が、
「根本的な問題を無視して些末な部分に焦点を当てて乗り切っていく」
という感じのことでしょうか。
つい数日前、東京医科歯科大学などの研究者たちが、「脂質ナノ粒子を使わない裸の mRNA を使ったワクチン開発に成功した」というニュースリリースがありました。以下にまとめてあります。
・東京医科歯科大学の「裸のmRNAからなる安全な新型コロナウイルスワクチンの開発に成功」というニュースリリース
BDW 2024年4月3日
これを開発した理由がニュースリリースで述べられていまして、「従来の mRNAワクチンに使われている脂質ナノ粒子が副次的有害事象を発生させている可能性が高い」ために、「脂質ナノ粒子を使わないワクチン」を開発したと。
脂質ナノ粒子を使わないワクチンというのは、つまり「 mRNA をそのまま打ち込む」という概念になると思いますが、ニュースリリースでは、「裸の mRNA 」と表現されていました。
脂質ナノ粒子が人体に強い影響を与えることは確かに事実です。以下は、それについての過去記事の、ほんの一部です。
・mRNA+脂質ナノ粒子ワクチンは「子孫に免疫性が遺伝する」ことが判明。また、 脂質ナノ粒子自体の炎症性が「鼻腔内接種で死亡率80%」と非常に強力であることも知る
In Deep 2022年11月1日
・今の日本は実際には1945年どころではないですが…しかしさらに、日本は永遠の「mRNA+脂質ナノ粒子」の炎症性戦争へと
In Deep 2023年8月9日
脂質ナノ粒子の炎症性が非常に高いものであることは、すでに多くの論文で、しかも、コロナワクチンよりはるかに前の 10年以上など前から述べられてきました。
特に、「卵巣」に対してのダメージは決定的で、
「脂質ナノ粒子単体で、接種マウスの 100%の卵巣が損傷を受けた」
ことが 2014年の研究で明らかになっています。
mRNA コロナワクチンの場合、ロットごとの品質のバラツキや、温度管理の問題があり、「不完全な mRNAのバージョン」が多く存在していたことが、医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルの調査などでわかっています。
ですので、コロナワクチンを接種した人たちが、みな等しくスパイクタンパク質を体内に生成したということはないと思われ、一部の人では、スパイクタンパク質の生成が強く行われ(不運なパターン)、一部の人たちでは、スパイクタンパク質の生成がほとんど行われなかった(ラッキーなパターン)という場合もあったと思います。
しかし、脂質ナノ粒子は違う。
接種した人全員の体内に脂質ナノ粒子が入ったわけです。
脂質ナノ粒子は、時間の経過と共に外に(全部ではないにしても)排泄されていくと見られますので、影響も次第に弱まるのでしょうけれど、ともかく接種者全員に有害な脂質ナノ粒子が入ったわけです。
そういう面では、東京医科歯科大学などのチームが、「脂質ナノ粒子を使わないワクチンを作ろう」とした試みは、一見正しいように見えるかもしれません。
しかし、こういうニュースリリースや報道は、「あえて、本筋にふれないでいる」わけです。
本筋とは何かといいますと、
「スパイクタンパク質は、それ自体が強い有毒性を持つ」
ということです。
裸の mRNA であろうが、脂質ナノ粒子に包まれた mRNA であろうが、そこから生産されるスパイクタンパク質は、まったく同様の「有害性を持つ」わけです。
つまり、抗原にスパイクタンパク質を使う限り、どんな方法のどんな素晴らしい方式のワクチンであっても、「全部に問題が残ったまま」なのです。
それどころか、この「 裸の mRNA 」は新たな問題を提起します。
以下は、2023年にコロナワクチンの開発でノーベル生理学・医学賞を授賞したドリュー・ワイスマン博士の 2018年の論文からですが、「細胞外の RNA は、浮腫や血栓の原因となる」と述べています。
> 細胞外の裸の RNA は、密集した内皮細胞の透過性を高めることが示されており、したがって浮腫の一因となる可能性がある。別の研究では、細胞外 RNA は血液凝固と病的血栓形成を促進することが示されている。 nature.com
これは、こちらの過去記事にあります。
また、今回の東京医科歯科大学などによる「裸の mRNA」が、シュードウリジン化(RNAの構成成分のひとつのウリジンを人工物と置き換えること。現況のコロナワクチンの多くがこれです)されたものかどうかは書かれていないのでわかりません。
しかし、ワクチンに使われる場合、シュードウリジン化されるのが定常ですので、普通に考えて、この裸の mRNA もシュードウリジン化されたものだとすると、結局以下の問題も同様になってしまうのです。
それは、
「 DNA 混入が避けられない」
ことです。
その理由について、科学者の荒川央さんの 2023年5月の note 記事「なぜmRNAワクチンにDNAが混入するのか」の中に以下の文章があります。
荒川央「なぜmRNAワクチンにDNAが混入するのか」より
そもそもなぜmRNAワクチンにDNAが混入してしまうのか?これは「mRNAワクチンのコンセプトそのもの」に関わってきます。判明したのは、シュードウリジン化されたコロナワクチンRNA自体がDNAの分解を妨げているという事です。
…融解温度が高いという事は、シュードウリジン化RNAがDNAに対して非常に「粘着性」があるという事を意味します
…シュードウリジン化RNAは、その粘着性の高さのためにDNAと強固に会合します。
…大前提として、DNAの混入を防ぐためにRNAを分解しないといけないならば、そもそも論として「mRNAワクチンの製造行程には致命的な欠陥がある」事になります。つまり、「mRNAワクチンへのDNAの混入はどうあっても避けられない」のです。
荒川さんは、
> mRNAワクチンへのDNAの混入はどうあっても避けられない
と明確に書かれていまして、裸の mRNA だろうが何だろうが、この部分は変わらないはずです。つまり、DNA 混入を引き起こす。
別の note 記事では、もう少しわかりやすく書かれています。
荒川央さんの note 記事より
mRNAワクチンの製造法には根本的な問題があり、どうしても鋳型となったDNAが混入してしまいます。そうしたDNAはゲノムにどのように作用するか分かりませんし、癌の誘発やゲノム改変に繋がるリスクともなります。
そしてこれはコロナワクチンだけではなく、次世代mRNAワクチンでも同様です。
ここでも、荒川さんは、
> 次世代mRNAワクチンでも同様です。
と書かれていて、その「同様のこと」が、東京医科歯科大学などによる裸の mRNA ワクチンでも起きることが確定的なわけです。
この混入 DNA というのは、その多くが「細胞外 DNA」ということになると思われますが、それがどういう影響につながるかについては、以下の記事で専門家たちの言葉を記しています。
・細胞外DNAは確実に血栓を誘発する原因となり、脳卒中や多臓器不全などのリスクにつながる。…そしてワクチン混入DNAは、細胞外DNAそのものであり…
In Deep 2024年1月24日
スパイクタンパク質には、それ自体に、他にさまざまな問題があるのですけれど(ヘルペスウイルスを再活性化させたり、あるいは、すい臓ガンを増やしたり等)、
・スパイクタンパク質自体の有害性
・DNA 混入が避けられないという宿命
の二点は大きな部分です。
私自身は、感染症に対してのワクチンという方法論自体に、かなり懐疑的ですが、しかし、そうではないとしても、どうしてもコロナウイルス感染症に対応したワクチンを作りたいのなら、
「スパイクタンパク質から離れないといけない」
ことと、
「シュードウリジン化した mRNA から離れなくてはいけない」
わけです。
どうでもいいですが、この「裸の mRNAワクチン」を共同研究した企業の株価は報道後、「ストップ高」となっていました(苦笑)。
医療介入はないほうがいいという現実は動かない
スパイクタンパク質からもシュードウリジン化した mRNA からも離れたワクチンについて…まあ、それが正しいのかどうかの判断は、私にはできないですが、元ゲイツ財団のボッシュ博士は、3年ほど前に以下のように記していました。NK細胞(ナチュラルキラー細胞)を誘導するという方法論です。
ボッシュ博士の公開書簡「パンデミックでの大量のワクチン接種が、抑制できないモンスターを生み出す理由」より
…逆説的ですが、このパンデミックを終わらせるために、見通しを立てることができる唯一の介入は…それもやはりワクチン接種です。
もちろん、使用するワクチンの種類は、B細胞や T細胞ではなく、NK細胞を誘導するという点で、従来のワクチンとは完全に異なります。
これは、2021年7月のこちらの記事の後半で翻訳しています。
くどいようですが、このボッシュ博士の提案が正しいのかどうかはわかりません。…というか、ナチュラルキラー細胞とかを人為的に誘導していいものなのかどうかもよくわかりません。
ちなみに、医学的にわかっている中で、ナチュラルキラー細胞を効率よく誘導する方法がひとつ知られています。それは、
「笑い」
です。
以下の記事の中に、2018年の大阪国際がんセンターの「笑いとナチュラルキラー細胞の関係」についての報道などがあります。
・笑いという「奇跡の治療法」を取り戻す
In Deep 2021年12月15日
それほど深刻ではない感染症なら、笑いと安静と適切な栄養だけで十分だと私は思っています(まあ、高熱出しながら笑う人はあまりいないでしょうが ← 笑)。
今回の「裸の mRNA ワクチン」は、今後も出てくるものの中のほんのひとつだと思います。
「些末なところに修正を加えて、本筋は無視する」という方法論は今後も、あらゆる種類の予防医療で見られると思われます。
さらに、コロナワクチンの問題の本筋のひとつに「抗原原罪」という重大な概念があります。
以下の記事には、それと関係したさまざまな論文から抜粋しています。
・どうやら多くの日本人は「一生」抗原原罪の亡霊につきまとわれる模様
In Deep 2024年2月8日
今後、時期はわからないにしても、鳥インフルエンザ(H5N1)ワクチン が登場する気配が濃厚になっています。本当は、今回はこれにもふれようかとも思いましたが、ここまでで長くなりましたので、最近のアメリカの報道などと共に、次回などでご紹介したいと思います。
ちなみに、モデルナ社を含むいくつかの製薬企業は、今から 1年以上前に、すでに H5N1鳥インフルエンザワクチンの準備ができています。
以下は、2023年3月のロイターの報道です。
ワクチンメーカーが「万が一に備えて」人間用の鳥インフルエンザワクチンを準備
インフルエンザワクチンの世界大手メーカーの一部は、新型鳥インフルエンザが種を越えて流行した場合、数カ月以内に人間向けに数億回の鳥インフルエンザワクチン接種を行う可能性があると述べている。
H5N1 クレード 2.3.4.4b として知られる鳥インフルエンザの現在の発生では、記録的な数の鳥が死亡し、感染した哺乳類が死亡した。しかし、ヒトへの感染例は依然として非常に稀であり、世界保健当局者たちは、ヒト間の感染リスクは依然として低いと述べている。
しかし、モデルナ社は、ロイターに対し、将来のパンデミックに対する予防措置として、流行しているサブタイプによりよく適合するヒト用ワクチンのサンプルをすでに開発中か、試験中であると語った。
その他、サノフィ社は、既存の H5N1 ワクチン株の在庫があり、必要に応じて生産を開始する「準備ができている」と述べた。
reuters.com 2023/03/21
現在、世界中で鳥インフルエンザの報道が増えていまして、状況的に 2019年の終わり頃と似ていなくもない感じです。
鳥インフルエンザワクチンの「問題の本筋」が何かは今は明らかではないですが、仮に mRNA タイプが出てきた場合、上に書きましたことと同じ問題がまた出てくるだけです。
それでも、どんな状況においても、打つ人は打つのでしょうけれど。
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