それらはゆっくりとやってくる
少し以前から、たとえば、著名人の方が「前日の記憶を全部失って病院に駆けつけた」とか、「極度の疲労で丸1日の記憶が消えた」とか、そういう報道を見聞することがありました。
疲労で記憶が消えるというのも妙な帰結ですが、それとは別に、救急隊員の方の以下のような投稿も最近見ました。
診断は、一過性全健忘症。
話には聞いてたが…あるんだな中年、既往歴なし、麻痺や気分不良等もないが、友人と一緒に買い物から帰宅した直後、その記憶がなくなる。
心配になった友人が119。コロナ罹患歴あり、ワクチン5回接種済み。
ちょうど、最近、「新型コロナ、あるいはスパイクタンパク質の長期の脳への影響」についてのふたつの論文を読んだところでした。
ひとつは医学誌 Cell に掲載された「スパイクタンパク質は TLR4 媒介の長期認知機能障害を誘発する」というものです(論文)。
以下に翻訳していますが、なかなか難しいです。
(記事)脳へのスパイクタンパク質の注入が「認知機能障害を誘発する」という論文
BDW 2023年12月11日
要点は、
・スパイクタンパク質は後期海馬ミクログリオーシス(※ 細胞障害性のミクログリアの増生)とシナプス喪失を誘発する
という……つまり、「脳の海馬にダメージを与える」ということと、もうひとつのポイントは、これもまたややこしい話となりますが、Toll様受容体というものがあり、自然免疫を作動させる機能がある重要な機能を持つもので、神経などにおいて「Toll様受容体4 は、脳に入ったスパイクタンパク質によるシナプスの除去と記憶機能障害から保護している」ものなのだそうですが、
「スパイクタンパク質はその機能を遮断する」
ということが書かれてあるように思います。
その結果として、
「晩期認知機能障害を誘発する」
という結論となっています。
ヒトでいえば、脳にスパイクタンパク質が存在している場合、認知症を誘発しやすいということでしょうか。
Toll様受容体については、2年くらい前の以下の記事を書く時に初めて知りまして、記事を書いていますが、相変わらず私の理解は曖昧です。
(記事)Toll様受容体を調べて突きあたった「 mRNA 配列の改変で C と G が異常に強化されている理由」は、もしかすると悪意のような背景に満ちているものかもしれない
In Deep 2021年11月13日
先ほどの Cell の論文は、ワクチンが…というようなことにふれているものではありません。しかし、「 SARS-CoV-2 が…」という表現はしておらず
「スパイクタンパク質が…」
という表現ですので、自然感染、ワクチン曝露共に適用できる話といえそうです。
もうひとつは、科学誌ニューロサイエンス(Neurosciencenews)に、12月11日に掲載された「新型コロナ感染後の患者の永続的な脳の変化が明らかに」という記事です。
こちらは、「スパイクタンパク質が…」とは書かれていませんが、ともかく、
「脳の構造自体が永続的に変化している」
ことが示され、それが長期の認知の問題に結びついている可能性についてです。以下は概要です。
MRIにより新型コロナウイルス感染症後の患者の永続的な脳の変化が明らかに
MRI Reveals Lasting Brain Changes in Post-COVID Patients
neurosciencenews.com 2023/12/11概要:研究者たちは、高度な拡散 MRI 技術を使用し、症状が持続する新型コロナウイルス感染症患者の脳白質の構造的違いを発見した。
この研究では、重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した男性 16人を健康な人と比較し、これらの違いが COVID-19後の神経学的問題を説明する可能性があることを明らかにした。
拡散 MRI は従来の MRI より感度が高く、脳内の微細構造の変化を詳細に理解することができる。この研究は、脳に対する COVID-19の長期的な影響をさらに調査する必要性を示しており、 COVID-19後の神経学的問題に対するより効果的な治療法につながる可能性がある。
重要な事実:
1. 高度拡散 MRI では、長期症状のある新型コロナウイルス感染症患者と健康な人の間で脳白質構造に違いがあることが示された。
2. この研究には、以前に新型コロナウイルス感染症で入院した男性 16人が参加しており、ウイルスによる神経学的変化の可能性が示されている。
3. この研究は、脳構造の変化が、一部の新型コロナウイルス感染症からの生存者が経験する持続的な神経症状の一因となっている可能性があることを示唆している。
ここまでです。
このタイトルにある中で重要なのは、
「永続的な」
という表現がついていることです。
脳の構造が恒久的に変化してしまうということを意味していると考えていいのだと思われますが、これが不可逆的なものならば、それによる影響は、場合によって一生続くものとなってしまうこともあり得るかとも思います。
たとえば、同じコロナウイルス・ファミリーの 2003年に流行した、いわゆる「 SARS 」については、その後も長期にわたる研究が続いていまして、今年 4月に医学誌ランセットに掲載された論文では、
「退院から 18年後でも、多くの後遺症が続いている」
ことが示されています。
以下は、その論文の「調査結果」という部分の抜粋です。
論文「SARS 生存者の長期後遺症の多元的特徴付け: 臨床観察研究」より
The Lancet 2023/2/27
調査結果
退院後 18年が経過した SARS 生存者で最も一般的な症状は疲労で、主な後遺症は骨粗鬆症と大腿骨頭壊死であった。SARS 生存者の呼吸機能と股関節機能のスコアは、対照のスコアよりも有意に低かった。
18年後の身体的および社会的機能は 12年後におこなった調査と比較して改善されてはいたが、対照群よりはまだ悪かった。しかし、感情的および精神的健康は完全に回復していた。
CTスキャン上の肺の病変は 18年時点でも一貫しており、特に右上葉と左下葉の病変が顕著だった。血漿マルチオミクス分析(※ すべて一括した網羅的な解析)により、アミノ酸と脂質の異常な代謝、細菌や外部刺激に対する宿主防御免疫反応の促進、B細胞の活性化、CD8 + T細胞の細胞毒性の亢進が示されたが、CD4 + T細胞の抗原提示能力は損なわれていた。
この論文を取り上げましたのは、自然感染や、あるいはワクチン後の後遺症というのは、このような 18年などの時間の経過でも解決しない場合があるのかもしれないということからです。
しかし、今回は、「スパイクタンパク質と脳」という関係に話を絞ります。
全世界で数十億人の人たちがワクチンを接種し、そして、日本だけでも 4億回超だかの接種が続けられた中で、
「今後、人々の脳の認知機能はどうなっていっちゃうのかな」
と思う部分があるからです。
このことは以前から思っていたことではあり、脂質ナノ粒子も、そして、スパイクタンパク質自体も、血液脳関門(BBB)を通過して脳に入ることができるため、どうしても脳への影響はあるだろうということは、ずっと思っていました。
以前の以下の記事では、ドイツの研究で、
「スパイクタンパク質が脳のすべての部位から検出された」
ことを取り上げています。すべての部位です。
(記事)ショッキングなドイツの研究論文:スパイクタンパク質は、骨髄から血管から本体まで「脳のあらゆる部位から検出され」それらは一様に脳組織を破壊していた
In Deep 2023年4月12日
以下は、その論文にあるイラストで、 がスパイクタンパク質ですが、脳のすべてから検出されています。
ドイツの論文の図へ注釈をつけたもの
biorxiv.org
そして、自然感染のスパイクタンパク質はともかく、ワクチンのものは、組み換えされているため「強い」わけです。脂質ナノ粒子に くるまれ強化されている mRNA 同様、スパイクタンパク質も「プロリン」という自身を防御してくれる機構が教化されており、そう簡単には分解・消滅しません。
それらは、ほんの少しずつではあっても、上の図にある脳の部位に何らかの微細なダメージを長く与え続けると推測されます。
また、前回の記事で書きましたように、「細胞に潜伏する」可能性が高くなっています。
(記事)コロナはすでに HIV 化している模様です。…関係ないながら世界中で謎の増殖を続けるトコジラミは「効率よく HIV を媒介する」という昔のパスツール研究所の発表を思い出す
In Deep 2023年12月11日
このようなことから、いつまで影響が長く続くのか推測できないような面もあるのです。
そんな中、最近、著名な分子遺伝学者であるマイケル・ニールズ博士という方が記事を書かれていまして、その記事のタイトルに、
「遺伝子ロボトミー手術」
という表現が使われていることに興味を持ちました。
ロボトミー手術は、器具を用いて、「脳の前頭葉の前部にある前頭前野へ交連する神経線維のほとんどを切断する」というものでしたが、ワクチンは器具を使わないロボトミーだとニールズ博士は言いたいようです。
その記事をご紹介したいと思います。
結果としていつかロボトミー状態になる
ロボトミーについては、以下の記事の後半に少し詳しく、その手術法を書いています。
(記事)米国の科学者がアルコール依存症に対しての遺伝子治療を開発。それはいいとして、脳の中心に直接打つタイプであり…。思い出すのはロボトミー
In Deep 2023年8月26日
この記事の本題である「アルコール依存症に対しての遺伝子治療」の方もすごいですよ。脳の以下の VTA (腹側被蓋野)と書かれてある部分に「遺伝子薬剤を直接注射する」方法です。
こんな脳のど真ん中の、しかも松果体とかとも近い位置に「物理的に遺伝子治療薬を打ち込む」ってどうなの? と思った次第ですが、アルコール依存症を治療するためには「最適の方法」ということでの開発研究のようです。
ともかく、今や医療の世界は完全なマッド・サイエンス・ワールドだとは思います。
しかし「昔からそう」なんですよ。
ロボトミーのような極端なものでなくても、マッド・サイエンスの世界が何百年も続いている。
以下の記事にほんの一例ですが、それを取り上げています。
(記事)医学が多くの人たちの健康を奪った歴史のほんの一例
In Deep 2021年2月27日
ここから、マイケル・ニールズ博士の記事をご紹介しますが、ご自身の新しい著作『教化された脳 (The Indoctrinated Brain)』について紹介しているものです。なお、この著作は、ナオミ・ウルフ博士との共著のようです。
ここからです。
世界人口の大部分の「遺伝子ロボトミー手術」を可能にするために「接種に消極的な人々」にワクチン接種を説得した運命のノーベル医学賞
A Fateful Nobel Prize in Medicine to Convince “Reluctant People” to Get Vaccinated. For Making Possible the “Genetic Lobotomy” of a Large Part of the World’s Population
Dr. Michael Nehls 2023/12/09
ドイツの新聞「ハンデルスブラット」は 10月2日、mRNAの新型コロナウイルス「ワクチン」が、この遺伝子治療を受けるよう消極的な人々を説得する目的でノーベル医学賞が授与されたと報じた。
私はこのワクチンを、略して「スパイキング」と呼んでいる。この用語は、mRNA 成分が冠状突起タンパク質をコードしているという事実に由来している。
2023年12月12日に出版される私の新著『教化された脳』の中で、私は最近の「スパイキング」に対するノーベル賞の授賞は、私たちの自伝的記憶(脳の海馬)に対する神経病理学的攻撃であることを示していめことを述べた。
現在十分に文書化されているように、この注射は心臓血管系だけでなく、脳に劇的な影響を及ぼす。特に、接種後、合理的思考、心理的回復力、人間の自然な好奇心が著しく損なわれることが示されている。
「 SARS-CoV-2スパイクタンパク質は、マウスにおける新型コロナウイルス感染症後の症候群を再現する TLR4 媒介の長期認知機能障害を誘発する」という論文で、ブラジルの研究者たちは、長期にわたる海馬損傷の原因におけるスパイクタンパク質の役割について概説している。
これは、私が総称して「スパイク後症候群」または「スパイクオパチー」と呼んでいる「長期にわたる新型コロナウイルス」とワクチン接種後の問題に光を当てている。
そして、これはロボトミー手術と類似している。
ロボトミー手術との類似点
スパイクは、前頭脳を、批判的思考に不可欠な海馬の精神的エネルギー源から効果的に遮断する。この影響は広範囲に及ぶので、それを十分に明確にしておきたいと思う。
ロボトミーは、ポルトガルの神経内科医アントニオ・E・モニス(1874~1955年)が、それにより 1949年にノーベル医学賞を受賞した。
授賞理由は、「特定の精神病における前頭前部白質切除術の治療的価値の発見」だった。
中枢神経系の線維接続を切断する前頭前白質切除術は、どんなものでも、ロボトミー手術と同義語だ。
ロボトミー手術として知られる精神外科手術は、ロボットのような性質とコントロール可能な行動を備えた人間を生み出した。
運命のノーベル賞
1949年にノーベル医学賞が授与された後すぐに、毎年数千人ではなく数万人がロボトミー手術を受けるようになった。
ウォルター・フリーマン(※ ロボトミー手術の術式を発展させたことで有名)によれば、この精神外科手術の恐るべき成功の秘訣は、「想像力を打ち砕き、感情を鈍らせ、抽象的な思考を破壊し、ロボットのような制御可能な個人を作り出すこと」にあるという(論文)。
「精神外科的介入」の広告
ノーベル医学賞授与機関は現在、この賞がコロナワクチンをためらっている人々の信頼を高め、最終的には以前と同じように性格を変える「精神外科手術」を受ける人の数が増えることを期待している。
今回のプロセスは遺伝子操作によるものであるため、より巧妙だが、しかし、特にその世界規模の影響を考慮すると、壊滅的であることに変わりはない。
ここまでです。
読者の皆さま方で、周囲の接種者の方々で何かそういう「変化」をお感じになられたことはおありでしょうか。
私自身は、今は人付き合いがほぼ途絶している状態ですので、周囲の人の変化というものがわかりません。
ただ、先ほどの永続的な脳の構造変化の論文を思い出しますと、「数年などの時間を経てから、次第に明らかになる気質や認知の変化」が見えてくるということはあり得るのかもしれません。
数年後以降には、ディストピア的なディメンシア・ワールドが出現してしまうのかもしれません。
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