児童発達の専門メディアの記事「幼児の学習における顔の重要性」より
乳幼児たちは生後 1年の間、人々の顔に集中的に注意を向け続ける。 この注目の高まりにより、乳児たちは人の顔が提供しなければならない微妙な情報を学び始めることができるようになる。
乳幼児たちは、視線の先に見える顔を手がかりに、人間のアイデンティティと感情を認識し、言語を覚えていくことを学ぶ。 乳幼児たちはまた、人種や性別など、最も多く目にしたり交流したりする人々の特徴を学んでいく。乳幼児たちは、人々の顔から最も多くを学んでいる。
BOLD 2018/10/24
言語発達における周囲の大人の顔の重要性
アメリカの経済紙ウォールストリート・ジャーナルが、アメリカの 5歳未満の「 250万人の子どもたち」を対象にした、
「言語の発達状況の調査と分析」
についての内容を記事として発表していました。
その内容は、まさに壊滅的であり、たとえば、記事には、以下のような部分があります。
(ウォールストリート・ジャーナルより)
> 5歳までの子どもたちを担当する米国言語聴覚協会の会員 1,000人以上を対象に 4月に発表された世論調査では、言語聴覚士の80%近くが、言語の遅れや言語障害と診断された子どもたちを、他の医師よりも多く診察していることが判明した。 wsj.com
パンデミック中に生まれた子どもや、パンデミック時に赤ちゃんだった子どもに「過去に見られたことのない率での言語発達の遅れ」が見られていることは、一昨年以来、何度も記事にしてきました。
それらの記事は膨大でもあるため、後でリンクさせていただくとして、まずは、ウォールストリート・ジャーナルの報道をご紹介します。
なお、最初に書かせていただきますと、ウォールストリート・ジャーナルのこの記事も、あるいは現在のアメリカの子どもたちの言語発達の遅れとコミュニケーション能力の遅れを報じる他のメディア記事も、
「ロックダウンが最大の原因」
というニュアンスで伝えています。
しかし、それは違います。少なくとも、特定の年齢層には、その理由は適用されません。
なぜなら、このウォールストリート・ジャーナルの記事にも以下のようにある通り、「率として最も影響を受けているのが 1歳代の乳幼児」だからです。
> 2021~22年の間に初めて言葉の遅れと診断される子どもが、2018~19年と比較して、平均 1.6倍増加したことを発見した。研究者らによると、最も増加率が高かったのは 1歳児だった。wsj.com
1歳児までの「学習のための最大のツールは、大人の顔」です。
冒頭に抜粋しましたアメリカの幼児発達メディアの記事には以下のようにあります。
(幼児教育専門メディア Bold より)
> 生後 1年間の学習の大部分は家庭で行われ、親が教師です。注意力、知覚、言語能力、社会的発達の基礎は生後 1年で築かれます。親と子の相互の顔での交流を多く含む支援的な学習環境を提供することは、発達に長期的な影響を与える可能性がある重要なスキルを幼児に教える簡単な方法です。 Bold
つまり、現在のすさまじい言語発達の遅れの最大の理由は、
「乳幼児に関しては、パンデミック中のマスク」
が原因です。
しかも、乳幼児本人のマスクだけではなく、「親を含む、赤ちゃんの周囲の大人のマスク着用」が原因です。
これは推定ではなく「断定」です。
2020年などでは、アメリカで、あるいは日本でも「屋内でもマスクをしましょう」というような狂気が呼びかけられていたことがありますが、そこまでするブレインデッド・ペアレンツは、仮にいなかったとしても、赤ちゃんからすれば、「外出するたびに親の顔がわからなくなる」という状態が、丸1年、2年続いていたわけです。
私の以前からの主張は、
「赤ちゃんの目にはいる大人は誰もマスクをしてはいけない」
というものです。
一瞬たりとも赤ちゃんの前で、大人がマスクをしてはいけない。
生まれた1年間という赤ちゃんの「言語とコミュニケーション獲得能力を発達させるのは大人の顔だけ」です。
赤ちゃんの脳は、生物的に自主的に勝手に成長するのではなく、社会という環境の刺激と共に発達します。その最大の要素が「大人の顔」です。
その最初の1年間で言語発達とコミュニケーション能力の発達要素が剥奪された場合、成長はあとから完全に取り戻すことはできません。
赤ちゃん、あるいは小さな子どもの周囲で大人がマスクをするということの重大な犯罪性をご認識されていただきたいと思います。
それと共に、「妊娠中のお母さんがマスクをする」のは論外です。
お腹の中の赤ちゃんが脳の発達(他のすべての器官もですが)のために最も必要としているは「酸素」です。ほんの数パーセントの酸素の欠如でも、持続的になれば、それは重大な脳成長の阻害の要因になります。
赤ちゃんが生まれてくる以前に、すでに脳成長が阻害される状況を「母親」が自ら作り出しているわけです。
確かにロックダウンは史上最悪の政策だったかもしれないですが、赤ちゃんの潜在的な発達能力を破壊したのはマスクです。
もうそろそろ 2年前にもなる以下の記事で、それらについて書かせていただいています。
[記事] ひとつのジェネレーションを丸ごと認知障害に導いている「悪癖」は各自が自主的に避けていかないと。どうせ今の状態はずっと終わらないのだから
In Deep 2021年8月26日
この記事から、もう 2年ほど経ちますが、いまだに、マスクをしてベビーカーを押すお母さんを毎日見かけます。妊婦さんらしき人でマスクをしている人も見かけます。
それが赤ちゃんに対して、どれだけおぞましい行為か気づく日がくればいいのですが。
ここからウォールストリート・ジャーナルの記事です。
あなたの子どもがまだ話し始めないのなら、それはパンデミックの影響かもしれない
If Your Toddler Isn’t Talking Yet, the Pandemic Might Be to Blame
wsj.com 2023/05/19
Covid-19 パンデミックの長引く影響のリストは数々あるが、そこに子どもが初めて言葉を喋る時期が遅れているという項目が追加されている。
パンデミック後のあらゆる年齢の子どもたちの発達と学力の低下の一部として、言語の遅れと診断される乳児や幼児の数が増加している。
研究によると、パンデミック中またはその少し前に生まれた子どもたちは、それ以前に生まれた子供たちと比べて、コミュニケーションに問題を抱えている可能性が高いことが示されている。
現在、アメリカの言語聴覚士と医師たちは、評価と治療のニーズの高まりに対応するのに苦労している。
「何週間も待っている患者たちがいます」とニューヨークのマウント・サイナイ・ヘルス・システムの発達小児科医であり発達小児科医長であるキャロライン・マルティネス医師は語った。
健康分析会社トルベタ社の研究者たちは、5歳未満の約 250万人の子どもを対象とした分析で、年齢ごとに 2021~22年の間に初めて言葉の遅れと診断される子どもが、2018~19年と比較して平均 1.6倍増加したことを発見した。研究者らによると、最も増加率が高かったのは 1歳児だった。
マルティネス医師と言語聴覚士たちは、社会的孤立とパンデミック関連の親たちのストレスが言葉の遅れの原因となった可能性が高いと述べている。
パンデミック下では家族が治療を開始したり、子どもの検査を受けたりする可能性が低くなり、これまで以上に患者の待機期間が長くなっていたという。
誕生から 5歳までの子どもたちを担当しているアメリカ言語聴覚協会の会員 1,000人以上を対象に 4月に発表された世論調査では、言語聴覚士の 80%近くが、言語の遅れや言語障害と診断された子どもたちを、他の医師よりも多く診察していることが判明した。5人に 4人近くが、パンデミック前よりも多くの社会的コミュニケーションに困難を抱える子どもたちを治療していると報告した。
言語発達の専門家たちは、コミュニケーションに問題がある子どもは、その後、学校でより困難に直面する傾向があるため、言葉の遅れがある幼児はできるだけ早く治療を受ける必要があると述べた。
バージニア州フェアファックス郡の言語聴覚士である ジャネット・リーフ氏は、話す力と言語スキルは将来の読解能力の強力な指標であると述べた。
「その後の学業での成功と確実に関係があります」とリーフ氏は言う。
2019年9月に息子のエヴァン君が生まれたケイトリン・サボさんは、エヴァン君が 1歳半のときに他の子たちに比べて言葉が少ないことに気づいたと語った。
「私は彼が成長してくれることを願い続けていました」とエヴァン君と夫とともにバージニア州ハーンドンに住むサボさん(34)は語った。ほとんどの子どもたちが、言葉のレパートリーは少ないながらも通常の会話をし始める 2歳の時点で、エヴァン君は、ジェスチャーはしていたが、ほとんど話すことができなかった。
その半年後、数マイル離れた場所で、34歳のメアリー・リーバートンさんは、生後 18か月の娘ソフィーちゃんが、喃語 (※ ダーダーなどの赤ちゃん語)は口にするが、その喃語が意味をなさないことに気づいた。
ソフィーちゃんとエヴァン君を治療したリーフ氏は、パンデミック中にそのような症例を多く見たと語った。
ソフィーちゃんとエヴァン君同様に、彼らは肉親以外の人々と交流したことがなかったことがよくあった。社交性の欠如が彼らの言葉や言語の遅れの一因となっている可能性が高いと彼女は述べた。パンデミック中のマスクが幼児の言葉の遅れに寄与したことを示す有力な研究はないとリーフ氏は言う。
ソフィーちゃんとエヴァン君には異なる治療アプローチが必要だったとリーフ氏は語った。エヴァンちゃんには、自分が望んでいることを言葉で表現する前に、それを指さすことを覚えた、と彼女は語った。
リーフ氏はエヴァン君の母親に、彼の指さしを特定の音や言葉と結びつける方法を教えた。
母親によると、エヴァン君は 2022年9月までに仲間たちに追いつき、ひっきりなしにおしゃべりをするようになったという。彼女は彼が幼稚園で元気に育っていると述べた。
リーフ氏が 2022年2月にソフィーちゃんの治療を始めたとき、ソフィーちゃんはまだ喃語だけで、指を差したり身振り手振りはしていなかった。
リーフ氏は家族に、ソフィーちゃんが望むことを伝えるための言葉にはアメリカの手話を使うよう勧めるように教えた。
ソフィーちゃんはすぐにそれを理解し、リーフ氏はジェスチャーに特定の単語をマークし始めた。数週間後、彼女はお腹が空いたときに「チーズ」と手話するだけでなく、「チー!」と手話して言うようになった。半年後、彼女は手話なしでその言葉を言うようになった。
ソフィーちゃんは文章で話すことを学んだが、依然として明瞭な表現に問題がある。母親によると、彼女は内気で他の子どもたちに対してあまり自信が持てないという。
「ソフィーは、自分の口から出てくる言葉が他の人々の言葉と一致しないことを知っています」とリーバートンさんは言う。
彼女はそれが時間と練習によって変わることを望んでいる。
ここまでです。
ここに出てくる言語聴覚士であるジャネット・リーフ氏という方が言う、
「パンデミック中のマスクが幼児の言葉の遅れに寄与したことを示す有力な研究はない」
という言葉が今の社会を物語っています。
以下の表現と同じですよ。
「パンデミック中のワクチンが、ガンの増加に寄与したことを示す有力な研究はない」
妊婦さんのマスクの胎児の脳に対する強力な影響
今年 3月の「…なぜ(特に子どもの)脳の破壊ばかりが繰り返されるのか」という記事で、日本の医師の方のブログから抜粋していますが、
「人間は、吸った酸素の25%を、脳が消費している」
ことを知りました。若ければ若いほど、酸素がさらに必要となるはずです。
お腹の赤ちゃんの場合は、脳の最初の成長が含まれているので、酸素の重要性はさらに大きなものとなります。
どの程度、マスクにより酸素が奪われるかは、季節や状況によって異なるでしょうけれど、たとえば、2021年のドイツの研究に以下のようにあります。
2021年3月のドイツ人研究者によるマスク着用に関するメタ研究より
英国の実験的調査研究では、マスク着用は、特に運動中に、8歳から 11歳までの 100人の学童にしばしば熱感と呼吸障害を引き起こした。身体活動中に 24%の子どももたちが失神した。
シンガポールの科学者たちは、科学誌ネイチャーに掲載された研究で、FFP2マスクをわずか 5分間着用した 7〜 14歳の 106人の子どもたちが吸気および呼気の CO2 レベルの増加を示し、呼吸障害を示していることが実証された。
…評価によると、マスク着用者の 60%が、最大 10段階のストレスレベルで最も高い 10レベルのストレスを示した。ストレスレベルが 8未満だったのは、マスク着用者の 10%未満だけだった。
専門家たちによると、マスクは人間のコミュニケーションと感情の交換の基盤をブロックし、学習を妨げるだけでなく、笑顔、笑い、感情的な模倣のプラスの効果を子どもたちから奪うことがわかっている。
ジャネット・リーフ氏がどう言おうと、このような研究は多数あります。
また、上の論文には、マスク着用者の 60%に「最高度のストレスがかかる」とありますが、妊娠中の女性が、そういうストレスを受けた場合、どうなるか。胎児への影響についてです。
以下は、アメリカの細胞生物学者のブルース・リプトン著『思考のすごい力 心はいかにして細胞をコントロールするか』からの抜粋です。
『思考のすごい力』より
発達中の胎児は母親の血液から栄養分をもらう。だがそれだけでない。
母親が糖尿病ならば、胎児は母親の血液から余分なグルコースをもらう。また、母親が慢性的にストレスを感じていれば、コルチゾルなど、闘争・逃走反応を引き起こすストレスホルモンも受け取るが、このあたりのしくみは、研究でほぼ明らかになっている。
ストレスホルモンは身体に防衛反応を呼び起こすホルモンである。母親が発したこれらのシグナルが胎児の血流に入ると、母親の胎内と同じ標的組織や標的器官に影響を及ぼす。
ストレスに満ちた環境では、胎児の血液は筋肉や脳の後方に優先的に流れる。その結果、腕や脚、それに、脳の中でも、とくに生命維持に必要な反射行動を行う部分に、栄養分が供給される。
防衛関連システムの機能を助けるために、内臓への血液量が減少する。かつ、ストレスホルモンの作用で、脳の前方部分の機能が抑制される。
母親のストレスは、ほぼダイレクトに、お腹の中の赤ちゃんのストレスとなり、「内臓への血液量が減り、脳の前方部分、つまり大脳の機能が抑制される」のです。
・酸素不足
・最高度のストレス
・感情の抑圧
このような状態を、妊娠中の女性が「常時」受け続けていて、それで「健全な子どもが生まれる」と本気で考える人がいるなら、その人は、リーフ氏同様の本物のイディオットです。
妊婦さんのマスク着用が、死産や胎児の脳神経の損傷と関係していることを示したドイツの研究を以下の記事で取り上げています。
[記事] 妊婦のマスク着用は「死産、催奇形性、胎児の脳神経の損傷」と関係するとした最新のドイツの研究。それらの赤ちゃんの損傷は「不可逆的」
In Deep 2023年4月26日
以下は、「パンデミック後の子どもたちの言語とコミュニケーション能力、あるいは学習能力の問題」についての過去記事です。
時期は順不同となっています。
子どもたちの言語とコミュニケーション能力、あるいは学習能力の問題についての過去記事
・パンデミック中に生まれた子どもたちの IQ が認知障害のレベルにまで低下していることがアメリカの研究により見出される
2021年8月15日
・マスクによる乳幼児の「深刻な言葉の遅れ」の増加率が「364%」に達しているとアメリカのセラピストが声明
2022年1月20日
・ブラジルの6歳と7歳の読み書きのできない子どもの数がパンデミックの2年間で100万人増加し、「4割が識字できない」状態に
2022年2月10日
・米国CDCが言語発達基準を「生後24ヵ月で50語」から「生後30ヵ月で50語」に変更
2022年2月22日
・ドイツの調査で、小学校高学年の読解力の低下が壊滅的に
2022年3月27日
・アメリカで、幼稚園から高校まですべての世代の子どもたちが、マスクとロックダウンの後遺症で知的にボロボロに
2022年7月12日
・韓国で小さな子どもの「極端な言語発達の遅れ」が拡大している
2022年7月4日
・アメリカの学校制度が崩壊している
2023年1月22日
・ アメリカの学生の数学の平均スコアが「統計が開始された 53年間で最大の急落」を起こしていた
2022年10月25日
・アメリカの9歳の児童の学力スコアが過去30年で最大の下落
2022年10月16日
・アメリカで、パンデミック後の子どもたちの「双方向の会話」能力と読解力が壊滅的な崩壊に瀕している
2022年5月15日
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