道は着実に築かれ続けている
WHO 世界保健機構が最近、「パンデミック条約」というものの計画を発表していたことをアメリカのブラウンストーン研究所の記事で知りました。
今回はその記事をご紹介しますが、記事を読んだ限りですと、
「公衆衛生上の問題が起きた際のすべての権限がそれぞれの国家ではなく WHO に移行する」
というようなもののようです。
世界保健機構のそのページは以下にあります。
世界保健総会は、パンデミックの予防、準備、対応に関する歴史的な世界的合意を発展させるためのプロセスを開始することに同意した
World Health Assembly agrees to launch process to develop historic global accord on pandemic prevention, preparedness and response
まずは、このことにふれていた米ブラウンストーン研究所の記事をご紹介させていただきます。
WHOのパンデミック条約は国際デジタルパスポートとIDシステムに結びついている
The WHO Treaty Is Tied to a Global Digital Passport and ID System
brownstone.org 2022/05/24
WHOは最近、デジタルパスポートとデジタルIDシステムに関連する国際的なパンデミック条約の計画を発表した。
2021年12月、WHO が 1948年に設立されて以来 2回目となる特別セッションで会合を開き、WHOの保健総会は「The World Together」というタイトルの単一の決定を採択した。
WHOは、2024年までに条約を締結する予定だ。
これは、パンデミックの際に、加盟国を WHO の改訂された国際保健規則に法的に拘束することにより、主権国家に現在留保されている統治権限を WHO に移すことを目的としている。
2022年1月、米国は 2005年の国際保健規則の改正案を提出した。
これは 194の国連加盟国すべてを拘束し、WHO の総局長がこれを受け入れて他の加盟国に転送した。米国自身の憲法の改正とは対照的に、これらの改正は米国上院の 3分の 2の投票を必要とせず、加盟国の単純な過半数を必要とするだけだ。
国民のほとんどは、加盟国の国家主権に影響を与えるこれらの変化に完全に気づいていない。
提案された改正案には、とりわけ、以下が含まれる。変更の中で、WHOは、そのような報告に基づいて行動を起こす前に、報告された懸念事項(例えば、新たなアウトブレイク)が発生しているとされる国と協議したり、国から検証を得ようとしたりする必要がなくなる(第 9.1条)。
第12条に基づく国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を決定する権限に加えて、WHOには、地域的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を決定する追加の権限、および「中間健康警報」と呼ばれるカテゴリーが付与される。
関連する国は、その事象が国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を構成するという WHO 事務局長の決定に同意する必要がなくなる。
新しい緊急委員会が WHO に設立され、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態が発生した国の代わりに WHO 総局長が協議し、緊急事態を宣言する。
この改正はまた、関連する国の選出された代表者たちではなく、WHO 内の「地域ディレクター」に地域の懸念の公衆衛生緊急事態を宣言する法的権限を与えることになるだろう。
また、その事象が国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態の基準を満たしていない場合でも、WHO 事務局長が、その事象に対して、国際的な公衆衛生対応が必要であると判断した場合、事務局長はいつでも「中間公衆衛生警報」を発行することを決定できる。 これは WHO の緊急委員会に相談される。
これらの改正を通じて、WHO は米国の支援を受けて、中国がコロナの初期に立てた障害に対応しているように見える。しかし、提案された改正の正味の効果は、主権国家(私たちの米国を含む)から、選出されていない WHO 官僚への権力のシフトだ。
すべての変化の推進力は、WHO に委任され、加盟国から離れた権力の拡大と権力の集中化に向けられている。
カナダ議会の議員であり、国際的な経験を持つ弁護士であるレスリン・ルイス氏は、この条約により、WHO が一方的にパンデミックを構成するものを決定し、パンデミックが発生したときに宣言することができると警告している。「全世界に万能のアプローチをとることができるようになります」とルイス氏は警告した。
提案された、この WHO プロジェクトでは、パンデミックは感染症に限定される必要はなく、たとえば、宣言された「肥満の危機」を含む可能性がある。
この計画の一環として、WHO はドイツを拠点とするドイツテレコムの子会社である T-Systems と契約し、 地球上のすべての人を QR コードデジタルID にリンクする計画として、グローバルワクチンパスポートシステムを開発した。WHO のデジタルヘルスおよびイノベーション部門の責任者ガレット・メール氏は以下のように述べている。
「改ざん防止とデジタル検証可能なワクチン接種証明書は信頼を築きます。したがって、WHO は、国および地域の信頼ネットワークと検証技術の構築において加盟国を支援しています。 WHO のゲートウェイサービスは、地域システム間の架け橋としても機能します。また、これは将来の予防接種キャンペーンや在宅記録の一部として使用することもできます」
このシステムは、普遍的で、義務的で、国境を越えており、それは、独占された NGO の選出されていない官僚たちによって運営されているが、この NGO はすでに初期のコロナのパンデミックへの対応を失敗させている集団でもある。
ここまでです。
先ほどの WHO のページによれば、2024年までにこの条約を可決する予定のようです。
まあ…この WHO というのは、コロナのパンデミックの最初の頃から気になっていた存在ではありまして、WHO からパンデミックが宣言されて比較的すぐの時期の以下の記事などもあります。
[記事] 誰かが「完全な破壊」を目指している:世界保健機構の守り神はヒンドゥー教の破壊と再生の神であるシヴァである模様…
In Deep 2020年4月17日
WHOのテドロス事務局長が、2019年1月の「中国の保健当局との会議」の写真をテドロス氏が自身のツイッターに投稿していたのですが、会議の卓の中央に、ヒンドゥー教の主要な神である「シヴァ神」の像が置かれていることを、イスラエルのメディアが疑問視した記事をご紹介しています。
2019年1月のWHOのテドロス事務局長と中国の保健当局との会議
DrTedros
そのイスラエルのメディアは、以下のように書いています。
> ヒンズー教は中国政府によって承認された 5つの宗教の 1つではなく、なぜ中国の公的な会議で、ヒンズー教の神の像が会場に展示されたのかは不明だ。 (BIN)
この写真は今でも、テドロス事務局長のツイッターに残っています。
いずれにしましても、WHO は現在、WHO が組織されて以来「最大の変革」を成し遂げようとしているようです。
たとえば、この2年間、WHO はコロナ対策についてさまざまな意見を述べてきましたけれど、「実際的な対応は各国の保健当局によるもの」でした。アメリカなどでは、州によってもずいぶんと対応が異なっていたりしていたものでした。
この新しい条約が発効した場合、
「すべて WHO が直接指揮できる」
ことになるのかもしれません。各国政府の管理権限がなくなることになります。
各国は、WHO の方針通りに動くだけになる。
米ブラウンストーン研究所の記事は、それに対しての危惧を述べていたものです。
ブラウンストーン研究所の記事といえば、以下でも取り上げたことがあります。
[記事] 「世界経済フォーラムの次のステップ」という記事で見たパートナー企業一覧を見て苦笑と絶望の合間に揺れる静かな春
In Deep 2022年2月21日
また、ロシアの RIA 通信が、このブラウンストーン研究所の創設者であるジェフリー・タッカー氏の言葉を紹介していました。
「西側諸国は新しい野蛮主義の時代を開いた」というタイトルの記事でした。
以下のように始まる記事でした。
> 不気味な獣が私たちの世界を攻撃している、と米ブラウンストーン研究所の創設者であり、作家であるアメリカ人のジェフリー・タッカー氏は述べている。そして、これらの獣はロシアではなく、それはすべて以前から始まっていたと。 (RIA)
こちらの過去記事の後半でこの RIA 通信の記事を翻訳しています。
ロシア側の見解としては、もうヨーロッパに対しての憧れも、また怒りさえもすでになく、「同情心だけが残っている」としています。
この「同情だけが残っている」という言葉をご紹介したくて取り上げたのかもしれません。
この同情という概念は、まったく日本にも向いています。
新しい野蛮主義の時代を開いた西側諸国にべったりと寄り添い、時期はいつかはわからないですが、金融危機、食糧危機、エネルギー危機、そして恐慌時代に西側と共に入りこもうとしている。
書いたことがあるような気もしますが、太平洋戦争の時は「日本が敗戦するまで誰もそれに気づかなかった」ということが仮にあったとした場合、今度も同じなのかなという気もします。
気づいた時には、今回の WHO の条約のような「新しい支配システム」に取り入れられて身動きがとれなくなっているのかもしれません。
国家としての日本はともかく、私たち個人としては、そこに対応する方法を考えて生きるしかないのですかね。
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