主要国で一斉に噴出する「XBBはワクチンを回避する」報道
前回まで、免疫の話などを少し書いたりしていました。
[記事] コロナワクチンの最大の問題点がようやくわかってきた
In Deep 2023年1月4日
打てば打つほど、免疫抑制の力が働くために、どんどんウイルスに対しての防御能力が失われていくという「可能性」についてのことでした。断定するつもりはありません。
その後いくつかの報道などを見ていましたら、今年 1月の始まりあたりから唐突というような感じで、
「現在流行が主流となっている変異株にワクチンの効果がない可能性」
についての報道が怒濤のように示されていることに気づきました。
最近は、英文字の変異株の名前を覚えるのが面倒で(横文字嫌いでして)、最近の変異株の名称には無頓着でしたので、気づかなかったのですが、
「 XBB.1.5 」
という変異株だそうです。
最初にこれにふれていたのは、米ウォールストリート・ジャーナルの以下の記事だと思います。1月1日の記事です。
(報道) Are Vaccines Fueling New Covid Variants?
数々のワクチンが新しいコロナ変異株を助長しているのだろうか?
その後、以下のような怒濤の報道の連続となっています。
すべて報道のタイトルとそのリンクです。言語がそえられているものは、報道はその言語です。
XBB1.5変異株とワクチンについてタイトルにした最近の報道
(韓国 / 日本語) 現行ワクチンが効かないオミクロン派生「XBB.1.5」 韓国流入を確認 (朝鮮日報 2023/01/03)
(米国 / 中国語) 専門家: ワクチンを接種すればするほど、XBB 変異株の影響を受けやすくなる (2023/01/04)
专家:接种疫苗越多 越易感染XBB变种
(英国) XBB.1.5 はどれほど危険なのか? それはすでに支配的なコロナ株なのか? そして、ワクチン効果はまだ機能しているのだろうか? (Daily Mail 2023/01/02)
How dangerous is XBB.1.5? Is it already the dominant Covid strain? And do the jabs still work?
(トルコ) 「XBB.1.5」世界の不安。非常に伝染性の高い亜種は、免疫も回避する (trthaber.com 2023/01/04)
Dünyada 'XBB.1.5' tedirginliği: Bulaşıcılığı yüksek olan bu varyant bağışıklıktan da kaçıyor
(台湾) XBBは最強のウイルス株になった:医師は、次世代非対応の4回目接種をしても無駄であると確信している (TVBS 2023/01/04)
XBB成最強病毒株 醫:打非次世代第四劑、確診過都沒用
(日本) コロナ「BQ.1.1」「XBB」、従来ワクチンの予防効果低く (日本経済新聞 2022/12/15)
(米国 / 日本語) NYで発見のオミクロン派生XBB.1.5、1週間で優勢に 抗体薬効かない可能性 (フォーブス 2023/01/05)
一番下に示したフォーブスの記事は、米フォーブスの記事を日本語にしたものですが、この記事の中の「XBB.1.5に関する5つの疑問」というセクションには以下のように書かれています。
XBB.1.5に関する5つの疑問
1. 感染力はさらに強まったのか?
2. 重症化の危険性は高まったのか?
3. ワクチン接種で得た免疫、自然免疫を逃れる力は強まったのか?
4. 現在ある治療法・薬は有効なのか?
5. 特に警戒すべきことはあるのか?
これに対する記事の執筆者の答えは以下のようになっていました。赤で示しました。
XBB.1.5に関する5つの疑問への回答
1. 感染力はさらに強まったのか?
「恐らくそうだ」2. 重症化の危険性は高まったのか?
「今のところ、そうは見えない」3. ワクチン接種で得た免疫、自然免疫を逃れる力は強まったのか?
「そのようだ」4. 現在ある治療法・薬は有効なのか?
「これまで有効とされてきたモノクローナル抗体薬はいずれも、基本的にはXBB.1.5に対し、ほとんど効果がないとみられている」5. 特に警戒すべきことはあるのか?
「答えは、これまでと変わらない。高品質のマスクを着用し、換気や空気のろ過を行い、必要な検査を受け、ワクチン接種を受けること」
と、最後には「いい加減にしろ」という答えで終わるのですが、「3」で、「ワクチン接種で得た免疫、自然免疫を逃れる力は強まったのか?」という答えに、「そのようだ」と答えていて、その後に、対策として、
「ワクチン接種を受けること」
と述べているあたり、「どんな専門家だよ…」と、お名前を見てみますと……
!!!
これを書いた方は、以下のようなお名前でした。
「ブルース・リー!」
そうかあ…ブルース・リー先生がそう言うか……。
まあ、ともかくですね。
こんな感じで、全世界で一斉というような感じで、
「新しい変異株は、ワクチン免疫を回避する可能性が高い」
ということを連呼し始めているのでした。
「なーんかヤな感じ」とは思います。
「今度は何を推奨してくるつもりなんだよ」と。
緑茶か? 海藻か? (それならいいことじゃねえかよ)
ああまあ、それならいいんですけれど、どこかの企業が、
「3価ワクチンが完成しました!」
とか、もう本当に勘弁してくれ、というような展開がないことを祈るばかりです。
緑茶だけじゃなく、紅茶も飲もうとか(それもいいことじゃねえかよ)。
(参考報道) お茶で新型コロナ無害化 1分間で最大99% 奈良県立医大 (産経新聞 2020/11/27)
> 最も効果が高かったのは茶葉から淹れた紅茶で、感染力のあるウイルスは 1分間で 100分の 1、10分間で千分の 1以下にまで減少した。
そういえば、最近は、「コロナにいいもの」についてあまり書いていませんが、少し過去記事を思い出しました。
いいものたちを思い出す
私自身については、予防というのか、この 3年間の心がけというのは、前回の記事で書きました、
・緑茶とか紅茶をよく飲んで
・手をほとんど洗わないで
・マスクをしない
ということだけですが……ちなみに、これは冗談ではなく本当です。本当に丸 3年実行しました。あと、太陽光(あるいは、それが難しいならビタミンD)は大事ですね。
それにしても、この 3年間、「風邪っぽいことになったことが一度もなかった」というのはありがたいです。自分の人生で 3年間も風邪っぽい症状を経験しなかったのは、これが初めてのことです(子どもの時など 1年で10回くらい風邪引いてました)。
一般的には、こんな程度で十分かとも思うのですが、しかしまあ、現在の中国などの報道での状況を見ていますと、
「今度はなかなか厳しい気がする」
というのも確かですので、上の三原則に加えて、以前よく飲んでいた松葉茶とかエキナセア茶とかタンポポ茶とか(お茶ばっかりかよ)、これからまた飲むようにしようと思います。
そういえば、2020年にインドのエラ医科大学による研究で、「食品に含まれている新型コロナウイルスに有効な成分」の上位が示されていました。
この頃の新型コロナウイルスは「武漢株」ですが、今でも有効なものもまだあるかもしれません。
インドのエラ医科大学の研究による新型コロナウイルスに有効な成分(カッコ内はそれが含まれている食品等)
1位 . エピガロカテキンガレート (緑茶)
2位 . クルクミン (ウコン)
3位 . アピゲニン (パセリ、セロリ、グァバ)
4位 . ベータグルカン (きのこ類、最も多いのは、ハナビラタケ)
5位 . ミリセチン (クルミ、ブドウ、ベリー類)
6位 . ケルセチン (たまねぎ、そば、りんご)
7位 . ピペリン (黒コショウ)
8位 . ゲニステイン (大豆)
9位 . ジアゼイン (大豆)
10位. フェルラ酸 (コメ、大麦、小麦)
この論文は、以下の 2020年の記事でご紹介しています。もう 3年近く前の記事ですけれど、今でも役立つものがあるといいなと思います。
[記事] 治療薬として有望なクロロキン等より「緑茶に含まれるエピガロカテキンガレートのほうが新型コロナウイルスへの抗ウイルス作用がはるかに高い」ことが公開された論文で判明。そして思う日本人の日常食のすごさ
In Deep 2020年4月3日
あと、同じ頃の以下の記事の後半には、緑茶の効用について書かれた 11の論文をリンクしています。
[記事] 緑茶の効用 : コロナウイルス感染予防策として浮上した緑茶は、抗ガン作用、抗肥満作用、抗不安作用を含む多くの驚異的な効用を持っていることを数々の論文から知る
In Deep 2020年4月12日
まあ、緑茶はとにかく悪いものではないです。
飲み過ぎると、目と肌が緑色に変色してきますけどね(ウソはやめろよ)。
まあ、この XBB1.5 変異株はいろいろな国ですでに優勢になっていまして、インドなどは、すでに「コロナの 6割がこの変異株」だと報じられていました。
オミクロン XBB 変異株は、インドで報告されたコロナ症例の 63%を占めている
Omicron variant XBB makes up 63% of covid cases reported in India
mint 2023/1/04
過去の例では、ひとつの変異株が一度優勢になると、そのまま、それが世界的に席巻してきましたので、今回も期間はわからないですが、そうなるのではないですかね。
現在の中国などの報道やソーシャルネットを見ますと、それがこの変異株なのかどうかはわからないですが、「これまでとは異なる」ということが何となく出ていまして、しかし、中国は正式な重症率や死亡者数を公表していないですので、重症化しやすいものかどうかはわかりません。
ただ、感染拡大状況と、症状は以前とは何となく違うなと。
最近の中国の報道に関しては、以下などに翻訳を載せています。
(2023年1月の中国のコロナ報道)
・[オミクロンXBB.1.5は便失禁を引き起こすと中国で噂されている]という香港の報道 (2023/01/05)
・[上海の住民の70%以上が感染している]という報道 (2023/01/04)
・中国の新たなコロナの流行の中で「下痢止め」が売り切れ続出、という報道 (2023/01/04)
・中国の現在のコロナ流行の中で伝えられる、赤ちゃんと子どもたちの重症事例 (2023/01/04)
・…内モンゴルの調査では、「無症候性の感染者は全体のたった1.75%」(2023/01/02)
・広がる「白い肺」:現在の中国のコロナ患者の大部分が何らかの肺炎を患っているという医師からの報告 (2023/01/01)
あと、中国の報道で気になるのは、
「二度目の感染」
という言葉が多く見られることです。
しかし、これは、その二度目の感染の期間などについて具体的に書かれているものがあまりないですので、ふれないですが、自然感染にしろ、ワクチン抗体にしろ、
「以前の免疫はあまり意味をなさない」
ということはいえるようです。
とはいえ、これは振り出しに戻ったのではなく、悪い方向にマイナス進行しているということについては、前回の「コロナワクチンの最大の問題点がようやくわかってきた」などをご参照いただければと思います。
いろいろと長くなってしまいましたが、1月1日の米ウォールストリート・ジャーナルの記事を取りあげていたメディア記事をご紹介します。
このウォールストリートジャーナルの記事の中で、
> 巨大な成長優位性を持つ複数の亜種がこのように急速かつ同時に出現することは前例がない。
と述べられていまして、「前例がないことが起きている中で私たちは生きている」ということになりそうです。
何百年もの感染症研究の歴史の中で前例がないようなことが、「自然に起こり得るものかどうか」は何ともいえないですが、そうではないと考えるのも合理的には思えます。
ともかく、前例のない状態に今の世界はあります。
ウォールストリート・ジャーナルは、COVID ワクチンが「 COVID 亜種を進化させる可能性がある」ことを示唆する厄介なデータを提供した
Pandemic of the Vaccinated: Wall Street Journal Provides Troubling Data Suggesting COVID Vaccines ‘May be’ Causing COVID Variants to Evolve
SOTT 2023/01/02
最近のウォールストリート・ジャーナルに掲載された記事は、Covid の発生がワクチン接種を受けたほとんどの人に大きな影響を与えたことを示唆している。
ワクチン接種を繰り返すと、人々が XBB 変異株に対してより脆弱になり、ウイルスの急速な進化に寄与する可能性を指摘する研究がますます増えているとウォールストリート・ジャーナルは指摘した。
アメリカ疾病管理予防センター (CDC)が、米国での新たな感染の原因である「XBB」として知られる新しい COVID-19 変異株を監視していると発表したのは昨年 10月のことだった。
CDC は、シンガポールで症例の急増を引き起こした後、「これまでで最もワクチン耐性がある」 と呼んだ。
米メディア「ベリーウェル・ヘルス」は、「予備調査では、オミクロン亜変種 XBB は感染リスクが高く、ブースター ワクチンや抗体医薬品による中和抗体に対してより耐性がある可能性があることが示唆されている」と述べている。
「 XBB が他の亜種より致命的であるかどうかは明らかではないが、変異により、以前の自然感染やワクチン、既存のモノクローナル抗体治療から抗体を回避することができることが示されている」
ウォールストリート・ジャーナルは、以下のように報告した。
ウォールストリート・ジャーナルより
12月19日に科学誌ネイチャーに掲載された研究には、「巨大な成長優位性を持つ複数の亜種が、このように急速かつ同時に出現することは前例がない」と記されている。
選択的進化の圧力の下で、ウイルスはより容易に伝染し、ワクチンや以前の感染によって誘発された抗体を逃れることを可能にする突然変異を発達させたようだ。
同じ研究では、免疫刷り込みがウイルスの進化に寄与している可能性があると仮定している。ワクチンは、武漢の元の亜種を記憶して打ち倒すように免疫システムを訓練するのには適している。
しかし、新しく著しく異なる菌株が現れると、免疫システムはあまり効果的に反応しなくなる。
武漢および BA.5 変異株を標的とする 2価ワクチン (または後者の自然感染)は、免疫系に、2つの株に共通するウイルス領域を標的とする抗体の産生を促す。
ダーウィンの言葉を借りれば、ウイルスが共通の抗体を回避できるようにする突然変異が勝利するということになる。XBB 変異株は、ワクチンや画期的な感染によって誘発される抗体を逃れるように進化してきた。
医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの研究では、免疫の刷り込みによって引き起こされる脆弱性について、より多くの証拠が示されている。
二価ワクチンを投与された人々の中和抗体は、元の武漢株に対しては XBB に対するものより 26倍高く、オミクロンおよび BA.5 変異株に対するものよりも 4倍高かった。
同様に、医学誌セルに今月掲載された研究では、4回のワクチン接種を受けた人々の抗体レベルは、元の武漢株に対して、 XBB 変異株の 145倍であることがわかった。二価ブースターは、XBB に対する抗体をわずかにしか増加させなかった。
それにもかかわらず、専門家たちは、二価ブースターが XBB に対する保護を向上させるといまだに主張している。彼らの好きな言葉を使えば、それはフェイク情報だ。
2年前、ワクチンは、特に高齢者や、糖尿病や肥満などの健康上のリスクを持つ人々の間で、重篤な病気を減らすのに役立った。
しかし、ブースター接種がもたらす利益が減少しており、個人や集団全体が XBB のような新しい亜種に対してより脆弱になった可能性さえあることを専門家たちは認めようとしていない。
この秋、世界で最も高いワクチン接種率とブースター率を誇るシンガポールで XBB が急増したのは偶然ではないかもしれない。
過去数週間で、XBB 株がニューヨーク州、ニュージャージー州、コネチカット州、マサチューセッツ州で優勢になり、遺伝子配列が決定されたサンプルの約 4分の 3を占めた。
この亜種は、他の地域では拡大が遅く、米中西部ではわずか 6%、南部では約 20%を占めている。最も優勢となっている米北東部は、米国で最もワクチン接種率が高い地域でもある。
米北東部では、入院数も増加しているが、主に 70歳以上の人々の間で発生している。
その理由の 1つとして、高齢者では、免疫の最前線である T細胞の応答が弱いためかもしれない。ウイルスは、ワクチンや感染症によって誘発された T細胞を抗体と同じように簡単に回避することはできない。
しかし、この T細胞のおかげで、若い人たちはまだ新しい亜種から十分に保護されている。
ここまでです。
珍しく専門家たちの態度を批判していますが、日本では、いまだにワクチン推奨報道が複数見られているような状況でして、世界で最もどうにもならなくなっている国となっているのかもしれません。
予測される、その未来の状況と人口動態はかなり明白です。
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