免疫抑制の本質
ワクチン接種キャンペーンが始まって、日本でもそろそろ2年近くとなろうとしています。まあ……早いものですね。
その間、日本はついにブースター接種率で世界一という記録を更新し続けている (現在、約131%)ということになっています。
ブースター接種率の比較は、もはや日本に追随できる国はなくなっているというのが現状で、大陸同士との比較では以下ほど差がついています。
1年近く前から、ヨーロッパや北米では累積の曲線が平行に近いことを示していまして、つまり「その頃から、すでにブースターを打っている人は、欧米にはほとんどいなかった」ことを示しています。
その後も著しいグラフの上昇を示しているのは、この中では日本だけです。
それはまあいいとして、最近、IgG という抗体などに絡んだ「免疫抑制」について、何度か記事で記していました。以下の記事の中盤にあります。
[記事] パンデミック以来最大の危機が迫る中、「日本のコロナ死と小児の重症化」に関するショッキングなデータの内容を知る
In Deep 2022年12月31日
それでまあ……今回のタイトルでは「最大の問題点」という表現を使っていますが、これが今となって明確になってきたのかなと思ったのです。
これまでの2年ほどの私は、「ワクチンそのものの害と影響」について囚われすぎていたような感じがありまして、つまり、副作用とか後遺症とかですが、もっと全体的に、そして相対的に考える余裕がなかったのかもしれません。
このワクチンの「最大の問題点」とは、
「コロナにかかりやすくなる」
この一点です。
先日、米メリーランド大学の論文を知りまして、新型コロナウイルスの自然感染についての話ですが、
「後の統合失調症と関係する」
ということと、「母親の感染は、その子どもの統合失調症に受け継がれる可能性」についてのものでした。以下に概要のみ翻訳しています。
(論文) [ヒトコロナウイルスは精神病性障害に関連している]という論文 (2023/01/03)
論文の概要には以下のように書かれています。
(論文より)
> いくつかのヒトコロナウイルスは精神病性障害に関連しており、COVID-19 の神経精神症状の報告が増えていることから、他のヒトコロナウイルスと同様の神経侵襲特性があることが示唆されています。
>
> これらの特性は、大規模な炎症反応を生成する能力と併せて、COVID-19 が将来の精神病理にも寄与する可能性があることを示唆しています。
>
> この論文では、精神病性障害の発症に寄与する可能性のある COVID-19 の神経侵襲性および炎症性について、子宮内、新生児、および小児期の曝露に焦点を当てて説明します。 (sciencedirect.com)
2020年頃には、「新型コロナウイルス感染症(自然感染)が、どれほど広範囲に長期間の身体への影響を残すか」について、よく書いていました。
このウイルスは、その HIV 的な性質を含めて「普通のウイルスではない」ということを日々知っていきました。
よく「単なる風邪」とか言われることがありますが、それは症状の面だけであり、本質はまるで違う。コロナウイルスのスパイクタンパク質が、身体や精神に長い期間及ぼす影響は、HIV と並べて語ることのできるものであることも日々知りました。
その影響の時間的スパンは、数年、十数年後に出てくるようなものである可能性があります。
つまり、
「こういうものには、できるなら感染・発症しないほうがいい」
ということです。
どんな感染症でも、完全に感染や発症を防ぐ方法があるウイルスは存在しませんが、しかし「なるべく自分や家族の身体を防御するために努力をすることは悪いことではない」とも思っていました。
ま、積極的に緑茶を飲んだり、海藻を食べたり、とかですかね。
私個人の話でいえば、「手を消毒しない」とか(私は、この3年間、単なる石鹸も含めて、あらゆる消毒剤を使っていません)。身体のあらゆる常在菌がどれだけウイルスから人間を守ってくれているのか、あるいは過剰な衛生がどけだけ人を不健康にするかを知ったのも、この 3年間のことでした。故藤田紘一郎さんの常在菌の理論には救われました。
あと、マスクを着用しない、というのは、副鼻腔の一酸化窒素の恩恵を得るためにも、感染症予防の正道中の正道です。これに勝る感染症予防法はないほどです。
しかし……結局、感染症でなくとも、どんな病気に対しても、
「免疫を高めることほど優れた予防法はない」
ことは、異論を差し挟む余地がないと思われます。
風邪でもガンでも何でもです。
ところが、その後に登場したコロナワクチンには、
「非常に多岐にわたる免疫抑制作用がある」
ことが日に日にわかってきたわけです。
つまり、「どう考えても、打つほどにかかりやすくなる」という懸念が生じてきたわけです。
先ほどの記事の IgG3 と IgG4 というものについてもそうです。
サイエンスに掲載された論文のグラフより
science.org
さらに、以下の記事の後半では、「抗原原罪」という概念にもふれています。
[記事]これは、2020年のプロパガンダ武漢コロナとはまったく異なるのだから
In Deep 2023年1月2日
これまで日本では、最大 5回の接種が行われてきましたが、この秋からの二価ワクチンといわれるものには、オミクロン株対応の抗体と共に、武漢株対応の抗体も含まれているため、最大数を接種された方々は、結果として、
武漢株、武漢株、武漢株、武漢株、武漢株
という「同一抗原の連続投与」という状態となっています。
同一抗原の連続接種の問題については、以下の記事で取りあげました東京理科大学名誉教授の村上康文さんの「ご自身のマウスの実験で起きたこと」の話なども参考になります。
[記事] 「6回目ぐらいで全部死んでしまう」 : 村上康文 東京理科大学名誉教授の言葉から見えるブースターによる、すぐそこにある終末
In Deep 2021年12月29日
話を免疫に戻します。
このワクチンで発生する、「最大の免疫上の問題」を、昨年 10月に、スウェーデンの研究者たちが発見しています。
V(D)J組換えの阻害
大変に難しい概念ですが、以下の記事にあります。
[記事] 免疫を失うメカニズムがまたひとつ : スウェーデンの研究が、スパイクタンパク質は V(D)J組換えと呼ばれる「獲得免疫の根本システムを阻害」することを示す。自然感染、ワクチン共に
In Deep 2021年11月1日
人間はこの「V(D)J組換」というシステムを持っているからこそ、
「多くのウイルスやカビや病原体と共に生きていられる」
のです。
この V(D)J組換について、もっともわかりやすく説明してくださっていたのは、ミラノ分子腫瘍研究所の研究員である荒川央さんの note の昨年 10月の記事です。
以下のように記されていました。
note「自己免疫疾患とワクチン」より抜粋
荒川央 2021/10/18抗体の遺伝子はV、D、Jの3つの断片に分かれており、それぞれの断片ごとに多くの種類があります。これらの3つの断片が遺伝子組換えをする事により抗体遺伝子が完成します (V(D)J組換え)。
これはいわゆる人工的な遺伝子組換えではなく、脊椎動物にもともと備わっている機能です。
また抗体は軽鎖、重鎖の2つのタンパクでできており、V(D)J組換えは軽鎖、重鎖の両方で起こります。V、D、Jの組み合わせのバリエーションは膨大で、それだけで1億種類を超えますし、各自が百万種類以上もの抗体を持っています。これが抗体が多様である理由です。 (note)
ここにありますように、この「V、D、Jの組み合わせ」だけで、
> 1億種類を超える
バリエーションとなり、また「各自が百万種類以上もの抗体を持っている」ということで、この V、D、J という抗体の遺伝子の「自発的な組換え」により、
「人間は、無数に近い病原体に対応できる免疫を持っている」
のです。
もともと持っている、のです。
それを阻害するものがあるとすれば何か。先ほどのスウェーデンの研究には以下のようにあります。
(2021年11月の論文を解説した医学報道より)
> SARS-CoV-2 のスパイクタンパク質は、感染したヒト宿主の細胞における DNA 修復を損ない、そして、 V(D)J 組換えを阻害することがわかった…
>
> …研究室での細胞株を使用してのこの研究は、SARS-CoV-2 スパイクタンパク質が適応免疫における V(D)J 組換えに必要な DNA 損傷修復を有意に阻害することを報告した。
>
> …この研究結果では、SARS-CoV-2 が、胸腺細胞あるいは骨髄リンパ球に感染する可能性がある証拠は示されていないが、スパイクタンパク質が V(D)J 組換を強く阻害したことを示す。 (ncbi.nlm.nih.gov)
……って、あああああああ!
久しぶりにこの論文のページに行きましたら……この論文、撤回されとる!
以下は、その論文があったアメリカ国立衛生研究所のページを日本語化したものです。
スウェーデンの論文があったページを日本語化
ncbi.nlm.nih.gov
撤回されたとはいえ、論文そのものは残っていますので、お詳しい方々において、どこに問題があるのか検討していただければ幸いですが、この 3年間において、このような、
「論文が撤回される」
というのは結構ありましたね。
こういう「論文の撤回」に最初に遭遇したのは、今からほぼ 3年前に、インド工科大学の科学者たちが、
「新型コロナウイルスに HIV のタンパク質が挿入している」
ことを論文で発表したことがありましたが、「後に本人たちにより撤回された」ことがありました。以下の記事に経緯を書いています。
[記事] インドの科学者たちが発表した「新型コロナウイルスの中に存在するHIV要素」を中国やフランスの科学者たちも発見。それにより、このウイルスは「SARSの最大1000倍の感染力を持つ可能性がある」と発表
In Deep 2020年2月27日
自然の変異では、「絶対に」 HIV の要素が、しかも複数入りこむことはないです。
その後、上の記事でも取りあげましたように、中国やフランスの科学者たちもそれを発見しました。
ちなみに、2022年になって、このインドの科学者たちに「撤回を要求した人物」について判明してきまして、
「米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長の要請だった」
ことが判明しています。
ファウチ氏の電子メールが流出したのです。
以下の記事に経緯を載せています。
[記事] スイスのディープステート糾弾デモ等から知るインド工科大学の「新型コロナウイルスに含まれるHIV要素の論文」を圧力で「自主撤回」させた人の名
In Deep 2022年8月8日
ああ、また話が逸れてきました。
免疫抑制の話に戻ります。
かかりやすくなることが証明された最近の論文
12月に、アメリカの医学者たちによる論文が発表されました。
オハイオ州のクリーブランド・クリニックという大病院において、
「二価ワクチンを含めた、コロナ感染予防効果の調査」
の結果が発表されたのです。
このクリーブランド・クリニックという病院の医療スタッフの数は、5万1011人にのぼりますので、小さな調査とは言えません。以下に論文があります。
(論文)コロナウイルス感染症 (COVID-19) 二価ワクチンの有効性
Effectiveness of the Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) Bivalent Vaccine
この論文にあるグラフがすべてを物語っている気がしました。
以下がそのグラフです。91日目までということで、約 3ヶ月の推移です。
ワクチンの投与回数によって層別化された被験者の COVID-19 感染の累積発生率の比較
medrxiv.org
もちろん、「すべての接種回数の人たちで感染が発生している」ことも示されています。
それでも、累積数として、
「累積感染数が最も多かったのが、4回以上の接種」
となっており、
「累積感染数が最も少なかったのが、未接種」
であることが、明白に示されています。
3回接種と4回接種の差は、専門用語でいえば「目糞鼻糞」という感じで、差はあまり見られないですが、それでも、時間の経過と共に、4回接種が 3回接種より累積数を伸ばしています。70日後くらいから差が出ています。
このようなことになってしまった理由として、やはり最初に書きました「免疫抑制の問題」が最も大きいと私自身は思います。
もちろん他の理由もあるかと思いますが、免疫抑制の問題が大きな問題となり得るという理由は、
「免疫が抑制されることで発症する疾患は、コロナだけではないから」
です。
というか、そこまでいきますと、コロナは小さなジャンルのひとつとなり、あらゆる疾患の増加についての懸念があります。
それでも、コロナのかかりやすさを問題視とするのは、2021年からの接種キャンペーンは、
「コロナの感染拡大防止、という大義名分のもとで開始された」
ということからです。
その大義名分の結果が先ほどのグラフのようなことになってしまっている。
この免疫抑制が続く「期間」については、最近の記事で、 IgG4 という「その数値が上がることはあまり良くないかもしれない」抗体数値が、3回目接種後以降、非常に長期間にわたり数値が高いままであることや、中和抗体といえる IgG3 という抗体の値も、時間の経過と共に下がっていることが示されていることから、免疫抑制は比較的長く続く可能性があります。
このような状態ですと、今後、中国から入ってくる「かもしれない」コロナに対して、日本では「ある程度の修羅場」が形成される可能性もあり得ます (日本では、です)。
少し前の記事の後半では、以下の要因により、今後のコロナ感染の状況が悪化する可能性について書きました。
・IgG3 が減少し、IgG4 が長期間増加すること
・同一抗原を 4回、5回と打ったことによる抗原原罪メカニズムの発動
そして、
・スパイクタンパク質による V(D)J組換の阻害 (論文は撤回)
ということも加えると、これらがすべて事実であるなら、今後はやや混沌とした社会になるかもしれません。
「数千万人が、かかりやすくなっている」
という中で、中国のコロナが来ます (もう来ていますが)。
今回のことが影響するようなことにはならないかもしれないですが、なるかもしれません。
この分野において、理屈と理論ほど強い未来予知法はありません。
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