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2019年からの世界 人類の未来 地球という場所の真実

地球の磁場は「移動する強大な偽の磁極」により乱されていた

投稿日:2019年12月11日 更新日:

アメリカ海洋大気庁より発表された新しい世界磁気モデル


NOAA




 

地球の磁場の異常はさらに進行中

今年 1月、地球の北の磁極(磁場としての北極)の移動速度が異常な加速を始めていることについて、科学誌ネイチャーにそれについての論文が掲載されたことを以下の記事でご紹介したことがあります。

地球の磁場をめぐる急激な「ポールシフト的事象」が発生中。北極の磁極が異常なほどの速さでシベリアへ移動していることが科学誌ネイチャーで発表される

そして、こちらの過去記事でもふれていますが、あまりにも地球の磁場の変化が大きすぎて、「世界磁気モデル」と呼ばれる、携帯や無線や航空機の飛行などに必要な地球の磁場の基本的な情報をただちに変更しなければならない事態となっていました。

以下は、ナショナルジオグラフィックの記事からの抜粋です。

北磁極の動きが加速、原因不明、あまりに急激

ナショナルジオグラフィック 2019/02/06

過去100年ほど、北磁極は真北に向けてじりじりと移動してきた。ところが最近になって、専門家たちは異変が起こっていることに気が付いた。北磁極が急にスピードを上げて移動し始めたのだ。なぜなのかは誰にもわからない。

その動きがあまりに急激なので、慣例の5年ごとという予定を繰り上げて、米国は世界磁気モデル(WMM)を今年初めに更新する予定にしていた。

世界磁気モデルは、携帯電話をはじめ、船舶、航空機などのナビゲーションに利用されている。ところが、米連邦議会の予算案交渉が難航し、予算が切れた連邦政府が一部閉鎖されたため、更新が延期されていた。

政府が再開し、新しい北磁極を示した最新モデルが2月4日に発表されたが、疑問は残る。北磁極はなぜこれほど速く移動しているのか。

これが、今年 2月のことなのですが、12月10日に、また「世界磁気モデル」が更新されていたのです。

冒頭の図が、NOAA (アメリカ海洋大気庁)から発表されたその新しい世界磁気モデルとなりますが、これは「かつては 5年ごとに更新されていたもの」なのです。

それが、2月に更新された後、1 12月10日にまた更新されている。これはつまり、

「地球の磁場の異常と、磁極の移動の加速が止まっていない」

ことを示すものだと言えるはずです。

北の磁極が過去 100年でどのように移動してきたかは、京都大学の地磁気世界資料解析センターに詳細な図があります。

過去120年の北の磁極の移動


京都大学

もう少し年代などをわかりやすくしたものとしては、以下のようなものがあります。


nature

これは、簡単にいえば、北の磁極は、

「西暦 2000年までの 100年間ほどの移動距離を、この 20年間ほどで移動した」

ということになり、その後も加速し続けています。

このことはすでにわかっていたことではありますけれど、先ほどの京都大学の地磁気世界資料解析センターの図を見ていて、「これは何?」と思った部分があるのです。

北の磁極の「下」に何かあるのです。


京都大学

地磁気極」と書かれた磁場が「やはり移動している」のです。

こんな存在は今までまったく知りませんでした。

「なんで、磁極がふたつある?」

と思いながらも、「これもまた、例の記憶違いの世界(マンデラ・エフェクト)じゃないだろうな」というようにも感じましたが、いずれにしても、北の磁極とは別の「地磁気極」というものがあるようなのです。

地磁気世界資料解析センターの資料「磁石の北と地磁気極と磁極」を読んでみますと、以下のように記されていました。

まず、基本的には、地球の磁極は、

> 南北両半球に1つずつ、互いに地球中心の反対側にあり

と書かれてあり、地磁気は「南極のほうにひとつ」あり、そして「北極のほうにひとつ」ある、というように、やはり北の磁極は「ひとつ」ということのようのです。

しかし、読み進めてみますと、以下のような記述が小さく書かれていました。

京都大学「地磁気世界資料解析センター」の資料より

現在、 日本付近で磁北が地理的な北よりも西に向いている原因としては、 シベリアに見られる地磁気の異常分布の影響があげられる。

すなわち、 バイカル湖の北の地域は磁北極からかなり離れているにもかかわらず、 北半球でもっとも地磁気が強くなっており、 あたかも磁極があるかのような「偽磁極」とでもいうべき分布をしている。

地磁気永年変化により、1800年頃からこのような地磁気の異常分布が顕著となり、 日本付近では磁北もこの「偽磁極」に引かれる形で、 地理的な北よりも西を向くようになったようで、 今なお続くこの「偽磁極」の発達が日本付近での偏角の西向きへの変化や、 磁北極のシベリア方向への急速な移動に影響を及ぼしているものと見られる。

このように、この磁場を、

「ニセの磁極」

と呼んでいたのでした。

しかも、以下の部分のような現実があるという強烈な事実を知ります。

すなわち、このニセの磁極の場所は、

> 北半球でもっとも地磁気が強くなっており

とあるのです。

つまり、何とこの「ニセの磁極」は、北の本来の磁極より「地磁気が強い」ようなのです。

ということは、

「現在の地球の北半球で、最も強い磁場を持っているのは、本来の北の磁極ではない」

ということになり、地球の磁場の異常が本当にかなりのものなのだということを知りました。

しかも、この「ニセの磁極」も移動している。

ちなみに、NOAA のニュースリリースによれば、北の磁極(本物の磁極)の移動距離は、1831年以来、2250キロメートルに及んでいるそうです。日本の本州の長さが約 1500キロメートルですので、かなりの距離を移動しているといえます。

そして、21世紀に入って以来、移動の速度が加速しています。

かつては、カナダの領域にあった北の磁極は、今後、ロシアの領土内に移動すると見られています。

先ほどの京都大学の図を見てみますと、「ニセの磁極も、本物の磁極のある方向に進んでいる」ようにも見えるのですけれど、「ふたつの磁極」が接近した場合はどうなるのだろうなあと思います。

その場合、さらに地球の磁場が混乱するのか、あるいは、そのほうが磁場が安定するのかどうかはわからないですが、今後の状況は「世界磁気モデル」が、どの程度の期間で更新されるかということで判断できそうです。

すなわち、今後「世界磁気モデルの更新がさらに早くなっていく」ような場合は、「地球の磁場の変化がさらに激しくなっている」ことを示すのではないかと。

そして何より、現在、地球の磁場そのものが大変に弱くなっていて、それだけに、「ニセの磁極」のような磁場の磁力がさらに強くなっていけば、やはり、地球の磁場全体がもっと混乱するのかもしれないですね。

米フォーブスの記事に掲載された「地球の磁場の強さ」の推移

Is Earth's Magnetic Shield Eroding?

比較的最近の以下の記事では、「私たち人類の心身を正常に保っているのは、地球の磁場だった」ことがわかったことについて書かせていただいています。

「人間は地球の磁気圏の外では生存できない」:ロシア科学アカデミーの科学者が、アメリカの過去の月探査ミッション、そして将来の火星ミッションの「すべてを不可能」と断定

磁場がなければ、人間を含めた多くの生命は「正常に生きられない」ことが実験でわかっていまして、それだけに、現在進行している以下の三つのこと、すなわち、

・北の磁極の移動の異常な加速

・北のニセの磁極の力が増している

・その中で地球自身の磁場はどんどん弱くなっている

ことが、私たちを含めた地球の生物たちに影響しないわけがないと思われます。

人間の世界も最近は「病気と狂気」について、なかかな激しいことになっていますし、動物や海洋生物の世界でも「大量死や絶滅の増大」が顕著になっています。

こういうことも現在の磁場の異常とまったく関係ないということはないと私自身は思っています。

私自身は、鳥や昆虫はもちろん、ほとんどの地上と海洋の生物たちは「磁場により生きている」と確信しています。

そのあたりは以下の記事などで書いたことがあります。

おそらく人間を含めた「全生物」は磁場により生きている:ハトや蝶が持つ光受容体がヒトにも存在していること。そして、そのハトや蝶が「全滅」に向かっていること

ますます地球の磁場の異常が拡大している現在とこれからは、いろいろな意味で、さらに地球の環境は良いほうとは言えない方向に向かって変化していく可能性が高くなっていると思わざるを得ません。

いずれにしましても、「強力なニセの磁場」というものが北半球に存在するということを知り、思っていた以上に地球の磁場の状況はカオス化している可能性があることを知らされました。

 
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