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人類の覚醒と真実 健康の真実 日本の未来

抗生物質を使わずに耐性菌MRSAを排除する方法がアメリカ化学会で発表される。そこで使うのは「光と酸素」。そして…人類は抗生物質とお別れができるのか

投稿日:2018年8月22日 更新日:

8月19日の米国科学メディアの報道より


Weaponizing oxygen to kill infections and disease

MRSAとは
黄色ブドウ球菌は非常にありふれた菌で、私たちの髪の毛や皮膚、鼻の粘膜、口腔内、傷口などによく付着しています。

MRSAはこの黄色ブドウ球菌の仲間で、性質は黄色ブドウ球菌と一緒ですが、耐性遺伝子を持っており、抗生物質が効きにくくなっています。その為、治療が思うように進まず、患者の抵抗力だけが頼りになる場合が多いのです。重症化すると、敗血症、髄膜炎、心内膜炎、骨髄炎などに陥って死亡する事も少なくありません。

MRSAをもったご利用者や、撒き散らされた菌で汚染された床などが汚染源となり、それに触れたり、空中に舞い上がった菌を吸込んだりして人に移り、その人の手指を介して、次々と広がっていきます。感染症の種類と特徴 > MRSA より)




 

「人類史上最大の公害」抗生物質

今回は、世界最大の科学系学術団体であるアメリカ化学会(ACS)が、その全米会合において発表した、「抗生物質にかわる細菌の消滅方法を見出した」という記事をご紹介しようと思います。

その前に、ちょっと書かせていただきたいことがあるのです。

実は、私は最近、

「人類史上最大の《公害》は抗生物質」

だと考えるようになっています。

その理由は、本気で書き始めると長くなってしまいますが、ひとつには、「人間を支配しているのは、基本的には《腸内の細菌》」だということを最近知るようになり、そして、たとえば、腸内の細菌の役割というものは、下の記事で書きましたように、身体の健康だけではなく、「脳」も支配していることが明らかになっているのです。

「腸は第二の脳」……ではない。腸内システムは脳をも支配している「第一の脳」である可能性が高まる。それが意味するところは「人間は細菌に理性までをも支配されている」ということで……

脳も身体も健全な人間であるためには、腸内の細菌の構成が、「古来からの人間のような健全な状態である必要がある」と思うのです。

 

さて、しかし。

 

腸内細菌などといっても、その正体は「いわゆる細菌」なわけです。

つまり、そのうちのいくつかは「抗生物質に殺される」ことは間違いないものたちです。

まして、ピロリ菌の除菌などに使われるような、アモキシシリンとかクラリスロマイシンとかの強力な抗生物質は、「どのくらいの体内の有用な細菌を殺しているかわからない」ほどだと思います。

2週間くらい前に、

不調子の中でぼんやりと考える「人体から取り除いてはいけないもの」を排除してきた自分の人生…
 In Deep 2018/08/07

という記事で、かつて私は、ピロリ菌を除菌したことがあることを書きました。そして、それ以来、「体の調子が徐々におかしくなっていった」こともほんの少しふれています。

ピロリ菌の除菌後にもっとも調子が悪くなり続けたのが「胃」です。「胃の不調を治療するためにおこなったピロリ菌の除菌」以来、胃の調子は加速度的に悪くなっていきました

その不調ぶりは、胃カメラなど楽しいものではないですが、それを自分からお医者さまに「やってください」というほどのひどいものでした。

でも、いつでも検査結果は何ともなし。

そして、この数年は、めまいから皮膚炎からアレルギーから、いつまでも治らない関節痛や、就寝中の呼吸困難にまでなるようになりまして、正直、3〜4年くらい前には「もうダメだな」と思っていました。

そろそろ死ぬのだろうと本気で考えていました。

In Deep でも、その頃から「健康」の話が出て来るようになったのですが、それほどいろいろと「訳のわからない不調」に苛まれていたのですね。

その日々の中で、病院に行って相談しても「まったくの無駄」だということがここ3年くらいでわかり、病院には行かなくなりました。そして、自分なりにいろいろとやっていたのですが、なかなか完全復活には至らず、そして、結局、以前のグルテン関係の記事で少しふれましたけれど、

「私は、グルテン不耐症だった」

ことがわかったのです。

実際、グルテン(つまり、小麦)を食べるのをやめる生活を始めたら、先ほどの、めまいから皮膚炎からアレルギーから関節炎から、就寝中の呼吸困難から、ほとんどすべて治りました。

小麦を食べなくなってから、そろそろ2ヶ月くらいになるのですかね。

間違って食べてしまったことを除けば、今も食べていません。

しかし、上の記事などでも書きましたけれど、私は、

「グルテンが悪いとは思っていない」

のです。

新石器時代からの長い間、人類の文明を支えてきた小麦に非があるわけがない。

地球上のほとんどの生物は「糖質」によって細胞が生かされていますが、その糖質を簡単に摂取できるようになったのが、コメと小麦の登場であり、これによって、人類は「一日中食べ物を探し回らなくてもよくなった」のです。

つまり、「人類は何かを考えることができる時間を獲得した」。その時点で初めて「思想」や「文明」や「文化」というものが生まれてくるキッカケが生じたと私は考えています。

そういう意味で、コメや小麦は、人類の大恩人ですよ(人じゃないけど)。

実際、その新石器時代からの長い時代、人類は小麦と普通に共存していました。不耐性などはほぼなかった。

グルテン不耐性とか、さまざまな食物に対してのアレルギーや不耐性が生まれたのは、基本的にはほんのここ数十年のことで、どうしてそれが起きたのかというと、

「人間の腸内の細菌構成が崩壊した」

ためだと私は考えています。

そして、さらに、

その「崩壊」を作り出した最大の要因が、抗生物質

だと考えています。

そういう意味で、今は、「抗生物質はこの世から消えなければならない」とも考えています。

そして、これは幸いとはいえないことではありますけれど、抗生物質への耐性を持つ、すなわち「抗生物質が効かない細菌」が、非常早いペースで拡大しています。

2015年には以下の記事でご紹介しました「抗生物質の最後の砦」といわれているコリスチンという抗生物質にさえ「殺せない菌」が出現しています。

バクテリアが人類に勝利した日:「最終救済薬コリスチン」を含めた「すべての抗生物質が無効」のウルトラ耐性菌が猛スピードで全世界に拡大している

現在の抗生物質の、特に「食肉動物への使用」の異常な量が継続される限りは、耐性菌は今後もさらに次々と出てくると思われます。

下は、抗生物質の動物への総使用量の国別グラフですが、「抗生物質使用の王様」である中国が(データ不足のため)入っていないですので、どれほど信用できるものかわかりませんが、とにかく世界中で「ものすごい量」が動物に対して使われています。


WHO

食肉から耐性菌が生まれていくことに関しては、「肉食のアルマゲドンは意外な形でやってくる…」という記事で取りあげたことがありますが、いずれにしても「いつかは抗生物質は使えなくなる」ことはもう確実なのです。

「抗生物質のない社会」に「なるかもしれない」ではなく、それがいつかわからないだけで「絶対にそういう社会になる」のです。

そして、抗生物質は人間に影響を与えているだけではありません

その人間からの「排泄」として世界中の水体系に流れ込んでいます。抗生物質の「薬効」が自然界で消滅するのに、どのくらいの時間がかかるのかはわかりませんが、その間、あらゆる生物体系の「消化器官」を通って、世界の生き物たちの体をボロボロにし続けていると少なくとも私は思っています。

その排泄からの水体系への流入については、下の記事で、英国エクセター大学の教授が述べています。

完全絶滅プロトコル : 魚たちが次々と「男性から女性へと変化」しているその原因が判明。そこから気づいた「人間から水循環システムの中へ排出されている薬たちによる皆殺し」

人間の腸内に対してだけではなく、「抗生物質は、水に流入することによって、あらゆる生物の体内の有用細菌を殺しているかもしれない」と私は考えているのです。

だからこそ、最初に書きましたように、

「抗生物質は史上最大の公害」

だと考えているのです。

いずれにしても、そういう抗生物質もいつかは「ほとんどすべてが効かなくなる」としても、それでも、私たち人類は、細菌とは対峙し続けなければなりません。

そのために「これまでの抗生物質的な考え方ではない対抗」を考えていかなければならないはずです。

 

というわけで、そろそろアメリカ化学会が発表した「抗生物質にかわる細菌の消滅方法を見出した」という記事をご紹介したいと思います。

正直、書いてある内容が今ひとつ私自身が理解できていないのですが、翻訳そのものは、それほど間違っているわけではないと思うので、私の科学的知識がないために理解できていないようです。

ですので、これがどれだけすごいことなのかよくわからないのですが、とにかく、「抗生物質以外の方法」を科学界が見出すことは、それがどんなものでも、「前へ進めてほしい」と思います。

今のままでは、抗生物質に、人間社会も自然の体系もすべて殺されてしまいます。

そういう意味では「抗生物質への耐性菌」は、実は救世主だと今は認識しています。彼らが出てきたことで、初めて人間は抗生物質以外の方法を真剣に模索し始めたのですから。

 

なお、前々回の記事でご紹介させていただきました In Deep メルマガですが、8月中は無料ということで、無料の間だけでも読まれる方が少しはいらっしゃるかと思いまして、以前からぜひ書きたかった、この「腸内細菌」と「不耐性」に絡んだことを書こうと思っています。

パニック障害などの精神神経障害、認知症やアルツハイマー病、あるいは、うつ病や治らない皮膚炎やアレルギーなどのある方や、そういう方が周囲にいらっしゃるには目を通していただきたいと思っています。医学的根拠(論文)があまりないものですので、独善的な考えかもしれず、ブログでは書きませんでしたが、リスクもまったくない方法論で、今回ここまで書いたことともおそらく関係します。

前書きが長くなってしまいましたが、アメリカ化学会の発表についての記事をご紹介します。


Weaponizing oxygen to kill infections and disease
eurekalert.org 2018/08/19

感染症や病気を殺すために「酸素を兵器化」させる

MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)と呼ばれる、ヒトの生命を脅かす細菌がある。これは迅速に広がり、治療薬に耐性を持つため、病院に重大な損傷を与える可能性がある。

しかし、最近、科学者たちによって、抗生物質を使わない細菌に対抗する新しい技術を進歩させていることが報告された。

抗生物質の代わりに「光を使って酸素を活性化」し、それにより抗生物質に耐性を持つ細菌を消し去る技術だ。

この方法は他の細菌の感染や、場合によっては、ガンを治療するために使用することもできる可能性がある。

研究者たちは、アメリカ化学会(ACS)の第 256回全体会合および展示会で、その結果を発表した。アメリカ化学会は、世界最大の科学系学術団体で 8月16日まで全国会合を開催していた。この会合では、幅広い科学のテーマに関して 10,000を超えるプレゼンテーションがおこなわれた。

現在の病院の臨床施設では、MRSAの患者を取り除こうとしても、その選択肢がほとんどないの現状だ。たとえば、アメリカ退役軍人保健医療システム(Veterans Health Care System)では感染予防スタッフを雇い、手と指の衛生状態を追跡している。

さらに最近の研究では、急性ケア施設に入院したすべての患者を消毒すると、血流感染率が半減することが判明した。しかし、この手順はほとんどの病院では実現できないものだ。

医学博士ペン・ツァン(Peng Zhang, Ph.D.)氏は次のように述べる。

「 MRSA のようないくつかの細菌に対してすでに効果がなくなっている抗生物質に頼る代わりに、私たちは、光で照らされると興奮する光増感剤、主に染料分子を使用するのです。その後、光増感剤は、細菌を攻撃する活性酸素群に酸素を置換するのです」

他の研究チームたちもまた、これらのタイプの光触媒を用いて細菌を殺すことを試みたが、効果的に感染を撲滅するのに十分な細菌を攻撃しなかった、

その理由として、分子形態の光増感剤は、有意な損傷を引き起こすのために十分な程度に角質化されない傾向がある。さらに、それらの多くは疎水性(水に溶けにくい)だ。これは、微生物が典型的に存在する水性媒体中にそれらを分散させることを困難にする。

これらの課題を克服するために、ツァン博士のグループは、米国シンシナティ大学の研究者たちと協力し、分子吸光剤を捕捉するために両親媒性ポリマー(1つの分子内に水になじむ「親水基」と油になじむ「親油基」の両方を持つもの)で装飾された貴金属ナノ粒子を含む新しい水分散性ハイブリッド光増感剤の設計に着手した。

このチームの実験では、彼らが設計した新しいナノ粒子光増感剤が、金属粒子を含まない対応する配合物よりも、様々な細菌を殺すことにおいてずっと効果的であることを示した。

ツァン博士によれば、これらのナノ粒子は 2つの利点をもたらす。金属は、より反応性の酸素種の生成を促進するプラズモンの電場増強効果を有する一方、細菌細胞へのより局所的な打撃のために光増感剤を 1カ所に集中させるのだ。

ツァン氏はこのように言う。

「たとえば、あなたが城を攻撃したいと思って、その城の人々全員を個別に攻撃していても、効果はあまりありません。それよりも、同じ人数なら、その全員が城のひとつのポイントだけを攻撃し続けるほうが効果的に城を破壊できるはずです」

ツァン博士は、ハイブリッド光増感剤の設計に関連する特許を有しており、これはスプレーまたはゲルに配合することができる。

スプレーが製品化されると、医療従事者はそれをどんな表面にでも置くことができ、青色または赤色の光でそれを照らし、MRSA を含む細菌を浄化することができるという。

この方法は感染を排除し、治癒を助けるために直接、創傷に適用することが有望であるとも述べている。

ツァン博士は最近、人間の皮膚を研究室にあるサンプルで実験し、光増感剤が皮膚細胞を殺さなかったことを発見した。

このことから、このナノ粒子は MRSA を根絶することに加えて、皮膚ガン細胞を破壊するのに理想的だと考えられる。

このナノ粒子は、皮膚の深部まで浸透する長い波長を持つ赤色光の照射によって効果的に機能する。これは皮膚ガン治療にとって重要なものだ。

また、このナノ粒子は爪床真菌を排除することが示されている。





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Oka In Deep

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