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カナダの微生物学者たちが「パンデミックでの過剰衛生や社会的距離が特に子どもたちの腸内細菌環境に影響を与えており、長期間の重大な健康上の影響を残す」とした警告を発表

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ottawacitizen.com




 

これも「地球が巨大な実験場」となっている例のひとつ

最近、カナダのブリティッシュコロンビア大学の微生物学者を筆頭著述者として、カナダ高等研究所にあるヒト・マイクロバイオーム・プログラム (humans and microbiome program)のメンバーによる医学論文が発表されました。

内容は、

「パンデミックでの過剰衛生や社会的距離の状況は、ヒト腸内細菌環境に多大な影響を与えており、今後の特に子どもの健康への影響に重大な懸念がある」

というものです。

このことは、過去記事でもその懸念についてずいぶんと書いたことがありますが、世界的な微生物学者たちがこのような論文を発表したのは、今回が初めてのことのように思いますので、ご紹介したいと思います。

いくつかのカナダのメディアで報じられていますが、まずその中のひとつをご紹介したいと思います。


清潔にすることのもうひとつの側面 : 科学者たちは、パンデミックでの「過剰衛生」が、今後、長期的な健康への影響をもたらす可能性があることを懸念している

The downside of clean: Scientists fear pandemic's 'hyper hygiene' could have long-term health impacts
Ottawa Citizen 2021/02/01

発表された論文は、パンデミックでの過剰衛生により、子どもたちが慢性疾患にかかりやすくなる可能性があることを提起した。

カナダ高等研究所のヒト・マイクロバイオーム・プログラムの研究者たちは、このパンデミックが、ヒトのマイクロバイオーム(腸内細菌叢 / 腸内細菌フローラ)を大幅に変化させ、それにより人々が慢性疾患にかかりやすくなる可能性を述べた。

論文は米国科学アカデミー紀要に掲載された。

著者は以下のように記している。

「 COVID-19 パンデミックは、感染者あるいは、非感染者のヒト・マイクロバイオームに影響を与える可能性があり、長期的に人々の健康に大きな影響を及ぼす」

筆頭著者であるカナダ・ブリティッシュコロンビア大学の微生物学者ブレット・フィンレイ(Brett Finlay)教授は、このパンデミックを「人々の全体的な健康に寄与する腸内の微生物に対する公衆衛生対策(過度な殺菌など)の影響についてのリアルタイムでの実験といえる」と述べた。

フィンレイ教授は以下のように述べる。

「このパンデミックでおこなわれていることは、私たちが通常の生活ではおこなうことのないような『実験』です。たとえば、1年間、人々を家に閉じ込めておいた場合、それはどんな長期的な結果をもたらすと思われますか?」

フィンレイ教授を含めた科学者たちは、この問題は、特に幼児への影響を研究することが必要だと述べている。

腸内細菌叢は、人体内に生息する微生物で構成されており、さまざまな形で、人体の健康と病気と関係することが知られている。特に幼児期に抗生物質を使用することや、あるいは、微生物(細菌やウイルス)との接触を制限することにより腸内細菌叢が変化することは、子どもたちの健康に長期間の影響を与える可能性がある。

医学におけるいわゆる「衛生仮説」では、特定の微生物(細菌やウイルスと共に、ダニやカビや花粉など自然界のさまざまな微粒子)への幼児期の曝露が、子どもたちをアレルギー性疾患から保護し、免疫系の発達に寄与するとされている。

新型コロナウイルスの拡散を防ぐための現在のような衛生措置と社会的距離は、人々の生命を守るためには必要だが、その結果として、人々の腸内細菌叢の変化に備える必要があると、科学者たちは論文で警告している。

腸内細菌叢の変化は、健康への影響をもたらす可能性がある。アレルギー反応、喘息、肥満、糖尿病等はすべて微生物への曝露が少ないことの影響によるものである可能性が指摘されており、ここ数十年の人々の衛生的な生活での腸内細菌叢の変化と関連しているともされる。

フィンレイ教授は、著作『子どもたちに土を食べさせなさい(Let Them Eat Dirt)』の著者でもあり、教授は「超衛生的な社会」に住むことには「それに伴う結果がある」ことを研究が示していると述べている。

フィンレイ教授は、特に子どもたちの肥満、喘息、炎症性腸疾患および他の慢性疾患の増加率は、微生物への曝露がより少なくなっていることと関連していると述べる。

教授は、ブリティッシュコロンビア州で喘息のリスクが非常に高いことと、ブリティッシュコロンビア州での乳児期の抗生物質の使用を関連付ける研究を行っている。

乳児への抗生物質の使用は、過去数十年にわたってブリティッシュコロンビア州では減少しており、これはまた、州での喘息の発生率の減少と一致している。

今回発表された研究論文は、パンデミック中に取られた行動の下流(感染症対策として行われている様々なこと)への影響の可能性を人々に認識させるために呼びかけたとフィンレイ教授は述べる。

「歴史に基づくと、このような行動にはそれに伴う結果があることを私たちは知っています」

たとえば、社会的距離ひとつをとっても、人と人との物理的距離をとるということは、人々の微生物への曝露に、通常とは異なる差異を生じさせる。これは乳児にとって特に重要なことだ(乳児は特に、多様な人たちからの微生物に暴露することが必要だという意味)。

「今日、COVID の世界で生まれた子どもたちがいます。その子どもたちは誰かと交流していますか? この子どもたちは、通常の生活でなら暴露できている微生物と接触できていません。人は、幼い頃から多様な微生物にさらされることが非常に重要であり、それが COVID の世界で起こっていないことを私たちは知っています。それによって何が起きているかについていくつかの重大な懸念があるのです」

フィンレイ教授は、他の人と接触できないことや、行きたいところに行くことができないような、他との接触の不足の影響を補うためには、穀物、果物、ナッツ、野菜など繊維が豊富な食事を食べ、運動をし、できるだけペットと接触し、可能な限り外に出ることで対処できる部分があるとも述べている。

子どもたちは屋内にいるのではなく、できるだけ外に出て「環境の中の微生物の中で」遊ぶことができるようになることが重要であると語った。

このパンデミックの間、この生活の結果としての影響を研究することにより、貴重な情報を提供することができることになるはずだとフィンレイ教授は言う。

「昨年、私たちの社会は劇的に変わりました。そして、これらがマイクロバイオーム(腸内細菌叢)に重大な変化をもたらす可能性を私たちは知っています。これは大きな『実験』です。私たちはこれらのことを研究する立場にあり、この機会に実際に調べ、そこから学ばなければならなりません」


 

こまでです。

フィンレイ博士は著名な科学者であることもあり、全体的にかなり気を遣った言い方となっています。あまりにも言い回しがわかりにくい部分は、翻訳で少しわかりやすくしていますが、博士は、

「コロナ対策でおこなわれているあらゆる行動が腸内細菌環境などの微生物による人間の免疫の機能を阻害している」

と言っています。

特に子どもたちに対しての「これらの対策」に大きな懸念を持っているようで、「実験」という言葉さえ使っています。

現状、どの国の科学者や医学者であろうと、新型コロナウイルスに対しての当局の政策に真っ向から反対を表明することは難しいです。すなわち、ロックダウン、社会的距離、過剰な衛生、マスク、行動の制限といったものが「身体にとても悪い」ことが専門的にわかっていても、現在の世の中は、

「感染症専門家が支配権を握っており《感染症以外の部分の健康など、どうでもいい》」

という流れにもなっていますので、仕方ない面はあります。

論文そのものは、以下にあります。

The hygiene hypothesis, the COVID pandemic, and consequences for the human microbiome.
衛生仮説、COVIDパンデミック、およびヒトマイクロバイオームへの影響

このフィンレイ博士をはじめとする今回の論文を発表した科学者たちは、「ヒト・マイクロバイオーム・プログラム」という部局のメンバーだけあり、「腸内細菌や体内の常在菌の研究のプロ」です。

そんな彼らの論文の意見から、現在のコロナ対策を、論文の内容に「私個人の意見を加えてて」書かせていただきますと、以下のようになります。

特に子どもへの影響が重大です。

新型コロナウイルス対策が子どもの腸内細菌環境に与える影響

ロックダウン → 家庭外の微生物(すべてのバイ菌とすべての自然の微粒子)に暴露して、それらに順応する機会を失う。子どもたちの体が必要としている微生物は、ほとんどが屋外にあるが、それらと接触できない。結果として、本来なら育つべき腸内細菌環境が育たない。あるいは、花粉、ダニ、多くの病原菌への耐性を失い、アレルギー等が多発する可能性。

また、子どもは「他の人たちが持つ微生物」への暴露によって、外部の微生物をときに取り入れ、ときにそれに対しての免疫を強くしていくために、その機会が失われることは、根本的に多くの微生物や自然の存在に対して脆弱になる可能性。

社会的距離 → 「他者の微生物」との暴露の機会を失う。

過剰な衛生 → 口や鼻を介して、微量ずつでも消毒剤が消化器や循環器に入ることで、腸内細菌を含めた「なくてはならない微生物」たちが消えていく(復活することは基本的には不可能)。

マスク → 手を介した外部の微生物を口から体内に入れる機会を失うことにより、環境外の微生物の体内への侵入を阻害し、腸内細菌を含めた体内の微生物の多様性が剥奪される。

というような感じでしょうか。




 

人類が経験したことのないような不健康な社会が広がっていく

昨年、日本で緊急事態宣言が出され、どんなお店でも施設にも入口に「消毒液」が置かれるようになった 3月頃、視界に入ることがつらいと思う光景をよく見かけました。

若いお父さんやお母さんと一緒に買い物に来る小さな子どもたち。

店に入るとき、親は優しそうに「入る前に手をシュッシッしなきゃね」と、子どもの手に消毒液を丁寧に塗り込んでいる。

そのような光景を見て、

「こんなのが1年も続いたら、もう社会の復活は不可能だな」

と思っていました。

そして、もうすぐ1年です。

もしかすると、このほぼ1年、このようなことを続けているご家庭もあるかもしれません。

幼児期というのは「これから腸内細菌環境や常在菌の環境を多様化させていくため」に、様々なバイ菌や植物や生物の断片だとか汚いものなどに暴露していくことで、体内や体表の細菌の多様性を高めていく時期だと思われます。それと同時に、それらへの耐性もつけていく。

なので、過剰な消毒は、行動として論外です。

土でも草でも、多くの人たちが触れた手すりでもドアでもボタンでもさわって、その手を口にすることで、子どもの体はどんどん強くなります。

それが現在に至るまで「ほぼ完全に阻害されている」ということから、今後の子どもたちの健康状態は本当に懸念されることだと思われます。

こういう「過剰な衛生」と「他人の微生物を共有できない」という不健康な状態は、実際には、日本を含めた主要国では、それ以前から続いていて、かつては、それについての記事もいくつか記させていただいています。下のそのうちのひとつです。

なぜ私たち現代人は0157や花粉やダニ程度のものに対して、こんなに弱くなってしまったのか冷静に考えてみませんか …… その答えは過度な清潔社会の進行以外にはないのですが
投稿日:2017年8月24日

清潔なこと自体は悪いことではなくとも、「ずっと過度な清潔社会だった」ことは言えるわけで、かなり多くのアレルギーや慢性疾患、自己免疫疾患などの 21世紀に入ってからの急激な増加は、それと関係している部分はあるはずです。

社会がもともとそのような状態だったものが、パンデミックによって「究極的な過剰衛生となった」ということになりますでしょうか。

フィンレイ博士が書かれていたように、今後増加するのは、アレルギーや慢性疾患、腸疾患、自己免疫疾患などだと思われますが、社会では、いっときは「消毒剤を空中に噴霧するという決定的に身体に悪いことをしていた時期」などもありましたので、肺疾患も増加してしまうのではないかという懸念もあります。

肺疾患は消毒剤の多用と密接な関係があります。

これは、以下の記事なども多少は参考になるのではないかと思います。

過剰な消毒と殺菌が「人間の肺を破壊するメカニズム」がわかった
投稿日:2020年5月25日

昨年の春以来そのような光景を見ていまして、しかし「多くの人がそれを善行としておこなっている」わけで、「善意の過剰消毒」を止められるわけもなく、こんなことが早く終わりますようにとは思っていましたけれど、どうやら「永遠の段階」に突入した感じもあります。

先日の以下の記事の最後のほうに、

> 1ヶ月後、1年後、そして 10年後にこの世の人類の状態がどうなっているのか

というように書きました。

大規模な新型コロナワクチンの接種が進むイスラエル、英国、UAE等で起きている「急激に進行するコロナによる大量死」。原因は何か?
投稿日:2021年1月31日

ワクチン関係の記事でしたので、「 1年後、そして 10年後」というのも、ワクチンと関係するもののようなニュアンスとなっていますけれど、それもあるとはいえ、基本的には、今回の過剰衛生の問題も含めて、

「全部」

です。

たとえば、今の時代に赤ちゃんとして産まれた子どもたちの環境にある「オールマスク」生活が続いた場合、以下のふたつの記事の問題が、その子たちがある程度成長した時に出てくるはずです。

乳幼児の「人の顔認識の成長過程」がマスクにより崩壊することにより「人間なんてみんな同じ」というオール失顔症社会がもたらされる日はわりとすぐ
投稿日:2020年10月20日

マスク社会がもたらす「本当のディストピア化が何か」に気づいた。それは表情を学ぶ機会を失った赤ちゃんたちによる「人の感情を理解しない人々の社会」の誕生
投稿日:2020年8月26日

つまり「人の顔が覚えられない。人の顔の表情が理解できない」子どもたちで社会が満ちあふれる

幼児期にたくさん「大人の顔」を見ないで成長した子どもたちが、このような状態に陥る可能性は学術的に証明されている事実です。

これに関しては、特に今は「ご近所でもお互いにマスクをして会話をしている」大人たちばかりのような都市部では、その社会で生きた子どもたちが成長する数年後から十数年後に顕著になると思われます。

2007年に発表された「新生児の表情の知覚」という論文では、

> 生まれたばかりの時には、赤ちゃんたちは表情を理解していない

ことがわかっており、大人の表情を見て、子どもは「人間の感情と表情の関係」を学んでいくのです。

また、カナダのトロント大学の教授が、2018年に米ニューヨーク・タイムズに語ったことによれば、幼児期に「人の顔の違いを体験しなかった子ども」は、

「後の人生で顔の認識能力を回復できない可能性が高い」

ことが示されていることを述べています。

腸内細菌環境も、一度失われた特定の細菌の多くは元に戻ることはありません。

今の社会で奪われて失われているものは、

「幼児期に失うと、後から回復はできないものばかり」

なのです。

長時間のマスク着用での低酸素による「脳の成長の阻害」や「海馬の細胞の死」も不可逆的なものであり、後から元には戻せないことを 10月にドイツの著名な神経科医が述べていました。

子どもの成長過程に関して、今の社会で行われていることが原因となる阻害は、「後から取り戻せないことがあまりにも多い」のです。

しかし、今、そのような社会が「正当化」され、実践されているわけです。

もちろん mRNA ワクチンも「未来の人類の健康」に何を引き起こすかまだよくわかっていません。

これがもたらす最悪のシナリオについて、最近の私は、妄想気味に「ある状況」を考えることがありますが、今回はそれについてはふれません。

最近、海外の専門家の意見記事を読んだ際に、その記事に、以下のような文言がありました。

これらの mRNA ワクチンは、休眠中の内在性レトロウイルスと非常にうまく再結合して、現実的な「何か」を始めてしまうかもしれない。

この内在性レトロウイルスというあたりは難しい概念ですが、機会があれば、書かせていただくこともあるかもしれません。

人体内のさまざまな相互の影響関係はあまりにも複雑で、安易に手を加えた場合、後からどうしようもできない結果にむすびつく可能性を排除することは難しいと思われます。目覚めてはいけないものを目覚めさせてしまう可能性もあります。

これも含めて、非常に不健康な社会が拡大していく懸念が少しあります。

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