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地球最期のニュースと資料

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11月14日に「68年ぶり」にやってくるウルトラスーパームーンの影響。そして、シンクホールの前日から続く福岡と九州全域の群発地震

   

sm-11-14・NASA

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1948年以来はじめて地球の人々が経験する「スーパー満月」

今年の 11月14日は、スーパームーンが観測されます。

スーパームーンという呼び名は何だか大げさな表現ですが、つまり、月が地球に最も近くなる軌道に位置するために、ふだんより大きく(今回はふだんより 14%大きく見えます)、そして、ふだんより明るく(今回はふだんより明るさが 30%増)見えるという現象で、それ自体は、定期的に起きることですので、珍しいことではないです。

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しかし、冒頭の WIRED の記事のタイトルに「ウルトラスーパームーン」(原文では super-super moon / スーパースーパームーン)とあるのは何かといいますと、今回のスーパームーンは「過去 68年間で最も月が地球に近づく」のです。

それについては、すでに多く報道されています。
下は THP 日本版の記事です。

11月14日、70年ぶりのすごいスーパームーンがやってくる

The Huffington Post 2016/11/05

11月14日の夜は空を見上げよう。晴れていれば、滅多に見られない特別なスーパームーンが夜空に輝いている。

スーパームーンは「月が一年で最も地球に近づくときの満月」だ。一年で最も地球に近づくため、月が一番大きく明るく見える。

スーパームーン自体は珍しい現象ではない。しかし今回ほど地球に近づくのは、1948年1月26日以来約70年ぶり、そして次にこれほど地球に近づくのは2034年11月25日だ。

 

ということで、70歳以下の人は「人生で初めて経験する日」ということになるはずです。

それでまあ、これは結局、「特大の満月」というようなことになるのですが、観測とかそういうのはともかく、9月の記事、

これらは本格的な地震の時代の近づく気配? そして東京大学の研究チームが出した「満月と新月は超巨大地震と関係する」とする結論…
 2016/09/13

の中で、9月に、東京大学の地震物理学の研究チームが、ネイチャーに発表した論文についてふれたことがあります。下はそれに関しての読売新聞の報道です。

巨大地震「満月や新月前後に発生」…東大チーム

読売新聞 2016/09/13

巨大地震は満月や新月の前後に起きやすいとの統計分析結果を、東京大学の井出哲教授(地震物理学)らの研究チームがまとめ、英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス」に発表した。

月や太陽の引力が地下の岩盤に影響を与えると考えられるという。

井出教授らは、1976~2015年に世界で起きたマグニチュード(M)5・5以上の地震1万1397件について、発生直前の2週間の太陽と月、地球の位置関係や潮位を調べ、地下にかかる力の大きさの変化を計算した。

その結果、11年の東日本大震災や10年のチリ地震、04年のスマトラ島沖地震などM8~9級の巨大地震は、地下にかかる力が高めの期間に起きるケースが多いことが判明した。M7級以下では、この傾向は明確にはみられなかった。

 

というもので、ここでいう、

> 月や太陽の引力が地下の岩盤に影響を与えると考えられる

というのが正しいと仮に仮定しまして、そうであるならば、「月が地球に近ければ近いほど、地球は影響が与えられる」ことは確かですので、この東大の理論が正しいのであれば、「 11月14日のスーパームーンの前後は大地震が発生しやすい」という、まあ、これはあまりにも単純な結びつけとなっていますけれど、理屈としてはそういうことになると思います。

何しろ、今度のスーパームーンの時は「過去 68年間で最も月が地球に近づく」わけですから、地球は、この 70年間くらいの間で最大の月を影響を受ける渦中にあるということに関しては間違っていないと思います。

では、地震はどうなのか?

・・・と、これは、ある程度というか、だた1回だけの検証にしかならないですが、「とても参考になる年」があります。

それこそが前回、ウルトラスーパームーンが発生した「 68年前」です。

それは 1948年の1月26日のことで、その日に前回のウルトラスーパームーンが発生しました。まだ戦後3年目で、日本では、月など見ているどころではない方々が多かったと思いますが。

その1948年1月26日の前後、つまり、今年 11月14日と同じように月が地球に近づいた日の前後に大地震はあったのか、というのをまず見てみます。

全然なかったのであれば、あまり関係ないですし、もちろん仮にあったとしても、月の関係かどうかはわかりません。

1948年1月26日の前後5日を記録から見てみますと、下の地震が発生していたことがわかりました。これは、マグニチュード7以上の「大地震」に限って見ています。

68年前のスーバームーンの前後5日間に起きたマグニチュード7以上の大地震

List of earthquakes in 1948 より

・1948年1月22日 マグニチュード 7.0 フィジー

・1948年1月24日 マグニチュード 7.8 フィリピン・パナイ島

・1948年1月27日 マグニチュード 7.2 フィジー

この期間には他に、

・1948年1月28日 マグニチュード 6.5 インドネシア

というのも起きていまして、まあ、大きな地震は起きてはいました。

何とも難しいところですが、ただ、1週間以内にマグニチュード7以上の地震が3回避連続するというのは大変に珍しいかもしれません。そもそも、マグニチュード7の地震というもの自体はそう頻繁に起きるものではないです。

そのような規模の地震が3回連続してウルトラスーパームーンの前後に起きていた・・・とはいえ、それが本当にウルトラスーパームーンの影響なのかどうかはわかりようがない・・・という、むしろ、どうにも結論など出しようのない中途半端な集計になってしまっていますが、しかし、大地震の発生する理屈がそんなに単純なわけもなく、たったひとつの要因で何かを求めようとするのは間違っています。

しかし、それなのに、どうして、こういうようなことを書いたのかといいますと、最近の出来事と絡んで、やや気になることがあるのです。

 

 

九州地方の最近の地震について

11月8日に、福岡で巨大なシンクホール事象が発生しました。

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これに関しましては、

福岡のシンクホール事象からも思い浮かばずにはいられない、シュタイナーが 110 年前に述べた「頂点は日本」という概念
 2016/11/08

という記事でもふれました。

報道では原因は地下鉄工事などというように言われていましたが、その時は書かなかったのですけれど、実は、「福岡地方で群発地震のようなものが前日から起きていた」のです。

そして、この1週間くらいの有感地震を調べてみますと、どうも、九州全体に地震の震源が見受けられるようになってきているように感じるのです。

九州にお住まいの方には何だか物騒に感じられましたら申し訳ないのですが、これは地震が今後起きるとかそういうものではなく、この数日間の単なるデータの提示としてご覧いただきたいと思います。

まず下は、今日 11月11日までの 1週間に九州地方で発生した「揺れを感じた地震」の数と場所です。

この期間に何度も地震が発生した熊本県熊本地方は「」で、そして、やはり複数の地震が発生している福岡県北九州地方は「」で示しています。

末尾の文字は、あとの震源の地図と対応させています。

11月5日から11日までの九州地方で揺れを感じた地震の震源

2016年11月11日 10時12分 熊本県熊本地方 M 4.2 A
2016年11月11日 00時44分 薩摩半島西方沖 M 1.9 B
2016年11月10日 17時49分 大隅半島東方沖 M 3.5 C
2016年11月10日 00時08分 熊本県熊本地方 M 2.3 D
2016年11月09日 22時09分 福岡県北九州地方 M 2.6 E
2016年11月09日 20時08分 熊本県熊本地方 M 2.5 F
2016年11月09日 15時14分 豊後水道 M 3.0 G
2016年11月09日 05時50分 福岡県北九州地方 M 2.6 H
2016年11月09日 00時02分 熊本県熊本地方 M 3.3 I
2016年11月08日 18時20分 鹿児島県薩摩地方 M 1.9 J
2016年11月08日 18時08分 鹿児島県薩摩地方 M 1.8 K
2016年11月08日 17時20分 熊本県阿蘇地方 M 2.0 L
2016年11月08日 10時27分 熊本県球磨地方 M 2.9 M
2016年11月07日 23時28分 福岡県北九州地方 M 2.8 N
2016年11月07日 00時54分 熊本県熊本地方 M 3.1 O
2016年11月06日 20時17分 福岡県北九州地方 M 3.3 P
2016年11月06日 11時34分 熊本県熊本地方 M 3.0 Q
2016年11月05日 16時57分 日向灘 M 4.3 R
2016年11月05日 13時45分 伊予灘 M 3.3 S

下の図は、上の震源をそれぞれ書き加えたものです。

11月5日から11日までの九州地方で揺れを感じた地震の震源地図

kyushu-map2

 

これを見て気づくのは、2つありまして、

・福岡県の群発地震の数が、熊本県と並ぶほどの数になっている

・九州地方を囲むように地震が発生している

です。

それが何を意味しているということではなくとも、九州地方は、本来なら、こんなにも体に揺れを感じる地震が頻発する場所ではありませんでした。

そういう意味では、熊本の地震以来なのか、そういうことではないのかはわかりませんが、地域全体が地質的に変化してきているということなのかもしれないです。

そして、この福岡県での群発的な地震発生を見ていますと、どうしても思ってしまうのが、

「あのシンクホールは本当に地下鉄工事だけが原因だったのだろうか」

ということです。

先ほどのスーパームーンとはまた別に、地震のトリガーには様々なものが関与しているという数多くの主張がこの世にはあります。

それらは、

噴出する「地震を起こすものの正体」: 月、重力、太陽活動、宇宙線、惑星直列
 2016/04/22

という記事に書いたことがありますが、はっきり言えば、「ひとつだけの何かの要因」を主張するものの中にデータ的に信頼できるようなものはほとんどありません。

まあ、いずれにしましても、現状では地震に関しては、時間、場所、どちらも「曖昧に予測することさえ」できません。

ただ・・・どうやら、いろいろ調べていますと、どこということではなく、「大きな地震が起きやすくなっているかもしれない」という雰囲気は、いたるところに出ていると感じざるを得ません。