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4月26日にメルマガ40兆個による細胞への攻撃が延々と続いていくを発行させていただきました。

2019年からの世界 地球という場所の真実 拡大する自然災害

地震の時代は終わったのか? それとも、なお拡大していくのか

投稿日:2019年4月6日 更新日:

2019年3月のM6以上の地震の発生状況(12回)


12 MAJOR EARTHQUAKES IN PACIFIC FIRE RING IN MARCH 2019




 

地震の時代に突入している地球は今後どうなる?

北海道で大きな地震が起きた 2018年9月6日から、半年以上が過ぎまして、冒頭の図にありますような最近の世界の比較的大きな地震の発生状況を見ていました。

そして、その北海道で地震が発生した昨年の夏頃の状況と比較すると、世界の地震の発生状況は「やや落ち着いてきた」ように見えなくもないのです。

というのも、2018年の夏の地震の状況については、

北海道地震 : 環太平洋火山帯の大地震の連続の中で、ほぼ初めてプレート上「ではない場所」で発生した「おそらく史上初めての場所」での特異な地震を見て
 In Deep 2018年9月6日

という記事で取り上げていますが、その時は、世界中で、マグニチュード 6以上の地震が現在の倍ほどもあったのです。

下は、2018年に北海道で地震が発生するまでの 3週間ほどの間に世界で発生したマグニチュード 6以上の地震ですが、1ヵ月どころか、3週間で 20回近くの大地震が起きていまして、それに続いて北海道で大地震が発生したのでした。

2018年8月15日から9月6日までに発生したM6以上の地震

8月15日 M 6.6 アラスカ・タナガ島
 8月16日 M 6.3 日本・硫黄島
 8月17日 M 6.5 インドネシア・フローレス海
 8月17日 M 6.1 コスタリカ
 8月19日 M 8.2 フィジー島近海
 8月19日 M 6.3 フィジー島近海
 8月19日 M 6.3 インドネシア・ロンボク島
 8月19日 M 6.8 フィジー島近海
 8月19日 M 6.9 インドネシア・ロンボク島
 8月21日 M 7.3 ベネズエラ
 8月21日 M 6.5 バヌアツ
 8月22日 M 6.2 米オレゴン州沿岸
 8月23日 M 6.3 アラスカ・タナガ島
 8月24日 M 7.1 ペルー南東
 8月25日 M 6.0 イラン西部
 8月28日 M 6.4 マリアナ諸島
 8月28日 M 6.4 マリアナ海溝
 8月29日 M 7.1 ニューカレドニア近海

(M6以上の地震が 1週間以上途絶える) 

 9月06日 M6.7 北海道 胆振地方

昨年は現在より、はるかに巨大地震が多い年であり、夏から秋は特にそうでした。

少し話は逸れますが、この記録を調べていた時に興味深かったのが、北海道地震の 2週間くらい前に、南米で大きな地震が連続していたことでした。

上のデータでは、

・8月21日 M 7.3 ベネズエラ
・8月24日 M 7.1 ペルー南東

などで、どちらもマグニチュード 7を超える大地震でしたが、これがなぜ興味深かったのかといいますと、このあたりは、地理的に厳密な意味ではないですが、

「日本の真逆にある場所」

だからです。

それがどうして興味深いかといいますと、昨年の科学誌サイエンスにおいて、

「大きな地震は、地球の反対側にも別の地震を発生させる可能性がある」

ことが発表されていたのですね。

これは、

南米と日本の「地震のラリー」を見続ける中、科学誌ネイチャーに掲載された論文《大地震は地球の反対側の地震を誘発する》という最近の学説を思い出す
 In Deep 2018年9月7日

という記事でご紹介していますが、ご紹介した記事の冒頭は、以下のようなものでした。

地震は、地球の反対側で起きる別の地震を系統的に誘発させる力を持つ

新しい調査によると、大きな地震は予震など他の地震を誘発するだけでなく、地球の反対側にも別の地震を発生させる可能性があることがわかった。

2018年8月2日に科学誌ネイチャー・サイエンティフィック・レポートに発表された調査結果は、短期的な地震予知とリスク査定の改善に向けた重要なステップとなると考えられる。

米オレゴン州立大学の科学者たちが、過去 44年間の地震データを調べた結果、マグニチュード 6.5以上の地震が マグニチュード 5.0以上の他の地震を引き起こすという明確な証拠を発見したのだ。

そして、昨年 9月の北海道地震も、日本と南米の「地球の反対同士」でマグニチュード 6以上の地震が相互に起きていたのです。

下の図のような形となります。

2018年9月の北海道地震と前後して発生した南米の地震


USGS

 

もちろん、必ずしもこういう位置関係で大地震が発生するということではないにしても、マグニチュード 7を超えるような巨大地震は、「その度合いは一定ではないにしても、地球の反対側に地質的な影響を与える」ことは間違いないようです。

どうやら、地球は遠隔地同士で「地震のキャッチボール」のようなことを繰り広げているようなんですね。

この研究を主導したオレゴン州立大学のロバート・オマーレイ(Robert O'Malley)教授は以下のように述べています。

「どのようにして地震が地球の反対側に対して、しかも極めて離れた距離の場所に別の地震を誘発させるのかというメカニズムを理解することは、現時点では、どのように説明しても推測の域を出ないでしょう。しかし、その具体的なメカニズムは今は不明でも、ひとつの大地震が、別の地震を引き起こすトリガーとなり、地震の休止と再充電の期間が続くという証拠がここに示されています」

 

大地震というのは、地球の「遠く離れた地域で発生する大地震にも影響を与え続けている」というのが、地球の地震のメカニズムのひとつでもあるようです。

なお、私自身は、以前から「 2018年後半から、2019年は地震が増加していく可能性が高い」というように記すことが多く、その理由としては、すべて過去記事で取りあげたことを根幹としていました。

過去記事のリンクも示して、その理由を記しますと、次のようになります。

2018年後半から2019年まで地震が増えると思われる理由

・2018年は、地球の回転が遅くなって5年目になる

[関連記事] 「地球の回転が《謎の速度低下》を起こしている」 :アメリカ地質学会の衝撃的な発表(2017年11月21日)

 

・地震と噴火の時期を的中させてきたアメリカのアナリストのサイクル理論では2018年から2020年は「地震と火山噴火が増加するサイクル」の該当年となる

[関連記事] 2011年の東北の大震災を正確に当てていた金融の世界で知られる驚くべき地震と火山噴火のサイクル理論が示す「2018年から2020年は怒濤の自然災害の時代」に (2018年6月11日)

 

・太陽活動が極端に弱くなっている今、宇宙線の状態や、電離層の電子の状態に変化が出ている可能性がある

[関連記事] 新燃岳の黙示録的な噴火の光景を見て思い出す「巨大地震と火山噴火が起きる本当の理由は、宇宙線の増加と太陽活動の低下」いう数々の研究結果 (2018年4月5日)

このようなことなのですけれど、最初の項目の「地球の回転が遅くなって5年目になる」というのは、地球の自転の速度というのは、実は常に一定ではなく、それは微妙な変化だとはいえ、「地球の回転は速くなったり遅くなったりを繰り返している」ものなのだそうです。

そして、地球の自転が遅くなる状態は、通常 5年間続くのですが、過去の統計では、4年目から 5年目に大きな地震が数多く発生するという確実なデータが示されていることがわかったのです。そしても過去のデータで、最も大きな地震が多く発生していたのが「回転が遅くなって 5年目」であり、それが 2018年だったのです。

実際、2018年は、世界中で大きな地震が続発した年で、特に、インドネシアのスラウェシ島で 9月に発生した地震は、津波により壮絶な被害が発生しました。

そして、過去のデータからは、今年 2019年からは、地球の回転速度は「正常に戻っていっている」と考えられます。

そういう意味では、短いスパンで考えますと、地球の回転速度の影響からの地震の増加の時期は終わったといえそうです。

しかし、先ほどの「地震が増加する理由」の他のふたつについては、特に太陽活動の低下は今後さらに深化していくと思われますので、今年 2019年からは、地震が急激に増加していくということは「ない」にしても、

 

「緩慢に大地震が増加していく」

 

という可能性は高いと思われます。

何しろ、過去 100年、あるいは過去何世紀かの地震のデータを見ていますと、この地球の地震は「一貫して増加傾向」にあるわけでして、いくつかのグラフをご紹介いたしますと、データの集計により些細な部分は違っていても、

「地震については、 100年前と今は、もはや異なる地球」

だといえるほどのものだと思われます。

下は、1935年から 2017年までのマグニチュード 6.0 - 6.9の大地震の発生件数の推移です。

年により上下の差は大きいとはいえ、平均として「一貫して増えている」ことがわかります。

1935年-2017年の地震の件数の変化(M6.0-6.9)


Significant Earthquakes 5.0+ since the Richter scale was developed in 1935

これを、同じ期間の「マグニチュード 5以上のすべての地震」としますと、21世紀からの急激な増加ぶりかよくわかります。

1935年-2017年の地震の件数の変化 (M5.0以上)


Significant Earthquakes 5.0+ since the Richter scale was developed in 1935

あと、以下のような「西暦 1600年からの地震の発生件数の推移」というようなグラフもあります。古い記録がどれほど正確かわからないですけれど、多少の不正確があったとしても、「平均ではものすごい増え方をしている」こと自体はおわかりになると思います。

1600年-2000年の地震の発生件数


The Real Causes of Earthquakes and Volcanic Eruptions

このグラフは「 2000年まで」となっていますが、先ほどの 2017年までの地震の発生件数の推移でおわかりのように、

「 2001年から地球の地震は急激に増えて、増え続けたまま推移している」

というのが実情です。

ですから、数百年前と現在の地震の発生件数を比較すれば、何倍などの話ではなく、何十倍などになっているのではないかと思われます。

 

それにしても、いろいろな理屈はつけられるだろうにしても、

「なぜ、こんなに地球の地震は増えたのか」

という根本的な理由はよくわからないままです。

 

しかし、地震という現象が、一般的に考えられているような「地下の地質だけの要因で発生するものではない」という見識が広がっていることも事実であり、そこから考えますと、「地震と宇宙」という関連もまた重要になってくるようには思います。

上空の電離層と地震との関係や、宇宙線と地震発生の関係などが指摘されることも多い中で、結局は、

 

「地震の増加は、宇宙と地球の関係性の変化」

 

だと言えなくもないのかなということも思います。

いずれにしましても、先ほどのようなグラフを見ていましても、特に地震が減っていくような兆候はないですので、地震が増加する真の原因はわからなくとも、今後も「地震は緩慢に増えていく」と考えられます。

その中で、顕著に大きな地震が発生するかどうかはわからないですが、先ほどもリンクしました「地震と火山噴火のサイクル理論」についてご紹介しました過去記事では、

「 2019年から 2020年が、最も激しい火山活動と地震が過去に起きてきた 40年サイクルと重なる」

と指摘されています。

現在やや沈静化しているように見える地震の状況ですが、長い期間で考えれば、今後も増加していくというように考えるのが妥当で、そして短い期間としては、2020年までは、特に環太平洋火山帯の地質活動には懸念が残りそうです。

 

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