イベルメクチンの「本領」は対コロナでも駆虫薬でもないかもしれない
以前、以下のようなタイトルの記事を書かせていただいたことがありました。
[記事] 「抗ガン剤としてのイベルメクチン」に関しての数々の論文を知る
In Deep 2021年10月25日
ここでは、イベルメクチンのことを調べているうちに偶然見つけたいくつかの「ガンへの応用」についての論文をご紹介させていただきました。
そうしましたら、数日前、アメリカのガン関係のメディア……まあ、代替医療などを中心的に取り上げているサイトですが、そこで、
「イベルメクチンは強力な抗がん剤だと、9つの査読済み研究が結論付けている」
というタイトルの記事が掲載されていました。
すべての論文のリンクも示されていましたので、その記事をご紹介したいと思います。
なお、今回の記事は、
「あくまでガンに効果があるという部分でのイベルメクチンの話」
です。
イベルメクチンは、コロナの特効薬として話題になったものですが、最近、「ややその傾向に懸念の兆しが出ている」のです。
最近のメルマガでも書いたことで、病院の具体名はご迷惑がかかるので出せないですが、日本のある医療施設、ここはコロナに対してイベルメクチンを使用され続けていた医療施設ですが、そこの医師の方が、
「コロナにイベルメクチンが効かなくなっている」
ことを治療の中で気づいたことが書かれてある文章を最近読みました。
実際に治療にイベルメクチンやビタミンDなどを効果的にこれまで使用されてきた方の言葉だけに重みがあります。
治療にも効果が出なくなっている上に、予防的にイベルメクチンを服用していた方々でさえも、あっさりとコロナにかかる例が、かなり出てきているのです。
最近、海外でもその傾向の話を聞くことが多くなりました。
おそらく、ですけれど、
「オミクロン BA.2 (2代目オミクロン)になって状況が変わった」
のかもしれないと思っています。
デルタ株あるいは初代オミクロン株までは効いていましたので。
この「イベルメクチンが、オミクロン BA.2以降に効果があるのかどうか」ということについては、たとえば、日本の興和などの治験で今後明らかになるかもしれないですので、それまで「効果はグレー」ということになりそうです。
日本の興和のオミクロン(対象は、時期を考えますと、BA.2ではなく、初代オミクロンと思われます)に対しての治験の結果については以下にあります。
[記事] オミクロン株をめぐる「イベルメクチン戦争」
In Deep 2022年2月4日
しかし、現状ですと、BA.2に対しての効果は、かなり厳しい感じかもしれません。
どうしてこのことが気になるかといいますと、
「ヨーロッパのいくつかの国で、コロナの《重症者と死者だけ》が増え続けている」
ということがあるからでもあります。
感染拡大の局面ではなく、「死者拡大の局面に入ってきている」ことがデータでわかるのです。
感染確認数は上昇していないのに、死者と重症者だけが増えている。
イギリスでは、3月以来、入院患者数が増加し続けていましたが、4月14日に、
「過去1年で最大の1日の新たな死者数を記録した」
ことがデータで示されています(報道) 。
以下は、過去1年のイギリスのコロナ感染確認数と死者数を重ねたグラフです。
感染数と死者数のリンクがまったく合致しなくなっていることがおわかりだと思います。
イギリスでは、その前から「感染者は増えていないのに、重症者すなわち入院患者だけが増えていく」ということになっていて、最近、過去最大だった 2020年12月の入院者数(約2万5000人)に近づいていました。
そして、ヨーロッパのいくつかの国では、イギリスと同じように「入院者数だけが増えている」ということがデータで示されていまして、場合によっては、今のイギリスと同じような死者だけが増加していくという状況にならないとも言えません。
つまり、「コロナは流行していないのに、コロナによる死者だけが増えていく」という構図です。
その原因が私の推測上のものであるならば、いずれは日本も同じとなる可能性があり、このような不思議なことが起こる理由は、私個人の考えではただひとつで、
「 ADE (抗体依存性増強)が大規模に起き始めている」
ということです。
ADE については、昨年ずいぶんと書かせていただきましたが、以下のような記事が比較的わかりやすいかもしれません。
[記事] 人類の大量死につながる可能性を否定できない ADE (抗体依存性増強)についてのメカニズム。そしてそれを避ける方法は「永遠のワクチン接種のループ」しかないという絶望
In Deep 2021年4月27日
理屈では ADE は「必ず起きる」ことですが、しかし、 ADE 発症は、それが ADE だとは確かめようがありません。
なぜかというと、ADE を引き起こすのは、スパイクタンパク質にある「感染増強抗体」と呼ばれる部位ですが、コロナに感染した人、あるいは、「完全なスパイクタンパク質を生成する mRNA 成分が含まれたコロナワクチンを接種した人」たちは、
「全員、感染増強抗体を持っている」
からです。
検査からも症状からも、それが ADE なのか他の病気によるものなのかはわかりようがありません。
しかし、現実には、ワクチン接種者全員が感染増強抗体を持っている「わけではない」というのが複雑なところです。
私自身は「水ワクチン」などという表現をすることもありますが、昨年、英国の医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)が、ファイザー社ワクチンに対しての、「懸念」を表明したことがあります。
その懸念は、「ファイザー社ワクチンには、ロットごとに mRNA 濃度の極端なバラツキがある」というもので、大ざっぱにいえば、
「約半分のワクチンは、まともなスパイクタンパク質を作らない」
という可能性に言及していたのです。
以下の記事で取りあげています。
[記事] 不完全なmRNAから成る水ワクチンの探究でロシアンルーレットに勝つ消極的な方法
In Deep 2021年8月7日
さらにいえば、米 CDC などのワクチン有害事象報告の数が増える中で検証されたデータで、「死亡事例や重大な副作用は全体の 1%以下のロットに集中している」ことがわかっています。以下の記事の後半で少しふれています。
[記事] 願望の実現
In Deep 2022年1月9日
結局、「どのくらいの率で完全なスパイクタンパク質を生産する mRNA が含まれているワクチンがあるのか」ということは、もう「わからない世界」なのです。
mRNA ワクチンの、接種直後あるいは当日の死亡を含めた「直近の死亡率」そのものは、0.4%以下です。0.1%というデータもあります。
しかし、スパイクタンパク質を生産する量が異なるとはいえ、かなりの率のコロナワクチンは、やはりスパイクタンパク質を体内で作り出してはいるはずです。
そのような「濃度と ADE の関係」もまたわからないままです。
そんな研究は過去にないですから。
ロットにより濃度が異なるワクチンの場合の ADE の発症率なんていうものを調べたデータがあるわけがありません。普通は、ワクチンの成分は全製品が同じです。
しかし、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルの「約半分」ということを、ある程度信じるとすれば、今後数年などで、「日本だけで数千万人が影響を受ける」と思われます。
最も大きな問題は、
「感染増強抗体を持っているなら、ADE から逃げようがない」
ということです。
感染増強抗体というのは基本的に消えないのです。
一生、ADE のリスクと共に生きることになってしまいます。
コロナワクチン(新型コロナだけではなく、すべてのコロナワクチン)の接種というのは、文字通り「命を賭けた」ものとなり得るのです。過去の治験ではそうなっています。
本来なら、「起きるかもしれない、のではなく、必ず起きる」のですが、水ワクチン問題によってわかりにくくなっています。これからもわかりにくいはずです。
ADE の仕組みについては、大阪大学などの研究をご紹介した以下の記事に詳しいかと思います。
[記事] 大阪大学が「抗体依存性増強の研究」論文を発表。そこから想像できる「ワクチン接種拡大と共に死者数が増加する理由」。そして、今のワクチンではADEは避けられないことも
In Deep 2021年5月31日
体内にスパイクタンパク質と共に、感染増強抗体が作られてしまった後は、大人でも子どもでも関係なく、ADE から一生逃げられないという宿命があります。そのこともあり、昨年来、特に若い人たちに対してのコロナワクチン接種は本当に慎重になってほしいと思っていました。
80歳まで生きられるはずだった十代の少年少女たちが、ハタチの自分を見られない。
当時はそれを思うと切なかったですが、すでに 1億人だかが接種したという現実があり、切ないとか言っている場合でもないです。
あとは、不完全な mRNA のロットが限りなく多かったことを祈るだけです。
話がタイトルとかなり逸れましたけれど、これからは「ガンが劇的に増える」ことも、ほぼ確実ですので、今回のイベルメクチンとガンの関係の話をご紹介させていただこうと思ったのかもしれません。
ガンとコロナワクチンの関係は以下の記事など何度か書かせていただいています。
[記事] ワクチンとガン発生について改めて考える
In Deep 2021年10月11日
それにしても、イベルメクチンというのは不思議なものですね。
イベルメクチンの正式な用途は、ヒトに対しても動物などに対しても、「駆虫薬」としてのものです。虫下しですね。ヒトだと疥癬というダニによる皮膚の病気に対して正式に処方されるものです。
ただ……この「虫下し」という概念なんですが、コロナの渦中の際に出てきた、いくつかのサプリというか、自然のものもまた、その役割があるものがありました。
・ヨモギ、ニガヨモギ (成分はアルテミシアなど)
・ニーム (日本名のセンダン)
などは、昔から寄生虫駆除剤として使われていたものですが、コロナの時にも大きく取り上げられました(私もヨモギは今も飲んでます)。
そしてですね。
今回は、イベルメクチンについてご紹介するのですが、同じガンのサイトに「動物用の駆虫薬フェンベンダゾールは、ヒトのガンの治療に有望」というタイトルの記事があり、これも論文等が記されていました。
フェンベンダゾールも、動物用の駆虫薬なんですよね。
論文等を見ると、相当ガンに有望なようです。
駆虫薬によるガン治療……。
ガンって一体どういう病気なんだろうな、と改めて思いました。
ここから、イベルメクチンについての記事をご紹介します。
イベルメクチンは強力な抗ガン剤であることを9つの査読済み研究が結論づけている
Ivermectin is a powerful anti-cancer remedy, 9 peer-reviewed studies conclude
Cancer.news 2022/04/15
今では、安価な抗マラリア薬であるイベルメクチンが新型コロナの強力な治療薬であるという事実を認識している人は多い。しかし、イベルメクチンが「ガン」も治療することをご存じだろうか。
少なくとも 9つの異なる査読済み論文が、安全で効果的なイベルメクチンがガンを阻害することを示している。以下がその論文だ。
1)2017年に、医学誌 Biochemical and Biophysical Research Communications に発表された研究では、イベルメクチンが正常な腎臓細胞を保護しながら腎細胞ガン(RCC)を優先的に治療することがわかった。腎細胞ガン腫瘍の成長は、ミトコンドリアの生合成を増加させながらミトコンドリアの機能障害と酸化ストレスを誘発するイベルメクチンによって遅延した。 (論文)
2)2018年には、医学誌 Molecular Medicine Reports 誌に発表された研究で、イベルメクチンが MDA-MB-231 ヒト乳ガン細胞の幹細胞集団を優先的に標的とすることがわかった。メキシコ国立がん研究所は以下のように述べている。 (論文)
「イベルメクチンは、オンコセルカ症やその他の寄生虫症の数百万人の患者の治療後に安全であることが実証されており、がん治療の再利用薬としての潜在的な使用を調査するさらなる研究の有力な候補となっている」
3)同じ 2018年に、やはりメキシコから発表された医学誌 American Journal of Cancer Research に発表された別の研究は、イベルメクチンが抗腫瘍療法として「再配置の有力な候補」であると決定された。 (論文)
4) 2014年に、医学誌 EMBO Molecular Medicine で発表された以前の研究では、イベルメクチンが腸ガンと肺ガンの両方に関係している WNT-TCF 標的の発現を阻害することが同様に発見された。イベルメクチンは、明らかな副作用を引き起こすことなく、TCFに依存しない異種移植片の成長を選択的に阻害する。 (論文)
5)2020年に、Pharmacological Research に発表された研究により、イベルメクチンは、乳ガンの腫瘍微小環境を調節することによって、ガン細胞の死を促進する薬剤として特定された。
イベルメクチンは、正常な造血細胞のみを残しながら、低濃度の白血病細胞を優先的に標的とする。この薬剤はまた、さまざまな卵巣ガン細胞株を標的とし、正常な腎臓細胞に影響を与えることなく、5つの腎細胞ガン細胞株の増殖を阻害した。 (論文)
6)2020年に EPMA Journal に発表された研究では、イベルメクチンが卵巣ガンの特定の標的に当たり、卵巣ガン細胞を抑制することがわかった。イベルメクチンは卵巣ガンに非常にうまく機能したため、研究者たちは、卵巣ガンの個別化医療(PPPM)としても知られる個別化薬物療法を行うために使用できると述べている。 (論文)
7)メキシコ国立がん研究所の研究者たちは、同じ年にイベルメクチンが、ガン細胞生存率とガンのコロニー形成能力の両方を低下させることを発見した。 (論文)
8)2021年に医学誌 Frontiers in Pharmacology に発表された研究は、イベルメクチンが ROS産生を増加させ、S期の細胞周期を阻害して結腸直腸ガン細胞を阻害すると結論付けた。 (論文)
9)2021年に、医学誌 BMC Cancer に発表された研究では、イベルメクチンがミトコンドリア機能障害を誘発し、NF-βBシグナル伝達を抑制して、アポトーシスを促進することにより、食道扁平上皮ガン(ESCC)細胞の増殖を阻害することがわかった。 (論文)
ご覧の通り、イベルメクチンはあらゆる種類のガンに対して、驚異的な働きをしており、何とも不思議な薬だ。
イベルメクチンが欧米諸国で執拗に拒否される理由もここにあるのだろうか。
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