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4月12日にメルマガ夢見と古代ギリシャと「痛みとの個人的歴史」が混沌とを発行させていただきました。

2021年からの世界 人類の未来 健康の真実

脾臓は「全身のサイトカインを支配している免疫応答に最重要な臓器」であることがサイエンスに発表された論文で判明。そしてmRNAワクチンはこの臓器を集中的に攻撃している

投稿日:


euyansang.com.sg




 

脾臓が気になり続けて

少し前に以下の記事で、「脾臓」について書きました。

脾臓とワクチン : mRNAワクチンが最も攻撃する脾臓の精神科学的な意味は?
投稿日:2021年5月17日

その理由は、この記事でも取り上げています米マサチューセッツ工科大学の研究者による論文で、

「 mRNA ワクチンの筋肉注射で、最も高い mRNA濃度を記録したのは脾臓」

だということを知ったこともありますが、もともとこの「脾臓」という臓器は、医学的にはあまり重視されてこなかったもので……というか、現代医学では、すべての臓器の中で最も軽く見られているものの中に含まれるのではないでしょうか。

以前から、

「現代医学で軽く見られている臓器ほど重要なのではないか」

と思いはじめていたということも、脾臓を気にしていた理由なのかもしれません。

たとえば、盲腸とか扁桃腺とか、以前なら「切っちゃえ切っちゃえ」的な扱いを受けていた臓器たちには、実際には重大な意味があるのではないかと。そもそも人体に無駄な部分があるという発想が、どうも釈然としませんでした。

以下の記事は、それぞれ盲腸と扁桃腺についての医学記事をご紹介したものですが、これらもまた本来の機能のあくまで一部だと思っています。

「盲腸は腸内細菌環境を保護する重要な器官である可能性」が臓器進化の観点から示される。さらに、虫垂を切除した人はパーキンソン病の発症率が著しく高いことが大規模な調査で判明
投稿日:2019年5月13日

…「人体から取り除いてはいけないもの」を排除してきた自分の人生…。そして今、扁桃腺を切除した子どもは「一生、極めて高い疾病率を背負う」ことが研究によって明らかに
投稿日:2018年8月7日

それで脾臓なんですけれど、前回の脾臓の記事を書いた後、最近の論文や科学記事を見ていましたら、サイエンスにかなり意味の大きな論文が掲載されていることを知りました。

それは、

「脾臓が人間の全身の免疫応答に関係するサイトカインを支配していた」

ことが初めて見出された、というものでした。

論文は以下にあります。

A leukotriene-dependent spleen-liver axis drives TNF production in systemic inflammation
ロイコトリエン依存性の脾臓 - 肝臓軸は、全身性炎症におけるTNF産生を促進する

 

今回は、この論文を説明していた科学メディアの記事をご紹介したいと思いますが、その前に、脾臓に関して、ちょっとショッキングなことを知りまして、それについてと思うのですが、以下の記事など、最近では mRNAワクチンと「妊娠」あるいは「胎児」への影響や関係について考えることがありました。

遺伝子ワクチン時代後の赤ちゃんたちは…
投稿日:2021年5月6日

 

「脾臓と妊娠って関係ある部分があるのかな」と、いろいろ調べていたとき、以下のタイトルの海外の論文が出てきました。

Spontaneous splenic rupture in pregnancy
妊娠中の自然発生的な脾臓破裂

要するに、「妊娠中に自然に脾臓が破裂する」という意味のタイトルです。

「脾臓が破裂する?」と思いまして、日本語でも調べてみましたら、以下のような文章がありました。日本血管外科学会総会の報告からの一部抜粋です。

妊娠中に発症し母子ともに救命しえた脾動脈瘤破裂の1例

これまで脾動脈瘤破裂は約 400例報告されているがそのうち妊娠中が約 100例と妊娠中に多く破裂することが報告されている。妊娠中の脾動脈瘤破裂は 65%が妊娠後期に発症し、胎児の死亡率は 90%、母体の死亡率も 75%と報告されており母子とも救命された例は 14例しか報告されていない。 jsvs.org

知りませんでしたけれど、なんと「妊娠中に脾臓の動脈瘤が破裂する」という症例があるのだそうです。これまで、約 400例というのが、多いのか少ないのなのかは私にはわからないですが、

> 胎児の死亡率は 90%,母体の死亡率も 75%

という極めて高い母子の死亡率を持つものであるらしく、この報告では、症例が書かれていますが、33歳の女性は、

> 妊娠32週目、一時的に目が見えなくなり冷汗、腹痛を認めたため産科を受診

とありまして、「目が見えなくなり」「冷や汗」「腹痛」などから脾臓が破裂していることがわかるわけもなく、また、先ほどの海外の論文で取り上げられていた症例の人は、26歳のモロッコ人女性で、

> 上腹部の痛み、めまい、全身倦怠感を経験した後、産科救急ユニットに入院

とありまして、腹痛やめまいや倦怠感などの症状から自身で「脾臓が破裂している」ことがわかることは難しそうです。この女性は、搬送後 7時間後に母子共に死亡しました。

他の論文でも、胸痛、腹痛を訴えた女性の場合、結局、開腹手術をしてはじめて、脾臓が破裂(脾動脈瘤破裂)していることがわかったとあります。

この脾臓の破裂というのは、

妊娠中に多く破裂することが報告されている

sありますように、「妊娠している間の女性に多く起きる」もののようです。

どうしてそんなことが起きるのか、そのメカニズムを知りたいと思いましたが、それについての記述は見出せませんでした。

それでも、このことから、妊娠という事象と脾臓には何か大きな関係があるのかなとも思ったりもます。

そして、そのような脾臓という臓器が、人間の炎症をコントロールしている可能性が高い臓器であることが見出されています。

サイエンスに掲載されたサンパウロ大学の研究者たちの論文をご紹介します。




 

場合によっては、脾臓が感染症での人の生死を決める

研究でわかったことは、脾臓がサイトカインの産生を支配しているということなんですが、これは、「免疫応答を良くする方向」にも「それを悪くする方向」にもどちらにも働くもののようにも思いました。

つまり、脾臓の働きのバランスが正常である場合、それは、炎症をふせいだり、発ガンを防いだりしますが、「脾臓が正常ではなくなる」と、サイトカインの暴走など、炎症や発ガンやさまざまな疾患と結びつく可能性があるのかもしれません。

研究チームを率いたのは、ブラジル・サンパウロ大学の生物医科学研究所 免疫学科のアレクサンドル・シュタイナー博士という方です。


脾臓から肝臓への信号が全身性炎症を制御している

Spleen-to-Liver Signals Control Systemic Inflammation
The Scientist 2021/04/29

確立された医学的定説では、これまで、脾臓は、敗血症で見られる一種のシステム全体の炎症を引き起こす腫瘍壊死因子(TNF)と呼ばれる炎症誘発性サイトカインの主要な供給源だと考えられていた。しかし、そうではなく、脾臓は炎症誘発性サイトカインをコントロールしているものだった。

サイエンス・シグナリング (Science Signaling)に掲載された論文によると、ラットの肝臓と肺は、脾臓よりも多くの腫瘍壊死因子を産生するが、しかし、脾臓が肝臓の最上位の調整役であり、脾臓は、脂質シグナルを介して、他の臓器に対して「どれだけの腫瘍壊死因子を作るか」について指示していることがわかったのだ。

これは、脾臓が肝臓でのサイトカイン TNFの産生を増強することを報告している非常に興味深い内容だ。そして、臓器間のコミュニケーションと生理学的相互作用の複雑なメカニズムを示してもいる。

脾臓は、体内で最も評価されていない臓器の 1つである可能性があり、これまで知られている役割としては、古くなり損傷した赤血球を一掃し、鉄をリサイクルし、新しい赤血球のストックを準備しておくという、事務管理人のような控え目なタスクの実行をおこなうとされてきた。実際、脾臓がなくても普通に生きることも可能だ。

しかし、今回の研究の発見により、(病原体などの)感染時には、この脾臓の状態には、より高い注意が必要となるだろう。脾臓は、血液中の病原体を検出し、免疫細胞とそれらと戦う抗体を生成する。

脾臓は、全身感染時の重要な炎症誘発性サイトカインである腫瘍壊死因子の最大の供給源として長い間考えられきた。しかし、サンパウロ大学の神経免疫学者アレクサンドル・シュタイナー博士とそのチームは、実際にはそうではなく、脾臓は、その「指示」を出していることを見出した。

シュタイナー博士は、脾臓が体の周りの他の臓器に信号を送って腫瘍壊死因子を産生する可能性があると推論した。

したがって、脾臓がなくなると、サイトカインである TNFを他の臓器に産生させる信号もなくなる。


 

ここまでです。

実際には、ここから実験のさらなる詳細が書かれるのですが、ちょっと専門的すぎて、むしろわかりにくくなりますので一部割愛していますが、重要なのは、記事の最後半の以下のふたつの部分です。

ザ・サイエンティストの記事より

米ヴァンダービルト大学の免疫学者ヘンリク・セレナジ博士は、この研究について以下のように語る。「この調査結果は、脾臓と肝臓の間の通信メカニズムを描写することによって、感染症と非感染症を治療するための新しい治療の機会を解き放っています」

さらには、以下に続きます。

ザ・サイエンティストの記事より

シュタイナー博士は、「免疫応答は両刃の剣である」ため、治療が切実に必要とされている、と述べる。一方では、TNFを含むサイトカインシグナルは、侵入する病原体に対する迅速で強力な応答に不可欠だが、応答が長すぎると、宿主に損傷を与える可能性がある。

過剰な免疫応答である敗血症は、毎年世界中で何百万もの死の原因となっているとシュタイナー博士は言う。

博士の究極の希望は、そのような応答を調節する重要な分子を知ることにより、研究者が、免疫応答を微調整するための医薬品を開発できるようになることだ。

この論文で言っていることは、肝臓などもサイトカインを作り出しているけれど、「その全体の応答の調整をしているのが脾臓」だということだと思われます。

このサイトカイン信号は、シュタイナー博士が言う言葉をお借りするなら、

> 侵入する病原体に対する迅速で強力な応答に不可欠

ではあるけれど、

> 応答が長すぎると、宿主に損傷を与える可能性がある

ということで、これについてはサイトカインストームという言葉などもありますが、定義はともかく、人間の免疫応答の支配者が脾臓だったことになります。

このようなことから、

「この脾臓の状態のバランスが破壊されたら?」

ということも考えます。

たとえば、脾臓が何か異常な状態になったとすると、今回の論文から考えますと、以下のどちらかに近い状態がもたらされる可能性があります。

「病原体に応答しない」 (感染症などになりやすい)

「病原体に応答しすぎる」 (過剰あるいは異常な免疫反応での疾患)

先日の記事「脾臓とワクチン…」でご紹介しましたマサチューセッツ工科大学の論文には、

> 最も高い mRNA濃度レベルを示したのは脾臓と肝臓だった。

という、今回の論文で「免疫応答の主役」となっている脾臓と肝臓のふたつに最も濃い濃度のワクチンからの mRNA が検出されているということがありました。

あと、mRNAワクチンは体内にスパイクタンパク質を作るわけですが、そのスパイクタンパク質は「脾臓をはじめ、あらゆる臓器に蓄積される」ことが、ネイチャーに発表された論文に記されています。

この論文に関しては、以下の記事で取りあげています。

血管に注入された新型コロナのスパイクタンパク質は、脳のバリア「血液脳関門」を簡単に通過し脳全体に広がることを知った日に、100年前のシュタイナーの「アーリマンに関する会議」の議事録を読めました
投稿日:2021年2月11日

ここでは、以下の部分を抜粋しています。

2020年12月16日のネイチャーの論文より

新型コロナウイルスは、スパイクタンパク質の S1サブユニットを介して細胞に結合する。静脈内注射された放射性ヨウ素化 S1(スパイクタンパク質)は、雄マウスの血液脳関門を容易に通過し、脳領域に取り込まれ、実際の脳空間に入ったことが示された。

新型コロナウイルスのスパイクタンパク質は、肺、脾臓、腎臓、肝臓にも取り込まれた。Nature Neuroscience

なお、この論文にあるグラフでは、各臓器に、スパイクタンパク質が時間の経過と共に蓄積していく様子が示されています。

以下は、「スパイクタンパク質は血液から除去され、末梢組織に取り込まれる」というセクションにあるグラフで、各臓器が示されているのですけれど、脾臓と脳は、以下のようになります。

グラフが、右斜め上に上がっていくというのは、時間と共に検出量が多くなっていることを示します。


Nature Neuroscience

これらの蓄積されたスパイクタンパク質が、脳や脾臓や肝臓で「分解されたり消滅したりするのか」ということについては、論文には以下のようにあります。

> スパイクタンパク質自体が分解されるかどうかは明らかではない。

 

結局、今回の記事を書きたかった主旨というか懸念は、以下のようなことになると思われます。

・ワクチンの mRNA がヒト遺伝子に統合される可能性(過去記事

・その mRNAは、体内でスパイクタンパク質を作る指示を出す

・仮に遺伝子に統合された場合、長期的にその指示が存在し続けるかもしれない

・作られるスパイクタンパク質は、脳や脾臓を含めた全身に行きわたることがわかっている

・では、その影響は?

ということで、さらに、今回は脾臓が免疫応答をコントロールしていることがわかったわけですので、「脾臓への影響と、その結果は?」ということを知りたいということなのかもしれません。

なお、3月にこちらの記事で取りあげさせていただきました、ドイツ・マインツ大学のスチャリット・バクディ教授という方が、欧州医薬品庁に送った「ワクチンの安全性の懸念についての緊急公開書簡」をご紹介していますが、その中のひとつに以下のような項目があります。

スチャリット・バクディ教授の緊急公開書簡より

これが血小板数の減少、血中 D-ダイマー (血液検査において血栓症の判定に使われる物質)の出現、および脳、脊髄、心臓を含む全身の無数の虚血性病変につながることが想定されなければなりません。 indeep.jp

このバクディ教授の言うような「すべての臓器を含めた全身の虚血性病変」の懸念があるのだとすれば、脾臓も安全ではないということになるのかもしれません。

そういえば、今回ご紹介したサンパウロ大学の科学者もシュタイナーというお名前でしたが、脾臓と免疫応答の発見を知りまして、ルドルフ・シュタイナーのほうのシュタイナーさんの脾臓に対しての認識も間違っていなかったことを今知ります。

以下は、ルドルフ・シュタイナーの創唱した「人智学」の見識に基づく人智医学看護に関する海外のページからで、脾臓の役割は以下のように書かれています。

人智医学看護ページより

脾臓

脾臓は、循環血液中の病原体やアレルゲンに対抗するための最も強力な浄化力を生み出します。同時に、それは古い血球を排除し、それによって継続的に血液を更新します。

医学的適応
・感染に対する強い感受性
・食物不耐性とアレルギー
・中毒(例、アルコール依存症)

Vademecum

なお、中国伝統医学 (TCM)では、また脾臓は異なる見方をされているようです。海外の中国伝統医学のページでは、

> 脾臓は、生命にとって不可欠な物質である「気」の生産地である

と書かれていました。

意味は異なるながらも、中国伝統医学でも重要なもののようです。

いずれにしましても、各種データが示しているところは、mRNAワクチンが、この脾臓を特に集中的に攻撃している可能性があるということです。

脾臓は感染症に最も重要な臓器であることがわかった中、あっぱれというべきなのか、困ったものだというべきなのか。

影響はすぐには表面には出ないでしょうけれど、今後数カ月、数年という単位ではどういうことになっていくのでしょうかね。

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  • この記事を書いた人

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