科学者たちが誰一人とした見たことのない「磁場の極渦」
なんだかこの 1週間ほど、いわゆるめまいと同時に起きるとされている眼振という現象があるんですが、それがどうも強くてですね。
昔から自分で観察している分には、「どうも太陽活動の活発化と眼振の度合いが比例しているような気がする」とは思い続けていたのですけれど、太陽の活動自体は、まあ今はまた活発化してきましたけれど、この 1週間は、そうでもなかったんです。
しかし、眼振はなんか強い。
パソコンとか見てても、画面がふるえて見える感じで。
(((( ;゚д゚)))アワワワワ
という感じでしょうか。
(((( ;゚д゚)))アワワワワ (状態の説明はもういいから)
それでですね。
今日、
「太陽でとても奇妙なことが起きている」
ことを知りました。
科学メディアのライブサイエンスが報じていたのですけれど……ただ、読んでも、「意味がよくわからない」のですが、「太陽で極渦が起きている」というのです。
極渦というのは、地球でいえば、北極や南極の極地において、その上空を循環している大気の渦状の流れで、これが崩壊すると、極地以外に冷たい大気が流れ込み低い温度が地球の各地に出現するのですが、地球のことはともかく、「それが太陽で起きている」と。
「?」
とは思うのですが、大気の流れではなく、「太陽プラズマの極渦」つまり、
「磁場の極渦が起きている」
ようなんです。
アメリカのエアロスペース社のタミサ・スコフ博士という科学者が最初に投稿したことで、それがわかったのですけれど、まずは、そのライブサイエンスの記事をご紹介します。
タミサ・スコフ博士の投稿に動画がありますので、それも記事の中に掲載します。
このような太陽の巨大な「極渦」は前例がない、と科学者たちは言う
Enormous 'polar vortex' on the sun is unprecedented, scientists say
livescience.com 2023/02/11
太陽の北極上でループする長いフィラメントのプラズマが崩壊し、科学者たちが説明できない「極渦」を作り出した
2月2日、プラズマの巨大な触手が太陽の大気中で崩壊し、毎分数千マイル (数千キロメートル)で太陽の北極を周回してから消えた。
この現象に科学者たちは困惑している。
約 8時間続いたこの現象全体は、科学者のタミサ・スコフ (Tamitha Skov)博士が Twitter に投稿し口コミで広がった。投稿は以下のものだ。
Talk about Polar Vortex! Material from a northern prominence just broke away from the main filament & is now circulating in a massive polar vortex around the north pole of our Star. Implications for understanding the Sun's atmospheric dynamics above 55° here cannot be overstated! pic.twitter.com/1SKhunaXvP
— Dr. Tamitha Skov (@TamithaSkov) February 2, 2023
カリフォルニア州エアロスペース社の科学コミュニケーター兼研究科学者であるスコフ博士は、以下のように書いている。
「極渦について話しています!北のプロミネンスからの物質がメイン・フィラメントから分離し、現在、私たちの太陽の北極の周りで大規模な極渦が循環しています。ここで 55°を超える太陽のこの大気ダイナミクス現象が起きているということは、誇張した話ではありません!」
何が起きているのだろう。
基本的に、太陽のプラズマの長いフィラメント(太陽すべてを構成する帯電したガス)が太陽の表面から飛び出し、プロミネンスと呼ばれる巨大なループ機能を作り出す。
このこれらのフィラメント構造は一般的な事象であり、絡み合った磁力線に沿って太陽プラズマが渦巻くように、何十万マイルも宇宙にループする可能性がある。
しかし今回起きたことは、奇妙なことに、プロミネンスが突然バラバラになり、その後何時間も宙に浮いたままとなり、それが太陽の両極の周りを旋回したのだ。
スコフ博士と他の研究者たちが指摘しているように、結果として生じるプラズマのサイクロンは、極渦と似ていた。
極渦は、冬に地球の極の上に極寒の空気の大きなループを形成する一種の低圧システムだ。
コロラド州ボルダーにあるアメリカ国立大気研究センターの太陽物理学者で副所長のスコット・マッキントッシュ氏は、「太陽プラズマがこのように振る舞うのを見たことがない」と述べた。
しかし、マッキントッシュ氏は、この奇妙なプロミネンスが発見された太陽の緯度 55度線の近くで、長いフィラメントが定期的に噴出していると付け加えた。
このようなフィラメントは、太陽の 11年周期の活動サイクルが太陽極大期(太陽の磁気活動がピークに達する時期))に向かって上昇するにつれて、より一般的に現れる。
太陽活動極大期には、太陽の磁力線が高周波で絡み合い、崩壊し、多くの黒点を生成し、プラズマの大きな流れを宇宙に放出しする。
次の太陽極大期は 2025年に始まると予測されており、現在、太陽活動は過去数か月で明らかに増加している。
プラズマのフィラメント自体は、地球に脅威を与えるものではない。
しかし、アメリカ海洋大気庁 (NOAA)によると、フィラメントの噴出は、コロナ質量放出 (CME)と呼ばれるプラズマと磁場の巨大で動きの速い塊の放出につながる可能性がある。
これらの帯電した塊がたまたま地球上を向かうと、人工衛星に損傷を与え、電力網の広範囲にわたる障害を引き起こし、オーロラが通常よりはるかに低い緯度で見えるようになる可能性がある。
幸いなことに、2月2日のフィラメントは地球に向いておらず、CME を放出しなかった。
それでも、このまれな太陽の渦がどのように、なぜ形成されたのかを正確に把握するには、さらに研究が必要であり、もし地球に向かうようなことがあれば、どのような結果が生じる可能性があるかをマッキントッシュ氏は Space.com で説明した。
科学者たちは、この極を取り囲むプラズマからフィラメントが引き裂かれる様子を定期的に観察してきたが、これほど極地の旋風を形成する様子はこれまで見られたことがない。
科学者たちは、太陽の極領域は太陽の磁場の生成に重要な役割を果たしていると考えており、その磁場が 11年周期の活動を駆動していることを知っている。しかし、私たちは太陽の極領域を直接観察することはできない。
「太陽は黄道面(惑星が周回する面)からしか観測できないのです」とマッキントッシュ氏は語る。
しかし、欧州宇宙機関のソーラー・オービターミッションは、今後数年間でこの奇妙な現象に光を当てる可能性がある。
水星の軌道内から太陽の画像を撮影するこのミッションでは、軌道が最大 33度傾けられる。
マッキントッシュ氏は、これだけでは極渦の謎を解明するには不十分かもしれないと考えており、そのためには、科学者たちにはまったく新しいミッションが必要になるかもしれないと述べる。
ここまでです。
プラズマとかフィラメントだとかの言葉が出てきますが、これらは、黒点から発生する「太陽フレア」と呼ばれる現象とはまた別の磁気の放出活動で、以前は、それなりに取りあげたことがあります。
このフィラメントの放出は、黒点からの発生ではない「ハイダーフレア」という特大のフレアを発生させる要因になると説明されていました。
以下は……もう 13年前の記事ですが、ハイダーフレアについて、スペースウェザーの記事を翻訳したものです。
[記事] 太陽のフィラメントが起こす壮大な「ハイダーフレア」
In Deep 2010年02月24日
以下の矢印の部分がフィラメントです。
2010年2月のフィラメント。長さ100万キロメートル
Spaceweather.com
しかし、この太陽から噴出したフィラメントは、
「通常はすぐに崩壊する」
のです。
ところが、今回のフィラメントは、
「すぐには崩壊せず、太陽の北極上空を 8時間にわたり循環した」
ことが見出されたのでした。
太陽の大きさを考えますと壮大な現象です (太陽の直径は地球の 109倍)。
何が起きているんですかね。
なお、この太陽の極渦現象が起きた 4日後にトルコの地震が発生しています。
太陽からの磁気と「地球の地震」は、特に大地震は関係しています。
以下の記事でネイチャーに発表された論文をご紹介しています。
[記事] 太陽フレアは大地震を誘発する : 太陽と地震の関係を過去20年のデータ分析から「確定させた」2020年のネイチャーの論文を、黒点活動が過激化している今再び読み返してみる
In Deep 2022年3月29日
また、地球が強い磁気嵐に見舞われている間は、
「地球の地質に強い電気が流れる」
ことが、ノルウェーのロフォーテン諸島にあるオーロラ観測所によって、2018年に見出されました。以下の記事にあります。
[記事] 太陽と地震 : 強力な磁気嵐が「地球の地質に強い電気を流す」ことを初めて知った時に思ったことは…
In Deep 2018年8月29日
2018年8月25-26日にノルウェーで観測された「磁気嵐と地中の電気量」
ELECTRICITY FLOWS THROUGH THE SOIL OF NORWAY
まあ、地中に強い電気が流れたとしても、それが大地震と関係するわけではないかもしれないですが、
「場合によってはトリガーになり得る」
とは思います。
先日の、トルコの地震の後に書かせていただいた記事のタイトルに、「太陽の変化…そして宇宙の変化…」と入れていましたが、今のところメカニズムはよくわからないですが、現在、
「太陽に、少なくとも過去数十年で見られたことのない変化が出ている」
ようです。
(((( ;゚д゚)))アワワワワ (状態の説明はいいから)
まあ……なんかいろいろと壊れてきてはいるんですよね。
以下は昨年夏の記事で、いろいろと起きていることをご紹介しています。
[記事] 地球は本当に壊れてきちゃっているんだろうか、とか。地球の自転速度の過去最大の上昇、磁場の崩壊、気流の崩壊、海流の崩壊、近隣宇宙の崩壊……を見る中で
In Deep 2022年8月2日
以下の 2019年の記事では、天文観測プロジェクトの調査で、
「数十年で100個の星が《宇宙から消えた》」
ことがわかったことをご紹介しています。
[記事] 「宇宙から星が次々と消えている」ことが天文学者たちの大規模調査により判明。宇宙で何が起きている?
In Deep 2019年12月23日
太陽に関しては、新たな動きがあれば、ライブサイエンスやスペースウェザーなどのメディアが報じてくれるでしょうけれど、ともかく太陽の磁場に大きな変化が起きつつあるようです。
なお、太陽黒点から発生するフレアは、ある程度は規模が予測できますが、フィラメントから発生するハイダーフレアは、時期も規模もまったく予想できません。
また、太陽の磁場に大変化があると、体調やメンタルの面にも影響が強く出てきますが、これについてはまた後日書かせていただきます。
これは、それこそめまいや眼振も含めたものですが、「人間の血液の特徴 」から(ヘモグロビンは鉄 = ヘムとして磁性を持っていることなどから)、ある程度は説明できるものです。
つまり、太陽の磁場にあまりにも巨大な変化が出ると、人間と社会そのものに影響が出る可能性があることにもなります。
>> In Deep メルマガのご案内
In Deepではメルマガも発行しています。ブログではあまりふれにくいことなどを含めて、毎週金曜日に配信させていたただいています。お試し月は無料で、その期間中におやめになることもできますので、お試し下されば幸いです。こちらをクリックされるか以下からご登録できます。
▶ ご登録へ進む