In Deep

地球最期のニュースと資料

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中国政府が「世界最大の電波望遠鏡で地球外知的生命体の探査を開始する」ことの真意は

   

china-alien-search

▲ 2015年10月12日の米国 IB Times より。

 

宇宙探査レースの中で

この半年くらいは、中国がいろいろな意味で、世界中から注目を浴びることが多いですが、今度は、上の報道にありますように、

「宇宙からのシグナルを探査するための世界最大の電波望遠鏡」

などというものまで建設していることを知りました。

そして、この大きさが半端ではないのです。

現在、電波望遠鏡の大きさで上位3位は以下のものとなっています。

 

・1位 アレシボ天文台(プエルトリコ / 建設は米軍) 直径 305メートル
・2位 エフェルスベルク電波望遠鏡(ドイツ) 直径 100メートル
・3位 ジョドレルバンク天文台(イギリス) 直径 76メートル

 

なのですが、それに対して、現在、中国軍によって建設が進められている電波望遠鏡は何と「直径 500メートル」。

図にしますと、下のようになります。

radio-telescope-3wombyinfo

 

ちなみに、東京ドームの野球場の広さが下のようになっていますので、この中国の新しい電波望遠鏡には、少なくとも、「東京ドームが縦に5個置ける」ということになりそうです。

東京ドームの協議場部分の大きさ(122m)
tokyo-domesize.blog

 

何とも途方もないものを建設しているのですが、何のためにこのようなものを建設しているのかということに関しては、このプロジェクトの主任研究員の人が、

「地球外生命体を探査するため」

と、報道に対して明言していまして、それが本当なのかどうかを別にしても、建前的には、そのようなことになっているのですね。

まずは先に、そのことが書かれたインターナショナル・ビジネス・タイムズの記事をご紹介します。

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China Making World’s Largest Radio Telescope, Could Expand Search For Extraterrestrial Life
International Business Times 2015.10.12

中国が世界最大の電波望遠鏡を建設しており、それにより、地球外生命体の探査が可能となるかもしれない

 

中国政府が、世界最大の電波望遠鏡の建設を進めており、この望遠鏡は地球外生命の徴候を検出することができる可能性があり、また、天文学者たちに、様々な銀河の研究の進展を提供し得るものだ。

このプロジェクトは、中国軍が基盤となっている宇宙計画で、望遠鏡のサイズは、直径 500メートルに及ぶ。望遠鏡は「 FAST 」と呼ばれ( Five-hundred-meter Aperture Spherical Telescope / 500m口径球状望遠鏡)、その大きさはサッカー場 30個ほどの広さに相当する巨大なものだ。

CNN などの報道によれば、この望遠鏡が完成すると、太陽系と、地球周辺の「数百万」の惑星からのシグナルを検出することができるようになるという。

報道は、この望遠鏡は、宇宙や他の惑星上の生命の探査を理解する上で、これまでの地球の電波望遠鏡に代わる新しい役割を持つ設備になる可能性に言及している。

中国国営新華社通信の 7月のレポートによると、FAST は 2016年までに準備が整うという。

FAST プロジェクトの主任研究員、南仁東(ナン・レンドン / Nan Ren-Dong )氏は、この望遠鏡が高度な探査検出能力を持っているとして、新華社に対して、

「電波望遠鏡は敏感な耳のようなものです。宇宙のホワイトノイズの中から意味のある電波シグナルを聞き取る。それは、雷雨の中でセミの声を特定するようなもとも言えます。それを可能とするのです」と述べている。

中国天文学会会長の呉向平(ウー・シャンピン / Wu Xiangping )氏は、この望遠鏡プロジェクトに期待しているとして、以下のように新華社に語った。

「これは、銀河系の外の知的生命体を探索する手助けになるもののはずで、さらに、宇宙の起源を探索する役目も担うはずです」

FAST の建設は 2011年に、中国南西部の貴州省平塘県で始まり、現在も建設が進められている。


 

ここまでです。

なお、建設されている貴州省平塘県というのは下の位置です。

fast-mapGoogle Map

 

中国といえば、少し前の、

中国に出現した「空中巨大都市」に驚きつつも、それらもまたホログラムかもしれないという世の中で
2015/10/13

という記事で、メディアでは「蜃気楼」ということになった下のような光景が出現したばかりでもあります。

10月9日、中国広東省仏山市の上空に出現した光景
china-skycity-top2

 

こういうようなものも見せてくれる、この中国という国での、おそらくは「とんでもない予算」をつぎ込んでいると思われる地球外生命探査プロジェクトについて、こんな、一見「無駄」にも思えるプロジェクトを、どうして本気で始めようとしたのだろうとは思います。

「無駄」と書きましたのは、すでに地球では、50年以上前から、様々な機関や団体によって「地球外知的生命体探査( SETI / セチ)」と呼ばれる「電波の受信による地球外知的生命体プロジェクト」が行われて続けているのですが、その 50年間の成果は、

「基本的にゼロ」

だからです。

 

これに関しては、今年の2月に、

…約50年間成果の出ないSETI(地球外知的生命体探査)は方針を巡り紛糾中
2015/02/20

という記事でふれたことがありますが、そこでご紹介した米国サイトの記事には以下のようにあります。

地球外知的生命体探査 SETI は、もう何十年も地球外生命からの信号を探査し続けているが、はっきりとした結果は何も検出できていない。

もちろん、これまで興味深い信号は存在したが、それらに知性の指標となるような具体的なものは何もなかった。

 

そんな中で、今回、中国で「おそらくは受信感度も受信可能距離も歴史上で最高となる電波望遠鏡」が実用化に向けて進んでいるわけですが、私は、このプロジェクトは、実際には、「宇宙人云々」のほうに話の中心があるわけではないのではないかなあと、ふと思ったのでした。

それは、今から5年前に、アメリカのデイリー・ギャラクシーという宇宙関係メディアの記事をご紹介した

中国共産党公式報道で躊躇なく「UFO」という単語を使う理由

という記事の内容を思い出してのことです。

長いものではないですので、載せておきたいと思います。


From the X File Dept: China Reports Third Major Airport UFO Shutdown
Daily Galaxy 2010.09.21

中国で3回目となる主要空港のUFOの出現による閉鎖

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中国の人民日報オンラインの報道によると、9月11日の午後8時、内モンゴル自治区の包頭(パオトウ)から東に約 40キロメートルの地点で、未確認飛行物体( UFO )が見つかり、北京と上海からパオトウ空港に向かう航空機に対して、着陸の許可が出るまで旋回するように指示が出された。

そして、2機の航空便に対して、他の空港へ向かうように航路変更の指示が出されたという。

パオトウ空港のスポークスマンは、「安全のために他の空港に誘導した。そうしなければ、未確認飛行物体と衝突した可能性がある」と述べた。

人民日報は中国共産党の公式報道であるにも関わらず、迷うことなく「 UFO 」という言葉を使っている。

新聞の内容の英語版の編集の責任を持つ翻訳者たちは、多分、西側諸国の用語との関連を意識して書いていると思われる。

これらの記事からは、まるで彼ら中国共産党が真の地球外文明の信奉者であるかのような印象を受ける。


 

ここまでです。
この中の、

> まるで中国共産党が真の地球外文明の信奉者であるかのような印象を受ける。

というフレーズを思い出したのです。

これまで宇宙探査、特に「地球外生命体」と関係する宇宙プロジェクトは、西洋、特にアメリカ NASA の独壇場(成果ではなく、予算がですが)だったのですが、何十年経っても、NASA は成果、つまり、地球外生命の証拠も挙げられないし、そもそも、

NASA の火星無人探査計画が無駄な理由: 1976年にバイキングがおこなった火星地表の質量分析から 36年経って進化しない観念
2012/08/12

という記事に書いたことがありますが、NASA は、本気で宇宙に生命を探している感じがあまりしないのです。

ものすごく正直に言えば、 NASA が現在行っている様々なプロジェクトは、むしろ「宇宙空間から人々の夢を奪い取っている」ような成果ばかりのような気もするのです。

 

さて、宇宙に夢を失いつつある世界の人々に向けて、そこで登場するのが、さきほどの「真の地球外文明の信奉者を演じたい」お国ということなのかもしれません。

shu-kinpei

 

「私たちがエイリアンを探して差し上げましょう」

 

それが本気かどうかは関係ないことで、そのように世界の人々が中国を見るようにしたいと。

西欧の各国で、諜報機関などを中心に「 UFO 存在でのマインドコントロール計画が進められている可能性がある」ことを、エドワード・スノーデンさんが述べていたことについては、

ミスター・スノーデンが示唆する米英政府機関のUFOでの大衆マインドコントロール作戦
 2014/03/19

という記事に書いたことがありますけれど、中国当局も案外同じようなことを考えているのかもしれないですし、何より、

「アメリカに代わり、宇宙探査の代表国になる・・・というイメージ」

を作り出すには、今回の世界最大の電波望遠鏡の建築のニュースは、十分にインパクトがあるものだとは思います。

 

本当に異星人とコンタクトしたいのなら

しかしですね、そういう国策的なことではなく、仮にですけど、中国政府が「本気で」地球外知的生命体を探査しようとしているとしましても、この手のシグナルの受診という探査はやはり無駄だと思います。

なぜか。

たとえば、ここ数年は、「地球と非常によく似た環境の惑星」が次々と見つかっています。

今年7月には、「これまで見つかった中で最も地球に似た惑星」が発見されたことを NASA が発表しました(報道)。

地球と非常によく似た環境なら、あるいは、生命にしても、何か高度な文明にしても存在するのかもしれないですが、ケプラー452bと名づけられた、この惑星までの距離は・・・

「 1400光年」

なのです。

 

光の速さで向かっても、1400年かかるのです。

そして、光と電波の早さは基本的に同じだと考えると、仮にこのような惑星からの電波をキャッチしたとしましても、「それは 1400年前のもの」となります。

そして、地球の科学者たちの賢明の努力で、そのシグナルが解析され、相手に送り返すことに成功したとしましょう。

人類初の「異星人とのコンタクト」です!

ところが、その電波が相手に届くのも、また 1400年後なんですね。

もうお互いに「そんなプロジェクトがあったこともわからないほどの年月」が経ってしまっていると思います。

過去記事「別の太陽系の「地球の双子」が NASA により「確定」される」という記事に出てきた、やはり、「地球とよく似た生命が生存できる環境」である可能性のある惑星だと考えられる「ケプラー22b 」という惑星もありますが、こちらも地球から「 620光年」と、もう電波をキャッチして、どうのこうのなるというような距離ではないです。

確かに、最近は「生命の生存に適した惑星」が数々見つかっていますが、どれも電波のような古典物理学的な技術でのコンタクトでは、無理がある距離にある惑星ばかりなのです。

ケプラー22bの想像図
kepler-22b-imageNASA

 

結局・・・ SETI も含めて、今の異星人とのコンタクトの方法は、「途方もない規模の宇宙」というものを相手にしている行動としては、考え方自体が合理的ではないと思わざるを得ないのです。

このあたりを本当に本気で考えるのなら、「パラレル・ユニヴァース(平行宇宙、多次元宇宙)」という概念、あるいは「この世は実際には存在していない」(参考記事:「人間によって観測」されるまでは「この世の現実は存在しない」ことを、オーストラリアの量子学研究チームが実験で確認を徹底的に構築していくより他にはないような気はするのですが・・・。

時間と空間に縛られ続けている限りは、異次元存在との出会いは永遠に来ないような気がします。まあ、来る人には来ているのかもしれないですが、人類全体の問題としては、そのように感じます。

以前、こちらの記事で、アメリカの理論物理学者のミチオ・カクさんが 2006年に書いた

パラレルワールド―11次元の宇宙から超空間へ

という本について少しふれたのですが、その中に、「今の次元の宇宙から、他の事件の宇宙へ脱出する方法」について述べている部分があり、その内容は、あまりにも難しくて、意味はいまだによくわからないですが、本当の異星人とのコンタクトのポイントはこの、量子論だとか平行宇宙の概念だとかと関連しているのではないのかなあと思ったりもします。

時間と空間の概念を排除できない限りは、どんな試みも、異星人との現実的なコンタクトを目指す際には現実的ではない気がします。