全部が今の世界の様相みたいで
昨日、米ゼロヘッジに、「私たちは実際にどのディストピア小説の中に住んでいるのだろうか」というタイトルの記事がありました。
その記事に、図示をしたイラストがあり、そこにあるのは、ほとんどが後に映画化された小説ばかりで、「若い時に見たものばかりだなあ」と懐かしくも思い、そのイラストの英語の部分を日本語にしてみました。
Exactly Which Dystopian Novel Are We Living In?
「ブレイブ・ニュー・ワールド」というのは知りませんが、これは 2020年のアメリカのテレビドラマのようです。
後はほとんど若い時に見ており、この中で最も好きなのは、モンティ・パイソンのテリー・ギリアム監督による『未来世紀ブラジル』で、8割が笑いで埋め尽くされるディストピア映画ですが、何百回見たかわかりません(私は好きな映画は何百回とか見る人なんです)。
上に出てくる映画やその原作となった小説の内容は、おおむね以下の通りです。 Wikipedia などの説明を拝借しています。
図に出てくるディストピア映画あるいは小説
1984年
1949年に刊行したイギリスの作家ジョージ・オーウェルのディストピアSF小説。全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖を描いている。ソイレントグリーン / Soylent Green
1973年のアメリカ映画。人口爆発により資源が枯渇し、格差が拡大した、暗鬱な未来社会で起こる殺人事件とその背景を描いたディストピアSF映画。ブレイブ・ニュー・ワールド / Brave New World
「一夫一婦制、プライバシー、お金、家族、歴史そのものの禁止を通じて平和と安定を達成したユートピア社会を描いている。元の小説の更新では、インドラという名前の人工知能システムがワイヤレスネットワークを介して市民と接続されている。動物農場 / Animal Firm
1945年に刊行されたジョージ・オーウェルの小説。とある農園の動物たちが劣悪な農場主を追い出して理想的な共和国を築こうとするが、指導者の豚が独裁者と化し、恐怖政治へ変貌していく過程を描く。未来世紀ブラジル / Brazil
1985年公開のSF映画。監督はモンティ・パイソンメンバーのテリー・ギリアムで、情報統制がなされた「20世紀のどこかの国」の暗黒社会を舞台としている。ジョージ・オーウェルのディストピア小説が、映画の一つの題材になっている。ガタカ / Gattaca
1997年のアメリカ合衆国のSF映画。近未来、人類は人工授精と遺伝子操作により優れた知能・体力・外見を持った「適正者」と、自然妊娠で生まれた「不適正者」に分けられていた。「適正者」たちは教育課程や社会において「不適正者」よりも優位な存在であり、両者の間には社会レベルでも個人レベルでも大きな隔たりがあった。2300年未来への旅 / Logan's Run
マイケル・アンダーソン監督による1976年のアメリカ合衆国のSF映画。人口爆発を防ぐために30歳を超えた者は殺されてしまう23世紀の世界を描いたディストピア映画である。マトリックス / The Matrix
1999年のアメリカのSFアクション映画。真実を知らず仮想世界マトリックスで人生を送る主人公が、外部からの介入により機械に支配された現実世界の救世主であることを知らされ、自信が持てないまま様々な無理難題の解決を経て成長して行く過程を描く。蠅の王 / Lord of the Flies
1954年出版のウィリアム・ゴールディングの小説。題名の「蠅の王」とは、聖書に登場する悪魔であるベルゼブブを指しており、作品中では蠅が群がる豚の生首を「蠅の王」と形容している。時計じかけのオレンジ / A Clockwork Orange
アンソニー・バージェスが1962年に発表した同名の小説を原作とする1971年公開の映画。暴力やセックスなど、欲望の限りを尽くす荒廃した自由放任と、管理された全体主義社会とのジレンマを描いた、サタイア(風刺)的作品。華氏451 / Fahrenheit 451
フランソワ・トリュフォーの監督による、1966年のイギリスの長編SF映画。徹底した思想管理体制のもと、書物を読むことが禁じられた社会。侍女の物語 / The Handmaid's Tale
1985年の小説。舞台であるギレアデ共和国は、近未来のアメリカにキリスト教原理主義勢力によって誕生した宗教国家である。有色人種、ユダヤ人を迫害し他の宗派も認めない。内戦状態にあり国民は制服の着用を義務づけられ監視され逆らえば即座に処刑、あるいは汚染地帯にある収容所送りが待ちうけている。生活環境汚染、原発事故、遺伝子実験などの影響で出生率が低下し、数少ない健康な女性はただ子供を産むための道具として、支配者層である司令官たちに仕える「侍女」となるように決められている。
この中の 1970年代などの映画は、おおむね、テレビで放映されたものを中学生くらいの時に見たものが多いです。
『ソイレント・グリーン』なんてのは、「十戒」とか「ベン・ハー」とかのチャールトン・ヘストンが主役の大作ディストピアですが、当時土曜の昼などにやっていた「土曜映画劇場」みたいなもので最初に見ました。
アメリカの食糧供給がほぼ枯渇し、人々は、「海のプランクトンから作った合成食品」の配給を受けて生きているという社会ですが、主役の刑事が、
「その合成食品は、人間から作られている」
ことを突き止めるという映画でした。
当時、中学生の時に、友人のコバヤシくんという人と見ていて、結末を知り、
「プランクトンより肉のほうが栄養があるからいいんじゃないの?」
とコバヤシくんに言ったら、「それは解釈が違う」と言われてしまいました。
ラストのほうの台詞に「(食糧として)人間が飼育されるようになる」というものがあるのですが、こういうのと、上にあります映画「2300年未来への旅 」のように、
> 人口爆発を防ぐために30歳を超えた者は殺されてしまう世界
というようなものもあり、微妙な意味で現在の社会への伏線にもなっているような気もしないでもないです。
また、上の中で現在の「遺伝子に関わる状況の世界」をよく現していたのが、面白い映画かどうかはともかくとして、「ガタカ」という映画で、
> 人類は人工授精と遺伝子操作により優れた知能・体力・外見を持った「適正者」と、自然妊娠で生まれた「不適正者」に分けられていた。
というものでした。
知らなかったのですが、このガタカ (Gattaca)というタイトルは、G と Aと Tと Cだけで構成されているのですが、Wikipedia によれば、
> GとAとTとCは、DNAの基本塩基であるグアニン(G)、アデニン(A)、チミン (T)、シトシン (C)の頭文字である。
なんだそうです。
ガタカの冒頭では、旧約聖書『伝道の書 (コヘレトの言葉)』7章13節の、
「神の御業を見よ。神が曲げたものを、誰が直しえようか」
という言葉が刻まれるのだそう(覚えてないですが)。
先ほど、この『伝道の書』を少し読んでいたのですが、この 7章13節の後からがいいですね。
旧約聖書『伝道の書』7章15-20節
この空しい人生の日々に/わたしはすべてを見極めた。善人がその善のゆえに滅びることもあり/悪人がその悪のゆえに長らえることもある。
善人すぎるな、賢すぎるな/どうして滅びてよかろう。
悪事をすごすな、愚かすぎるな/どうして時も来ないのに死んでよかろう。
一つのことをつかむのはよいが/ほかのことからも手を放してはいけない。神を畏れ敬えば/どちらをも成し遂げることができる。
知恵は賢者を力づけて/町にいる十人の権力者よりも強くする。
善のみ行って罪を犯さないような人間は/この地上にはいない。
「そうだよなあ」と思って読んでいましたけれど、
> 善人がその善のゆえに滅びることもあり/悪人がその悪のゆえに長らえることもある。
というのは「今もだよなあ」とも思います。
ワクチン接種キャンペーン以来、善人の方々が率先して従っていく様子を数ヶ月見ていましたけれど、もちろんごく少数であるとはいえ、「その善のゆえに滅びる」ということが現実として起きていることもあります。
あるいは、人体の健康のメカニズムから考えて、「楽しく過ごす悪人のほうが、ストレスの中にいる善人より健康になる」ということも言えそうでもあります。最近の以下の記事でも少し書きました。
笑いという「奇跡の治療法」を取り戻す
投稿日:2021年12月15日
いずれにしましても、先ほどのゼロヘッジの解釈では、今の私たちがいる世界は、
・マトリックス (機械に支配された現実世界)
・ガタカ (遺伝子操作による優生学社会)
・侍女の物語 (低い出生率の中の極限管理社会)
・蠅の王 (隔絶された場所で理性と秩序を失ってゆく)
に最も近いとしているようです。
もともとコロナの前から、国民を管理するためのさまざまな方法は世界各国でおこなわれており、以下は 2018年の過去記事のインドと中国の事例です。
「登録しない者は存在しないも同然」という13億人を管理&監視するインドの国民総生体認証プログラムが稼働。その規模と適用範囲は中国を上回る
投稿日:2018年4月10日
未来世紀チャイナが作り出す中国式デストピア : 人々はシミュレーションゲームのような「変動するポイント制度」による信用システムの中で生きていく
投稿日:2018年4月3日
パンデミックが始まってからのこの 2年弱で、このような「全体を管理する」方式は、ほぼすべての主要国であっという間に進展しました。
あるいは、コロナ後の 2020年10月には以下のような記事も書きました。ワクチン展開前のものです。
究極の監視社会への一歩 : アメリカ国防高等研究計画局が開発した「体内に注射可能で DNA を変化させられるマイクロチップ」が完成。2021年までにコロナワクチンと共に市場に出回る見込み
投稿日:2020年10月12日
同じ頃、国連が、生体認証セキュリティを備えたデジタルIDウォレットを発表しています。
地球は人間動物園へと : 国連が生体認証セキュリティを備えたデジタルIDウォレットを発表。そして東京オリンピック観戦にも接種証明が必要に?
投稿日:2020年11月19日
そういえば、今日の ITmedia ニュースで、人間の皮膚にも装着可能な「ポリ袋と同じ薄さの太陽電池」をスタンフォード大学が発表したとありました。
ポリ袋と同じ薄さの太陽電池、米スタンフォード大が開発 人間の皮膚にも装着可能
米スタンフォード大学の研究チームが開発した「High-specific-power flexible transition metal dichalcogenide solar cells」は、軽量で薄く曲げられる太陽電池だ。これまでのパネル式と比べ、 厚さが6マイクロメートル未満(ポリ袋程度の厚さ)と薄い利点を持つ。それでいて、高いエネルギー変換効率を達成した。
……他の薄膜素材と異なり、有毒な化学物質が含まれておらず、生体適合性にも優れているため、人間の皮膚や組織と直接接触するウェアラブルアプリケーションにも使用できるという。 (itmedia.co.jp)
あらゆる生体装着型テクノロジーに「電力を与えられる」ことになり、ますます応用が進むのかもしれません。
陰謀論だナンダカンダ論と言われていたことが、ひとつずつ現実化していき、そして完成に向かう。
以前、フランス人のエリートであるジャック・アタリ氏という人の『未来の歴史の概要』(2006年)の内容をご紹介したことがありました。
未来の歴史の概要 「ブレインチップ」より
私たちがナノサイエンスから期待できる驚くべき進歩のおかげで、誰もが自分自身の意識を別の体に移したり、愛する人々の意識をコピーしたり、夢の正確な目的を達成する。
それから人は、ついに人工物のように製造され、もはや死を知らなくなるだろう。
産業用オブジェクトと同様に、その人は生まれたことがないため、もう死ぬことはないのだ。
世界中で大規模に「子どもと赤ちゃんたちへのワクチン接種」が実施あるいは予定されています。
ファイザー社は、生後 6ヶ月の赤ちゃんから 5歳までの「 3回のワクチン接種臨床試験」を開始すると発表しました。
ファイザー社が「生後6ヶ月からの赤ちゃん」にブースタショットの臨床試験を開始すると発表。乳幼児のコロナワクチン接種は最初から「3回が基本」になる可能性も
地球の記録 2021年12月19日
来年前半にも結果が出るそうですので、早ければ 2022年前半には「生後 6ヶ月の赤ちゃんなどにも接種が緊急承認される」可能性が出ています。
これまで主要国の人々は、コロナに伴う措置を段階的にすべて許容、受容してきましたので、赤ちゃんへの接種も止めようがない感じになってきています。
ディストピア映画以上の様相を呈する社会が近づいているのかもしれません。
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