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発令された「太陽からの攻撃への準備をせよ」とのアメリカ大統領令 : 太陽活動の弱い中でのこの事案に見る今の時代

   

nasa-2014-1024NASA

2016年10月13日の米国ホワイトハウス・ウェブサイトより

whitehouse-executive-order-1013-2016White House

 

ロシアのアース・クロニクルズという英字メディアを見ていましたら、下のようなタイトルの記事にあたりました。

space-strikesearth-chronicles.com

このタイトル、

「オバマ大統領は宇宙からの攻撃に対して国家準備することを強く主張した」

を見まして、最近、

「宇宙での戦争にルールは存在しない」:6番目に月面を歩いた人類とされる元アポロ宇宙飛行士がヒラリー・クリントン候補側近へ出した警告
 2016/10/13

という記事で、宇宙での戦争が近いのかもしれないというような話を書いたばかりでしたので、「また宇宙戦争の話かよ」と思ったりしましたが、読みますと、この「攻撃」とは、そういう方面の攻撃のことではなく、

「太陽からの攻撃」

という意味なのでした。

今回はこのことについて少し書かせていただこうと思います。
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大統領行政府発表から1年目の大統領令

アメリカ政府というのは、以前から、どうもこの「太陽からの攻撃」というのを、とても懸念している様子がうかがえまして、たとえば、今回は大統領令ですけれど、1年くらい前の 2015年10月29日、アメリカ合衆国の大統領行政府という部署が、

「国家宇宙天気行動計画 (National Space Weather Action Plan)」

というものを発表したことがあります。

「国家宇宙天気行動計画」表紙

nswap-2015ホワイトハウス

 

このアメリカ大統領行政府の発表した行動計画の内容については、

米国ホワイトハウスが巨大なフレアやCMEでの太陽嵐の「地球への直撃」に備えての行動計画を全省庁と国家機関と協調して開始
 2015/11/11

という記事でご紹介したことがありまして、そこに、この発表を記事にした米国の科学メディアの記事を翻訳して載せました。

下はそこからの抜粋です。

The White House is prepping for a huge solar storm that could kick us back into the Dark Ages

サイエンスアラート「ホワイトハウスは、私たちの生活を暗黒時代に戻してしまう可能性を持つ巨大な太陽嵐のための準備を始めた」より

10月29日、ホワイトハウスの国家科学技術委員会は、極端な宇宙天気事象への準備のための戦略的計画を発表した。

太陽活動による極端な宇宙天気事象が発生した場合には、人工衛星、宇宙艇、および、地上の重要な通信システム等が破壊される可能性がある。これらの電気系統の多くはお互いに依存しているために災害時には連鎖した被害を受けやすい。

「これらの重要なインフラは、多様化した複雑な相互依存のシステムから構成されており、ひとつの故障が、雪崩のように他のシステムの故障を誘発させかねない」と、国家科学技術委員会の理事会は報告している。(略)

国家科学技術委員会の報告書では、ホワイトハウスは 24の省庁と機関、および、支局に呼びかけ、次の2年以内に各機関が太陽からの影響に対しての政策の基準に達するための呼びかけをおこなうとしている。

太陽嵐に対しての脆弱性の評価を設定し、行動をおこなう最小基準を確立することと、そして、リスクを理解することは、太陽嵐の被害の後の「応答行動と、復旧計画を強化する」と報告書にはある。

というようなもので、いろいろと内容はありますが、簡単に書きますと、

「アメリカの各政府機関と支局は、太陽嵐(太陽フレア等に伴うあらゆる太陽からの磁場の重大な影響)に見舞われた際の対応策を2年以内に制定してちょうだい」

と。

そして、それから1年が過ぎ、今度は「大統領令」という、おそらく1年前に発表された大統領行政府の発表よりも強いニュアンスを持つリリースとなったようです。

それが冒頭のホワイトハウスのウェブサイトにも掲示された「宇宙天気事象に対しての国家準備」というようなものです。

それで、この大統領令ですが、内容的には1年前に発表された大統領行政府のものと、それほど変わるというようなものでもなさそうで、詳細な記述には差はあっても、つまりは、

「太陽嵐への準備と対策を各局ともに連携してすみやかに行うよう」

というようなもののようで、それが大統領令として、実行に関しての強制力が強くなったということなのかもしれません。

ちなみに、当たり前ですが、「いつ頃そういうことが起きる可能性がある」とか、そういうようなものではないです。

そういう意味では、日本でもアメリカでもあるような「いつ来るかわからない地震に対して万全の備えをしておくように」というような通達とさほど変わらないようにも見えます。

ただ、巨大な太陽嵐に見舞われた場合、その被害は、どれだけ大きな地震と比べても、その比ではないということがあります。

ありえない話で恐縮ですが、マグニチュード 10の地震というような空想的な地震でさえも話にならないほどの大きな、特に経済的に大きな被害を超巨大な太陽嵐はもたらします。

たとえば、さきほどのサイエンスアラートの記事から再び抜粋しますと、「現代社会が、近代史で最も巨大な規模くらいの太陽嵐の直撃を受けた場合、どうなるか」と予測されているかといいますと、

専門家たちは、2008年に、そのような「怪物レベルの太陽放射」が起きた場合のアメリカの被害額は、2兆ドル( 240兆円)を超えると想定した。

とあるほどなのです。

しかも、この 240兆円というのは、「アメリカだけの被害額」です。

どれだけ巨大な地震に襲われたとしても、ここまでの経済的被害が出ることはないわけで、他に比較できる自然災害があるとすれば、

・巨大な彗星や小惑星の地球への衝突

・信じられない規模の洪水

くらいというようなことになるでしょうか。

この「天体の衝突」と「途方もない洪水」のふたつの事象は、ある意味ワンセットにもなり得るもので、「超」巨大な天体(直径数キロメートルなど)の落下場所が海だった場合は、高さ数百メートル等の想像を絶する津波が世界中を襲う可能性があるとは思います(というか、高さ数百メートルもの津波が地球で起きうる可能性のある理由としては他にないと思われます)。

ただ、大洪水というものは、「何もかも」奪い去っていくのに対して、太陽嵐などによる磁気の被害は、

「主に電気と通信だけを奪う」

というものに限られるわけなのですが、主要国の現代社会の生活というのは、このふたつがやられると壊滅するように進化してきてしまったのです。

アメリカ政府が想定している規模の太陽嵐が来た場合は、以下が起きると予測されています。

超巨大な太陽嵐が地球を直撃した際に想定されること

・電力送電網の破壊による完全な停電
・通信(電話、携帯、インターネット)の崩壊
・放送網(テレビ、ラジオ)の崩壊
・飛行機の墜落
・コンピュータに依存するシステム(軍事、銀行、政治、医療、インフラ)の停止
・移動手段(車、電車等)の停止
・物流、食料供給の停止

現代生活においての「何もかもが停止する」と考えていいと思われます。

ただ、過去記事、

EMP カタストロフ: 米国の保守を代表するヘリテージ財団のメンバーが再び電磁パルスの脅威を報告
 2013/02/12

など何度か記したことがありますけれど、超巨大な太陽嵐で地球が受けるダメージは、「核兵器の爆発」によって受けるダメージとほぼ同じで、つまり、たとえば、「広範囲な核戦争」や「 EMP 攻撃」などの場合も、核爆発による直接の被害とは別に、攻撃を受けた地域の広範囲で上に記しました同じような被害が出ると思われます。

太陽が持つ文明破壊のメカニズムと、人類がつくりだした破壊兵器の文明破壊の作用が基本的に同じだというのは皮肉ですが、いずれにしても、

「超巨大な太陽嵐の直撃は現代文明をリセットする」

ということは言えると思います。

そして、アメリカ政府は「対策が必要」として、大統領令まで出しているわけですが、基本的には「すべてをカバーする対策はない」はずです。

太陽嵐や EMP 攻撃があった場合、個人でも、たとえば、自分の携帯やパソコンを磁気嵐から守る方法はありますけれど、自分の携帯やパソコンが生きていても、「インフラが死んでいる」ので、その場合は、それらの危機も何の役にも立たないはずです。

太陽嵐や核攻撃、電磁パルス兵器(EMP)を受けた場合の通信手段の確保につきましては、6年くらい前に記事にしていますので、一応リンクさせていただきます。

太陽フレア等による電磁パルス(EMP)に見舞われた際の通信手段
 2010/12/13

 

 

この数年はわりとギリギリなことも続いてきまして

そんなわけで、アメリカで太陽嵐などの脅威についての大統領令が出されたわけですが、実際に起きた場合、特に、日本を直撃した場合は、一応は文明の滅亡という考え方でよろしいかと思われます。

まあ、今はいろいろとリセットしたほうがいいような局面なのかもしれない面はありますので、そんなに悲劇とは思いませんが。

ちなみに、既存の科学的見地の範囲でいえば、たとえば、 NASA は 2015年に、次の 10年以内にそのような超巨大な太陽嵐の直撃を地球が受ける可能性は「 12%」と試算しています( sciencealert より)。

高いとも低いともどちらも思える数値ですが、結局、「いつ起きるかは基本的には誰にもわからない」という部分はあり、現在のような極端に太陽活動が弱い状況でも、たとえば、ハイダーフレアと呼ばれる種類の太陽フレアは、太陽活動の強弱とは関係なしに起きるとも言われています。

「ハイダーフレア」というのは、黒点から発生するフレアではなく、磁気フィラメントから発生する強力なフレア現象で、何度か記事にしてますが、最近では、

歴史的な巨大黒点群 2192 の示した「行動」は「太陽はまだ地球を守ってくれている」ということなのか、それとも…
 2014/11/03

などがあります。

その 2014年の時には、わりと地球に直撃に使いコースを通過していきました。

2014年11月にハイダーフレアが地球をかすめた時(直撃は回避)の報道
hyder-flare-2016vSpaceweather

また、「2012年 7月に過去 200年で最も強いレベルの太陽フレアが発生して、地球が直撃を受けそうになっていた」ことが、2014年になってわかったりしています。

そのことを伝える2014年3月19日の経済誌フォーブスの記事より

forbes-2014-0319forbes.com

なぜ、経済誌フォーブスがこれを記事にしていたかといいますと、この太陽嵐が地球の、たとえばアメリカなどを直撃していた場合、「経済という言葉そのもの」がこの世から消滅していたかもしれないからだと思います。

このことは、過去記事、

2012年 7月 23日に地球の文明は太陽によって「終末」を迎えていたかもしれなかった
 2014/03/21

という記事にしたりしていますがこう・・・わりと、この数年は「ギリギリの出来事」も多かったということも言えなくもないのでした。

幸いなことに、どれも地球の直撃コースは避けられていました。

そして、この先も、未来永劫、地球に超巨大太陽フレアが直撃することは・・・ない・・・・・わけがない・・・・・とは思います。

これまで巨大な太陽フレアが、地球直撃を避けられてきたのは、「避けられてきたから避けられてきた」と。それがたとえば偶然であるにせよ、そういうものではないにせよ、「避けられてきた理由があったはず」と断言しておきたいと思います。

その制御(何の制御かはうまく説明できないですが)が外れた時、地球は、超巨大太陽フレアの直撃をいつでも受けると思います。

今後それが起きるかどうかはわかりません。

科学の方面からだけでは何もわからないからです。

では、科学ではない方面から見ればわかるのかというと、それもやはり、わからないと思います。

 

2013年から自然に対しての準備を訴え続けているアメリカ

今回の太陽からの攻撃に関して、今になってアメリカで大統領令が出された意味はよくわからないですが、ただ、最近のアメリカは、次々といろいろと出している感じがあり、そのたびに記事にすることもありますが、2013年10月には、「気候変動への準備」に関する大統領令を出しています。

オバマ大統領が「気候変動に対しての大統領令」を合衆国に発令する中、英国の科学者が「太陽活動はこの1万年間で最も急速に低下している」と発言
 2013/11/03

その後、確かに気候はムチャクチャとなり、アメリカも度重なる史上最大級の自然災害に見舞われています。

最近では、2016年8月に、「 9月を国家準備月間とせよ」とする大統領布告を出しています。

準備が始まる2016年9月 : 米国オバマ大統領は国民に「国家準備月間」を大統領布告し…
 2016/09/09

この布告では、自然災害について多く述べられています。

 

陰謀論やオカルトは別として、確かにアメリカはいろいろな意味での「地球の激変」を予測している可能性が高いです。

そのようにとらえれば、アメリカでの大統領令も私たちにとって(心構えの問題として)無意味ではないはずです。

大事なのは個人個人の考え方と「自立性」だと思っています。

自然災害でも戦争でも、国家がどれだけ頼りに「ならない」のかは、この数年の世界で(あえて日本とは書かないですが)イヤというほど見ていて、これで国家に少しでも希望を持っていられるのは楽観的すぎる生き方だとも思え、それは肯定的な生き方ではなく、むしろ自己否定の生き方ともいえるような気がします。

いよいよそういう時代に突入している感じが何となくでもしたりしませんか?