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4月19日にメルマガ私たち現生人類は「鉄の種族」であることから思う生き方を発行させていただきました。

2020年からの世界 人類の未来 資本主義の終焉

「予兆」: 2020年の初頭と同じように、またも世界中の「超富裕層」が、大量の株式の売却を猛スピードで行っていることが判明。今年後半の市場の行方は…

投稿日:


・モスクワ上空に出現した「顔」のようにも見える巨大雲。 instagram.com




 

またもスーパーリッチたちによる急激な株式の売却が

今年 3月に以下のようなタイトルの記事を書かせていただいたことがありました。

どのみち「2020年に世界は壊れる」ことを企業トップたちは予測していた。2020年1月だけで219人の米国のCEOが突然の辞任。2019年にも米国史上最大となる1480人のCEOが辞任していた
投稿日:2020年3月26日

この記事は、 2019年から 2020年の初めの時点で、つまり「企業収益も株式市場も最高潮に達していた」時に、「アメリカで過去最大数の CEO の辞任があった」ことが報じられていたことを取り上げさせていただいたものですが、今年 1月、つまり、まだ新型コロナの影響が、アメリカにはまったく及んでいなかった時でさえ「 1ヶ月で 219人の CEO が辞任していた」のです。

アメリカの大企業の CEO の辞任がこのように集中したことは過去になかったことで、「何があったのか」とアナリストたちも困惑していたのですが、その直後に、「アメリカもまたコロナ禍に包まれた」のでした。

その後のロックダウンにより数千万人の失業者が出る時期の直前に「 CEO たちは市場から逃げ出す」ことに成功していたのでした。

さて、それと共に、2019年後半から 2020年 3月までに同時に起きていたことがあります。

それは、

「世界の超富裕層たちが、大量に株式を売却していた」

ということが、フィナンシャル・タイムズやウォールストリートの報道で判明したのです。

先ほどリンクした記事の、その部分を抜粋します。

2020年3月26の In Deep ブログ記事より

昨年、つまり 2019年の時点で、アメリカの CEO の辞職の数は大幅に増加し続けていました。2019年のアメリカの CEO の辞任の数は、過去最大の 1480人に達しました。

これについては、経済も株式市場もどちらも活況を呈している中では、一般的に CEO が辞任する事例は少ないために、公的には 2019年は「アメリカは、最高の経済と最も高い株式相場を示していた」年であるために、アナリストたちは、あまりにも多くの CEO たちが辞任する理由に注目していました。

さらに、アメリカの最高経営責任者や最高財務責任者(CFO)など企業関係者たちは、

「 2019年に、260億ドル(2兆8000億円)相当の株式を売却していた」

ことが、アメリカのフィナンシャル・タイムズによって報じられました。

要するに、2019年は「株式市場は活況」と喧伝されている中で、CEO などの企業関係者たちは、必死に株式を売りさばいていたことになるのです。

その額は、IT バブルだった 2000年以来の額で、21世紀になってからは、最高額となっていました。

また、ウォールストリートジャーナルは、アマゾンを含むアメリカのトップ企業の CEO と役員たちは、今年 2月初めから 3月中旬までの、つまり「株式市場が完全に壊れる前」までに、

「 92億ドル(約 1兆円)の株式を売却した」

伝えています。

どうやら、アメリカの大企業の最高経営責任者たちは、新型コロナウイルス騒動以前から「備えていた」ようなんですね。 In Deep 2020/03/26)

チャートで示しますと、以下のような推移の中、「株価の暴落の直前」まで、アメリカの企業トップと超富裕層たちによる株式売却がおこなわれていたことが、フィナンシャル・タイムズなどにより報じられていました。


ダウ平均株価

多くの企業トップと超富裕層は、このように暴落を回避することができたようなのですが、一般の投資家たちの多くは 2月から始まった暴落に巻き込まれたと思われます。

ところが、チャートでもおわかりのように、4月頃から急速に株価は回復し、日本でも同じですが、8月頃には暴落前の水準を取り戻す状態となり、それどころか、2019年の高値をはるかに超えるような高値が続いていました。数千万人が失業中のアメリカでも、です。

ここ 2週間ほどで異変が起きていますが、少なくとも 9月までは「株価は上昇し続ける一方」だったのです。

株価が上昇していった理由はいろいろありますが、いずれにしましても、今、また今年 2月以前と同じようなことが起きているのです。

つまり、

「超富裕層たちが猛烈な勢いで株を売却し始めている」

のです。

そのことを米ブルームバーグが報じました。

世界的な株高の中でスーパーリッチたちが大量の株式の売却を進めている
 (Super-Rich Step Up Big Stock Sales After Global Prices Surge

しかも、その金額は前回よりはるかに多い、5兆円近くにのぼっていることがわかったのです。

そして同時に、「ほとんど株式は買われていない」のでした。富裕層はただただ売却し続けているようなのです。

前回は「売りどころを間違わなかったスーパーリッチたち」がまた動き出しているというのは、なかなか不気味な感じで、しかも、前回より速度が激しいようなのです。私自身は投資等はしていないのですが、今年 2月からのあの異常な相場がもたらした混乱を思い出しますと、やや不穏な先行きを感じさせないではないです。

今回は、ブルームバーグの記事をとりあげた米ゼロヘッジの記事をご紹介します。この記事では、富裕層とそれ以外の人たちの株式取引の方法のちがいにも言及しています。

上位 1%程度の富裕層たちは、残りの 99%の投資家たちとは「まるで異なる株式売買」をするのです。

これは歴史的に見ても常にそうだったようです。

ここからです。

 

 


超富裕層たちが何十億ドルもの株式を売却している

The Ultra Wealthy Are Selling Billions Of Dollars In Stock
zerohedge.com 2020/09/18

新型コロナウイルスの影響で暴落した株価は、世界中の中央銀行、そしてアメリカでは連邦準備制度が市場を支え続ける中で、3月に安値から「反発」し、それが続いた。

その中で、世界の超富裕層たちは、大規模な株の売却のチャンスに現在飛び乗っている。

世界の多くの投資家たちは、過去 2週間の市場の株価の変動の中で株の売りを促されてきたが、これはおそらく、これまでV字で回復を続けていた株式上昇の「終了の合図」となっている可能性があり、また、これが世界の超富裕層に急速な潤いをもたらした可能性がある。

ブルームバーグによれば、ドイツの億万長者ヘインズ・ハーマン・ティーレ (Heinz Hermann Thiele)氏は、約 12億ドル (1200億円)の株式を売却したことで注目された。

オランダ・アディエン社の共同創設者であるピーター・バン・デル・ドーズ (Pieter van der Does)氏とアーノウト・シュイッフ(Arnout Schuijff)氏は、社の幹部と共に 821億ドル( 8兆2000億円)の株式を売却したこともブルームバーグは伝えている。

マレーシアのゴム製品の製造販売企業のコッサン・ラバー・インダストリー社の創設者リム・クアン・シア(Lim Kuang Sia)氏も、8月に 3000万ドル (30億円)以上の株式を売却した。

同じマレーシアのヘルスケア企業リバーストーン・ホールディングスのリー・ワイ・コーン (Lee Wai Keong)氏も、9月の頭に 4500万ドル (45億円)の株式を売却した。

アメリカのファッション小売業者エル・ブランズ社のレスリー・ウェクスナー (Leslie Wexner)氏は、8月に、8900万ドル(90億円)の株式の売却を行った

ブルームバーグは、9月11日までの 1週間に、インサイダーたちが売却した株式の額は 473億ドル ( 4兆8000億円)に達したと報じた。しかし、購入された株式の額は、たった 950万ドル(約 10億円)だけだったと報じている。

世界の超富裕層の多くが、その資産の大部分を自らの会社の株式として保有している。

たとえば、アマゾンのジェフ・ベゾス氏は、ベソス氏の総資産である 1,860億ドル(19兆円)のうちの 1,720億ドル(約18兆円)をアマゾンの株式で保有する。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏は、その 1,103億ドル(11兆円)の純資産のほとんどすべてがフェイスブック株によるものだ。

これらの富裕層による急激な株式の売却について、英投資会社コネクション・キャピタルの最高経営責任者であるクレア・マッデン (Claire Madden)氏は、次のように述べている。

「ここまで多くの人が、突然、大量に急速な行動に出た経験したのは、これが初めてです。(株式相場について)私たちは再考する必要があるのかもしれません」

今年 2月、私たちゼロヘッジは、全体の 1%の富裕層になるという夢を抱いて「ロビンフッド」(投資アプリ)で少額投資を繰り返している、ミレニアル世代(2000年に成人をむかえたあたりの世代)についての記事を書いたことがある。

この 3月から、彼らの小さなマネーが株式に無警戒につぎ込まれた。彼らの多くには、株式に対しての知識が恐ろしいほどない。しかし、株式市場に群衆として参加し、そこに「強気相場」が生まれていった。

次のグラフは、景気後退に陥ったときの「上位 1%の富裕層の株式の売買」を示している(濃いブルーが富裕層の売却の金額。薄いブルーは株式指数の推移)。上位 1%の富裕層は、「景気後退に陥った際に売却する」ことを確実におこなっていることがおわかりになると思う。また、このグラフでは、トップ 1%の富裕層の売却が最近になって急増していることもわかる。

 

しかし、下位 90%は上位 1%の富裕層とは正反対の取り引きをする。

景気後退が始まると同時に大量に株を購入し、それが市場の均衡を崩し、株式売買に不慣れな少額投資家たちの大多数は最悪のタイミングで購入し、そして最悪のタイミングで売却する。

以下のゴールドマンのチャートでは、景気後退が始まると同時に、下位 90%が購入する株式のシェアが急上昇していることがわかる。

簡単にいえば、富裕層たちは、市場が暴落する直前に所有している株式を売却し、そして、90%の人々がその株を購入しているということになる。

もっといえば、「貧しい者から富める者への富の配分」がおこなわれている。

 


 

ここまでです。

ここに出てきます「ロビンフッド」というのは、アメリカで人気のスマートフォン株式売買アプリで、少額から投資できることもあり、若い人たちを中心にそのような投資家が増え続けていまして、今では、このアプリで株式売買をする人たちが 3900万人以上いると日経は報じています。

ハイレバレッジ取引という信用制度によって、少ない金額である程度大きな取引ができるのですが、このような取り引きはギャンブル的な性質も大きくなり、リスクが高いのは当然のこととなります。

先ほどの記事にもありましたが、こういう人たちは市場に対しての基本的な知識がないような人たちも多く、「もし今後、株式が暴落したら、この人たちはどうなるのか」という不安は各所で言われています。信用制度を利用した取り引きでの暴落では、「損失がゼロになるのではなく、マイナスになってしまう」ことが多いのです。

そんな中、現在このように作り上げられた株式の高値の中、上位 1%の富裕層たちは、とても早いペースで「市場から逃げ出して」います。

前回、彼ら富裕層が急ピッチで株式の売却を行っていたのは今年 2月頃までで、その後に、コロナショックでの大きな暴落が訪れました。

今もまた世界各国の富裕層たちが株式から大急ぎで逃げているのですが、また今年前半のようなことになってしまうのかどうか。

 

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Oka In Deep

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